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造園・ガーデンデザインの基本と実践ガイド

ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び

2026年2月6日

ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び

ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選びを初心者向けに解説。前景・中景・後景の配置、一年草と宿根草のバランス、環境に合わせた植物選びのポイントを詳しく紹介。2024年のトレンドも含めた実践的なガーデニングガイドです。

ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び

自然の美しさをそのまま庭に取り入れたナチュラルガーデンは、植物が本来持つ生命力を活かした庭づくりのスタイルです。整然と並べられた花壇ではなく、植物が自然に育つままの姿を楽しむことで、心地よく癒される空間を作り出すことができます。

この記事では、ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選びのポイントについて、初心者の方でも実践できる具体的な方法を解説します。

ナチュラルガーデンとは?その魅力と特徴

ナチュラルガーデンは、植物をありのままの自然に近い風景に植えこむことで心地よい空間を提供するガーデニングスタイルです。計画的に整えすぎない、少し野性的で柔らかい美学が特徴で、植物や草が自然に種を落として育ったかのように見えるデザインが魅力です。

従来の形式的な庭園とは異なり、ナチュラルガーデンは以下のような特徴を持っています:

  • 植物の自然な成長を尊重:無理に形を整えず、植物が持つ本来の姿を活かします
  • 多様性のある植栽:様々な種類の植物を組み合わせることで、豊かな景観を作ります
  • 生態系への配慮:野生動物や受粉昆虫を歓迎する環境を整えます
  • ローメンテナンス:植えっぱなしでもよく育つ植物を選ぶことで、手入れの負担を軽減します

2024年の最新トレンドでは、生物多様性を重視したナチュラルガーデンの人気が高まっており、アメリカでは12%の成人が芝生の一部を自然または野花の景観に変換しているという統計もあります。

ナチュラルガーデンのデザイン手法

レイアウトの基本:前景・中景・後景の活用

ナチュラルガーデンのレイアウトで最も重要なのは、庭に奥行きを作ることです。前景・中景・後景に高さの異なる植物を配置することで、立体的で自然な景観が生まれます。

ナチュラルガーデンのデザイン手法 - illustration for ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び
ナチュラルガーデンのデザイン手法 - illustration for ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び
配置場所適した植物タイプ具体例
後景背の高い樹木(シンボルツリーヤマボウシ、エゴノキ、株立ちのシマトネリコ
中景中程度の低木や宿根草アジサイ、ラベンダー、エキナセア
前景グランドカバー植物クリーピングタイム、アジュガ、リシマキア

このような階層的な配置により、どの角度から見ても美しく、自然な庭の風景が完成します。造園・ガーデンデザインの基本を理解することで、より効果的なレイアウトが可能になります。

曲線を取り入れたデザイン

直線的なレイアウトよりも、自然な曲線で小道や花壇を配置すると、全体的に柔らかく、ナチュラルな印象が強まります。庭の小道を緩やかなカーブで設計したり、花壇の縁を波打つようにしたりすることで、より自然な景観を演出できます。

曲線的なデザインは視覚的にも心理的にも穏やかな印象を与え、散策する楽しみも増やしてくれます。ガーデニング入門の段階から、曲線を意識したデザインを取り入れることをおすすめします。

植栽ゾーンの設定

庭の環境は場所によって大きく異なります。日向、日陰、乾燥しやすい場所、湿気が多い場所など、それぞれのエリアの特性を把握し、適した植物を配置することが成功の鍵です。

  • 日向エリア:ラベンダー、エキナセア、ルドベキア、オーナメンタルグラスなど
  • 半日陰エリア:ホスタ、アスチルベ、シダ類、ヒューケラなど
  • 日陰エリア:ギボウシ、アジュガ、ツワブキ、シランなど

