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ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド

2026年2月6日

ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド

ホスタ(ギボウシ)の育て方を初心者にもわかりやすく解説。3000以上の品種から選ぶポイント、植え付け、水やり、肥料、株分けまで網羅。シェードガーデンの主役として人気のホスタを上手に育てる方法をご紹介します。

ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド

ホスタ(ギボウシ)は、日本原産の宿根草でありながら、海外で高く評価され、特にアメリカでは「パーフェクト・プランツ」と呼ばれるほど愛されている植物です。美しい葉と育てやすさから、シェードガーデンの主役として欠かせない存在となっており、ガーデニング入門を始める方にもおすすめの植物です。本記事では、ホスタの育て方から人気品種まで、初心者にもわかりやすく解説します。

ホスタ(ギボウシ)の基本情報と魅力

ホスタは、ユリ科(またはキジカクシ科)に分類される多年草で、日本、中国、韓国など東アジアが原産です。現在では3,000~6,000以上の品種が存在し、アメリカホスタ協会により毎年「Hosta of the Year(その年のホスタ)」が選出されるなど、世界中で愛されています。

アメリカホスタ協会によると、過去5年間で最も人気のある宿根草として君臨しており、その理由は以下の通りです:

  • 日陰でも美しく育つ:明るい日陰を好み、シェードガーデンの主役として活躍
  • 葉の美しさ:緑、青、金色、斑入りなど多彩な葉色が楽しめる
  • 育てやすさ:初心者でも失敗が少なく、手間がかからない
  • 長寿命:適切な環境では何十年も同じ場所で育ち続ける
  • 季節の変化:初夏から夏にかけて、ラッパ型の花を咲かせる

ホスタの葉は大型(30cm以上)、中型(20cm前後)、小型(10cm前後)の3タイプに分類され、庭のスペースに応じて選ぶことができます。また、観葉植物・インドアグリーンとしても楽しめる品種もあります。

ホスタの品種選びのポイント

ホスタには数千もの品種があり、初めて選ぶ際には迷ってしまうかもしれません。品種選びの重要なポイントを以下にまとめました。

ホスタの品種選びのポイント - illustration for ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド
ホスタの品種選びのポイント - illustration for ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド

葉色による分類

アメリカホスタ協会によると、ホスタの葉色は主に5つのカテゴリーに分類されます:

葉色カテゴリー特徴日当たり条件
グリーン基本的な緑葉、丈夫で育てやすい明るい日陰~半日陰
ブルー青みがかった葉、クールな印象深い日陰を好む
ゴールド黄色~金色の葉、明るい雰囲気明るい日陰
中斑(Medio-variegated)葉の中心が明るく、縁が濃い深い日陰~明るい日陰
覆輪斑(Marginal Variegated)葉の縁が明るく、中心が濃い深い日陰~明るい日陰

青緑色の葉を持つ品種は深い日陰に最適で、斑入り品種は深い日陰から明るい日陰まで幅広く対応できます。ただし、斑入り品種は葉焼けしやすいため、強い直射日光は避けましょう。

サイズによる選び方

庭のスペースに応じて、適切なサイズを選ぶことが重要です:

  • 大型品種(30cm以上):株張りが1m以上になることもあり、広いスペースが必要。存在感があり、庭の主役となる
  • 中型品種(20cm前後):最もバランスが良く、様々な場所で活躍
  • 小型品種(10cm前後):鉢植えやコンテナガーデンに最適で、ベランダ・小スペースガーデニングでも楽しめる

大型品種を狭い場所に植えると、窮屈になってしまうため、成長後のサイズを考慮して配置しましょう。

Hosta of the Year受賞品種

アメリカホスタ協会が毎年選ぶ「Hosta of the Year」受賞品種は、育てやすさ、美しさ、丈夫さが認められた優秀な品種です。品種選びに迷ったら、これらを参考にするのもおすすめです。

