コンテナの種類と素材別の選び方ガイド
2026年2月6日

ガーデニングコンテナの素材別特徴を徹底解説。プラスチック、陶器、テラコッタ、金属、ガラス、ファイバーグラスの長所短所、排水性、耐久性を比較し、植物や環境に最適な鉢選びをサポートします。初心者から上級者まで役立つ実践的な選び方ガイドです。
コンテナの種類と素材別の選び方ガイド
ガーデニングを始める際、植物選びと同じくらい重要なのがコンテナ選びです。プラスチック、陶器、テラコッタ、金属、ガラス、ファイバーグラスなど、様々な素材のコンテナが市場に出回っていますが、それぞれに独自の特性とメリット・デメリットがあります。この記事では、各素材の特徴を詳しく解説し、あなたの栽培環境や植物に最適なコンテナを見つけるお手伝いをします。
コンテナガーデン全般については、寄せ植え・コンテナガーデンの完全ガイドをご覧ください。また、ガーデニング入門・基礎知識の完全ガイドでは初心者向けの基本情報を網羅しています。
参考情報として、LIXILのコンテナガーデン作り方ガイド、グリーンワークスの鉢の種類と特徴、サカタのタネのコンテナ栽培講座などの専門サイトも参考になります。
プラスチック製コンテナの特徴
プラスチック製コンテナは、ガーデニング初心者から上級者まで幅広く利用されている最も一般的な素材です。メラミン素材を使用したプラスチック容器は丈夫で耐熱性に優れ、色つけや成形が自由にできるため、デザインのバリエーションが豊富です。

プラスチックのメリット
- 軽量で移動や取り扱いが容易
- 価格が手頃で初期投資が少ない
- 落としても割れにくく耐久性がある
- カラーバリエーションが豊富
- 保水性が高く水やり頻度を減らせる
プラスチックのデメリット
- 油を吸着しやすくヌルヌルすることがある
- 紫外線で劣化し色褪せや脆化が起こる
- 高温環境では変形する可能性がある
- 通気性が低く根腐れのリスクがある
- 見た目が安っぽく見える場合がある
プラスチック製コンテナは特にベランダ・小スペースガーデニングでの使用に適しており、頻繁な移動が必要な場合に最適です。
陶器・磁器製コンテナの特徴
陶器と磁器は、どちらも土や陶石を原料とした伝統的な素材です。陶器はぽってりとした柔らかい質感が特徴で、表面が凸凹していたり厚みがあります。指ではじくと鈍い音がするのも陶器の特徴です。
陶器のメリット
- 重量があり風で倒れにくい
- 吸水性があり根の通気性が良い
- 熱伝導率が低く温度変化が緩やか
- 和風・洋風どちらの庭にも調和する
- 経年変化で味わいが増す
陶器のデメリット
- 色やにおいがつきやすい
- 重量があり移動が困難
- 衝撃に弱く割れやすい
- 吸水性があるため苔や藻が生えやすい
- 価格が比較的高い
釉薬をかけた陶磁器製のコンテナは非常に耐久性が高く、直射日光や寒冷な気候にも耐えることができます。日本庭園と和の庭づくりでは、陶器製コンテナを使った美しい演出方法を紹介しています。
テラコッタ(素焼き)製コンテナの特徴
テラコッタは粘土を低温で焼いた素焼きの陶器で、オレンジ色や赤褐色の自然な風合いが魅力です。地中海地域で古くから使われてきた伝統的な園芸用コンテナです。

