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常緑樹の剪定タイミングと正しい方法

2026年2月6日

常緑樹の剪定タイミングと正しい方法

常緑樹の剪定は春(3〜6月)と秋(9〜10月)が適期です。真夏と真冬は避け、透かし剪定で風通しを改善します。強剪定は全体の3割まで。針葉樹と広葉樹の違いや安全対策、剪定後のケアまで、初心者でも実践できる正しい方法を詳しく解説します。

常緑樹の剪定タイミングと正しい方法

常緑樹は一年を通して美しい緑を保ち、庭に安定した彩りを与えてくれる貴重な存在です。しかし、適切な剪定を行わなければ、樹形が乱れたり、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。本記事では、常緑樹の剪定に最適なタイミングと正しい方法について、実践的なノウハウを詳しく解説します。初心者の方でも安心して取り組めるよう、基本から応用まで網羅した内容となっています。

常緑樹の剪定に最適な時期

常緑樹の剪定適期は、春(3月下旬〜6月上旬)と秋(9月下旬〜10月)の年2回が基本です。専門家によると、この時期を選ぶ理由は、樹木の成長サイクルと深く関係しています。

常緑樹の剪定に最適な時期 - illustration for 常緑樹の剪定タイミングと正しい方法
常緑樹の剪定に最適な時期 - illustration for 常緑樹の剪定タイミングと正しい方法

春の剪定は、新芽が伸び始める前の3月下旬から4月が理想的です。この時期に行うことで、樹木は剪定後に新しい枝葉を効率よく展開し、美しい樹形を保つことができます。一方、秋の剪定は9月下旬から10月に行うのが最適で、この時期は樹木が冬に向けてエネルギーを蓄える準備期間であり、剪定のストレスを最小限に抑えられます。

植栽管理の専門家によれば、真夏と真冬の剪定は絶対に避けるべきとされています。真夏に剪定すると、切り口が強い日差しで焼けてしまい、幹や枝の皮がひび割れて最悪の場合は年内に枯れてしまう危険性があります。真冬は新しい葉が出ないため、大量に切ってしまうと光合成ができなくなり、栄養を作ることができず、大きな枯れ枝を作ってしまうのです。

さらに詳しい剪定技術については、当サイトの専門ガイドもご参照ください。

常緑樹の剪定方法:基本テクニック

常緑樹の剪定で最も重要なのが「透かし剪定」という技法です。これは不要な枝を枝分かれしている付け根から切り取り、枝の数を減らして風通しと日当たりを改善する方法です。

具体的な手順は以下の通りです:

  1. 枯れ枝の除去:まず茶色く枯れた枝を見つけて根元から切り取ります
  2. 重なり枝の処理:枝同士が重なり合っている部分は、片方を根元から切除します
  3. 内向き枝の剪定:樹木の中心に向かって伸びる枝を取り除きます
  4. 徒長枝の整理:他の枝よりも勢いよく伸びている枝を短く切り戻します

園芸の専門サイトによれば、これらの基本テクニックを正しく実践することで、病害虫の予防にもつながり、樹木全体の健康を維持できるとされています。

また、庭木の選び方病害虫対策も併せて学ぶことで、より効果的な庭木管理が可能になります。

強剪定と弱剪定の使い分け

剪定には「強剪定」と「弱剪定」の2種類があり、樹木の状態や目的に応じて使い分けることが重要です。

強剪定と弱剪定の使い分け - illustration for 常緑樹の剪定タイミングと正しい方法
強剪定と弱剪定の使い分け - illustration for 常緑樹の剪定タイミングと正しい方法

弱剪定は、樹形を軽く整える程度の剪定で、全体の1〜2割程度の枝を切る方法です。日常的なメンテナンスとして春と秋に行うのが一般的で、樹木へのダメージが少ないのが特徴です。

強剪定は、樹形を大きく変えたり、樹高を下げたりする場合に行う剪定で、全体の3割程度まで枝を切ります。ただし、専門家の警告によれば、一度に3割以上を切ることは樹木へのダメージが大きすぎるため避けるべきとされています。

強剪定を行う際には、以下の点に注意が必要です:

