支柱とトレリスの種類と効果的な使い方
2026年2月6日

ガーデニングと家庭菜園に欠かせない支柱とトレリスの種類、素材、効果的な使い方を詳しく解説。トマト、キュウリ、バラなど植物別の選び方や、合掌式、直立式、オベリスクなどの立て方、誘引テクニック、病害虫対策まで、実践的なノウハウを網羅した完全ガイドです。
支柱とトレリスの種類と効果的な使い方
ガーデニングや家庭菜園を成功させるためには、植物の成長に合わせた適切な支柱やトレリスの設置が欠かせません。特にトマトやキュウリなどのつる性植物、バラやクレマチスなどの観賞用植物では、支柱やトレリスが植物の健康と収穫量を大きく左右します。本記事では、支柱とトレリスの種類から選び方、効果的な使い方まで、実践的なノウハウを詳しく解説します。
支柱とトレリスの役割と重要性
支柱を立てることで、植物の倒伏を防ぎ、茎や側枝の損傷を予防できます。植物は自らの重みや風の影響で倒れやすく、特に実をつけた果菜類では支柱がないと茎が折れてしまうリスクが高まります。
さらに、支柱やトレリスを使った立体的な誘引により、風通しが良くなり病害虫対策にも効果的です。地面から植物を離すことで、土壌由来の病原菌への感染リスクも低減できます。また、光合成のために多くの光を必要とする野菜に対して、受光しやすい体勢に支えてあげる役割も果たします。
果実を地面から離すことで病気や腐敗を防ぎ、収穫も容易になるため、家庭菜園では支柱の設置が収穫量と品質の向上に直結します。適切なガーデニングツール・資材の完全ガイドを活用することで、より効率的な栽培が可能になります。
支柱の主な種類と特徴
支柱にはさまざまな種類があり、育てる植物や栽培環境に応じて最適なものを選ぶ必要があります。

合掌式支柱
合掌式支柱は、支柱を複数本斜めに交差させて、手のひらを合わせたような「合掌」の形に組む立て方です。非常に安定感があり風に強いため、2列植えにした複数の株をまとめて育てたい場合に最適です。トマトやキュウリなどのつる性野菜の栽培に広く活用できます。
設置方法は、まず畝の両側に支柱を斜めに差し込み、上部で交差させます。交差部分は麻ひもやビニールタイで固定し、さらに水平方向に横棒を渡すことで強度が増します。大規模な家庭菜園や複数株の同時栽培に向いています。
直立式支柱
直立式支柱は、支柱を1本ずつ立て、深さ20~30cm程土にさし込む方法です。高さを揃え、約50~60cm間隔をあけて畝の長さに合わせて数本を立て、ツルもの用ネットを立てた支柱の頂部左右にひもで結びます。
この方式は設置が簡単で、キュウリやインゲン、エンドウなどのつる性野菜に適しています。ネットに沿って植物が自然に絡みつくため、誘引の手間が少なく済むのがメリットです。家庭菜園・野菜づくりの完全ガイドでも基本的な手法として推奨されています。
あんどん式(円形支柱)
あんどん式は、主にプランター栽培や鉢植え栽培用の方法で、3本程度の園芸支柱を土壌に垂直に挿し、それらの支柱をリングで固定する方法です。狭いスペースでも誘引するための紐やクリップを固定する場所を多く確保できるため、ベランダ・小スペースガーデニングに特におすすめです。
ミニトマトやつる性の朝顔、クレマチスなどの観賞用つる植物に最適で、360度から植物を観賞できる美しい仕立て方が可能です。市販のあんどん支柱セットを使えば、初心者でも簡単に設置できます。
直立一本仕立て
直立一本仕立ては、1株につき1本の支柱を垂直に立て、主枝を誘引していく方法です。トマトの栽培で最も一般的な方法で、脇芽を摘み取りながら主枝のみを伸ばしていきます。
支柱は株から5~10cm離れた位置に深さ30cm以上差し込み、麻ひもで8の字結びにして茎を固定します。この方法は管理がシンプルで、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
