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夏の剪定でやってはいけない注意点

2026年2月6日

夏の剪定でやってはいけない注意点

夏の剪定でやってはいけないNG行為5選と正しい対処法を徹底解説。強剪定による枯死リスク、幹焼けの防止策、樹種別の剪定可否チェックリスト、失敗時の応急処置まで、大切な庭木を守るための必須知識をプロの目線で詳しくお伝えします。

夏の剪定でやってはいけない注意点:大切な庭木を枯らさないために

夏の暑い時期、庭木の枝が伸び放題になっていると「そろそろ剪定しなくては」と思うことが多いのではないでしょうか。しかし、夏の剪定は間違ったやり方をすると、庭木を枯らしてしまう危険性が非常に高い時期でもあります。この記事では、夏の剪定でやってはいけないNG行為と正しい対処法を詳しく解説します。大切な庭木を守るために、ぜひ最後までお読みください。

夏の剪定が危険な理由を理解しよう

夏場(6〜8月)は樹木にとって最も体力を消耗する季節です。葉を茂らせ、花を咲かせ、実を育てるために膨大なエネルギーを使っています。この時期に大幅な剪定を行うと、木がダメージを回復する余力がなく、最悪の場合は枯死してしまいます

特に7〜8月の真夏は、樹木の養分の蓄えに余裕がない状態です。アルスコーポレーションの解説によると、夏季剪定はあくまで軽い手入れに留めるべきとされています。また、4〜5月や7〜8月の活発な成長期に剪定すると、切り口から樹液が止まらなくなるリスクもあります。

剪定の基本知識と道具の種類・選び方を理解した上で、夏特有のリスクを把握することが重要です。

夏に絶対やってはいけない剪定NG行為5選

夏の剪定で特に避けるべき行為を具体的に見ていきましょう。以下の表にまとめました。

夏に絶対やってはいけない剪定NG行為5選 - illustration for 夏の剪定でやってはいけない注意点
夏に絶対やってはいけない剪定NG行為5選 - illustration for 夏の剪定でやってはいけない注意点
NG行為リスク正しい対処法
強剪定(太い枝の切断)木が衰弱し枯死する冬の休眠期(11〜2月)まで待つ
樹冠の25%以上を除去ストレスで病気にかかりやすくなる1回の剪定は全体の10〜15%以内に
葉を大幅に減らす幹焼け(日焼け)が発生する日除けとなる葉は残す
フラッシュカット幹に大きな傷ができ腐朽が進むブランチカラーの外側で切る
汚れた道具で剪定病気が他の木に伝染する使用前後にアルコール消毒する

1. 強剪定は最大のNG

夏に太い枝を切り落とす「強剪定」は、最も危険な行為です。剪定110番の解説によると、強剪定で木が枯れる原因は、切り口の修復に必要なエネルギーが夏場は不足しているためです。強剪定と弱剪定の違いと使い分けを正しく理解して、夏は必ず弱剪定(透かし剪定)に留めましょう。

2. 葉の大幅な除去は幹焼けの原因

夏の日差しから幹を守っているのは周囲の葉です。葉を大幅に取り除くと、幹に直射日光が当たり「幹焼け」(日焼け)を起こして木が弱ってしまいますSavaTree社の調査でも、夏の過剪定による日焼けダメージは深刻な問題として指摘されています。

3. 不適切な切り方は致命的

枝の根元には「保護帯(ブランチカラー)」と呼ばれる防御組織があります。Fine Gardening誌によると、フラッシュカット(幹に近すぎる切断)やスタブカット(切り残し)は木に不可逆的なダメージを与えます。保護帯を傷つけると雑菌が侵入し、腐朽が幹内部まで進行してしまいます。

樹種別:夏の剪定可否チェックリスト

すべての樹木が同じではありません。樹種によって夏の剪定への耐性が異なります。庭木の剪定時期一覧も参考にしてください。

樹種分類夏の剪定注意点
落葉広葉樹(モミジ等)✕ 原則禁止落葉後の冬(11〜2月)に行う
常緑広葉樹(ツバキ等)△ 軽剪定のみ新芽が固まった6月頃まで
針葉樹(マツ等)△ 種類によるみどり摘みは5〜6月に行う
花木(バラ等)○ 夏剪定あり花後すぐに行う品種もある
果樹(柑橘等)△ 軽剪定のみ実のなる時期は控える
生垣(カイヅカ等)○ 刈り込み可強い切り戻しは避ける

