宿根草の株分けと植え替えの方法と時期
2026年2月6日

宿根草の株分けと植え替えについて、最適な時期から具体的な手順、失敗しないためのコツまで詳しく解説。早春と初秋が適期で、植物の種類別の株分け時期や、必要な道具、植え付け後の管理方法も紹介。初心者でも安心して実践できる完全ガイドです。
宿根草の株分けと植え替えの方法と時期
宿根草は毎年花を咲かせてくれる魅力的な植物ですが、元気に育て続けるためには定期的な株分けと植え替えが欠かせません。適切な時期と方法で行うことで、植物を若返らせ、花付きを良くし、さらに株を増やすこともできます。この記事では、宿根草の株分けと植え替えについて、最適な時期から具体的な作業手順、失敗しないためのコツまで詳しく解説します。
宿根草の株分けが必要な理由
宿根草を長年育てていると、株が大きくなりすぎて根詰まりを起こしたり、株の中心部が枯れてきたりすることがあります。株分けには以下のような重要な効果があります。

株分けを行うことで、古くなった根や茎を取り除き、植物を若返らせることができます。これにより、新しい根や芽が活発に成長し、花付きが格段に良くなります。また、根詰まりを解消することで、水や養分の吸収が改善され、植物全体が健康になります。
さらに、株分けは植物を増やす最も確実な方法でもあります。1株から複数の株を作ることができるため、庭の他の場所に植えたり、友人に分けたりすることも可能です。ガーデニングの基礎知識として、株分けの技術を身につけることは、長く園芸を楽しむための重要なスキルとなります。
一般的に、鉢植えの宿根草は2〜3年に1度、地植えの宿根草は2〜4年に1度株分けを行うことが推奨されています。株が鉢いっぱいに広がっている、中心部の葉や花が少なくなってきた、水はけが悪くなったなどのサインが見られたら、株分けのタイミングです。
株分けと植え替えに適した時期
株分けの成功には、適切な時期を選ぶことが最も重要です。時期を間違えると、植物にダメージを与え、最悪の場合枯れてしまうこともあります。

基本的な株分け時期
多くの宿根草にとって、早春(3月〜4月)と初秋(9月〜10月)が株分けの最適期です。早春は新芽が出始める前の時期で、植物が休眠から目覚めつつある状態です。この時期に株分けを行うと、成長期に入る前に根がしっかり張り、その後の成長が順調に進みます。
初秋は、暑さが和らぎ植物が活動を再開する時期です。冬までに4〜6週間程度の期間があれば、根が十分に張って冬を越せる準備が整います。どちらの時期も、植物の活動が穏やかで、株分けによるストレスを最小限に抑えられるというメリットがあります。
真夏や真冬は株分けを避けるべき時期です。真夏は高温と乾燥により植物が弱りやすく、真冬は地面が凍結して作業が困難になるだけでなく、植物の回復も遅れます。また、作業は曇りの日や、数日間雨が降る予報が出ている時に行うのが理想的です。晴天の日は植物が乾燥しやすく、ストレスが大きくなります。
植物別の株分け時期
すべての宿根草が同じ時期に株分けできるわけではありません。植物の種類によって、最適な時期が異なります。以下の表は、代表的な宿根草の株分け時期をまとめたものです。
| 植物名 | 最適な株分け時期 | 株分け頻度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| キク、アスター | 早春(3月〜4月) | 毎年または1年おき | 成長が早いため頻繁に株分けが必要 |
| ホスタ(ギボウシ) | 早春または初秋 | 3〜4年に1度 | 大株になってから分けた方が良い |
| プルモナリア | 初夏(5月〜6月) | 3年に1度 | 新しい根が成長する時期に行う |
| ジャーマンアイリス | 初夏(7月〜8月) | 3〜4年に1度 | 花後すぐに行うと良い |
| クリスマスローズ | 晩夏〜初秋(8月〜9月) | 2〜4年に1度 | 花芽形成後に行う |
| シャクヤク(ピオニー) | 晩夏〜初秋(9月) | 4〜5年に1度 | あまり頻繁に分けない方が良い |
| デイリリー | 早春または初秋 | 3〜5年に1度 | 丈夫で株分けしやすい |
春咲きの植物は開花後の夏から秋に、秋咲きの植物は春に株分けを行うのが基本的な考え方です。これにより、次のシーズンの開花に影響を与えにくくなります。ただし、季節ごとの園芸作業を参考にしながら、それぞれの植物の特性を理解して作業することが大切です。
株分けに必要な道具と準備
株分け作業をスムーズに進めるためには、適切な道具を準備しておくことが重要です。以下のものを用意しましょう。
基本的な道具:
- シャベルまたはスコップ(株を掘り上げるため)
- ハンドフォーク(根をほぐすため)
- 剪定ばさみまたは園芸ナイフ(根や茎を切るため)
- 手袋(手を保護するため)
- バケツ(掘り上げた株を一時的に入れるため)
- ジョウロ(水やり用)
作業前には、植え付ける場所の土づくりも重要です。土づくりの基礎を参考に、堆肥や腐葉土をたっぷり混ぜ込んで、水はけと保水性の良い土壌を準備しておきましょう。また、株分け予定の植物には、作業の1〜2日前にたっぷり水やりをしておくと、掘り上げやすくなります。
株分けの具体的な手順
それでは、実際の株分け作業の手順を詳しく見ていきましょう。

