園芸用ネットの種類と季節別の活用法
2026年2月6日

園芸用ネットの種類(防虫・防鳥・つるものネット等)と季節別の効果的な活用法を詳しく解説。目合いや素材の違い、正しい張り方、管理方法まで、家庭菜園やガーデニングでネットを最大限に活かすためのガイドです。
園芸用ネットの種類と季節別の活用法
園芸用ネットは、家庭菜園やガーデニングにおいて欠かせない資材です。防虫、防鳥、つる性植物の誘引など、その用途は多岐にわたります。しかし、種類が豊富なため、どのネットを選べば良いのか迷う方も多いでしょう。本記事では、園芸用ネットの主な種類と、季節ごとの効果的な活用法について詳しく解説します。適切なネットを選ぶことで、農作物の保護や収穫量の向上が期待できます。
園芸用ネットの主な種類と特徴
園芸用ネットには、用途に応じてさまざまな種類があります。ここでは代表的な5つのタイプについて解説します。

防虫ネットの特徴と目合い
防虫ネットは、害虫から農作物を守るための重要な資材です。目合いは0.4~1mm程度が一般的で、アブラムシ、コナジラミ、ハモグリバエなどの小さな昆虫を効果的に防ぎます。通気性が良いため、ネットを張ったまま水やりができる点が大きなメリットです。また、日光や雨を遮ることがないため、植物の成長に影響を与えません。耐久性の高い製品を選べば、複数シーズン使い回すことができ、経済的です。
防鳥ネットの選び方
防鳥ネットは、鳥による食害を防ぐために使用されます。防ぎたい鳥の種類によって適切な網目サイズが異なります。ハトやカラスなどの大型の鳥には網目40mm程度、スズメなどの小鳥には5~10mm程度の細かい目が適しています。中目タイプ(10~25mm)は一般的な防鳥用途に幅広く使えます。糸の太さ2.0mm以上のネットを選ぶと、カラスなどに破られにくく、耐久性が高まります。
つるものネット(支柱ネット)
つる性植物を誘引するための園芸ネットは、キュウリ、インゲン、トマト、ゴーヤなどの栽培に不可欠です。頑丈で使い回しができるため、長期的に見ると経済的です。プランターや鉢でのベランダ栽培にも適しており、小規模栽培から畑での大規模栽培まで幅広く対応できます。つるがしっかり絡みやすい適度な目の大きさ(10~15cm程度)のものが一般的です。
遮光ネットと防風ネット
遮光ネットは、夏場の強い日差しから植物を守るために使用されます。遮光率は20~90%までさまざまで、栽培する植物に応じて選びます。例えば、葉物野菜には50~60%、花卉には30~40%程度が適しています。防風ネットは、風による物理的な損傷や乾燥を防ぎます。目合い1~4mm程度のものが一般的で、40%程度の光と風を遮ることで、デリケートな植物を保護します。
環境配慮型の新素材ネット
近年は環境に配慮した紙製の園芸ネットも登場しています。これらのネットは1シーズン使用後、つると一緒に廃棄でき、分別作業が不要です。従来のプラスチック製ネットと比べて環境負荷が低く、持続可能な園芸を目指す方におすすめです。耐久性は1シーズン限りですが、廃棄処理の手間が省けるメリットは大きいでしょう。
ネットの素材と構造の違い
園芸用ネットの性能は、素材と構造によって大きく左右されます。
織物タイプと編み物タイプ
農業用ネットは大きく分けて織物タイプと編み物タイプがあります。織物タイプには形状安定性が良い平織や、ほつれに強いカラミ織があります。編み物タイプの代表格はラッセル網で、軽量で収束性に優れています。平織は寸法が安定しているため、正確なサイズが必要な用途に適しています。カラミ織は端がほつれにくく、長期使用に向いています。
糸の太さと耐久性
ネットの耐久性は糸の太さに大きく左右されます。防鳥ネットでは太さ2.0mm以上が推奨されており、これによりカラスなどの大型鳥によるくちばしでの破損を防ぎます。一方、防虫ネットは細い糸を密に編むことで小さな虫の侵入を防ぎながらも、通気性を確保しています。用途に応じた糸の太さを選ぶことが、ネットを長持ちさせる秘訣です。
季節別のネット活用法
季節ごとに適切なネットを使い分けることで、年間を通じて効果的に植物を保護できます。