環境に合わせた植物選びについては、季節の園芸カレンダーも参考にしながら計画を立てましょう。

ナチュラルガーデンの植物選びのポイント

一年草と宿根草のバランス

ナチュラルな花壇には、彩りを添える一年草と長く成長する宿根草をバランス良く組み合わせることが重要です。宿根草は植えっぱなしでも毎年花を咲かせるため、ガーデニング初心者の方にも安心して育てられます。

ナチュラルガーデンの植物選びのポイント - illustration for ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び
ナチュラルガーデンの植物選びのポイント - illustration for ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び

おすすめの宿根草:

  • エキナセア:夏から秋にかけて咲き、耐暑性・耐寒性に優れる
  • ラベンダー:芳香があり、乾燥に強く手入れが簡単
  • ルドベキア:黄色やオレンジの花が夏から秋まで長く咲く
  • ホスタ:日陰でも育ち、葉の美しさが魅力
  • ガウラ:風に揺れる姿が優雅で、長期間花を楽しめる

一年草は季節ごとに植え替えることで、常に新鮮な彩りを保つことができます。春から夏にかけてはガーベラやペチュニア、秋にはパンジーやビオラなどを取り入れると良いでしょう。

オーナメンタルグラスの活用

2024年の庭づくりトレンドとして、オーナメンタルグラスの人気が高まっています。グラス類は風に揺れる姿が美しく、ナチュラルガーデンに動きと質感を加えてくれます。

グラス名高さ特徴
ミスカンサス(ススキ)1.5-2m秋の穂が美しく、後景に最適
フェスツカ・グラウカ30-40cm青みがかった葉色、前景向き
パニカム60-120cm赤や紫に色づく品種もある
ペニセタム60-90cmふわふわした穂が特徴的
カレックス30-60cm日陰でも育つ、多様な品種

グラスは在来植物や受粉者の庭の重要な要素として、生物多様性にも貢献します。庭木・シンボルツリーの選び方と合わせて検討すると、より調和のとれた庭になります。

色味のバランスと配置

ナチュラルガーデンでは、シンプルな色味のグリーンを多めにすると、花の色が際立ち、全体的に落ち着いた雰囲気が仕上がります。派手すぎる色の組み合わせを避け、以下のような配色を意識しましょう:

  • 白×グリーン:清潔感があり、どんな庭にも合う基本の組み合わせ
  • 紫×ピンク×白:優雅で穏やかな印象を与える
  • 黄×青×白:明るく爽やかな雰囲気を演出
  • オレンジ×黄×赤:温かみのある秋の庭に最適

色のグラデーションを作るように配置すると、より自然で美しい景観になります。

環境に合わせた植物選び

日陰で育つ植物

日陰にナチュラルガーデンを作る場合には、日陰でも元気に育つ宿根草を選びましょう。

環境に合わせた植物選び - illustration for ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び
環境に合わせた植物選び - illustration for ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び
  • ホスタ(ギボウシ):様々な葉色と模様があり、日陰の庭に最適
  • ヒューケラ:カラフルな葉色が美しく、耐寒性も高い
  • アスチルベ:ふわふわとした花穂が優雅で、湿り気のある半日陰を好む
  • シダ類:自然な雰囲気を演出し、湿潤な環境で育つ
  • シラン:春に紫や白の花を咲かせ、和風の庭にも合う

日陰の庭では、葉の形や色、質感の違いを活かしたデザインが効果的です。観葉植物・インドアグリーンの知識も、日陰の植物選びに役立ちます。

乾燥に強い植物

水やりの頻度を減らしたい場合や、乾燥しやすい場所には、耐乾性のある植物を選びましょう。

  • ラベンダー:地中海原産で乾燥に非常に強い
  • セダム(マンネングサ):多肉質の葉で水分を蓄え、グランドカバーにも最適
  • エキナセア:深く根を張り、乾燥した環境でも育つ
  • ヤロウ(セイヨウノコギリソウ):暑さと乾燥に強く、切り花にも使える
  • サルビア:様々な品種があり、乾燥に強いものが多い