トレリスの種類と選び方
トレリスは、バラやアイビー、クレマチスといったつる性の植物を美しく飾るためのガーデニング用品です。立体的につるを這わせることができるので、植物の様子をより目線に近い位置で楽しむことができます。

柵型トレリス
柵型のトレリスは、フェンスのような形状の平面的なタイプです。規則的な格子になっているものが多く、金具を使えば、プランターのハンギングも容易に行えます。複数組み合わせて使えるものなら、フェンスや目隠しとしても活用できます。
庭の境界やベランダの目隠しとして設置すれば、機能性と装飾性を兼ね備えた空間演出が可能です。バラやつる性のハーブを這わせることで、ハーブガーデンの作り方の一環として活用できます。
筒型トレリス(オベリスク)
筒型のトレリスは、円形の支柱を組み合わせた細長いタワー型で、オベリスクとも呼ばれます。鉢の中の土に直接固定してつるを誘引する小型のものや、地中に埋めて設置する大型のものなど、様々な種類があります。
オベリスクは庭のアクセントポイントとして非常に効果的で、クレマチスやつるバラを絡ませれば、立体的で華やかなガーデンを演出できます。バラの育て方完全ガイドでは、オベリスクを使った仕立て方が詳しく紹介されています。
アーチ型トレリス
アーチ型トレリスは、通路やエントランスに設置することで、ガーデンの印象を大きく変える装飾的なアイテムです。つるバラやクレマチスを這わせれば、まるで絵本のような美しい空間が生まれます。
設置には地面にしっかりと固定する必要があり、強風に耐えられるよう基礎工事が重要です。造園・ガーデンデザインの基本では、アーチの配置や植栽計画について詳しく解説されています。
素材による選び方のポイント
支柱やトレリスの素材選びは、耐久性、コスト、見た目のバランスを考慮することが重要です。

金属製(アイアン・スチール・アルミ)
アイアン(金属)製のトレリスは、鉄やスチール、アルミなどが使われています。耐久性が高く倒れにくいので、重みのある枝を這わせる際や、プランターのハンギングにも活用できます。
特に大型のバラやブドウなど、成長すると重量が増す植物には金属製が適しています。ただし、錆びやすいため、定期的な防錆処理や塗装のメンテナンスが必要です。ステンレスやアルミ製なら錆びにくく、長期間使用できます。
木製(天然木・防腐処理材)
木製のトレリスは、天然素材ならではの温かみのある風合いで、洋風、和風を問わずどんな庭にもなじみます。雨に当たると傷みやすいので、軒先や屋根のある玄関での使用がおすすめです。
杉やヒノキなどの国産材、防腐処理を施したSPF材などが一般的です。日本庭園と和の庭づくりでは、竹や木製の支柱が景観に調和する使い方が紹介されています。
竹製(イボ竹・天然竹)
イボ竹タイプは表面に突起があり紐が滑りにくく、作業効率が向上します。天然の竹は軽量で扱いやすく、環境にも優しい素材です。
和風の庭園だけでなく、ナチュラルガーデンにもよく合います。ただし、耐久性は2~3年程度なので、定期的な交換が必要です。
プラスチック製
プラスチック製は軽量で扱いやすく、錆びや腐食の心配がありません。価格も手頃で、初心者や小規模なガーデニングに適しています。
ただし、強度は他の素材に劣るため、重い植物や強風にさらされる場所には不向きです。
植物別の支柱とトレリスの選び方
| 植物の種類 | 推奨支柱・トレリス | 高さの目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| トマト(大玉) | 直立一本仕立て | 200~240cm | 太さ20mm以上のイボ竹が最適 |
| ミニトマト | あんどん式・直立式 | 150~200cm | プランター栽培に便利 |