日本でも有名な「寒河江(サガエ)」は山形県で作られた品種で、2000年にHosta of the Yearを受賞しました。葉の縁が波打ち、美しい黄色の斑が入る大型品種で、日本庭園にもよく合います。

ホスタの育て方:基本の栽培管理

ホスタは育てやすい植物ですが、美しく健康に育てるためには基本的な管理を理解しておきましょう。

ホスタの育て方:基本の栽培管理 - illustration for ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド
ホスタの育て方:基本の栽培管理 - illustration for ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド

植え付けの場所と時期

植え付け時期は2~3月が最適で、根をあまり崩さずに浅植えにします。秋植えも可能ですが、寒冷地では春植えが推奨されます。

場所選びは成功の鍵です:

  • 明るい日陰:木漏れ日が差す程度の明るさが理想
  • 午後日陰:午前中は日が当たり、午後は日陰になる場所
  • 風通し:蒸れを防ぐため、適度な風通しが必要
  • 排水性:水はけの良い土壌を好む

激しく乾燥する場所や、強い西日が当たる場所は避けましょう。土づくり・堆肥・肥料の基礎知識を参考に、腐葉土や堆肥をたっぷり混ぜた土壌を準備すると良いでしょう。

水やりと肥料

水やり

  • 鉢植え:表土が乾いたらたっぷりと水を与える
  • 庭植え:基本的には不要だが、表土が乾いて葉がしおれているようなら十分に水を与える
  • 夏場:乾燥に注意し、朝か夕方に水やりを行う

肥料の施し方は以下の通りです:

時期肥料の種類頻度量(5号鉢の場合)
4~6月固形油かす月1回親指大5~6個
9~10月固形骨粉月1回親指大4~5個

春の成長期にはチッ素分を多く含む肥料、秋には根を丈夫にするためにリン酸分を多く含む肥料を施します。

日常的な手入れと管理

ホスタの手入れは比較的簡単ですが、以下のポイントに注意しましょう:

  • 枯れ葉の除去病気予防のため、枯れた葉はこまめに取り除く
  • 花茎の処理:花後は花茎を根元から切り取る(葉を楽しみたい場合は、花が咲く前に摘み取ることも可能)
  • マルチング:夏の乾燥防止と冬の霜よけのため、株元に腐葉土やバークチップを敷く
  • 株の更新:4~5年に一度、株分けを行うと株が若返り、元気になる

剪定・整枝の技術のページでは、他の植物の手入れ方法も詳しく解説しています。

よくある失敗とトラブル対処法

ホスタ栽培でよくある問題と、その対処法をご紹介します。

よくある失敗とトラブル対処法 - illustration for ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド
よくある失敗とトラブル対処法 - illustration for ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド

葉焼け(葉が茶色くなる)

原因:直射日光に長時間当たることで、葉が焼けてしまう。特に斑入り品種や黄色系の品種は葉焼けしやすい。

対処法

  • より日陰の場所に移動する(鉢植えの場合)
  • 遮光ネットを使用する
  • 品種を選び直す(日向に強い品種に変更)

野生種で斑がないオオバギボウシやイワギボウシは日向に耐える力が強いため、日当たりが良い場所で育てたい場合におすすめです。

葉が小さく、色が薄い

原因:肥料不足または日光不足。

対処法

  • 春と秋に適切に施肥する
  • より明るい場所に移動する(ただし直射日光は避ける)

ナメクジやカタツムリの被害

原因:ホスタの柔らかい葉はナメクジやカタツムリの好物。

対処法

  • ナメクジ駆除剤を株元に散布
  • 夜間に見回り、手で捕殺する
  • 株元を乾燥気味に保つ(ナメクジは湿った環境を好む)
  • コーヒーかすやエッグシェルを株元に撒く(忌避効果)