| 特性 | 評価 | 備考 |
|---|---|---|
| 通気性 | ★★★★★ | 多孔質構造で根の呼吸を促進 |
| 排水性 | ★★★★★ | 余分な水分を自然に蒸発 |
| 保温性 | ★★☆☆☆ | 寒冷地では凍結で割れるリスク |
| 耐久性 | ★★★☆☆ | 衝撃に弱く落とすと割れる |
| 重量 | ★★★☆☆ | 中程度の重さ |
| 価格 | ★★★★☆ | 比較的リーズナブル |
テラコッタのメリット
- 優れた通気性と排水性で根腐れを防ぐ
- 自然な風合いが植物を引き立てる
- 蒸発冷却効果で夏場の根温上昇を抑える
- 環境に優しい天然素材
- 経年変化で独特の味わいが出る
テラコッタのデメリット
- 寒冷地で凍結により割れやすい
- 多孔質のため乾燥しやすく頻繁な水やりが必要
- 塩分が表面に析出し白い跡が残る
- 重量があり移動が不便
- 経年劣化で表面がボロボロになる
テラコッタは特にハーブガーデンの作り方と活用や多肉植物・サボテンの育て方に適しています。
ガラス製コンテナの特徴
ガラスは珪酸を主成分とした無機物を高温で溶かし、結晶ができないように固めた素材です。均一な性質となめらかな表面を持ち、長期間変質しない優秀な素材として知られています。
ガラスのメリット
- 透明性が高く土や根の状態を観察できる
- 長期間変質せず衛生的
- 涼しげなイメージで夏の演出に最適
- 耐水性・耐酸性に優れる
- インテリアとしても美しい
ガラスのデメリット
- 排水穴を開けられないため水耕栽培向き
- 直射日光で根が高温になりやすい
- 衝撃に非常に弱く割れやすい
- 重量があり取り扱いに注意が必要
- 価格が高い場合が多い
ガラス製コンテナは観葉植物・インドアグリーンの育て方での使用に適しており、室内での水耕栽培やテラリウムに最適です。
金属製コンテナの特徴
金属製コンテナには、ステンレス、アルミニウム、ブリキ、亜鉛メッキなど様々な種類があります。金属製コンテナは非常に強く耐久性がありますが、素材によって特性が大きく異なります。
金属のメリット
- 極めて高い強度と耐久性
- モダンでスタイリッシュな外観
- 軽量(アルミニウムの場合)
- 火に強く安全性が高い
- リサイクル可能で環境に優しい
金属のデメリット
- 屋外では錆びる可能性がある(特に鉄製)
- 非多孔質で排水穴を開ける必要がある
- 熱伝導率が高く根が高温になりやすい
- 冬季は極度に冷たくなる
- 経年で塗装が剥がれることがある
金属製コンテナは造園・ガーデンデザインの基本でモダンな雰囲気を演出する際に効果的です。
ファイバーグラス製コンテナの特徴
ファイバーグラス(グラスファイバー)は、ガラス繊維と樹脂を組み合わせた複合材料です。近年、プロのランドスケープデザイナーや高級施設で人気が高まっている素材です。
ファイバーグラスのメリット
- 非常に強く柔軟性がある
- 軽量で大型コンテナでも移動可能
- 屋内外どちらでも使用できる
- 紫外線や温度変化に強い
- 本物の石や陶器に見える高級感のある仕上げが可能
- 頻繁な清掃や移動に耐える
ファイバーグラスのデメリット
- 価格が高い
- 選択肢が限られる場合がある
- 経年で表面仕上げが劣化することがある
ファイバーグラスは、頻繁に配置換えをしたい庭木・シンボルツリーの選び方での大型コンテナ使用に最適です。
素材別コンテナの総合比較表
各素材の特性を一目で比較できるように、主要な評価項目をまとめました。
| 素材 | 重量 | 耐久性 | 通気性 | 保水性 | 耐寒性 | 価格 | 移動性 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| プラスチック | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ | ベランダ、初心者 |
| 陶器・磁器 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | 和風庭園、装飾 |
| テラコッタ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ハーブ、多肉植物 |
| ガラス | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 水耕栽培、室内 |
| 金属 | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | モダン庭園 |
| ファイバーグラス | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | 大型植物、プロ用 |
この表を参考に、栽培環境と植物の特性に合わせて最適な素材を選びましょう。より詳細な植物別の選び方は、アイオワ州立大学の品質コンテナ選択ガイドやJay Scottsのプランター素材ガイドでも解説されています。
素材別の選び方の基準
コンテナの素材を選ぶ際には、以下の要素を考慮することが重要です。

