宿根草の冬越しと株の管理テクニック
2026年2月6日

宿根草は一度植えれば毎年花を咲かせてくれる魅力的な植物ですが、冬の管理が翌年の生育を大きく左右します。適切な冬越し対策と株の管理を行うことで、春には健康で美しい花を楽しむことができます。この記事では、宿根草の冬越しテクニックから株分けの方法まで、実践的な管理方法を詳しく解説します。
宿根草の冬越しと株の管理テクニック
宿根草は一度植えれば毎年花を咲かせてくれる魅力的な植物ですが、冬の管理が翌年の生育を大きく左右します。適切な冬越し対策と株の管理を行うことで、春には健康で美しい花を楽しむことができます。この記事では、宿根草の冬越しテクニックから株分けの方法まで、実践的な管理方法を詳しく解説します。
宿根草の冬越しに必要な基礎知識
宿根草の冬越しを成功させるには、まず植物の耐寒性を理解することが重要です。宿根草は耐寒性の強さによって管理方法が異なり、それぞれに適した対策が必要になります。
耐寒性の強い宿根草は、そのまま屋外で冬越しが可能です。しかし、耐寒性の弱い品種では、寒さ対策を施さないと株が傷んだり枯れたりする可能性があります。特に寒冷地では、すべての宿根草に対して何らかの保護対策を検討することをおすすめします。
冬の間、宿根草は休眠期に入ります。この時期は地上部が枯れても、地下の根や株は生きており、春に向けてエネルギーを蓄えています。そのため、冬の管理は翌年の生育を左右する重要な作業となります。
詳しいガーデニングの基礎知識を学ぶことで、より効果的な冬越し管理ができるようになります。宿根草の冬越し方法も参考にしてください。また、季節の園芸カレンダーを参考にすれば、適切な時期に作業を行えます。
マルチングによる株元の保護技術
マルチングは宿根草の冬越しに欠かせない重要な技術です。株元を適切に覆うことで、寒さから根を守り、翌年の健全な生育を促します。

マルチング材の選び方と使用量
マルチング材としては、腐葉土、バークチップ、ウッドチップ、自家製コンポストなどが適しています。それぞれに特徴があり、庭の状況や好みに応じて選びます。
重要なのは敷く厚さで、一般的な宿根草には5~8cmの厚さで敷き均すのが基本です。薄すぎると保温効果が得られず、厚すぎると春になっても土壌温度が上がりにくく、根の成長を妨げる可能性があります。
耐寒性の弱い宿根草には、より手厚い保護が必要です。刈り込んだ後、株を覆うように15~20cm程度の厚みでマルチングを施すと効果的です。これにより、厳しい寒さから株を確実に守ることができます。
マルチングの実施時期とポイント
マルチングは、花壇の刈り込みが完了し、根雪になる前に実施するのが理想的です。遅すぎると寒さで株が傷み、早すぎると暖かさが残っていて病害虫が発生する可能性があります。
マルチング材は株の冠部(クラウン)に直接かからないよう、周囲に均等に敷きます。冠部を完全に覆ってしまうと、湿気がこもって腐敗の原因となることがあるため注意が必要です。
適切な土づくりと堆肥の知識があれば、より効果的なマルチング材を自作することもできます。詳しいマルチング技術についても参考にしてください。
株分けの適切な時期と方法
宿根草は数年栽培すると株が大きくなり、花付きが悪くなったり、株の中心部が枯れたりすることがあります。そのような時は株分けを行い、株を若返らせる必要があります。