ステップ1:株の掘り上げ
まず、株の周囲にシャベルを入れて、根を傷めないように大きめに掘り上げます。株の中心から20〜30cm離れた位置を円形に掘るのが理想的です。深さは30〜40cmを目安に、主要な根が切れないように注意深く掘ります。
掘り上げた株は、根についた土を軽く落とします。強く叩いたり、高圧の水で洗い流したりすると根を傷めるので、手で優しく土を落とす程度にとどめましょう。根の状態を確認し、どこで分けられそうか見当をつけます。
ステップ2:株の分割
株の分け方は植物の種類によって異なります。根がそれほど絡まっていない植物は、手で根をほぐしながら優しく引き離すことができます。ホスタやデイリリーなどは、この方法で比較的簡単に分けられます。
根が強く絡まっている場合は、ハンドフォークを2本使って、株の中心に背中合わせに差し込み、てこの原理で引き離します。また、ランナーでつながっている植物や、根茎が硬い植物は、清潔な園芸ナイフや剪定ばさみで切り離します。
分割する際の重要なポイントは、各分割株に3〜5本の元気な芽と、健康な根が十分についているようにすることです。芽が少なすぎると回復に時間がかかり、多すぎると根とのバランスが悪くなります。また、古くなった株の中心部分や、腐った根、傷んだ茎は取り除きましょう。
ステップ3:植え付け
植え付ける場所には、あらかじめ大きめの植え穴を掘っておきます。穴の大きさは、根鉢の2倍程度の幅と同じ深さが目安です。穴の底に堆肥、腐葉土、苦土石灰を入れてよく混ぜ、その上に少し掘った土を戻します。
これは、根に直接肥料が当たらないようにするための重要な手順です。肥料が直接根に触れると「肥料焼け」を起こし、根が傷んでしまいます。
株を植え穴に置き、根を広げるようにして配置します。株の深さは、元の植え付け深さと同じにするのが基本です。深すぎても浅すぎても、植物の成長に悪影響を及ぼします。周りに土を入れながら、隙間ができないように軽く押さえます。
植え付け後は、たっぷりと水やりをします。これは土と根を密着させ、根の周りの空気を抜くために重要です。水やりは、土の表面だけでなく、根の周り全体に水が行き渡るように、ゆっくりと時間をかけて行いましょう。
株と株の間は、植物の種類にもよりますが、20〜30cm程度空けておくと、のびのび育ってくれます。将来の成長を考えて、十分なスペースを確保することも大切です。水やりの基本を守りながら、植え付け後の管理を行いましょう。
株分け後の管理とケア
株分け後の数週間は、植物が新しい環境に適応し、根を張る大切な期間です。適切なケアを行うことで、株分けの成功率が大きく向上します。

