アジサイの育て方と花色を変える方法
2026年2月6日

アジサイの育て方と花色を変える方法を詳しく解説。土壌のpH調整で青やピンクの花を咲かせるコツ、剪定時期、水やり、肥料の与え方など、初心者でも実践できる栽培テクニックを紹介します。科学的根拠に基づいた花色変化のメカニズムも説明。
アジサイの育て方と花色を変える方法
アジサイは日本の初夏を彩る代表的な花木として、多くの人々に愛されています。梅雨の季節に美しく咲き誇るアジサイは、その色の変化が楽しめることでも知られています。この記事では、アジサイの基本的な育て方から、花色を自在に変える方法まで、詳しく解説していきます。
アジサイの基本的な特徴と種類
アジサイ(紫陽花)は、アジサイ科アジサイ属に分類される落葉低木です。日本原産の植物で、世界中で栽培されています。一般的に見られるアジサイは、大きく分けて以下のような種類があります。
ガクアジサイ(額紫陽花)は日本の野生種で、中心部に小さな両性花があり、その周囲に装飾花が額縁のように配置されています。ホンアジサイ(西洋アジサイ)は、装飾花が球状に集まった品種で、園芸店でよく見かけるタイプです。ヤマアジサイは、山地に自生する小型の品種で、繊細な花姿が特徴です。
アジサイの魅力は、なんといっても土壌条件によって花色が変化する不思議な性質にあります。ガーデニング入門・基礎知識の完全ガイドでも紹介されているように、土壌のpH値を理解することは、美しい庭づくりの基本となります。
参考:【アジサイ(紫陽花)の育て方】|花の特徴や基本の栽培方法、管理のコツ、増やし方 | Plantia
アジサイの花色が変わるメカニズム
アジサイの花色変化は、単なる迷信ではなく、科学的な根拠に基づく現象です。この変化のメカニズムを理解することで、望む色の花を咲かせることができます。

花色変化の主要因は、土壌中のアルミニウムイオンの有無です。アルミニウムイオンが花のアントシアニン色素と結合すると、青色の複合体が形成されます。アルミニウムイオンが存在しない場合、アントシアニン色素は本来のピンク色を呈します。
土壌のpH値は、アルミニウムの溶解度と植物による吸収を左右します。酸性土壌(pH5.5以下)では、アルミニウムが水に溶けやすく、根から吸収されやすい状態になります。その結果、花は青色になります。アルカリ性土壌(pH7.0以上)では、アルミニウムが不溶性となり、根から吸収されにくくなります。この場合、花はピンク色になります。中性付近(pH6.0~7.0)では、紫色やピンクと青の混合色になることがあります。
ただし、注意すべき点として、白花品種はアントシアニン色素を持たないため、土壌条件に関係なく白色のままです。また、花色の変化は成長中の蕾に影響を与えるため、すでに咲いている花の色を変えることはできません。
参考:Hydrangea blooms turn colors based on soil pH levels | CAES Field Report
青いアジサイを咲かせる方法
青色のアジサイを咲かせるためには、土壌を酸性にし、アルミニウムを豊富に供給する必要があります。