冬から早春が株分けの最適期
冬は植物が休眠しているため、株分けに最適な季節です。特に3月ころは、新芽が出始める前で株分けの適期とされています。この時期に行えば、植物へのダメージを最小限に抑え、春からの生育をスムーズに促すことができます。
ただし、植物の種類によって最適な時期は異なります。多肉質の根を持つ宿根草(シャクヤク、オリエンタルポピー、シベリアンアイリスなど)は秋に株分けするのが最適です。一方、オーナメンタルグラスは春の株分けに適しています。
秋に株分けを行った植物には、最初の霜が降りた後に2~3インチ(約5~8cm)のマルチングを施すことで、冬の凍結・解凍サイクルによる根の浮き上がり(フロストヒービング)を防ぐことができます。
株分けの具体的な手順
株分けの方法は、まず株の周囲にスコップを入れて、根を傷めないよう大きく掘り上げます。次に手で土を落として株の様子を確認します。
根が強く絡まっている場合は、ハンドフォークを使って慎重にほぐします。ランナーなどでつながっている植物は、清潔なナイフで切り離します。切り口には殺菌剤を塗布すると、病気の侵入を防げます。
株分けの際は、各株に少なくとも3つ以上の成長点(芽)と健康な根を確保することが重要です。成長点が少ないと、翌年の生育が弱くなる可能性があります。
分けた株は、植え穴を根鉢の2~3倍の広さに掘り、株の冠部が土の表面よりわずかに高くなるように植え付けます。植え付け後はたっぷりと水を与え、根と土をなじませます。
詳しい剪定や植物の手入れ技術を身につけることで、より効果的な株分けができるようになります。英語ですが、専門家による株分けガイドも非常に参考になります。
宿根草の冬の水やりと肥料管理
冬の間の水やりと肥料管理は、生育期とは異なるアプローチが必要です。休眠期の植物の状態を理解し、適切に管理することが大切です。
冬の水やりの基本
冬は植物が休眠しているため、生育期ほど水を必要としません。土が完全に乾いた場合のみ、少量の水を与える程度で十分です。特に鉢植えの場合は、冬でも土が乾きやすいため、定期的なチェックが必要です。
水やりは晴れた日の午前中に行うのが理想的です。夕方に水やりをすると、夜間に土が凍結して根を傷める可能性があります。また、凍結の恐れがある日は水やりを控えましょう。
地植えの宿根草は、冬の自然な降雨で十分な場合が多いですが、雪が少なく乾燥した冬には、月に1~2回程度の水やりを検討します。
冬の肥料管理
冬の間は葉が茂っていても生長期ではないため、肥料は基本的に与える必要がありません。無理に肥料を与えると、休眠期に不要な成長を促し、かえって株を弱らせる可能性があります。
肥料は春の新芽が出始めてから与えるのが基本です。ただし、株分けや植え替えを行った場合は、緩効性肥料を少量混ぜ込んでおくと、春からの生育がスムーズになります。
効果的な水やりについては、水やり・灌漑システムの完全ガイドで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
冬の地上部の管理と剪定
冬の間、宿根草の地上部がどのような状態になるかは種類によって異なります。それぞれに適した管理を行うことで、翌年の生育を促進できます。

落葉・枯死する宿根草の管理
冬に完全に落葉したり、地上部が枯れる宿根草は、株元でばっさりカットするのが基本です。枯れた葉や茎を残しておくと、病害虫の越冬場所となる可能性があるため、清潔に保つことが重要です。
ただし、切り取った葉や茎は、マルチング材として株元に敷くこともできます。これにより、自然な保温効果と、腐敗による土壌改良効果が期待できます。ただし、病気にかかっていた部分は必ず取り除き、処分しましょう。
常緑性宿根草の冬の管理
常緑性の宿根草は、冬でも葉を残します。これらの葉は、冬の寒さから株を守る役割も果たしているため、無理に取り除く必要はありません。
ただし、傷んだ葉や変色した葉は取り除きます。また、雪の重みで葉が傷むことがあるため、大雪の後は雪を払い落とすなどの配慮が必要です。
冬の間の観賞価値を高めるため、あえて枯れた花茎や種を残す方法もあります。霜が降りた朝には、枯れた植物に美しい氷の結晶がつき、冬ならではの景観を楽しめます。
シードヘッドを残す意義
多くの宿根草では、冬の間に種を残しておくことで、鳥の餌となり、庭に野生動物を呼び込む効果があります。エキナセアやルドベキアなどは、種が鳥に人気があります。
種を残すことは、自然な自家播種による繁殖も促します。春になると、こぼれ種から新しい苗が育ち、庭に変化と驚きをもたらしてくれます。
宿根草の冬越しトラブルと対処法
冬越しの際には、様々なトラブルが発生することがあります。早期に発見し、適切に対処することで、株へのダメージを最小限に抑えられます。

