雨水利用とレインバレルの設置方法
2026年2月6日

レインバレル(雨水タンク)の設置方法を徹底解説。年間5,000〜20,000円の節水効果、環境保護への貢献、災害時の備えなど、メリットと実践的なアドバイスをご紹介。自治体の補助金制度の活用方法も詳しく解説します。
雨水利用とレインバレルの設置方法
気候変動や水資源の重要性が高まる中、家庭での雨水利用が注目を集めています。レインバレル(雨水タンク)を活用することで、節水と環境保護を両立しながら、災害時の備えにもなります。本記事では、雨水利用の基本から設置方法、メリット、実践的なアドバイスまで徹底解説します。
雨水利用とレインバレルとは
雨水利用とは、屋根や屋上から流れる雨水をタンクに貯めて、ガーデニングや洗車、トイレの洗浄水などの生活用水として活用する仕組みです。レインバレルは、この雨水を貯めるための専用タンクのことを指します。
環境保護庁(EPA)のデータによれば、一般家庭でレインバレルを設置すると年間最大1,300ガロン(約4,920リットル)の水道水を節約できます。これは年間5,000円から20,000円程度の水道料金削減につながり、経済的メリットも大きいと言えます。
さらに、雨水は化学物質や塩分を含まないため、植物にとって理想的な水源となります。水やり・灌漑システムの一環として雨水を利用することで、植物の健康的な成長を促進できます。
また、自然な景観では雨水の約50%が地面に浸透しますが、開発された都市部では15%程度しか浸透せず、残りの雨水が下水道に流れ込みます。レインバレルを設置することで、この流出を抑制し、都市型洪水のリスクを軽減する効果も期待できます。
レインバレルのメリット
レインバレルの導入には、以下のような多様なメリットがあります。

節水と経済的メリット
家庭用レインバレルを設置することで、年間5,000円から20,000円程度の節水効果が期待できます。特に夏場のガーデニングツール・資材を活用した水やりや洗車に雨水を使うことで、水道料金を大幅に削減できます。
100Lのレインバレルがあれば、5Lのジョウロで約20回分の水やりが可能です。200Lのタンクなら、さらに多くの水を確保でき、家庭菜園・野菜づくりや広い庭の管理にも対応できます。
環境保護への貢献
雨水を利用することで、水道水の生産・処理に必要なエネルギーを削減し、CO2排出量の削減にも貢献できます。また、雨水の流出を抑えることで、都市部の下水道システムへの負担を軽減し、河川や湖への汚染物質の流入を防ぐ効果もあります。
流出する雨水には農薬、化学肥料、動物の糞などの汚染物質が含まれており、これらが自然の水域に流れ込むことで水質汚染を引き起こします。レインバレルで雨水を貯めることで、この汚染を防ぐことができます。
災害時の備え
地震や台風などの災害により断水が発生した場合、レインバレルに貯めた雨水を緊急時の生活用水として活用できます。飲用には適しませんが、トイレの洗浄や洗濯、掃除などに利用可能です。
植物の健康促進
雨水は天然の蒸留水に近い性質を持ち、水道水に含まれる塩素やカルキがありません。このため、観葉植物・インドアグリーンやハーブガーデンの植物にとって理想的な水源となります。
レインバレルの選び方
レインバレルを選ぶ際は、以下のポイントを押さえましょう。

容量の選択
レインバレルの容量は、使用目的によって決定します。
| 容量 | 適した用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| 50〜100L | ベランダ・小スペースガーデニング、プランターの水やり | コンパクトで設置場所を選ばない |
| 100〜200L | 一般的な家庭菜園、洗車 | 家庭用として最も一般的なサイズ |
| 200〜500L | 大規模な庭、果樹栽培 | 長期間の水の確保が可能 |
100Lのタンクであれば約20回分のジョウロでの水やりが可能で、多くの家庭にとって十分な容量です。
材質の選択
レインバレルは主にプラスチック製と木製があります。プラスチック製は軽量で耐久性に優れ、価格も手頃です。木製は見た目が美しく、造園・ガーデンデザインにこだわる方におすすめです。
また、紫外線に強い材質を選ぶことで、藻の発生を抑制し、水質を保つことができます。
設置場所の検討
雨どいの近くで、水平で安定した場所を選びます。タンクが満水になると重量が増すため、地面がしっかりしていることを確認しましょう。また、蛇口やホースを接続しやすい高さも重要です。
レインバレルの設置方法
レインバレルの設置は、適切な手順を踏めば誰でも可能です。以下のステップに従って設置しましょう。