多肉植物・サボテンの育て方を参考に、乾燥に強い植物を上手に活用しましょう。

初心者向けの植物選びのコツ

管理が簡単な植物から始める

ガーデニング初心者の方は、ラベルに「暑さや病気に強い」「管理が簡単」などと書いてある植物を選ぶのがおすすめです。苗を選ぶ際は以下のポイントをチェックしましょう:

初心者向けの植物選びのコツ - illustration for ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び
初心者向けの植物選びのコツ - illustration for ナチュラルガーデンのデザイン手法と植物選び
  • 虫食いがないか
  • 葉が黄色く変色していないか
  • 茎がヒョロヒョロと間延びしていないか
  • 元気そうな葉がたくさんついているか
  • 根がポットの底から出すぎていないか

健康な苗を選ぶことが、その後の成長を左右します。ガーデニングの基礎知識を理解してから苗選びに臨むと良いでしょう。

成長後のサイズを考慮する

宿根草を取り入れるときの注意点としては、成長したときのサイズを考慮することが挙げられます。最初は小さな苗でも、成長とともに広がりやすいため、植え付け時にある程度のスペースを確保することが大切です。

一般的に、成長後の株の直径の1.5倍程度の間隔を空けて植えると、風通しが良く、病気の予防にもなります。病害虫対策と防除の観点からも、適切な間隔を保つことは重要です。

土づくりの重要性

健康な植物が育つためには、栄養豊富で排水性の良い土が必要です。花壇の土を掘り返し、腐葉土や堆肥を混ぜ込んで栄養を補給してから植え付けを行います。

基本的な土づくりの手順:

  1. 花壇の土を深さ30cm程度まで掘り起こす
  2. 腐葉土や堆肥を全体の3割程度混ぜ込む
  3. 必要に応じて緩効性肥料を加える
  4. よく混ぜ合わせて平らにならす
  5. 1週間ほど馴染ませてから植え付ける

土づくり・堆肥・肥料の基礎知識を参考に、植物が健康に育つ環境を整えましょう。

ナチュラルガーデンの維持管理

ローメンテナンスを実現するコツ

ナチュラルガーデンの大きな魅力は、比較的手入れが少なくても美しさを保てることです。以下のポイントを押さえることで、さらにローメンテナンスな庭が実現します:

  • 宿根草を中心に植栽する:毎年植え替える必要がない
  • マルチングを活用する:雑草の抑制と土壌の保湿効果がある
  • 自然な形を保つ:過度な剪定を避け、植物の本来の姿を楽しむ
  • グランドカバーを活用する:地面を覆うことで雑草を防ぐ
  • 適材適所の植栽:環境に合った植物は手入れが少なくて済む

適切な剪定・整枝の技術を身につけることで、最小限の手入れで美しい庭を保つことができます。

季節ごとのメンテナンス

ナチュラルガーデンでも、季節に応じた最低限のメンテナンスは必要です。

季節主な作業
新芽の確認、株分け、追肥、マルチング
水やり(必要に応じて)、花がら摘み
種の採取、株分け、秋植え球根植え付け
枯れた地上部の片付け、寒さ対策

季節の園芸カレンダーを参考に、適切な時期に必要な作業を行いましょう。

まとめ:ナチュラルガーデンで癒しの空間を

ナチュラルガーデンは、植物が本来持つ美しさと生命力を活かした、心地よい庭づくりのスタイルです。デザインの基本となる前景・中景・後景の配置、一年草と宿根草のバランス、環境に合わせた植物選びを理解することで、初心者の方でも素敵なナチュラルガーデンを作ることができます。

2024年のトレンドである生物多様性への配慮や、オーナメンタルグラスの活用も取り入れながら、あなただけの自然な庭を育ててみてください。最初は小さなスペースから始めて、徐々に広げていくのも良いでしょう。

ナチュラルガーデンの魅力は、完璧を目指さないことにあります。植物が自然に育つ姿を楽しみながら、季節の変化とともに変わっていく庭の表情を味わってください。

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