生垣の作り方とおすすめ樹種10選
2026年2月6日

生垣に適した樹種の選び方から、植栽方法、剪定・メンテナンスまで徹底解説。イヌマキ、レッドロビン、トキワマンサクなど、おすすめ樹種10選を特徴・用途別に紹介。よくある失敗と対策も掲載し、初心者でも理想の生垣が作れるガイドです。
生垣の作り方とおすすめ樹種10選
生垣は、敷地の境界を美しく彩りながら、目隠しや防風、防犯効果も発揮する優れた外構要素です。ブロック塀やフェンスと異なり、植物の自然な風合いが住まいに温かみを与え、四季折々の変化を楽しめます。しかし、樹種の選択を誤ると、メンテナンスに追われたり、期待した効果が得られなかったりすることも。本記事では、生垣に適した樹種の特徴から、具体的な作り方、おすすめの樹種10選まで、初心者にもわかりやすく解説します。これから生垣を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
生垣に適した樹種の5つの条件
生垣として長く美しく機能させるためには、樹種選びが最も重要です。生垣に適した樹種には、以下の5つの共通する特徴があります。

まず第一に、常緑性であることが挙げられます。生垣の主な目的である目隠しや防風効果を一年中発揮するには、冬でも葉が落ちない常緑樹が理想的です。落葉樹を使用すると、秋冬には枝だけの寂しい姿になり、目隠し効果が失われてしまいます。
第二に、枝葉が密に茂る性質が重要です。葉が大きく疎らに付く樹種では、剪定後や葉が落ちた際に向こう側が透けて見えてしまいます。小さな葉が細かく枝分かれして密集するタイプが、生垣には最適です。
第三に、刈り込みに強いことも必須条件です。生垣は定期的な剪定で形を整える必要があるため、強い刈り込みにも耐えられる樹種でなければなりません。萌芽力が強く、切り戻しても再び芽吹く性質が求められます。
第四に、病害虫に強いことも見逃せません。病害虫対策と防除の完全ガイドでも解説していますが、病害虫に弱い樹種は、定期的な消毒や治療が必要となり、手間がかかります。特にツバキ科の樹木に付きやすいチャドクガは人間にも害を及ぼすため、生垣には避けるべきです。
第五に、成長速度が適度であることも重要です。成長が早すぎると頻繁な剪定が必要になり、逆に遅すぎると目隠し効果が得られるまでに時間がかかります。年間30~50cm程度の成長速度が理想的とされています。
生垣の作り方:基本的な手順
生垣を作る際には、計画段階から植栽後のメンテナンスまで、いくつかの重要なステップがあります。ここでは、基本的な作り方を順を追って説明します。

植栽場所と間隔の決定
まず、生垣を設置する場所を決定します。重要なのは、敷地境界線ギリギリに植えないことです。道路側や隣家側からも手入れができるよう、境界から30~50cm程度内側に植えることをおすすめします。
植栽間隔は、樹種や目的によって異なりますが、一般的には30~50cm間隔が標準です。早く密生させたい場合は狭く、予算を抑えたい場合は広めに設定します。ただし、広すぎると隙間が目立ち、狭すぎると将来的に過密になる可能性があります。
土壌の準備
生垣は長年同じ場所で育つため、土壌の準備は非常に重要です。土づくり・堆肥・肥料の基礎知識と実践ガイドで詳しく解説していますが、植え付け前に以下の作業を行いましょう。
植栽予定のラインに沿って、幅50~60cm、深さ40~50cmの溝を掘ります。掘り上げた土に、腐葉土や堆肥を3~4割混ぜ込み、改良土を作ります。水はけが悪い場所では、底に砂利を敷いて排水性を向上させます。
植え付けの実施
植え付けは、春(3~5月)または秋(9~11月)の気候が穏やかな時期が最適です。真夏や真冬は避けましょう。
ポット苗の場合は、根鉢を軽くほぐしてから植え付けます。深さは、根鉢の上部が地面と同じか、やや高い程度に調整します。深植えすると根腐れの原因になります。
植え付け後は、たっぷりと水を与え、土と根を密着させます。支柱を立てて固定し、風で倒れないようにします。マルチング材(バークチップや腐葉土)を株元に敷くと、乾燥防止と雑草抑制に効果的です。
植栽後の管理
植栽直後の数週間は、根が活着するまでの重要な期間です。土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりを行います。特に夏場の植栽では、毎日の水やりが必要な場合もあります。
活着後も、最初の1~2年は定期的な水やりを続けます。その後は、よほどの乾燥期以外は降雨だけで十分です。
おすすめ樹種10選:特徴と用途
ここでは、生垣に適した樹種10選を、それぞれの特徴と適した用途とともに紹介します。

