鳥獣害対策と防除ネットの正しい張り方
2026年2月6日

家庭菜園や農業において、大切に育てた作物が鳥や動物の被害に遭うことは深刻な問題です。適切な防除ネットの設置は、作物を守る最も効果的な方法の一つです。本記事では、防除ネットの種類、選び方、そして正しい張り方について詳しく解説します。
鳥獣害対策と防除ネットの正しい張り方
家庭菜園や農業において、大切に育てた作物が鳥や動物の被害に遭うことは深刻な問題です。適切な防除ネットの設置は、作物を守る最も効果的な方法の一つです。本記事では、防除ネットの種類、選び方、そして正しい張り方について詳しく解説します。
防除ネットの種類と用途
防除ネットには、主に防獣ネット、防鳥ネット、防虫ネットの3種類があり、それぞれ異なる目的で使用されます。

防獣ネットは、イノシシ、シカ、タヌキなどの中型から大型の動物の侵入を防ぐために使用されます。素材はポリエチレンや金属製が一般的で、耐久性と強度に優れています。USDAの統計によると、農業用ネットの96%が鳥獣害対策に使用されており、その重要性が認識されています。
防鳥ネットは、カラス、スズメ、ヒヨドリなどの鳥類から作物を守るために設置します。適切に設置された防鳥ネットは95%の効果率を持ち、特に作物損失が6%を超える場合に費用対効果が高いことが実証されています。
防虫ネットは、害虫の侵入を物理的に防ぐネットで、農薬の使用を減らすことができます。詳しい病害虫対策については専門ガイドをご参照ください。
| ネットの種類 | 主な対象 | 推奨素材 | 設置高さ目安 | 耐用年数 |
|---|---|---|---|---|
| 防獣ネット | イノシシ、シカ、タヌキ | ポリエチレン、金属 | 1.2~1.8m | 5~10年 |
| 防鳥ネット | カラス、スズメ、ヒヨドリ | ナイロン、ポリエチレン | 2~3m | 3~5年 |
| 防虫ネット | アブラムシ、コナガ、アザミウマ | ポリエステル | 0.5~1.5m | 2~4年 |
防除ネットの選び方のポイント
防除ネットを選ぶ際は、目合い(網目の大きさ)、色、素材の3つの要素を考慮する必要があります。
目合いの選び方は、対象とする動物や害虫のサイズに応じて決定します。防虫ネットの場合、0.4mmの目合いはコナジラミ類やアザミウマ類、0.8mmはアブラムシ類、1.0mmはコナガやアオムシに有効です。細かい目合いほど防虫効果は高まりますが、通気性が低下しハウス内が高温になるリスクがあるため、換気扇や循環扇の併用が推奨されます。
色の選択も重要な要素です。赤色の防虫ネットはアザミウマ除けに最も効果的で、0.8mm目合いで0.4mm透明タイプと同等の防虫効果を発揮しながら、通気性を保つことができます。白ネットは光の透過率が高く春や秋に適しており、黒ネットは日差しを遮る効果が高く夏野菜の栽培に効果的です。
素材と耐久性については、ポリエチレン製は耐候性に優れコストパフォーマンスが高く、金属製は強度が必要な大型獣対策に適しています。ナイロン製は軽量で扱いやすいため、防鳥ネットによく使用されます。家庭菜園の規模や対象生物に応じて最適な素材を選びましょう。
防獣ネットの正しい張り方
防獣ネットを効果的に設置するには、適切な手順と注意点を守ることが重要です。