土壌の酸性化
まず、現在の土壌のpH値を測定することが重要です。市販のpH測定キットや、園芸店で相談することで、正確な数値を把握できます。青色を目指す場合、目標はpH5.0~5.5の範囲です。
硫酸アルミニウムの使用
最も効果的な方法は、硫酸アルミニウム(ミョウバン)の施用です。具体的な使用方法は以下の通りです:
- 硫酸アルミニウムを水で500~1000倍に薄めます(水1リットルに対して硫酸アルミニウム1~2g)
- この溶液を3週間に1回の頻度で、株元に施用します
- 開花の2~3ヶ月前から開始し、2~3回繰り返します
- 施用は春先(3月~5月)が最適です
土づくり・堆肥・肥料の基礎知識と実践ガイドで詳しく説明されているように、土壌改良は計画的に行うことが成功の鍵となります。
その他の方法
ピートモスやブルーベリー用の酸性土壌を混ぜることも効果的です。硫黄粉末を土壌に混ぜることで、緩やかに酸性化を進めることができます。ただし、急激なpH変化は植物にストレスを与えるため、徐々に調整することが大切です。
参考:鮮やかに!紫陽花(アジサイ)の花色の変え方 花色と土壌pHの関係 | PROVEN WINNERS
ピンクのアジサイを咲かせる方法
ピンク色のアジサイを咲かせるには、青色の場合とは逆に、土壌をアルカリ性にしてアルミニウムの吸収を抑える必要があります。
土壌のアルカリ化
ピンク色を目指す場合、土壌pHは6.0~6.5の範囲が理想的です。より濃いピンク色を望む場合は、pH6.5~7.0を目指します。
消石灰の使用
土壌をアルカリ性にする最も一般的な方法は、消石灰(炭酸カルシウム)の施用です:
- 植え付け時または秋に、土壌1平方メートルあたり100~150gの消石灰を混ぜ込みます
- 鉢植えの場合は、用土に少量ずつ混ぜて調整します
- 効果が現れるまで数ヶ月かかるため、前年の秋に施用するのが理想的です
- 定期的に土壌pHを測定し、必要に応じて追加施用します
アルミニウムを含まない用土の使用
新しく植え付ける場合は、ピートモスを使わず、赤玉土と腐葉土を主体とした用土を使用します。市販のピンクアジサイ専用の培養土を使用するのも効果的です。
病害虫対策と防除の完全ガイドでも触れられていますが、土壌環境を整えることは、病気の予防にもつながります。
参考:How to Change Hydrangea Color | Garden Design
アジサイの基本的な育て方
花色変化の方法だけでなく、アジサイを健康に育てるための基本的な管理も重要です。

植え付けと場所選び
アジサイは半日陰を好みます。午前中は日が当たり、午後は日陰になるような場所が理想的です。強い西日は葉焼けの原因となるため避けましょう。土壌は水はけと水もちのバランスが良い場所を選びます。
植え付け時期は、落葉期の11月~3月が適期です。鉢植えの場合は、根鉢より一回り大きな鉢を選び、底に鉢底石を敷きます。地植えの場合は、植え穴を大きめに掘り、腐葉土や堆肥を混ぜ込みます。
季節の園芸カレンダー:月別・季節別ガイドを参考に、適切な時期に作業を行うことが成功のポイントです。
水やりの管理
アジサイは乾燥を嫌う植物です。特に開花期は水を多く必要とします。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。真夏は朝夕2回の水やりが必要になることもあります。地植えの場合は、植え付け後1年は定期的に水やりをします。根付いた後も、乾燥が続く時期は水やりを行います。
水やり・灌漑システムの完全ガイドでは、効率的な水やり方法について詳しく解説しています。
肥料の与え方
アジサイの施肥時期は年3回が基本です:
花色を青くしたい場合は、リン酸分の少ない肥料を選びます。ピンクにしたい場合は、リン酸やカリウムを含む肥料が適しています。
剪定のタイミングと方法
アジサイの剪定は、花色維持と同様に重要な管理作業です。剪定の基本的なポイントは以下の通りです:
剪定時期は花後すぐ、7月中旬~8月上旬が最適です。この時期を過ぎると、翌年の花芽を切り落としてしまう恐れがあります。花が終わったら、花首の下2~3節で切り戻します。古い枝や弱い枝は、根元から切り除きます。全体の1/3程度の枝を更新すると、株の若返りが図れます。
剪定・整枝の技術完全ガイドでは、より詳細な剪定技術について学ぶことができます。
参考:アジサイの育て方|植え替えや冬越しなどお手入れ方法を初心者向けに解説 | コーナンTips
花色変化の注意点とトラブルシューティング
花色を変える試みは、必ずしも思い通りにいくとは限りません。以下のような点に注意が必要です。

