保温資材と防寒グッズの種類と使い方
2026年2月6日

園芸用保温資材の種類と効果的な使い方を解説。不織布、ビニールフィルム、プチプチシート、発泡スチロールなど各資材の特徴、選び方、使用時の注意点を詳しく紹介。植物の種類別の適切な防寒対策で健全な冬越しを実現しましょう。
保温資材と防寒グッズの種類と使い方
冬の園芸では、植物を霜や寒さから守るために適切な保温資材と防寒グッズの使用が欠かせません。気温が下がる時期には、資材の特性を理解し、植物の種類や栽培環境に合わせて適切に選択することが、健全な冬越しの鍵となります。本記事では、主要な保温資材の種類とその効果的な使い方、選び方のポイントを詳しく解説します。
寒さ対策は季節の園芸カレンダーに沿って計画的に行うことで、より効果的になります。また、家庭菜園や観葉植物の育て方においても、冬季の保温対策は重要な管理ポイントです。
主要な保温資材の種類と特徴
園芸用の保温資材には様々な種類があり、それぞれに特性と適した用途があります。ここでは代表的な資材について、その特徴と効果を詳しく見ていきましょう。

不織布(ふしょくふ)
不織布は保温効果や霜よけ効果があり、透光性も高いため冬季の葉菜や根菜栽培に最適です。軽量級の不織布(25-30 gsm)は-3℃まで保護でき、重量級フリースは約2℃の霜保護効果があることが研究で示されています。
主な特徴は以下の通りです:
- 高い透光性により日光を通し、光合成を妨げない
- 軽量で扱いやすく、植物に直接かけても負担が少ない
- 通気性があり、蒸れを防ぎやすい
- ベタかけ、トンネルがけなど多様な使い方が可能
ただし軽量であるため、風で飛ばされやすいという欠点があります。使用する際は、マルチ押さえや土などで地面にしっかり固定することが重要です。ガーデニングツール・資材の選び方も併せて参考にしてください。
ビニールフィルム・ポリエチレンフィルム
ビニールフィルムは透明で日光を取り込みやすく、保温効果が高い資材です。厳冬期には、ビニールフィルムの上から不織布を重ねると防寒効果がさらに高まります。
特徴:
- 高い保温性と防風効果
- 透明性が高く、光を十分に通す
- 雨や雪から植物を保護
- 耐久性があり、繰り返し使用可能
使用時の注意点として、完全に密閉すると内部が蒸れてしまうため、上部や側面に通気口を設けることが必要です。日中の暖かい時間にはカバーを外して換気を行うことで蒸れを防ぐことが重要です。
プチプチシート(気泡緩衝材)
プチプチシートは断熱性が高く、特に鉢植えの保温に効果的です。手軽に入手でき、加工もしやすいため、家庭園芸で広く利用されています。
メリット:
- 優れた断熱性で温度変化を緩和
- 軽量で取り扱いやすい
- コストパフォーマンスが良い
- 鉢の周囲に巻くだけで簡単に使用できる
寄せ植え・コンテナガーデンの冬越しでは、プチプチシートを鉢の周囲に巻くことで根の凍結を防ぐことができます。
発泡スチロール
発泡スチロールは熱をほとんど通さず、保温性・保湿性に優れています。鉢植えの保温や、簡易温室の材料として活用できます。
特性:
- 極めて高い断熱性
- 軽量で加工が容易
- 保温と保湿の両方に効果的
- 温度管理がしやすい
発泡スチロール箱を利用すれば、手軽に簡易温室を作ることができます。内部に植物を入れ、日中は蓋を開けて光を取り込み、夜間は閉めて保温するという使い方が効果的です。
寒冷紗(かんれいしゃ)
寒冷紗は霜よけとして使用でき、エンドウやソラマメなど寒さに強い果菜に適しています。遮光資材としても知られていますが、冬季は防寒資材として活用できます。
特徴:
- 適度な遮光と保温のバランス
- 通気性が良く蒸れにくい
- 軽量で取り扱いやすい
- 霜の直接的な被害を防ぐ
果樹栽培においても、若木の冬季保護に寒冷紗が効果的に使われています。
保温資材の効果的な使い方
保温資材を最大限に活用するためには、正しい使用方法を理解することが重要です。ここでは、代表的な使用方法とそのポイントを解説します。