常緑樹の剪定タイミングと正しい方法や、落葉樹の冬剪定ガイドも併せてチェックしておくことをおすすめします。

夏にやっても良い「正しい剪定」とは

夏の剪定がすべて禁止というわけではありません。以下のような軽い手入れは、むしろ樹木の健康を保つために推奨されます。

夏にやっても良い「正しい剪定」とは - illustration for 夏の剪定でやってはいけない注意点
夏にやっても良い「正しい剪定」とは - illustration for 夏の剪定でやってはいけない注意点

透かし剪定で通気性を確保

込み合った細い枝を間引く「透かし剪定」は、夏に行っても問題ありません。風通しが良くなることで、蒸れによる病気や害虫の発生を防ぐ効果があります。特に梅雨明け後の蒸し暑い時期は、通気性の確保が大切です。

枯れ枝・病気の枝の除去

枯れた枝や病気にかかった枝は、季節に関係なくすぐに取り除くべきです。これらの枝は他の健康な枝に悪影響を及ぼすため、発見次第除去しましょう。剪定バサミとノコギリの正しい手入れ方法で清潔な道具を使うことが重要です。

花がら摘みと軽い切り戻し

花が終わった後の花がら摘みは、次の開花を促すために夏でも積極的に行いましょう。花木の剪定方法と花芽の見分け方を参考に、花芽を傷つけないよう注意してください。

徒長枝の処理

真上に向かって勢いよく伸びる「徒長枝」は、樹形を乱すだけでなく養分を無駄に消費します。これらは夏でも根元から切り取って問題ありません。

夏の剪定で失敗したときの応急処置

もし夏に強剪定をしてしまい、木の調子が悪くなった場合の対処法を知っておきましょう。

夏の剪定で失敗したときの応急処置 - illustration for 夏の剪定でやってはいけない注意点
夏の剪定で失敗したときの応急処置 - illustration for 夏の剪定でやってはいけない注意点

切り口の保護を最優先に

大きな切り口には、必ず癒合剤(ゆごうざい)を塗布しましょう。これにより雑菌の侵入を防ぎ、傷の回復を促進します。剪定後の切り口の処理と癒合促進方法に詳しい手順をまとめています。

水やりと栄養管理

剪定後の弱った木には、適切な水分補給が欠かせません。ただし、過度な水やりは根腐れの原因になるため注意が必要です。朝夕の涼しい時間帯に、根元にたっぷりと水を与えるようにしましょう。Leaf & Limb社も、剪定後のケアの重要性を強調しています。

直射日光の遮断

葉を大幅に失った場合は、寒冷紗やシェードクロスで幹を覆い、直射日光による幹焼けを防ぎましょう。回復するまでの一時的な処置として非常に有効です。

夏の剪定を避けるためのスケジュール管理

計画的な剪定スケジュールを立てることで、夏の危険な剪定を避けることができます。

年間剪定カレンダー

時期作業内容対象樹種
1〜2月強剪定・骨格づくり落葉樹全般
3〜4月新芽前の整枝常緑樹・生垣
5〜6月花後の剪定・みどり摘み花木・松
7〜8月軽い透かし剪定のみ最小限に留める
9〜10月秋の整枝・不要枝除去常緑樹中心
11〜12月冬の本剪定落葉樹・果樹

庭木の剪定時期と基本テクニック一覧も参考にして、適切な時期に作業を計画しましょう。季節の園芸カレンダーと合わせて管理すると効率的です。

プロに依頼すべきケースの見極め

以下のような場合は、無理に自分で剪定せず、プロの造園業者に相談することをおすすめします。

  • 高さ3m以上の高木:脚立作業は暑さで危険性が増します
  • 大きな枯れ枝がある場合:落下のリスクが高く専門技術が必要です
  • 病気が広がっている場合:適切な診断と処置が求められます
  • 樹形が大きく乱れている場合:プロの技術で計画的に整えてもらうべきです

プロの剪定テクニックに学ぶ庭木管理では、専門家の技術を自宅でも活かすヒントを紹介しています。造園工事をプロに依頼する際の費用相場もあわせてチェックしてみてください。

まとめ:夏の剪定は「やらない勇気」が大切

夏の剪定で最も重要なのは、「切りたい衝動をぐっと我慢する」ことです。枝が伸びて気になっても、真夏の強剪定は木にとって大きなダメージとなります。

夏の剪定で守るべき3つのルール:

  1. 強剪定は冬まで待つ - 太い枝は11〜2月の休眠期に
  2. 切るのは全体の10〜15%以内 - 軽い透かし剪定に留める
  3. 道具は清潔に - 消毒した鋭い刃物を使う

剪定・整枝の技術完全ガイドで基本を学び、樹種ごとの適切な時期を守って剪定を行いましょう。正しい知識があれば、あなたの庭木はいつまでも美しく健康に育ちます。

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