  • 適切な時期(冬の終わりから春先)を厳守する
  • 数年かけて段階的に行う
  • 切り口には癒合剤を塗布して保護する
  • 剪定後の水やりと肥料管理を徹底する
剪定タイプ切除量適した時期樹木への負担用途
弱剪定全体の1〜2割春・秋日常メンテナンス
中剪定全体の2〜3割春(3〜4月)樹形調整
強剪定全体の3割まで春先(2〜3月)大幅な樹形変更

樹種別の剪定ポイント

常緑樹といっても、針葉樹と広葉樹では剪定方法が異なります。それぞれの特性を理解して適切な剪定を行いましょう。

針葉樹(松・杉・ヒノキなど)

米国の園芸大学研究によれば、松などの針葉樹は側芽が少ないため、過度の剪定に弱い特性があります。特に松の場合は、春に伸びる新芽(通称「みどり」)を手で摘み取る「みどり摘み」という独特の手法が効果的です。剪定バサミを使うと切り口が茶色く変色してしまうため、必ず手で行います。

広葉樹(モチノキ・シラカシ・カシなど)

常緑広葉樹は比較的剪定に強く、切り戻しても新芽が出やすい特徴があります。透かし剪定を基本として、枝抜きを行いながら樹形を整えます。ただし、暖かい地域原産の樹種が多いため、寒さに弱い点に注意が必要です。

季節の園芸カレンダーを参考にしながら、地域の気候に合わせた剪定スケジュールを立てることをおすすめします。

剪定時の安全対策と注意点

常緑樹の剪定は、葉が付いた状態で行うため、視界が悪く事故のリスクが高まります。専門サイトによる安全ガイドでは、以下の対策が推奨されています:

安全装備

作業上の注意点

  • 脚立は必ず安定した場所に設置する
  • 電線や電話線の近くでの作業は専門業者に依頼する
  • 2メートル以上の高所作業は安全帯を使用する
  • 切った枝は地面に放置せず、随時整理する
  • 体調が悪い日や雨天時の作業は避ける

また、ガーデニングツールの選び方や手入れ方法を知ることで、より安全で効率的な作業が可能になります。

剪定後の管理とケア

剪定を終えた後のケアも、常緑樹の健康を保つ上で非常に重要です。

まず、切り口が大きい場合(直径2cm以上)は、癒合剤を塗布して病原菌の侵入を防ぎます。University of Delaware の研究によれば、適切な切り口の保護は樹木の回復速度を大幅に向上させるとされています。

次に、剪定後1〜2週間は水やりを通常より多めに行います。剪定によって樹木はストレスを受けているため、十分な水分補給が回復を助けます。

肥料については、春の剪定後には緩効性の化成肥料を与えると、新芽の成長を促進できます。ただし、秋の剪定後は冬に向けて成長を抑える必要があるため、肥料は控えめにします。

土づくりと肥料の基本を理解しておくと、剪定後の回復をさらにスムーズに進められます。

まとめ:常緑樹の剪定で美しい庭を維持しよう

常緑樹の剪定は、適切なタイミングと正しい方法を守れば、誰でも実践できる園芸作業です。春(3月下旬〜6月上旬)と秋(9月下旬〜10月)の年2回、真夏と真冬を避けて行うことが基本です。

透かし剪定を中心に、枯れ枝や重なり枝を取り除きながら、風通しと日当たりを改善していきます。強剪定は樹木への負担が大きいため、一度に3割以上は切らず、必要に応じて数年かけて段階的に行います。

針葉樹と広葉樹では剪定方法が異なるため、それぞれの特性を理解することが大切です。また、安全装備を整え、脚立の設置や高所作業には十分注意しながら作業を進めましょう。

剪定後は切り口の保護、適切な水やり、控えめな施肥を行い、樹木の回復をサポートします。これらのポイントを押さえることで、常緑樹は一年中美しい緑を保ち、あなたの庭を彩り続けてくれるでしょう。

ガーデニング入門から始めて、徐々に専門的な造園技術を学んでいくことで、より魅力的な庭づくりが可能になります。ぜひ本記事を参考に、常緑樹の剪定にチャレンジしてみてください。

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