| 樹種名 | 成長速度 | 最大高さ | 主な特徴 | 適した用途 |
|---|---|---|---|---|
| イヌマキ | 中程度 | 3~5m | 病害虫に強く、刈り込みに耐える | 和風庭園、目隠し |
| レッドロビン | やや速い | 2~4m | 赤い新芽が美しい、虫に強い | 洋風庭園、アクセント |
| トキワマンサク | 中程度 | 2~3m | 花が美しい、葉色が豊富 | 花を楽しむ生垣 |
| キンメツゲ | 遅い | 1~2m | 刈り込みに強い、密生する | 低い生垣、縁取り |
| プリペット | 速い | 2~3m | 成長が早い、洋風に合う | 早期目隠し、洋風庭園 |
| ヒイラギモクセイ | 中程度 | 2~4m | トゲがあり防犯効果、香りが良い | 防犯重視、目隠し |
| マサキ | 中程度 | 2~3m | 耐陰性が高い、管理が容易 | 日陰の場所、初心者向け |
| シラカシ | やや速い | 3~5m | 高木になる、防風効果大 | 高い生垣、防風 |
| アベリア | 速い | 1~2m | 花期が長い、刈り込みに強い | 花を楽しむ、低い生垣 |
| ボックスウッド | 遅い | 1~1.5m | ヨーロッパ風、密生する | 洋風庭園、低い縁取り |
1. イヌマキ(Podocarpus macrophyllus)
イヌマキは、生垣に適した条件をすべて満たす理想的な樹種です。半光沢の深い緑色をした細長い葉が密に茂り、一年中美しい姿を保ちます。病害虫にも強く、刈り込みにもよく耐えるため、初心者からベテランまで幅広く支持されています。
和風庭園に特によく合い、古くから日本の生垣として親しまれてきました。成長速度は中程度で、年に2回程度の剪定で美しい形を維持できます。耐陰性もあるため、日当たりがやや悪い場所でも育ちます。
2. レッドロビン(Photinia×fraseri 'Red Robin')
レッドロビンは、鮮やかな赤色の新芽が最大の特徴です。春の新芽時期には、生垣全体が赤く染まり、非常に美しい景観を作り出します。成長後は深い緑色に変化し、年間を通じて色の変化を楽しめます。
従来のベニカナメモチに比べ、病害虫に強い改良品種で、特に虫がつきにくいというメリットがあります。やや成長が早いため、早期に目隠し効果を得たい場合に適しています。洋風の住宅にもよく合います。
3. トキワマンサク(Loropetalum chinense)
トキワマンサクは、5月頃に咲く花が魅力的な樹種です。特にベニバナトキワマンサクは、ピンク色の花と赤みを帯びた葉が美しく、エクステリアのアクセントとして人気があります。白花品種もあり、好みに応じて選べます。
常緑性で年間を通じて葉を保ち、刈り込みにも強いため、生垣として十分な機能を果たします。花が終わった後に剪定することで、翌年も美しい花を楽しめます。造園・ガーデンデザインの基本と実践ガイドでも、アクセント植栽として紹介されています。
4. キンメツゲ(Ilex crenata 'Golden Gem')
キンメツゲは、小さな葉が密に茂る特性から、刈り込んで形を整えやすい樹種です。成長速度が遅いため、頻繁な剪定が不要で、手間がかからないメリットがあります。
低い生垣や花壇の縁取りに最適で、高さ1~2m程度の生垣を作る場合に向いています。耐寒性、耐暑性ともに優れており、日本全国で栽培可能です。和風、洋風どちらの庭にも合わせやすい万能な樹種です。
5. プリペット(Ligustrum)
プリペットは、成長が早く、比較的安価で入手できることから、生垣材料として人気があります。洋風の庭によく合い、白い小花を初夏に咲かせます。
刈り込みに強く、強剪定にも耐えるため、好みの形に整えやすい樹種です。ただし、成長が早い分、年に3~4回の剪定が必要になる場合もあります。早期に目隠し効果を得たい方や、こまめに手入れできる方におすすめです。
6. ヒイラギモクセイ(Osmanthus×fortunei)
ヒイラギモクセイは、葉にトゲがあるため、防犯効果を重視する方に適した樹種です。トゲは鋭く、侵入者の抑止力になります。秋には白い小花を咲かせ、キンモクセイに似た良い香りを放ちます。
常緑性で年間を通じて葉を保ち、刈り込みにも耐えます。日当たりから半日陰まで幅広い環境に適応します。ただし、トゲがあるため、小さなお子様がいる家庭では設置場所に注意が必要です。
7. マサキ(Euonymus japonicus)
マサキは、耐陰性が高く、日当たりが悪い場所でもよく育つ樹種です。管理が容易で、初心者にも扱いやすいため、ガーデニング入門・基礎知識の完全ガイドでもおすすめの樹種として紹介されています。
斑入り品種など、葉の色や模様にバリエーションがあり、選択肢が豊富です。病害虫にも比較的強く、都市部の排気ガスにも耐性があるため、幅広い環境で活用できます。
8. シラカシ(Quercus myrsinifolia)
シラカシは、高木性の常緑樹で、3~5m以上の高い生垣を作りたい場合に適しています。葉が密に茂り、防風効果が高いため、風の強い地域や広い敷地の境界に向いています。
成長はやや早めですが、強い刈り込みにも耐えるため、高さをコントロールできます。どんぐりがなることも特徴で、秋には野鳥が訪れる楽しみもあります。
9. アベリア(Abelia×grandiflora)
アベリアは、初夏から秋まで長期間にわたって白やピンクの小花を咲かせる樹種です。花が美しく、花期が長いため、観賞価値の高い生垣を作りたい方に最適です。
成長が早く、刈り込みにも強いため、扱いやすい樹種です。低い生垣(1~2m)に向いており、ベランダ・小スペースガーデニングの完全ガイドでも紹介されているように、限られたスペースでも活用できます。
10. ボックスウッド(Buxus)
ボックスウッドは、ヨーロッパの庭園でよく使われる樹種で、洋風の庭に最適です。葉が非常に小さく密に茂るため、細かい刈り込みが可能で、幾何学的な形に整えることもできます。
成長が遅いため、頻繁な剪定は不要で、手間がかかりません。低い生垣や花壇の縁取りに向いており、フォーマルな雰囲気を演出できます。耐寒性、耐暑性ともに優れています。
生垣の剪定とメンテナンス
生垣を美しく保つためには、定期的な剪定とメンテナンスが欠かせません。剪定・整枝の技術完全ガイドでも詳しく解説していますが、ここでは生垣特有のポイントを説明します。