| キュウリ | 合掌式・直立式+ネット | 180~240cm | ネットを使うと誘引が楽 |
| ナス | 直立式(3本仕立て) | 150~180cm | 主枝と側枝を3本残す |
| インゲン・エンドウ | 直立式+ネット | 150~200cm | 自然に絡みつくネットが便利 |
| バラ(つる性) | オベリスク・アーチ | 200~300cm | 誘引と剪定が重要 |
| クレマチス | オベリスク・柵型 | 150~250cm | 品種により高さが異なる |
| アサガオ | あんどん式・ネット | 150~300cm | 成長が早いため早めの設置を |
トマトやキュウリなどの高く成長する野菜には長さ200~240cm、太さ20mmの支柱が適しています。植物の最終的な高さと重量を考慮して選ぶことが成功の鍵です。
効果的な支柱の立て方とコツ
支柱の効果を最大限に引き出すには、正しい立て方と誘引方法が重要です。

支柱を立てるタイミング
植物が小さいうちに支柱を立てることが基本です。苗の定植と同時、または定植後1~2週間以内に設置すれば、根を傷めずに作業できます。
成長してから支柱を立てようとすると、根を傷つけたり、既に伸びた茎を無理に誘引することになり、植物にストレスを与えてしまいます。
支柱の差し込み深さと角度
支柱は土に深さ20~30cm以上しっかりと差し込みます。浅いと風で倒れやすく、植物の重みで傾いてしまいます。
合掌式の場合は、支柱の角度を60~70度程度に調整し、交差部分をしっかりと固定します。直立式では垂直に立て、株から5~10cm離した位置に設置することで、根を傷めずに済みます。
誘引の方法とポイント
誘引する際は、麻ひもや園芸用クリップを使い、茎を8の字に結ぶことで、茎と支柱が直接こすれるのを防ぎます。茎をしっかり誘引していくと、風などで茎が倒れたり折れたりせず、立体的に誘引することで剪定がしやすく風通しも良くなります。
誘引は植物の成長に合わせて週に1~2回程度行い、きつく縛りすぎないよう注意します。成長とともに茎が太くなるため、締め付けると茎に食い込んで成長を妨げてしまいます。
追加の横棒や補強
強風地域や背の高い植物には、支柱の途中に横棒を渡して補強すると安定性が増します。合掌式では、交差部分と中間部分に横棒を設置することで、構造全体の強度が大幅に向上します。
台風シーズン前には、支柱の緩みやひもの劣化をチェックし、必要に応じて補強することが重要です。季節の園芸カレンダーを参考に、事前に対策を講じましょう。
トレリスの設置方法と活用術
トレリスは単なる支柱ではなく、ガーデンの装飾要素としても重要な役割を果たします。

設置場所の選定
トレリスを設置する際は、植物の日照条件を考慮します。バラやクレマチスは日当たりの良い場所を好みますが、夏の西日が強すぎる場所は避けるべきです。
また、トレリスの足元には風通しを確保し、水はけの良い土壌を用意します。土づくり・堆肥・肥料の基礎知識を参考に、植物に適した土壌環境を整えましょう。
プランターにトレリスを立てる方法
プランターにトレリスを立て、トレリスに絡ませたい植物はひもで軽く縛り、誘引します。プランター用のトレリスは、底部にプランターの縁に引っ掛ける金具がついているものが便利です。
自立型のトレリスなら、プランターの土に差し込むだけで固定できるため、設置が簡単です。ベランダガーデニングでは移動可能なトレリスが重宝します。
つる植物の誘引テクニック
つる植物をトレリスに誘引する際は、植物の自然な巻き付き方向に沿って誘導します。右巻きの植物を左巻きに無理やり誘引すると、ストレスで成長が止まることがあります。
誘引ひもは植物の成長を妨げないよう、ゆるめに結びます。成長の早い時期は週1回程度、新しいつるを誘引し続けることで、美しい形に仕上がります。