水やりと日陰管理
株分け直後から最初の生育期間中は、定期的な水やりが最も重要です。土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。ただし、常に土が湿っている状態は根腐れの原因になるので、適度な乾湿のメリハリをつけます。
また、株分けした植物は、最初の1〜2週間は日陰または半日陰に置いて養生させることをおすすめします。強い日差しは葉からの水分蒸散を促進し、まだ根がしっかり張っていない植物にとってストレスとなります。寒冷紗や日よけネットを使って、柔らかい光が当たるように調整すると良いでしょう。
肥料の与え方
株分け直後の施肥は控えめにします。植え付け時に土に混ぜた堆肥や緩効性肥料で十分です。根がしっかり張り、新芽が伸び始めてから(通常2〜3週間後)、液肥を薄めて与え始めます。
初期は窒素分の多い肥料で葉の成長を促し、その後徐々にリン酸やカリウムをバランスよく含む肥料に切り替えていきます。肥料の基礎知識を理解して、植物の状態に合わせた施肥を行いましょう。
トラブルシューティング
株分け後に葉が黄色くなったり、しおれたりすることがあります。これは、根の損傷により水の吸収が一時的に低下するためで、多くの場合は自然に回復します。ただし、症状がひどい場合は、葉を数枚摘み取って蒸散を減らす対処が有効です。
また、株分け後の植物は抵抗力が一時的に低下しているため、病害虫に注意が必要です。定期的に葉の裏や茎をチェックし、異常が見られたら早めに対処しましょう。
鉢植え宿根草の株分けと植え替え
鉢植えの宿根草も、定期的な株分けと植え替えが必要です。地植えとは少し異なるポイントがあります。
鉢植えの場合、根詰まりのサインを見逃さないことが重要です。鉢底から根が出ている、水やり後の水の吸い込みが遅い、成長が鈍くなった、などのサインが見られたら株分けのタイミングです。
鉢植えの株分けは、地植えよりも頻繁に行う必要があり、2〜3年に1度が目安です。作業手順は基本的に地植えと同じですが、鉢から株を抜く際は、鉢の縁を軽くたたいたり、鉢を逆さにしたりすると抜きやすくなります。
新しい鉢は、分けた株のサイズに合わせて選びます。あまり大きすぎる鉢は、土が乾きにくく根腐れのリスクが高まります。一般的には、株の根鉢よりも一回り(3〜5cm)大きい鉢を選ぶと良いでしょう。
鉢植えの用土は、市販の培養土に腐葉土やパーライトを混ぜて、水はけを良くすることがポイントです。コンテナガーデンの知識も活用しながら、鉢植えならではの管理を行いましょう。
よくある失敗とその対策
株分けは比較的簡単な作業ですが、いくつかの失敗パターンがあります。事前に知っておくことで、トラブルを避けられます。

時期を間違える
最も多い失敗は、不適切な時期に株分けを行うことです。特に真夏や真冬に作業すると、植物が大きなストレスを受け、回復が遅れたり枯れたりすることがあります。必ず植物の休眠期や、成長が穏やかな時期を選びましょう。
株を細かく分けすぎる
たくさん株を増やしたいからといって、あまり細かく分けすぎると、各株に十分な芽や根がつかず、回復に時間がかかります。1株あたり3〜5本の芽を目安に、ある程度のボリュームを残して分けることが成功のコツです。
根を傷めすぎる
株を掘り上げる際に根を切りすぎたり、分割時に無理に引っ張って根を傷めたりすると、植物の回復が遅れます。道具は清潔で切れ味の良いものを使い、必要以上に根を傷つけないように注意しましょう。
植え付け後の水やり不足
株分け後、根がしっかり張るまでは定期的な水やりが欠かせません。「植えたら終わり」ではなく、最低でも数週間は土の乾燥状態をこまめにチェックし、必要に応じて水を与えましょう。
これらの失敗を避けるためには、剪定の技術と同様に、正しい知識と適切なタイミングが重要です。
まとめ:健康な宿根草を育てるために
宿根草の株分けと植え替えは、植物を長く美しく保つために欠かせない作業です。適切な時期を選び、正しい手順で行うことで、植物を若返らせ、花付きを良くし、さらに株を増やすこともできます。
重要なポイントをおさらいしましょう。まず、株分けの時期は早春(3月〜4月)または初秋(9月〜10月)が基本で、植物の種類によって最適な時期が異なります。次に、株の掘り上げは根を傷めないように大きめに行い、分割は1株あたり3〜5本の芽を残すようにします。そして、植え付け後はたっぷり水やりをし、数週間は日陰で養生させることが成功の鍵です。
株分けは、経験を重ねるごとに上達する技術です。最初は失敗を恐れず、まずは丈夫な植物から始めてみましょう。ホスタやデイリリーなどは、初心者でも比較的簡単に株分けできる植物です。
定期的な株分けと適切な管理により、宿根草は何年も庭を彩り続けてくれます。この記事で紹介した方法を参考に、ぜひ株分けにチャレンジしてみてください。あなたの庭に、元気な宿根草がたくさん花を咲かせることを願っています。