時間がかかることを理解する
花色の変化は、一晩で起こるものではありません。通常、完全な色の変化には1シーズン以上かかります。土壌改良の効果が現れるまでには数ヶ月を要するため、前年の秋から準備を始めることが理想的です。蕾が形成される時期(前年の夏~秋)の土壌条件が、翌年の花色に影響します。
過剰施用による根の障害
硫酸アルミニウムや石灰の過剰施用は、根を傷める原因となります。使用前に必ず水で希釈し、推奨量を守ります。施用後は十分に水やりを行い、土壌に浸透させます。植物の様子を観察し、葉が黄色くなるなどの異常があれば、施用を中止します。
鉢植えと地植えの違い
鉢植えの場合は、土壌環境をコントロールしやすく、花色の変化も比較的容易です。地植えの場合は、周囲の土壌の影響を受けやすく、希望の色を維持するのが難しいことがあります。鉢植えから地植えに移行すると、周囲の土壌の影響で元の色に戻ることがあります。
品種による違い
すべてのアジサイが花色変化するわけではありません。ガクアジサイやホンアジサイは色が変わりやすい品種です。白花品種は遺伝的に色素がないため、どのような土壌でも白色のままです。一部の改良品種は、土壌条件に関わらず特定の色を保つよう育種されています。
病害虫対策と防除の完全ガイドでも説明されているように、植物の健康状態が良くないと、花色変化も上手くいきません。
参考:How To Change Hydrangea Color – The Easy Way | Gardening Know How
アジサイの病害虫対策
健康なアジサイを育てることは、美しい花色を楽しむための前提条件です。
主な病気
うどんこ病は、葉の表面に白い粉状のカビが発生する病気です。風通しを良くし、過湿を避けることで予防できます。発生した場合は、専用の殺菌剤を散布します。炭疽病は、葉に褐色の斑点ができる病気です。感染した葉は早めに取り除き、殺菌剤で対処します。
主な害虫
アブラムシは新芽や蕾に発生し、汁を吸います。早期発見が重要で、少数であれば手で取り除きます。多発した場合は、専用の殺虫剤を使用します。ハダニは葉裏に寄生し、葉を白くかすり状にします。水を嫌うため、葉裏に霧吹きで水をかけると予防効果があります。
環境による障害
葉焼けは、強い直射日光により葉が茶色く変色する現象です。夏場は遮光ネットを使用するなど、強い日差しを避ける工夫が必要です。水切れによる萎凋も、アジサイでよく見られる問題です。特に夏場の水管理には注意が必要です。
アジサイを美しく咲かせるための年間スケジュール
アジサイの管理作業を年間スケジュールにまとめると、以下のようになります:
| 月 | 主な作業 | 花色管理 |
|---|---|---|
| 1月~2月 | 寒肥の施用、植え付け・植え替え | pH調整開始(青色の場合は硫酸アルミニウム) |
| 3月~4月 | 芽出し肥の施用、水やり開始 | 硫酸アルミニウムの追加施用(青色) |
| 5月~6月 | 追肥(液肥)、水やり管理、病害虫チェック | 開花・観賞期、液肥で栄養補給 |
| 7月~8月 | 花後の剪定、水やり強化 | 来年の花芽形成期、土壌管理継続 |
| 9月 | お礼肥の施用 | 秋肥施用、pH測定と調整 |
| 10月~11月 | 植え付け・植え替えの適期 | 石灰施用(ピンク色の場合) |
| 12月 | 休眠期、乾燥防止 | 冬季の土壌管理 |
季節の園芸カレンダー:月別・季節別ガイドと併せて確認することで、より効果的な管理が可能になります。
まとめ:アジサイの魅力を最大限に引き出すために
アジサイは、適切な管理と土壌条件の調整により、希望の色の花を咲かせることができる魅力的な植物です。花色変化のメカニズムを理解し、計画的に土壌のpH値を調整することが成功の鍵となります。
青い花を咲かせたい場合は、酸性土壌(pH5.0~5.5)を維持し、硫酸アルミニウムを適切に施用します。ピンクの花を咲かせたい場合は、アルカリ性土壌(pH6.0~6.5)を目指し、消石灰を使用します。ただし、花色の変化には時間がかかるため、気長に取り組むことが大切です。
基本的な管理として、適度な日陰と湿り気のある土壌を確保し、定期的な水やりと施肥を行います。花後の適切な時期に剪定を行い、病害虫の予防にも気を配ります。ガーデニング入門・基礎知識の完全ガイドで学んだ基本原則を応用することで、初心者でも美しいアジサイを育てることができます。
アジサイの育て方をマスターしたら、庭木・シンボルツリーの選び方と育て方ガイドを参考に、庭全体のデザインも考えてみましょう。梅雨の季節を彩る美しいアジサイは、日本の庭に欠かせない存在です。ぜひこの記事を参考に、自分好みの色のアジサイを咲かせてください。
参考:How to Change the Color of Hydrangeas | Mississippi State University Extension Service




