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緑肥の種類と土壌改良への活用方法

家庭菜園におすすめの緑肥を、土の悩み・季節・後作までの期間から選ぶ方法を解説。イネ科とマメ科の違い、土壌改良の仕組み、種まき・すき込みの注意点まで整理します。

庭世界 編集部 公開 更新 約7分で読めます
家庭菜園の畝で育つ緑肥と土壌改良の様子
Photo by Kate Jewell on Wikimedia

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「家庭菜園 緑肥 おすすめ」の結論は、硬い土には根量の多いイネ科、窒素を補いたい畝にはマメ科、短い空き期間には自分で刈って細断しやすい緑肥を選ぶことです。万能な1種類を探すより、土の悩み・後作日・処理できる草量の3条件を先に決めると失敗を減らせます。

土全体の管理を先に整理したい場合は、親記事の土づくり・堆肥・肥料の基礎知識も合わせて確認できます。

緑肥とは|土を整える仕組み

緑肥は、作物を収穫せず、生育中の茎葉と根を土へ戻すか、地表を覆うために利用する植物です。一般の土壌改良材と違い、土壌の中へ育っている間から根が伸び、刈り取り後は植物体が有機物として残ります。

カバークロップは地表被覆に注目した呼び方で、すき込まずマルチとして使う植物も含みます。家庭菜園の緑肥は、根・有機物・地表被覆を利用しますが、すぐに肥料成分を足す方法ではありません。

家庭菜園におすすめの緑肥5種類

農学博士の木嶋利男氏が挙げるソルゴー 楽天AmazonYahoo!、ヒマワリ、クロタラリア AmazonYahoo!、エンバク AmazonYahoo!、クローバーから、狭い畝で使い分けやすい草種を整理します。

緑肥主な時期・使い方得意な目的家庭菜園での処理負担主な注意点
ソルゴー(ソルガム)春~夏の空き畝根量と植物体で土の物理性改善大きい茎が柔らかいうちに刈る
エンバク9~11月播種の冬緑肥冬の被覆、根量、後作準備中程度穂が出る前に処理する
ヘアリーベッチ秋~春の被覆窒素固定、雑草抑制つるの処理が必要結実前に刈る
クロタラリア春~夏の空き畝根粒菌、深い根、線虫対策中~大開花後は茎が硬くなる
シロツメクサ(クリムソンクローバー)秋まき、景観と被覆窒素固定、天敵を呼ぶ花比較的小さい種をこぼすと自生しやすい

ソルゴーは広い空き畝と硬い土向け

ソルゴーは根量が多く、硬い土壌を根で探る力と大量の植物体が長所です。雪印種苗の農地向け事例では、ソルガムの生草収量が約6トン/10アール以上と示されています。生育量が増えるほど後処理も重くなります。

小区画では、茎を手で曲げられるうちに園芸ばさみなどで刈り、細断して浅く混ぜるか、乾かして表面被覆にします。

エンバクは秋の空き畝へ入れやすい

エンバクは発芽と初期生育が早く、冬のイネ科緑肥として候補になります。AGRI PICKの草種例では9~11月に播種し、穂が出る前にすき込む流れが示されています。夏野菜を片付けた後、春野菜の準備まで畝が空く家庭菜園と合わせやすい草種です。

雪印種苗の農地向け短期休閑例では、エンバク野生種を50~60日前後栽培する使い方も示されています。ただし、地域の気温や播種時期で生育速度は変わります。日数だけで決めず、出穂前か、鎌で細かく切れる硬さかを終了の目印にします。

マメ科は窒素供給と被覆を狙う

ヘアリーベッチ 楽天AmazonYahoo!、クロタラリア、クリムソンクローバーは、根粒菌による窒素循環と地表被覆を狙うマメ科です。つるや大型の茎は、植え付け前に細断します。