病害虫対策と防除では、より詳しい対処法を解説しています。

冬に地上部が枯れた

心配無用:ホスタは宿根草のため、冬には地上部が完全に枯れますが、春になると新芽が出てきます。枯れた葉は取り除き、株元にマルチングをして冬越しさせましょう。

おすすめのホスタ品種7選

初心者から上級者まで楽しめる、おすすめのホスタ品種をご紹介します。

おすすめのホスタ品種7選 - illustration for ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド
おすすめのホスタ品種7選 - illustration for ホスタ(ギボウシ)の育て方と品種ガイド

1. 寒河江(サガエ)

特徴:2000年Hosta of the Year受賞。大型品種で、葉の縁に美しい黄色の斑が入る。波打つ葉が特徴的。

適した場所:明るい日陰、広いスペース

2. オトメギボウシ

特徴:韓国済州島原産の小型品種。葉も花も小さく、鉢植えに最適。初心者でも育てやすい。

適した場所:鉢植え、ベランダ、狭いスペース

3. ブルーマウス・イヤーズ

特徴:青みがかった葉が特徴的な小型品種。コンパクトで可愛らしい。

適した場所:深い日陰、ロックガーデン、縁取り

4. サムアンドサブスタンス

特徴:超大型品種で、黄緑色の大きな葉が印象的。存在感抜群。

適した場所:広い庭、シンボルプランツとして

5. パトリオット

特徴:濃い緑の葉に白い覆輪斑が入る中型品種。コントラストが美しい。

適した場所:明るい日陰、中型スペース

6. フランシー

特徴:1986年Hosta of the Year受賞。濃い緑の葉に白い縁取りが入る。丈夫で育てやすい。

適した場所初心者向け、様々な環境に適応

7. ジューン

特徴:2001年Hosta of the Year受賞。青緑の葉に黄色の中斑が入る。季節によって葉色が変化する。

適した場所:明るい日陰、変化を楽しみたい方向け

これらの品種は、みんなの趣味の園芸GardenStoryなどの園芸サイトでも詳しく紹介されています。

ホスタの株分けと植え替え

ホスタは4~5年に一度、株分けを行うことで株が若返り、さらに元気に育ちます。

株分けの時期と方法

最適時期:3~4月の新芽が出る前、または10~11月の地上部が枯れた後

手順

  1. 株を掘り上げる(根を傷めないよう注意)
  2. 根についた土を軽く落とす
  3. 手やナイフで株を2~3つに分ける(各株に芽が3つ以上あるように)
  4. 切り口に殺菌剤を塗る
  5. 新しい場所に植え付ける

株分け後は、根がしっかり張るまで水切れに注意しましょう。

ホスタを使った庭づくりのアイデア

ホスタはシェードガーデンの主役として、様々な庭づくりに活用できます。

シェードガーデンの組み合わせ

ホスタと相性の良い植物:

  • アスチルベ:同じく日陰を好み、ふんわりとした花がホスタの葉とコントラストを作る
  • ヒューケラカラフルな葉がホスタと調和する
  • シダ類:自然な雰囲気を演出
  • アジサイ:高さを出し、立体的な庭づくりが可能

日本庭園と和の庭づくりでは、ホスタを使った和風の庭づくりも紹介しています。

コンテナガーデン

小型~中型のホスタは、寄せ植え・コンテナガーデンにも最適です。他の日陰を好む植物と組み合わせて、美しいコンテナガーデンを作りましょう。

まとめ:ホスタで素敵なシェードガーデンを

ホスタは、日陰という難しい環境でも美しく育つ、初心者にもおすすめの宿根草です。3,000以上もの品種があり、葉の色、大きさ、模様など、選ぶ楽しみも豊富です。

育て方のポイントをおさらいしましょう:

  • 場所:明るい日陰または午後日陰
  • 水やり:表土が乾いたらたっぷりと
  • 肥料:春と秋に固形肥料を施す
  • 手入れ:枯れ葉を取り除き、4~5年に一度株分けを

適切な環境で育てれば、何十年も同じ場所で美しい葉を楽しむことができます。ぜひ、お気に入りのホスタ品種を見つけて、素敵なシェードガーデンを作ってみてください。

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