フロストヒービング(凍上)への対処
フロストヒービングとは、土壌の凍結と解凍が繰り返されることで、植物の根が地表に押し上げられる現象です。これにより根が空気にさらされ、乾燥や寒さで傷んでしまいます。
対策としては、十分な厚さのマルチングを施すことが最も効果的です。特に秋遅くに植え付けや株分けを行った植物は、根がまだしっかり張っていないため、フロストヒービングが起こりやすくなります。
もしフロストヒービングが起きてしまった場合は、根を優しく土に埋め戻し、周囲をしっかりと押さえます。その後、マルチング材を追加して保護します。
冬の乾燥による被害
雪の少ない地域では、冬でも乾燥による被害が発生することがあります。特に常緑性の宿根草は、冬でも葉から水分が蒸散するため、土壌が極端に乾燥すると枯れる原因となります。
対策としては、晴れて暖かい日に少量の水を与えることです。ただし、土が凍結している時は水やりを控え、気温が上がって土が解けてから行います。
病害虫の越冬対策
冬は病害虫の活動が少なくなる時期ですが、枯れ葉や落ち葉の下で越冬する害虫もいます。そのため、秋の終わりに枯れた葉や茎を片付けることが予防につながります。
病気の予防には、冬の間の風通しを良くすることも重要です。密植しすぎている場所では、株分けや間引きを行い、空間を確保します。
病害虫対策と防除の完全ガイドでは、季節ごとの具体的な対策方法を詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
春に向けた準備と株の観察ポイント
冬の終わりから春にかけては、宿根草が目覚め始める重要な時期です。この時期の観察と準備が、その年の生育を左右します。

新芽の確認と保護
早春になると、地面から新しい芽が顔を出し始めます。この時期は、マルチング材を少しずらして新芽の様子を確認しましょう。新芽が十分に育ってきたら、徐々にマルチングを取り除いていきます。
ただし、遅霜の恐れがある地域では、夜間に簡易的な保護を施すことも検討します。不織布や新聞紙をかけるだけでも、霜から新芽を守ることができます。
春の肥料施用のタイミング
新芽が2~3cm伸びてきたら、春の施肥を開始します。緩効性の化成肥料や、腐葉土を混ぜた有機肥料を株の周りに施します。肥料は株元から少し離した位置に置くことで、根を傷めずに栄養を供給できます。
この時期の施肥は、その年の花付きや生育を大きく左右します。ただし、与えすぎは逆効果なので、適量を守ることが大切です。
株の健康チェックポイント
春先には、冬を越した株の健康状態を詳しくチェックします。確認すべきポイントは以下の通りです:
- 新芽が均等に出ているか
- 株の中心部が空洞化していないか
- 根元に腐敗や病気の兆候がないか
- 害虫の活動痕跡がないか
問題が見つかった場合は、早期に対処することで、被害の拡大を防げます。株の中心部が空洞化している場合は、株分けを検討する良いタイミングです。
まとめ:宿根草の冬越しを成功させるために
宿根草の冬越しと株の管理は、翌年の美しい庭づくりの基礎となる重要な作業です。この記事で紹介したテクニックを実践することで、健康で活力ある宿根草を育てることができます。
重要なポイントをまとめると、以下のようになります:
- 植物の耐寒性を理解し、適切な保護を行う:すべての宿根草が同じ管理でよいわけではありません。それぞれの特性に合わせた対策が必要です。
- マルチングは厚さと時期が重要:5~8cmの適切な厚さで、根雪前に施すことが基本です。
- 株分けは休眠期に行う:冬から早春にかけてが最適期で、各株に3つ以上の成長点を確保します。
- 冬の水やりと肥料は控えめに:休眠期の植物には過度な水や肥料は不要です。
- 春先の観察と準備が重要:新芽の確認と適切な施肥で、その年の生育をサポートします。
冬の庭仕事は寒さが厳しく大変ですが、この時期の丁寧な管理が春の美しい花を約束してくれます。一つ一つの作業を丁寧に行い、植物との対話を楽しみながら、宿根草の冬越しを成功させましょう。