クリムソンクローバーの花は生物的防除を補いますが、種子を落とす前に刈ります。

目的別に緑肥を選ぶ

緑肥は、硬い土、窒素不足、線虫、雑草のうち優先する問題から選びます。

フロー図

土の問題、後作までの空き、処理できる草量の順で緑肥を絞る判断フローです。

硬い土と排水を改善したい場合

土壌構造と排水性を整えたい畝では、根群が豊かなイネ科を優先します。ソルゴーは夏の長い空き畝、エンバクは秋から春の空き畝へ合わせやすい選択です。根が入ることで土に経路ができ、刈った植物体が分解されると孔隙の形成を支えます。

水たまりが残る場合は畝の低さ、踏み固め、排水先も確認します。土壌pHは土壌pHの測定と調整方法で調べ、緑肥の役割と分けます。

窒素を土へ戻したい場合

窒素を増やす目的では、根粒を作るマメ科が候補です。ヘアリーベッチやクロタラリアは、地上部だけでなく根の共生関係を利用します。雪印種苗は「マメ科作物は根に根粒菌が着生し、それが空中窒素を固定し、土壌を肥沃化します」と説明しています。

マメ科でも後作の追肥が不要とは限りません。植物体の量や分解速度で供給が変わるため、最初は施肥設計を大きく変えずに生育を記録します。

ネコブセンチュウを意識する場合

ネコブセンチュウへの対応は、「緑肥なら何でもよい」わけではありません。クロタラリアなど、対象となる線虫と作用が明示された草種・品種を選びます。雪印種苗は、線虫が根へ侵入しても成熟・産卵へ至らず、次代の密度低減につながる型など、緑肥の作用を複数に分けています。

緑肥だけへ病害虫防除を任せず、前後作の科も見直します。被害が続く場合は、対象を確認した農薬や抵抗性品種も検討します。連作の組み立ては連作障害と土壌消毒の方法で確認できます。

雑草を抑えたい場合

雑草管理には、地表を早く覆うヘアリーベッチやライムギ類が使われます。茎葉が光を遮ると、雑草種子の発芽と定着を抑えやすくなります。通路や果樹下では、すき込みよりリビングマルチとして維持し、刈った葉を敷く使い方もあります。

緑肥が土壌改良に効く3つの仕組み

緑肥は、土の物理性・化学性・生物性へ働きます。

物理性|根と有機物が孔隙を支える

根の跡と粗大な土壌有機物は孔隙を支え、土粒子がまとまる環境を作ります。

雪印種苗の緑肥作物資料は、粗大有機物のすき込みについて「土壌中の孔隙率を増加させ、単粒化した土壌粒子を団粒化します」と説明しています。特に根系が発達したイネ科の跡で効果が大きいとしています。

地表被覆は雨滴を受け止め、土壌侵食と養分流出を抑えます。傾斜地では表面流を弱める侵食防止としても評価します。

化学性|腐植が養分を保持する

緑肥由来の腐植は**Ca2+、Mg2+、K+、NH4+**などを吸着し、陽イオン交換容量と肥料成分の保持に関わります。

菌根菌が着生する緑肥作物は、リン酸の利用率向上にも関わります。ただし、緑肥だけで養分欠乏を診断することはできません。葉色や生育不良がある場合は、土壌診断と施肥記録を優先します。

生物性|根圏と根粒菌を活用する

根粒菌は、マメ科の根にできる根粒で空中窒素の固定に関わる細菌です。イネ科の豊かな根群も、ムシゲルを放出し、根圏の微生物が増える環境を作ります。草種によって「根の量」と「共生する生物」の強みが異なります。

緑肥は主作物の間に別の植物を挟みますが、後作と同じ科なら病害虫を共有する場合があります。

緑肥の種まきからすき込みまで

緑肥の種まきは、刈り取り、細断、すき込み、分解待ちを含めて後作日から逆算します。

播種は種の大きさと水分で調整する

播種では、均一に散らした種を土へ密着させ、発芽までの土壌水分を保ちます。表面が乾く時期は細かな水やりで流亡を避けます。AGRI PICKは覆土について「一般的には種子の3~5倍といわれています」とし、ソルゴーやエンバクなどの大粒種子は3~5cm、小粒種子は2cm程度を目安に挙げています。