冬季のメンテナンス
落葉性のつる植物の場合、冬季にトレリスから一度外して剪定を行うと、翌年の成長が促進されます。トレリス自体も、冬の間に塗装の補修や錆落としなどのメンテナンスを行うと長持ちします。
支柱とトレリスを使った病害虫対策
支柱やトレリスの適切な使用は、病害虫の予防にも大きく貢献します。
風通しの改善
立体的な誘引により風通しが良くなり、病害虫対策にも効果的です。葉が密集すると湿度が高くなり、カビや細菌性の病気が発生しやすくなります。
支柱で茎を分散させることで、葉の間に空気の流れが生まれ、病原菌の繁殖を抑えられます。病害虫対策と防除の完全ガイドでは、物理的な予防法として支柱の活用が推奨されています。
果実と土壌の接触防止
果実を地面から離すことで病気や腐敗を防ぎ、収穫も容易になります。トマトやキュウリの果実が土に触れると、灰色かび病や軟腐病などの土壌病害にかかりやすくなります。
支柱で持ち上げることで、ナメクジやダンゴムシなどの食害も減少します。清潔な果実を収穫できるため、食味も向上します。
薬剤散布の効率化
植物が立体的に整理されていると、薬剤の散布がムラなく行えます。葉の裏側まで薬液が届きやすく、防除効果が高まります。
また、病気の初期症状を早期に発見しやすくなるため、被害が広がる前に対処できます。
よくある失敗例と対処法
支柱やトレリスの使用でよくある失敗とその対策を紹介します。
支柱が倒れる・傾く
原因は支柱の差し込み深さ不足や、支柱の太さが植物に対して不十分なことです。対処法として、支柱をより深く差し込み、必要に応じて太い支柱に交換します。また、風の強い場所では合掌式や三角式で複数の支柱を組み合わせると安定性が増します。
誘引ひもで茎が傷つく
きつく縛りすぎたり、ナイロンひもなど硬い素材を使うと茎を傷めます。麻ひもや柔らかい園芸用テープを使い、8の字結びでゆるめに固定することが大切です。
成長期は週1回程度ひもの締まり具合をチェックし、食い込みそうなら結び直します。
トレリスに植物が絡まない
植物が自力でトレリスに絡みつかない場合は、初期の誘引が不足しています。若いつるのうちにこまめにトレリスに誘引し、麻ひもで軽く固定してあげると、その後は自然に絡みつくようになります。
また、トレリスの格子が太すぎると細いつるが絡みにくいため、格子の細かいタイプに変更するのも有効です。
支柱が景観を損ねる
無機質な支柱が庭の美観を損ねることがあります。木製や竹製の支柱を選ぶ、塗装で色を工夫する、つる性植物で支柱自体を隠すなどの工夫が有効です。
オベリスクやアーチ型トレリスなど、装飾性の高いアイテムを選ぶことで、支柱自体をガーデンのアクセントにできます。
まとめ
支柱とトレリスは、植物の健全な成長と美しい庭づくりに欠かせないガーデニングツールです。植物の種類、栽培環境、求める景観に応じて、適切な種類と素材を選ぶことが成功の鍵となります。
支柱を立てることで植物の倒伏を防ぎ、茎や側枝の損傷を予防でき、立体的な誘引により風通しが良くなり病害虫対策にも効果的です。トマトやキュウリなどの高く成長する野菜には長さ200~240cm、太さ20mmの支柱が適しており、イボ竹タイプは紐が滑りにくく作業効率が向上します。
トレリスには柵型、筒型(オベリスク)、アーチ型などの種類があり、金属製は耐久性が高く重い枝にも対応可能です。適切な時期に設置し、植物の成長に合わせてこまめに誘引することで、健康的で美しいガーデンを実現できます。
初心者の方は、まず育てる植物に合った基本的な支柱から始め、徐々に装飾性の高いトレリスに挑戦してみてください。適切な支柱とトレリスの活用により、あなたのガーデンはさらに豊かで美しい空間に変わるでしょう。