栽培環境による選び方
- 屋内栽培:ガラス、陶器、プラスチックが適しています
- 屋外栽培(温暖地):すべての素材が使用可能
- 屋外栽培(寒冷地):プラスチック、金属、ファイバーグラスがおすすめ
- ベランダ:軽量なプラスチックやアルミニウムが最適
- 庭や地面:重量のある陶器やテラコッタが安定
植物の特性による選び方
- 乾燥を好む植物(多肉植物、サボテン):通気性の良いテラコッタ
- 湿気を好む植物(熱帯植物):保水性の高いプラスチックや釉薬陶器
- 大型植物(果樹、大型観葉植物):軽量で丈夫なファイバーグラス
- ハーブ類:通気性の良いテラコッタや陶器
土づくり・堆肥・肥料の基礎知識と組み合わせることで、より効果的な栽培環境を作ることができます。
メンテナンス性による選び方
頻繁に移動や配置換えをしたい場合は、軽量なプラスチックやファイバーグラスが適しています。一方、長期間同じ場所に設置する場合は、重量があり安定した陶器やテラコッタがおすすめです。
コンテナの排水性について
コンテナ選びで最も重要な要素の一つが排水性です。排水穴のある鉢が植物栽培に適しています。興味深いことに、鉢の底に砂利や石を敷くのは誤解で、実際には排水性を改善しないという研究結果が出ています。
重要なのは、底部に適切なサイズの排水穴があることと、適切な培養土を使用することです。排水穴がない容器を使用する場合は、自分でドリルで穴を開けるか、水耕栽培用として使用することをおすすめします。
水やり・灌漑システムの完全ガイドでは、適切な水やりの方法について詳しく解説しています。
コンテナガーデンのメリットとデメリット
コンテナガーデンのメリット
- 場所を選ばない:ベランダ、バルコニー、屋上、テラス、エントランス周り、階段、庭先など、どこでも栽培可能
- 移動が容易:鉢ごと移動できるため、気分に合わせて配置変えを楽しめる
- 土壌病害の回避:地面の土とは隔離されているため、清潔な培養土を使用できる
- 季節ごとの植え替え:花の観賞時期が終わったら新しい季節の植物に簡単に交換できる
- 管理のしやすさ:各植物に最適な土や肥料を個別に調整できる

コンテナガーデンのデメリット
- 乾燥しやすい:小さいコンテナほど乾燥しやすく周囲の気温の影響を受けやすい
- 根詰まりのリスク:根を張る力が旺盛な植物の場合、すぐに根詰まりを起こす
- 頻繁な水やり:鉢が乾燥しやすく、こまめに水やりをする必要がある
- 定期的な植え替え:成長に合わせて大きな鉢へと植え替えを行う必要がある
- 管理の複雑さ:コンテナの数が増えると管理が煩雑になる
季節の園芸カレンダーを参考に、季節ごとの植え替えスケジュールを立てることをおすすめします。
まとめ:最適なコンテナを選ぶために
コンテナの素材選びは、植物の健康と栽培の成功に直接影響します。プラスチックは経済的で実用的、陶器やテラコッタは通気性に優れ植物の健康に良い、金属やファイバーグラスは耐久性とデザイン性に優れています。
ガーデニングの目的、栽培環境、植物の種類、予算、メンテナンスにかけられる時間などを総合的に考慮して、最適なコンテナを選びましょう。複数の素材を組み合わせて使用することで、機能性とデザイン性の両方を満たすガーデンを作ることができます。
ガーデニングツール・資材の完全ガイドでは、コンテナ以外の必要な資材についても詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。