小粒種子は深すぎると出芽しにくく、大粒種子は浅すぎると乾燥や鳥害を受けやすいため、播種後は軽く鎮圧します。

刈り取りは出穂・結実より前に行う

刈り取りは「最大まで育てた日」ではなく、「細断でき、種子が成熟していない日」を選びます。AGRI PICKの緑肥解説も「種ができる前に速やかに行いましょう」と促しています。エンバクは出穂前、マメ科は開花初期までを一つの判断材料にします。

農林水産省の緑肥利用マニュアルには、作付体系ごとの栽培暦が掲載されています。地域と後作に合う事例を探し、家庭菜園では面積を縮めて試します。

すき込み後は土の状態を見て後作へ進む

長い茎を細断して浅く混ぜ、土が道具へ粘り付く日は避けます。後作は未分解の茎葉、発熱、強い臭いが残っていないことを確認して始めます。

緑肥で失敗しない注意点

播種前に刈り取り日と処分方法を決めます。

結実と自生化を防ぐ

クリムソンクローバーやヒマワリは種子成熟前に処理します。刈り遅れて種ができた部分は畝外へ出します。

Purdue University Extensionはannual ryegrassについて「家庭菜園で使うと雑草になる場合があります」(原文英語)と注意しています。ライムギとannual ryegrassは別の植物です。英語名や商品名だけで判断せず、種袋の和名・学名・終了方法を確認します。

C/N比と刈り遅れを分けて考える

C/N比は有機物中の炭素と窒素の割合です。茎が木質化する前に刈り、細断して分解を促します。後作の葉色が薄いときは未分解物や水分も確認し、肥料焼けを招く過度な追肥を避けます。

後作と同じ科を続けない

輪作は、同じ科の主作物と病害虫を連続させないための作付け順です。緑肥も植物なので、後作との科の組み合わせを無視できません。とくに連作障害が出た畝では、緑肥の科、対象病害、線虫の種類を確認します。

緑肥だけで土壌消毒は代替できません。発病が続く場合は感染株を除き、過湿による根腐れには排水経路を直します。

緑肥と堆肥・肥料の使い分け

緑肥と堆肥、肥料は、同じ「土へ入れるもの」ではありません。根を育てて土へ働きかけるのが緑肥、分解済みの有機物を持ち込むのが完熟堆肥 楽天AmazonYahoo!、必要な成分を狙って補うのが肥料です。

方法主な役割効き方の起点後作までの余裕向く場面
緑肥根、被覆、有機物、養分循環播種して生育中から長めに必要畝が空き、土の構造も整えたい
完熟堆肥分解が進んだ有機物を補給施用後比較的調整しやすい空き期間が短く、有機物を入れたい
肥料窒素・リン酸・カリウム(カリウム)等を補給製品特性次第作付計画へ合わせやすい土壌診断や作物要求に応じて成分を足す

空き期間が短い畝では完熟堆肥を使います。堆肥の作り方と腐葉土の作り方も確認できます。

肥料は必要な成分を補う別手段です。違いは化成肥料と有機肥料の違いで整理できます。

ただし、畝が1~2週間しか空かない場合、緑肥はおすすめしません。 発芽、生育、刈り取り、分解の時間が足りず、未分解の植物体が後作準備を妨げます。その場合は表面マルチで裸地を避けるか、完熟した資材を使います。

家庭菜園で緑肥を選ぶ3つの判断ルール

家庭菜園では、①硬さ・排水、窒素・被覆、線虫のどれを改善するか、②後作日までに刈り取りと分解を終えられるか、③鎌やスコップで処理できる草量か、の3条件で緑肥を選びます。最初は1畝で終了作業まで試します。

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出典

  • gardening
  • soil
  • green-manure

庭世界 編集部

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