春(3~5月)の活用法
春は種まきや苗の定植の季節です。この時期は、防虫ネットで害虫の侵入を防ぎながら、霜や低温から若い苗を守ることが重要です。特にアブラムシやコナジラミが活動を始める時期なので、目合い0.6~1mm程度の防虫ネットを早めに設置しましょう。また、つる性野菜の植え付けと同時に支柱ネットを張っておくと、つるが伸び始めてからスムーズに誘引できます。春先は風が強い日も多いため、防風ネットで新芽を保護することも効果的です。
夏(6~8月)の活用法
夏は強い日差しと高温、そして害虫の活動が最も活発になる時期です。遮光ネットを使って葉焼けを防ぎ、植物の生育環境を改善します。遮光率50~60%のネットが葉物野菜に適しています。また、夏は鳥による食害も増えるため、トマトやブルーベリーなどの果実には防鳥ネットが必須です。キュウリやゴーヤなどのつる性植物は、この時期に最も成長するため、支柱ネットをしっかり張り、つるを適切に誘引することで収穫量が大幅に増加します。防虫ネットは夏場も継続して使用し、特にコナガやヨトウムシから葉物野菜を守りましょう。
秋(9~11月)の活用法
秋は秋冬野菜の栽培シーズンです。キャベツ、ブロッコリー、白菜などのアブラナ科野菜は、モンシロチョウやコナガの被害を受けやすいため、定植直後から防虫ネットで覆うことが重要です。目合い1mm以下の細かいネットを選びましょう。また、秋は台風や強風のシーズンでもあるため、防風ネットで植物を物理的な損傷から守ることも大切です。晩秋には霜が降り始めるため、霜に弱い植物には不織布や防寒ネットで保温対策を行います。
冬(12~2月)の活用法
冬は防寒対策が中心となります。霜や寒風から植物を守るために、不織布や目の細かい防風ネットを使用します。これらのネットは保温効果があり、地温の低下を緩和します。また、冬鳥による食害も無視できません。越冬野菜やハウス栽培の作物には防鳥ネットを設置しましょう。冬期は害虫の活動は少ないものの、防虫ネットを張ったままにしておくことで、春先の害虫侵入を早期に防ぐことができます。
ネットの効果的な張り方と管理
ネットの効果を最大限に引き出すには、正しい張り方と日常管理が重要です。

支柱の立て方とネットの固定方法
ネットを張る際は、まず丈夫な支柱をしっかりと立てることが基本です。支柱は風で倒れないよう、地中に20~30cm以上打ち込みます。四隅に太めの支柱(直径16~20mm)を立て、必要に応じて中間に補助支柱を追加します。ネットは適度に張りを持たせながらも、植物の成長を妨げないようゆとりを持たせることが大切です。固定には専用のクリップやひもを使用し、風でめくれないようしっかりと固定します。防虫ネットの場合は、裾を地面に密着させ、隙間を作らないことが害虫侵入を防ぐポイントです。
水やりと通気性の管理
防虫ネットは通気性に優れているため、ネットを張ったまま水やりができます。ただし、遮光ネットや防風ネットを使用している場合は、通気性が低下し湿度が高まりやすいため、病気の発生に注意が必要です。定期的にネットをめくって通気を良くし、葉の裏側もチェックしましょう。真夏の高温期には、朝夕の涼しい時間帯にネットを一時的に開けて換気することも効果的です。
ネットの点検と補修
ネットは使用中に破損することがあります。特に防虫ネットは小さな穴でも害虫が侵入する原因となるため、定期的に点検し、破れや穴を見つけたら速やかに補修しましょう。補修には専用の補修テープや細いひもで縫い合わせる方法があります。防鳥ネットは鳥のくちばしや爪で破られることがあるため、糸の太いネットを選ぶことが長期使用の秘訣です。シーズンオフには、ネットをきれいに洗って乾燥させ、直射日光を避けて保管することで、次のシーズンも再利用できます。
目的別ネットの選び方比較表
用途に応じた適切なネットを選ぶために、以下の比較表を参考にしてください。