ベタかけ(直接かけ)
ベタかけは霜よけや保温・保水効果のほか、防風効果もあります。不織布などの軽量な資材を植物に直接かぶせる方法で、最もシンプルで効果的な保温方法の一つです。
実施のポイント:
- 資材は地面に届くように十分な大きさを用意
- 風で飛ばされないよう、すそを土やマルチ押さえで固定
- 植物の成長に合わせて資材を調整
- 晴天の日中は適度に換気を行う
レタス、コマツナ、ホウレンソウなどの寒さに強い葉菜は不織布や穴あきの保温シートをベタかけすることで、霜害を防ぎながら生育を促進できます。
トンネルがけ
支柱やアーチを使って資材を浮かせてかける方法です。植物との間に空間ができるため、より強力な保温効果が得られます。
設置方法:
- 畝の両側に支柱を一定間隔で差し込む
- 支柱の頂部を曲げてアーチ状にする
- アーチに資材をかぶせる
- 資材のすそ部分を土で埋めると保温効果が高まるが、蒸れ防止のため通気口が必要
トンネルがけは、水やり・灌漑システムと組み合わせることで、冬季でも効率的な栽培が可能になります。
二重被覆(重ね使い)
厳しい寒さが予想される場合は、異なる資材を重ねることで保温効果を高めることができます。ビニールで外部の冷気を遮りつつ、不織布で通気性を確保することで、保温と湿度管理のバランスが取れます。
組み合わせ例:
この方法は特に、寒さに弱い観葉植物や多肉植物の冬越しに効果的です。
鉢植えの保温対策
鉢植え植物は地植えよりも寒さの影響を受けやすいため、特別な保温対策が必要です。
効果的な方法:
- 鉢の周囲をプチプチシートや古布で巻く
- 複数の鉢を寄せて段ボールや発泡スチロール箱で囲む
- 鉢の下に断熱材を敷き、地面からの冷気を遮断
- 南向きの日当たりの良い場所に移動
ベランダ・小スペースガーデニングでは、これらの工夫が特に重要になります。
保温資材の選び方ガイド
適切な保温資材を選ぶためには、栽培する植物の特性、気候条件、栽培形態などを考慮する必要があります。

植物の種類別選び方
| 植物の種類 | 耐寒性 | 推奨資材 | 使用方法 |
|---|---|---|---|
| 葉菜類(レタス、ホウレンソウ) | 強い | 不織布、穴あき保温シート | ベタかけ、トンネルがけ |
| 果菜類(エンドウ、ソラマメ) | 中程度 | 寒冷紗、不織布 | 霜よけ、トンネルがけ |
| 観葉植物 | 弱い | ビニール+不織布の二重被覆 | 鉢ごと囲む、室内への移動 |
| 多肉植物・サボテン | 中〜弱 | プチプチシート、発泡スチロール | 鉢の保温、簡易温室 |
| 庭木・果樹 | 強い | 寒冷紗、古布、わら | 幹巻き、根元マルチング |
気温と資材の保温性能
栽培する作物や気温などにあわせて、使用する資材を選びます。
気温帯別の資材選択:
- -3℃まで:軽量級不織布(25-30 gsm)で対応可能
- -5℃まで:重量級不織布、または不織布の二重がけ
- -8℃まで:ビニールフィルム+不織布の二重被覆
- -10℃以下:厳重な二重被覆+マルチング、または室内への移動
土づくり・堆肥・肥料の段階で土壌の保温性を高めておくことも、冬越しの成功率を上げる重要な要素です。
コストパフォーマンスの考慮
保温資材の選択では、コストと効果のバランスも重要です。
コスト別の選択肢:
- 低コスト:古布、新聞紙、段ボール(短期使用向け)
- 中コスト:不織布、プチプチシート(バランス型)
- 高コスト:専用ビニールフィルム、保温マット(長期・本格使用)
100円ショップで購入できる保温フィルムやプチプチシートも、家庭菜園レベルでは十分な効果があります。参照:冬越し保温フィルム100均の活用術
保温資材使用時の注意点
保温資材を使用する際には、いくつかの重要な注意点があります。これらを守らないと、かえって植物にダメージを与えてしまうこともあります。