準備と支柱の設置から始めます。ネットを設置したい場所の周囲を確認し、支柱を地面に打ち込む位置を決めます。支柱の間隔は1~2メートルが目安で、支柱は地面に30~50cm打ち込むのが適切です。支柱が浅いと強風や動物の体当たりで倒れる危険があるため、しっかりと固定することが大切です。
ネットの展開と固定では、支柱間にネットを張り巡らせます。この際、ネットは張り締め過ぎず、適度な弾力を持たせることが重要です。これにより、動物が体当たりした際の衝撃を緩和し、ネットの破損を防ぐことができます。
地際の処理が侵入防止の鍵となります。地面ぴったりの高さではなく、外側に50cm伸ばして設置すると、害獣が穴を掘って侵入するのを効果的に防げます。この部分は土や重石で固定し、隙間ができないようにします。
防獣ネットの高さは、一般的に地面から1.2~1.8mが目安ですが、対象動物に応じた調整が必要です。イノシシ対策では1.2m以上、シカ対策では1.8m以上が推奨されます。参考情報は東京戸張の専門ガイドで詳しく紹介されています。
防鳥ネットの効果的な設置方法
防鳥ネットは、防獣ネットとは異なるアプローチが必要です。
フレームの構築では、作物全体を覆うようにアーチ型やドーム型のフレームを作ります。支柱やパイプを使用し、しっかりとした骨組みを構築することで、ネットが作物に直接触れないようにします。ネットが作物に触れていると、鳥がネット越しに作物をつつくことができてしまうため注意が必要です。
ネットの被せ方と固定では、フレームの上からネットを被せ、地面でしっかりと固定します。地際は土や重石、固定ピンを使用し、鳥が下から侵入できないようにします。ネットの継ぎ目や隙間は、鳥の侵入口になりやすいため、洗濯バサミやクリップでしっかりと留めます。
メンテナンスポイントとして、台風や強風の前には、ネットが飛ばされないよう追加の固定を行います。また、収穫時期が終わったネットは、劣化を防ぐために洗浄し、日陰で乾燥させてから保管します。詳細な張り方の動画はマルトヨの解説記事が参考になります。
防虫ネットの設置テクニック
防虫ネットは、細かな網目が特徴のため、特有の設置方法があります。
ハウス・トンネルへの設置では、ビニールハウスやトンネル栽培で使用する場合、換気窓や出入口に防虫ネットを設置します。ネットとフレームの間に隙間ができないよう、専用の固定具やマジックテープを使用して密閉性を高めます。
露地栽培での使用では、支柱を使ってトンネル型に設置するか、作物を直接覆う方法があります。直接覆う場合は、作物の成長に合わせてネットを持ち上げる必要があるため、調整しやすい固定方法を選びます。
高温対策は防虫ネット使用時の重要な課題です。細かい目合いの防虫ネットは通気性が低いため、夏場はハウス内が高温になりやすくなります。換気扇や循環扇を併用し、必要に応じて遮光・遮熱ネットを組み合わせることで、温度上昇を抑えることができます。施設園芸の専門家による解説では、色や目合いによる効果の違いが詳しく分析されています。
設置後のメンテナンスと点検
防除ネットを長期間効果的に使用するには、定期的なメンテナンスが不可欠です。

定期巡回チェックでは、週に1回程度、ネット全体を確認します。破損や緩み、支柱のぐらつきがないかを点検し、問題があれば速やかに補修します。特に台風や強風の後は、必ず点検を行いましょう。
補修方法として、小さな破れは補修テープや補修用ネットで修理できます。大きな破損の場合は、その部分のネットを交換することをお勧めします。支柱が緩んでいる場合は、打ち直すか追加の固定を行います。
季節ごとの対応も重要です。春は新芽や若葉を守るため早めの設置を、夏は高温対策と台風対策を重点的に行います。秋は収穫後の片付けと保管準備を、冬は積雪対策として雪の重みでネットが破れないよう注意します。
トラブル対処法として、ネットに動物が絡まっている場合は速やかに救出し、再発防止のためネットの張り方を見直します。強風でネットが破れた場合は、風通しを考慮した遮光率のネットへの変更を検討します。定期的な点検と適切な補修により、ネットの寿命を延ばし、継続的な効果を維持できます。鳥獣害対策の知恵袋では、実践的なトラブル対処法が紹介されています。
まとめ:効果的な防除ネットの活用法
防除ネットは、適切に選び、正しく設置することで、鳥獣害から作物を効果的に守ることができます。対象となる動物や害虫の種類、栽培環境、作物の種類に応じて最適なネットを選び、設置手順を守って施工しましょう。
定期的なメンテナンスと点検を欠かさず行うことで、ネットの効果を長期間維持できます。初期投資は必要ですが、作物の損失を防ぎ、農薬の使用を減らすことができるため、長期的には費用対効果の高い投資となります。
より詳しい情報については、AGRI PICKのおすすめ防虫ネット選びやUSDAの野生動物管理ガイドなどの専門資料も参考になります。適切な防除ネットの活用で、安心・安全な栽培を実現しましょう。