| ネットの種類 | 目合い(mm) | 主な用途 | 適した季節 | 耐久性 |
|---|---|---|---|---|
| 防虫ネット | 0.4~1.0 | アブラムシ、コナジラミ対策 | 春・夏・秋 | 高(複数シーズン使用可) |
| 防鳥ネット(小目) | 5~10 | 小鳥対策 | 通年 | 高 |
| 防鳥ネット(中目) | 10~25 | 一般的な防鳥 | 通年 | 高 |
| 防鳥ネット(大目) | 30~45 | カラス、ハト対策 | 通年 | 非常に高 |
| つるものネット | 100~150 | つる性植物誘引 | 春・夏 | 高(複数シーズン使用可) |
| 遮光ネット | ― | 遮光率20~90% | 夏 | 高(複数シーズン使用可) |
| 防風ネット | 1~4 | 風・乾燥対策 | 春・秋・冬 | 高 |
| 環境配慮型ネット | 用途により異なる | 使い捨て用途 | 通年 | 低(1シーズン) |
| ネットの種類 | 目合い(mm) | 主な用途 | 適した季節 | 耐久性 |
|---|---|---|---|---|
| 防虫ネット | 0.4~1.0 | アブラムシ、コナジラミ対策 | 春・夏・秋 | 高(複数シーズン使用可) |
| 防鳥ネット(小目) | 5~10 | 小鳥対策 | 通年 | 高 |
| 防鳥ネット(中目) | 10~25 | 一般的な防鳥 | 通年 | 高 |
| 防鳥ネット(大目) | 30~45 | カラス、ハト対策 | 通年 | 非常に高 |
| つるものネット | 100~150 | つる性植物誘引 | 春・夏 | 高(複数シーズン使用可) |
| 遮光ネット | ― | 遮光率20~90% | 夏 | 高(複数シーズン使用可) |
| 防風ネット | 1~4 | 風・乾燥対策 | 春・秋・冬 | 高 |
| 環境配慮型ネット | 用途により異なる | 使い捨て用途 | 通年 | 低(1シーズン) |
この表を参考に、栽培する植物や季節、対策したい問題に応じて最適なネットを選びましょう。
家庭菜園でのネット活用成功事例
実際の家庭菜園でのネット活用例をご紹介します。
葉物野菜の無農薬栽培
ある家庭菜園では、防虫ネットを活用した無農薬栽培に成功しています。小松菜、チンゲンサイ、ほうれん草などの葉物野菜は、アブラムシやヨトウムシの被害を受けやすい作物です。しかし、播種直後から目合い0.6mmの防虫ネットでトンネル状に覆うことで、農薬を一切使わずに美しい葉物野菜を収穫できました。ネットは通気性が良いため、夏場でも蒸れることなく、水やりもネットの上から行えます。この方法は化学物質を使わないため、小さなお子様がいる家庭でも安心です。
つる性野菜の収穫量向上
別の事例では、支柱ネットを効果的に使用することで、キュウリの収穫量が大幅に増加しました。従来は地面を這わせる栽培方法でしたが、高さ2mの支柱に10cm目合いのネットを張り、つるを垂直に誘引することで、日当たりと風通しが改善されました。その結果、病気の発生が減り、1株あたりの収穫量が約1.5倍に増加したそうです。また、収穫作業も立ったまま行えるため、腰への負担も軽減されました。
防鳥ネットでの果樹保護
ブルーベリーを栽培している家庭では、収穫期に鳥による食害が深刻な問題でした。そこで、木全体を覆う防鳥ネット(目合い15mm)を設置したところ、鳥害がほぼゼロになりました。ネットは収穫作業がしやすいよう、一部を開閉できる構造にしたのがポイントです。防鳥ネットは複数シーズン使えるため、初期投資は必要ですが、長期的には非常に経済的です。
関連する園芸知識へのリンク
園芸用ネットを効果的に活用するには、関連する知識も重要です。
- 家庭菜園・野菜づくりの完全ガイド - 野菜栽培の基本から応用まで学べます
- 病害虫対策と防除の完全ガイド - ネットと併用する総合的な害虫対策を解説
- ベランダ・小スペースガーデニングガイド - 限られたスペースでのネット活用術
- 季節の園芸カレンダー - 月別のネット活用タイミングがわかります
これらの記事も合わせて読むことで、園芸用ネットをより効果的に活用できるでしょう。
まとめ:適切なネット選びで園芸を成功させよう
園芸用ネットは、防虫、防鳥、つる性植物の誘引など、多様な用途があります。目合いや素材、構造の違いを理解し、季節や栽培する植物に応じて適切なネットを選ぶことが成功の鍵です。春から夏にかけては防虫ネットとつるものネット、夏場は遮光ネット、秋冬は防寒ネットと、季節ごとに使い分けることで、年間を通じて植物を保護できます。また、正しい張り方と日常管理を行うことで、ネットの効果を最大限に引き出せます。適切なネットを活用して、豊かな収穫と美しい庭づくりを実現しましょう。