通気性の確保
完全に密閉すると蒸れる可能性があるため、上部や側面に隙間を作って通気口を設けます。植物は生き物ですので呼吸が必要です。隙間風を気にするあまり空気が通り抜けなくなってしまうと枯れる原因となってしまいますので気をつけましょう。
通気管理のポイント:
- 晴天の日中は資材の一部を開けて換気
- 夜間や寒い日は閉じて保温
- トンネルがけの場合、両端に通気口を確保
- 結露が多い場合は換気不足のサイン
固定の重要性
不織布やプチプチシートは軽いため、風が強い場所ではしっかり固定しないと飛ばされる可能性があります。
固定方法:
- マルチ押さえやUピンを使用
- 資材のすそを土で埋める
- 重りを置く(ただし植物を傷つけないよう注意)
- 支柱と紐で固定する
強風対策は造園・ガーデンデザインの視点からも重要な要素です。
日中の温度管理
冬でも晴天の日中は温室内やトンネル内の温度が上昇しすぎることがあります。高温多湿の環境は病害虫の発生リスクを高めます。
温度管理のコツ:
- 晴天時は朝のうちに資材を開ける
- 温度計を設置して内部温度を監視
- 夕方は気温が下がる前に資材を閉じる
- 曇天や雨天時は閉じたままでも問題ない場合が多い
資材の劣化管理
保温資材は使用を続けると劣化します。破れや穴があると保温効果が大きく低下するため、定期的な点検が必要です。
点検項目:
- 破れや穴の有無
- 透明度の低下(ビニールの場合)
- 固定具の緩み
- カビや汚れの付着
劣化した資材は早めに交換することで、効果的な保温を維持できます。
手作り防寒グッズの活用
市販の保温資材以外にも、身近な材料で効果的な防寒グッズを作ることができます。
ペットボトルミニ温室
500mlや2Lのペットボトルを切って、苗や小型の鉢にかぶせるだけで簡単なミニ温室になります。上部に小さな穴を開けることで通気性も確保できます。
古布・毛布の活用
古布や毛布は柔らかく、植物を傷つけずに保温できます。特に庭木・シンボルツリーの幹巻きに効果的です。
新聞紙・段ボール
新聞紙を何重にも重ねて鉢の周囲に巻いたり、段ボール箱で植物を囲むことで、短期的な防寒対策になります。ただし、水に弱いため雨天時は注意が必要です。
わら・落ち葉マルチング
地表をわらや落ち葉で覆うマルチングは、地温の低下を防ぎ、霜の影響を軽減します。日本庭園でも伝統的に使われてきた方法です。
参照:
まとめ
保温資材と防寒グッズは、冬の園芸を成功させるために欠かせないアイテムです。不織布、ビニールフィルム、プチプチシート、発泡スチロール、寒冷紗など、それぞれの資材には特有の特性があり、植物の種類や栽培環境に応じて適切に選択することが重要です。
資材の効果を最大限に引き出すためには、正しい使用方法を守ることが不可欠です。通気性の確保、適切な固定、日中の温度管理、資材の劣化チェックなど、基本的な注意点を押さえることで、植物を寒害から守り、健全な冬越しを実現できます。
市販の資材だけでなく、身近な材料を活用した手作りの防寒グッズも効果的です。コストと効果のバランスを考えながら、自分の栽培スタイルに合った保温対策を見つけてください。適切な保温資材の使用により、冬の厳しい環境でも植物は元気に春を迎えることができるでしょう。
参考リンク:





