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土づくりの基本

土壌pHの測定と酸性・アルカリ性の調整方法

土壌分析のpH項目を正しく測る方法と、酸性・アルカリ性を石灰や硫黄で安全に調整する考え方を解説します。

庭世界 編集部 公開 更新 約7分で読めます
家庭菜園の土を採取して土壌pHを測定する様子
Photo by Prathyusha Mettupalle on Pexels

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土壌分析 方法 phの基本は、区画の複数地点から採った土を同じ条件で測り、育てる作物の許容範囲と比べることです。土壌pHは酸性・アルカリ性の指標であり、低ければ石灰、高ければ硫黄を機械的に足す処方箋ではありません。まず現在値を確かめ、必要な場合だけ少量調整し、反応を待って同じ方法で再測定します。

pHだけでなく土の物理性や肥料設計まで整理したい場合は、親ページの土づくり・堆肥・肥料の基礎も先に確認すると、調整の目的を見失いにくくなります。

土壌pHとは|数値が養分吸収を左右する仕組み

土壌pHは、土壌が酸性かアルカリ性かを0〜14で示す尺度です。7が中性、7未満が酸性、7を超えるとアルカリ性です。葉の黄化が見える株でも、原因が肥料の絶対量ではなく、pHによって起きる養分欠乏である場合があります。

pHは等間隔の物差しではありません。pH5.5の土はpH6.5の土より10倍、pH7.5の土より100倍酸性です。したがって、pHを0.5動かしたいから資材を半量にする、硫黄を2倍にすれば変化も2倍になる、といった比例計算は成立しません。

酸性が強いpH4.0〜5.0では、鉄・アルミニウム・マンガンの濃度が上がって根に影響しやすくなります。反対にpH8.0〜9.0では、リン酸や鉄が溶けにくくなります。土の中に養分が存在していても、根が利用できる形でなければ追肥の効果は限られます。

窒素を供給する根粒菌など、土中微生物の活動もpHと無関係ではありません。長期的には、化学肥料に含まれる硫酸イオンなどがカルシウムと結び付いて流出し、表層の酸性化へ関わる場合があります。HANNA de GO!は、多くの植物がpH6.0〜6.8で育ちやすく、窒素固定菌はpH6.0〜8.0で活発に働くと紹介しています。ただし、これはすべての植物を6.5へそろえる意味ではありません。

土壌pHを正しく測定する方法

土壌pHの測定では、土壌分析の目的を先に決めます。根の周囲をその場で点検するなら直挿し式、区画全体の代表値を比較するなら混合試料の上澄み液法、石灰必要量まで求めるなら検査機関が向いています。

測定方法向く目的主な準備読み方の注意
直挿し式pH計栽培中の根域を素早く点検校正した計器、適度な土壌水分一地点の値を区画全体へ一般化しない
上澄み液法区画の代表値を同じ条件で比較5地点以上の混合土、蒸留水、容器、pH計土と水の比率、振とう時間、静置時間を固定
検査機関の分析石灰量や養分状態まで判断指定方法で採取した代表試料pHだけでなく緩衝性と推奨量を読む

直挿し式では、乾き切った土へ電極を刺しても安定した値を得にくくなります。土を手で団子にできる程度まで湿らせ、30分ほど置いてから複数地点を測ります。土壌水分は測定条件そのものなので、前回と比較するときも湿り具合をできるだけそろえます。

計器は使用前に標準液 AmazonYahoo!で校正し、電極を清潔に保ちます。値が安定しないときは資材を足さず、校正・水分・挿入位置を確認します。

区画全体を代表する試料は、同じ深さの複数地点から採ります。農家Webの手順では、1地点あたり約200gを5地点以上から採り、混ぜて風乾します。アグリポートWebの農業向け5点法では、深さ20cmまでの土を一筆ごとに採ります。家庭菜園でも、畝の端だけ、堆肥を置いた場所だけ、といった偏った採土を避ける考え方は同じです。

上澄み液法の一例は、石や大きな有機物を除いた風乾土20gに蒸留水 AmazonYahoo!50mLを加える方法です。30分〜2時間振とうし、約1時間静置した後、懸濁液へ校正済みの電極を入れます。水道水は地域の水質で結果へ影響し得るため、比較測定では蒸留水を使い、毎回同じ比率にします。

土を砕く程度やふるいの有無も結果の再現性に関わります。団粒や有機物の偏りが大きい土では、土壌構造を壊さない栽培管理と、測定用試料を均一にする前処理を分けて考えます。簡易キットの具体的な扱いは、土壌診断キットの使い方で確認できます。

測定値を読む|作物別の目標pHと誤差の考え方

土壌pHの測定値は一点の正解ではなく、作物が育てやすい範囲として読みます。陽イオン交換容量(CEC)が大きい土は養分を保持しやすい一方、同じ量の石灰を入れてもpHが動きにくいことがあります。これが緩衝能、つまり酸やアルカリを加えてもpH変化に抵抗する性質です。

栽培対象の目安目標帯の例読み方
ブルーベリー・ツツジなどpH4.0〜5.5一般野菜向けの石灰を一律に入れない
じゃがいも・さつまいも・茶pH5.0〜5.5高くしすぎず、作物別ガイドを優先
トマト・きゅうり・なす・小松菜pH6.0〜6.8多くの家庭菜園で目標にしやすい帯
ほうれん草・キャベツなどpH6.5〜7.5付近酸性が強い区画では石灰量を分析結果から決める

表は絶対値ではありません。アグリポートWebは、ほうれん草は6.5寄り、馬鈴しょは5.5寄りと説明しています。KINCHO園芸では、アジサイの青色系がpH4〜5、桃色系がpH6〜7です。

測定器の小数点以下が動くたびに資材を追加する必要はありません。作物の許容範囲に入り、生育上の異常が見られなければ、調整しないことも管理です。

また、必要量は腐植量にも左右されます。土壌有機物が多い土と砂の多い土では、同じ現在pHから同じ目標pHへ動かす量が一致しません。簡易表は「この量なら必ず目標値になる」という保証ではなく、土量と資材を限定した試行量として扱います。

土壌pHを上げる方法|酸性土壌への石灰施用

土壌pHを上げる土壌改良では、現在値、目標範囲、土質、調整する土量の4点をそろえてから石灰資材を選びます。

家庭園芸向けの目安として、KINCHO園芸は1㎡を深さ10cmまで、土量100Lとして調整する場合を示しています。pHを約1上げる量は、消石灰80〜120g、苦土石灰・炭酸石灰100〜150gです。この数値は、別の深さや土質へそのまま移せません。

消石灰は反応性が高く、苦土石灰 AmazonYahoo!はカルシウムとマグネシウムを供給し、炭酸石灰は炭酸カルシウムを主成分とします。製品表示を確認し、計量して均一に混ぜます。

栽培前なら表面へ置くだけで終えず、根が広がる層へむらなく混和します。Iowa State University Extensionは石灰と硫黄が水に溶けにくいことから、植え付け前に深さ6〜8インチへ機械的に混和する方法を示しています。植え付け後は根を傷めず深く混ぜにくいため、一度に大きく動かそうとしません。

農家Webは、石灰質肥料を施して耕起した7〜10日後の再測定を紹介しています。土質が不明なら少ない側から始め、目標範囲で追加を止めます。

堆肥は土壌有機物とCECを支えますが、石灰の代用品ではありません。pH調整と有機物補給を分け、投入を記録します。有機肥料もpH調整資材の代わりにはならないため、化成肥料との違いを分けて整理します。

土壌pHを下げる方法|アルカリ性土壌の酸性化

土壌pHを下げる場合は、ピートモスや硫黄を選ぶ前に、高pHの原因と土の緩衝性を確認します。

硫黄は土壌中で生物的・化学的な過程を経てpHを下げます。そのため即効性はなく、暖かく微生物が働く条件でも3〜6か月かかることがあります。作付け直前に数値だけを合わせる用途には向きません。

硫酸アルミニウムは数日〜数週間で反応し得ますが、アルミニウムの植物毒性があるため、Iowa State University Extensionは理想的な酸性化資材ではないと説明しています。硫酸アンモニウムも窒素源としてpH維持に使われることはありますが、土壌pHを大きく下げる主資材としては位置付けていません。

ピートモスなら何でも強酸性というわけでもありません。培地や培養土向けに園芸店で扱う製品には中性〜弱酸性のものがあり、同ExtensionがpH3.0〜4.5と示すのはカナダ産スファグナムピートモスです。製品のpH表示を確認し、硫黄と組み合わせて酸性植物のレイズドベッドを作る用途などに限定します。

日本の家庭園芸では、酸性の鹿沼土 楽天AmazonYahoo!を使う方法もあります。鹿沼土・赤玉土・軽石の使い分けを確認し、庭全体を酸性化するのではなく、ブルーベリーやツツジの根域だけを分けると管理しやすくなります。

高pHの原因が遊離石灰なら、硫黄を足し続けるより栽培場所を分ける方が現実的です。Colorado State University Extensionは、遊離石灰を多く含むアルカリ性土壌ではpHを大幅に変えることが非現実的な場合があるとしています。灌水に炭酸カルシウムが多ければ水もpHへ影響するため、土だけを直して終わりにはできません。

土壌pH調整で失敗しない判断基準

土壌pHの調整では、肥料を追加する前に、測定条件、作物の範囲、資材の反応時間を順に確認します。過剰矯正を避けるには、調整後に数週間から数か月待ちます。

フロー図

測定条件を固定し、許容範囲内なら調整しない土壌pH管理の判断フローです。

失敗を減らす記録項目は、採土地点、深さ、測定方式、土と水の比率、現在pH、目標範囲、資材名、施用量、日付です。次回も同じ方式で測れば、変化が資材によるものか、測定条件の違いかを切り分けやすくなります。

栽培中に生育が悪いときも、pHだけを原因と決めつけません。根腐れでは根が傷み、pH以外でも吸水が落ちます。排水不良なら根域の過湿を先に改善します。施肥後なら肥料焼けも切り分けます。輪作で作物を替えるときや、大きな資材を投入した後も測定します。

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出典

  • soil
  • soil-ph
  • gardening

庭世界 編集部

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