必要な道具と材料
- レインバレル本体
- 取水装置(雨どいに取り付けるダイバーター)
- のこぎり(雨どいを切断する場合)
- 台座用のブロックまたは木材
- ホース(必要に応じて)
設置手順
ステップ1:設置場所の準備
レインバレルを設置する場所を決め、地面を水平にします。コンクリートブロックや木製の台座を使って、タンクを地面から10〜30cm程度浮かせることで、蛇口からバケツやジョウロに水を汲みやすくなります。
ステップ2:雨どいの切断
レインバレルの上部よりも高い位置で雨どいを切断します。切断箇所は、取水装置の高さに合わせて正確に測定しましょう。
ステップ3:取水装置の取り付け
切断した雨どいに取水装置(ダイバーター)を取り付けます。この装置により、雨水がタンクに自動的に流れ込みます。タンクが満水になると、余分な水は雨どいを通じて通常通り排水されます。
ステップ4:レインバレルの接続
取水装置とレインバレルをホースまたはパイプで接続します。接続部分からの水漏れを防ぐため、しっかりと固定しましょう。
ステップ5:オーバーフロー対策
タンクが満水になった際に水が溢れ出る場所を確保します。多くのレインバレルにはオーバーフロー用の出口が付いているため、この出口から家の基礎部分から離れた場所に水が流れるようにします。
ステップ6:蚊の侵入防止
タンクの開口部には必ずメッシュやスクリーンを取り付け、蚊や虫の侵入を防ぎます。これは衛生面で非常に重要です。
設置後の確認事項
- タンクが水平に設置されているか
- 雨どいとの接続部分から水漏れがないか
- オーバーフロー時の排水先が適切か
- 蚊の侵入防止対策がされているか
詳しい土づくり・堆肥・肥料の知識とあわせて雨水を有効活用することで、持続可能なガーデニングが実現できます。
レインバレルの活用方法
貯めた雨水は、様々な用途に活用できます。
ガーデニングと農業
雨水は塩素やカルキを含まないため、植物にとって最適です。一年草・季節の花やバラの育て方において、水質は成長に大きく影響します。
特に有機栽培を実践している場合、化学物質を含まない雨水の使用は理想的です。
洗車と掃除
洗車や外壁の掃除、テラスの洗浄などに雨水を使用することで、水道料金を節約できます。
芝生の水やり
芝生の手入れと管理においても、雨水は有効です。広い芝生に水をまく際、水道水だけでは費用がかさみますが、雨水を併用することで経済的です。
災害時の生活用水
地震や台風などの災害時には、トイレの洗浄水や洗濯、掃除などの生活用水として活用できます。ただし、飲用には適さないため注意が必要です。
注意点とメンテナンス
レインバレルを長期間快適に使用するために、以下の点に注意しましょう。
定期的な清掃
年に1〜2回、タンク内部を清掃し、沈殿物や藻を除去します。また、雨どいや取水装置のフィルターも定期的に清掃し、詰まりを防ぎます。
冬季の対策
寒冷地では、冬季にタンク内の水が凍結し、タンクが破損する可能性があります。冬前にタンクの水を空にし、取水装置を外して室内に保管するか、凍結防止策を講じましょう。
水質の管理
貯めた雨水は数日で使い切るようにし、長期間放置すると水質が悪化します。また、蚊の発生を防ぐために、必ずメッシュで開口部を覆いましょう。
飲用厳禁
雨水は屋根を通じて集められるため、鳥の糞や塵、細菌が含まれる可能性があります。絶対に飲用しないでください。生活用水として使用する際も、手洗い後は石鹸で洗うなどの衛生管理を徹底しましょう。
補助金制度の活用
多くの自治体では、雨水タンク設置に対する補助金制度を設けています。
東京都世田谷区の例
東京都世田谷区では、雨水タンク本体および設置費用の合計の50%(上限35,000円)の補助が受けられます(2024年9月時点)。
補助金の申請方法
- 自治体のホームページで補助金制度を確認
- 必要書類(見積書、設置場所の写真など)を準備
- 事前申請または設置後に申請(自治体により異なる)
- 審査後、補助金が支給される
補助金の条件や金額は自治体により異なるため、お住まいの地域の制度を確認しましょう。
まとめ
レインバレルの設置は、節水、環境保護、災害対策の観点から非常に有益です。年間5,000円から20,000円の節水効果に加え、植物にとって理想的な水源を確保できます。
設置方法も比較的簡単で、DIY初心者でも挑戦できます。自治体の補助金制度を活用すれば、初期費用も抑えられます。
持続可能なガーデニングと環境保護のために、ぜひレインバレルの導入を検討してみてください。
参考リンク:





