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造園・ガーデンデザインの基本と実践ガイド

水のある庭の作り方:噴水・池・ビオトープ

2026年2月6日

水のある庭の作り方:噴水・池・ビオトープ

噴水、池、ビオトープなど水景の作り方を徹底解説。設置方法から適した植物と魚の選び方、メンテナンスのコツまで、初心者でも実践できる水のある庭づくりの全てをご紹介します。リラクゼーション効果と生態系保全を両立する理想の庭を作りましょう。

水のある庭の作り方:噴水・池・ビオトープ

水のある庭は、視覚的な美しさだけでなく、心身のリラクゼーション効果や環境への貢献など、多くの魅力があります。噴水の心地よい音色、池に泳ぐ錦鯉の優雅な姿、ビオトープに集まる生き物たちの営み――これらは私たちの生活に潤いと癒しをもたらしてくれます。本記事では、水景の種類から具体的な作り方、メンテナンス方法まで、水のある庭づくりの全てをご紹介します。

水のある庭がもたらす効果とメリット

水のある庭には、単なる装飾以上の価値があります。まず、視覚的な美しさが挙げられます。水面に映る空や緑、季節の花々は、庭に奥行きと変化を与え、見る角度や時間によって表情を変える芸術作品となります。

次に、リラクゼーション効果です。水の流れる音や噴水の音は、都市の喧騒を忘れさせ、心を落ち着かせてくれます。研究によると、水の音は脳波をアルファ波優位の状態に導き、ストレス軽減に効果があることが分かっています。

さらに、環境への貢献も見逃せません。水景は周囲の湿度を調整し、夏場の気温上昇を抑える効果があります。また、ビオトープを設けることで、昆虫や鳥類、両生類などの生息地を提供し、生物多様性の保全に貢献できます。

造園・ガーデンデザインの基本と実践ガイドでは、水景を取り入れた庭づくりの計画方法について詳しく解説しています。

噴水:動きと音で空間を演出する

噴水は、庭に動きと音を加える最も手軽な水景です。小型の卓上タイプから、庭の中心に据える大型タイプまで、様々な選択肢があります。

噴水:動きと音で空間を演出する - illustration for 水のある庭の作り方:噴水・池・ビオトープ
噴水:動きと音で空間を演出する - illustration for 水のある庭の作り方:噴水・池・ビオトープ

噴水のタイプと選び方

噴水には、自立型噴水壁掛け型噴水池併設型噴水などがあります。庭のスペースや雰囲気に合わせて選びましょう。

自立型は設置が簡単で、電源さえ確保できればすぐに楽しめます。壁掛け型はスペースを取らず、ベランダ・小スペースガーデニングの完全ガイドで紹介されているような限られた空間でも活用できます。

池併設型は、池の水を循環させて噴水を作り出すため、水の浄化効果も期待できます。循環ポンプの選定が重要で、池の容量に対して適切な流量のポンプを選ぶ必要があります。

噴水の設置とメンテナンス

噴水の設置には、電源の確保水平な設置面が不可欠です。屋外用の防水コンセントを用意し、漏電ブレーカーを設置することで安全性が高まります。

メンテナンスは、定期的な水質チェックと清掃が基本です。藻やカルキの付着を防ぐため、月に1度は噴水口やフィルターを清掃しましょう。冬季は凍結を防ぐため、水を抜いて屋内保管するか、ヒーターを使用します。

詳しい水質管理については、Garden Design Water Featuresでも専門的な情報が得られます。

池:日本庭園の伝統を受け継ぐ

池は日本庭園の中心的要素として、古くから親しまれてきました。錦鯉や金魚が泳ぐ池は、眺めているだけで心が落ち着きます。

池:日本庭園の伝統を受け継ぐ - illustration for 水のある庭の作り方:噴水・池・ビオトープ
池:日本庭園の伝統を受け継ぐ - illustration for 水のある庭の作り方:噴水・池・ビオトープ

池の種類とサイズの決め方

池には、地面を掘り下げる埋設型地上に設置する据え置き型があります。埋設型は自然な印象を与え、庭の景観に溶け込みますが、施工には専門的な知識が必要です。

据え置き型は、プレハブの池やプラスチック製の池を地面に置くだけで設置できるため、DIYに適しています。サイズは、飼育する魚の数や庭のバランスを考慮して決定します。一般的に、錦鯉1匹あたり1トンの水量が理想とされています。

池の作り方:ステップバイステップ

  1. 場所の選定:日当たりが良すぎると藻が繁殖しやすいため、半日陰が理想です
  2. 掘削:池の深さは最低60cm、できれば90cm以上確保しましょう
  3. 防水シート設置:EPDM製の防水シートが耐久性に優れています
  4. 縁取り自然石や枕木で池の縁を装飾します
  5. ろ過システム:魚を飼育する場合、生物ろ過装置は必須です
  6. 水草の配置:スイレンやハスなどの浮葉植物、アヤメやカキツバタなどの挺水植物を配置します
  7. 水入れと循環:カルキ抜きをした水を入れ、循環ポンプで水流を作ります

Japan Guide - Japanese Gardensでは、伝統的な日本庭園の池のデザインについて学ぶことができます。

池のメンテナンス

池の水質維持には、生物ろ過物理ろ過化学ろ過の3つのろ過システムが重要です。

ろ過方法機能メンテナンス頻度
生物ろ過バクテリアが有害物質を分解月1回のメディア洗浄
物理ろ過ゴミや汚れを物理的に除去週1回のフィルター清掃
化学ろ過活性炭などで臭いや色を除去3ヶ月に1回の交換

また、秋には落ち葉が水質悪化の原因となるため、ネットを張るなどの対策が必要です。季節の園芸カレンダー:月別・季節別ガイドでは、季節ごとの池のメンテナンス方法を確認できます。

ビオトープ:生態系を庭に再現する

ビオトープとは、特定の生物群集が生息できる環境を人工的に作り出したものです。庭にビオトープを設けることで、トンボ、チョウ、カエルなどの生き物が自然に集まる空間になります。

ビオトープ:生態系を庭に再現する - illustration for 水のある庭の作り方:噴水・池・ビオトープ
ビオトープ:生態系を庭に再現する - illustration for 水のある庭の作り方:噴水・池・ビオトープ

ビオトープの設計と作り方

ビオトープの成功の鍵は、多様な環境の創出にあります。浅瀬と深場、日向と日陰、土の部分と石の部分など、変化に富んだ環境を作ることで、様々な生き物が共存できます。

ビオトープの作り方

  1. 浅い池を作る:深さ20〜40cmの浅い池を中心に、さらに深い部分(60〜80cm)を一部設けます
  2. 土の配置:池の底に赤玉土やビオトープ専用の土を敷きます
  3. 在来の水草を植える:地域に自生する水草を優先的に選びます(ガマ、セリ、ミソハギなど)
  4. 石や流木の配置:生き物の隠れ家や産卵場所になります
  5. 陸地部分の整備:池の周囲に湿地帯や草地を作り、水生昆虫の羽化場所を確保します

ビオトープのメンテナンス

ビオトープは自然の力を活かすため、過度なメンテナンスは不要です。むしろ、放置することが良い環境を作る場合もあります。

ただし、外来種の侵入には注意が必要です。アメリカザリガニやウシガエルなどの外来種は、在来種を駆逐する可能性があるため、見つけ次第除去しましょう。

また、水が腐らないよう、最低限の水の循環は確保します。雨水を活用した自然な水の補給が理想的です。

Better Homes & Gardens - Water Gardensでは、海外のビオトープ事例も参考にできます。

水景に適した植物と魚の選び方

水景の魅力を高めるには、適切な植物と魚の選定が重要です。

水生植物の種類

  • 浮葉植物:スイレン、ハス、アサザなど。水面を覆い、藻の繁殖を抑えます
  • 挺水植物:カキツバタ、アヤメ、ガマなど。池の縁を彩ります
  • 沈水植物:マツモ、カボンバなど。水中に酸素を供給します
  • 浮遊植物:ホテイアオイ、サンショウモなど。水質浄化に貢献します

飼育する魚の選び方

日本の気候に適した魚としては、錦鯉金魚メダカが一般的です。

錦鯉は成長すると大型になるため、十分な池の容量が必要です。金魚は品種が豊富で、観賞性が高く、比較的丈夫です。メダカは小型で飼育しやすく、ビオトープにも適しています。

魚の健康を保つには、適切な水温管理と餌やりが重要です。夏場の高水温(30℃以上)や冬場の凍結には注意が必要で、深さ80cm以上の池であれば、魚は池の底で越冬できます。

水景のトラブルシューティング

水景を維持する上で、よくあるトラブルとその対処法を知っておくことが大切です。

水が濁る・緑色になる

これは藻の繁殖が原因です。対策としては:

  • 日光を遮るため、スイレンなどの浮葉植物を増やす
  • ろ過システムを強化する
  • UV殺菌灯を導入する
  • 魚の数を適正にする(過密飼育は水質悪化の原因)

水漏れが発生する

防水シートの破損や接続部の不備が原因です:

  • 定期的にシートの状態をチェックする
  • 破損箇所は専用の補修テープで修理する
  • 大きな破損の場合は、シートの張り替えを検討する

ポンプが動かない

  • フィルターの目詰まりを確認し、清掃する
  • 電源や配線の接触不良をチェックする
  • ポンプ内部に異物が詰まっていないか確認する

魚が病気になる

水質の悪化やストレスが原因の場合が多いです:

  • 水質検査キットでpH、アンモニア、亜硝酸を測定する
  • 部分的な水換えを行う(一度に全量を換えると環境変化が大きすぎる)
  • 塩水浴や薬浴で治療する

病害虫対策と防除の完全ガイドでは、植物の病気だけでなく、水生環境の管理方法についても参考になる情報があります。

まとめ:水のある庭で豊かな暮らしを

水のある庭は、私たちに癒しと潤いを与えてくれるだけでなく、生き物たちの住処となり、環境保全にも貢献する素晴らしい空間です。噴水、池、ビオトープ、それぞれに異なる魅力があり、庭の広さや目的に応じて選ぶことができます。

初めての方は、小さな噴水やプレハブの池から始めてみるのも良いでしょう。慣れてきたら、本格的な池やビオトープに挑戦し、より複雑な生態系を楽しむことができます。

水景づくりの鍵は、適切な計画と継続的なメンテナンスです。最初の設計をしっかり行い、定期的なケアを怠らなければ、何年にもわたって美しい水景を楽しむことができます。

あなたの庭にも、水の輝きと生命の息吹を取り入れてみませんか。四季折々の変化を映す水面、水音に包まれる静かな時間、そして集まる生き物たちとの出会いが、きっと日々の暮らしを豊かにしてくれるはずです。

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