剪定の時期と回数
生垣の剪定は、一般的に**年2回**(3~5月の春と9~10月の秋)行うのが標準です。春の剪定は、新芽が伸びる前に行い、形を整えます。秋の剪定は、成長が落ち着いた時期に行い、冬に向けて整えます。
成長が早い樹種(プリペットやアベリアなど)では、年3~4回の剪定が必要な場合もあります。逆に、成長が遅い樹種(キンメツゲやボックスウッドなど)では、年1回でも十分な場合があります。
剪定の方法
生垣の剪定は、電動バリカンや刈り込みばさみを使用して行います。基本的な手順は以下の通りです。
まず、仕上がりの高さと幅を決定します。目安となる水糸やロープを張ると、均一に刈り込めます。剪定は、下から上へ進めるのが基本です。下部を先に刈ることで、切った枝葉が上部に引っかからず、作業がスムーズになります。
側面は、下部をやや厚めに残し、上部に向かってわずかに狭くなるように刈り込みます。これにより、下部にも日光が届き、全体的に葉が茂ります。上面は、水平になるように刈り揃えます。
その他のメンテナンス
剪定以外にも、以下のメンテナンスが必要です。
施肥:年1~2回、春と秋に緩効性肥料を株元に施します。過度の施肥は徒長の原因になるため、控えめに与えます。
水やり:植栽後1~2年は定期的に水やりが必要ですが、活着後は降雨だけで十分です。ただし、極端な乾燥時には水を与えます。
病害虫チェック:定期的に葉の状態を観察し、病害虫の発生を早期に発見します。発見した場合は、早めに対処します。
枯葉の除去:内部に溜まった枯葉は、病害虫の温床になるため、こまめに取り除きます。
よくある失敗と対策
生垣づくりでよくある失敗とその対策を紹介します。

境界ギリギリに植えてしまった
敷地境界線ギリギリに植えると、道路側や隣家側からの剪定ができず、メンテナンスが困難になります。植栽前に、境界から30~50cm内側に配置するよう計画しましょう。すでに植えてしまった場合は、移植を検討するか、隣家の了解を得て敷地に入らせてもらう必要があります。
成長速度を考慮しなかった
成長が早い樹種を選んだ結果、頻繁な剪定に追われるケースがあります。逆に、成長が遅い樹種では、目隠し効果が得られるまでに何年もかかることも。自分のライフスタイルや手入れにかけられる時間を考慮して樹種を選びましょう。
日当たりを確認しなかった
多くの樹種は日当たりを好みますが、場所によっては日陰になることもあります。植栽予定地の日当たり条件を事前に確認し、耐陰性のある樹種(マサキなど)を選ぶか、日当たりを改善する工夫をしましょう。
植栽間隔が不適切だった
間隔が広すぎると隙間が目立ち、狭すぎると過密になります。樹種ごとの推奨間隔を守り、将来の成長も見越して配置しましょう。一般的には30~50cm間隔が標準ですが、樹種の特性を確認することが重要です。
まとめ
生垣は、適切な樹種選びと正しい施工・管理によって、長年にわたり美しく機能する外構要素となります。常緑性、密生性、刈り込み耐性、病害虫抵抗性、適度な成長速度という5つの条件を満たす樹種を選び、植栽場所や間隔、土壌準備に注意して施工しましょう。
おすすめの10樹種は、それぞれ異なる特徴と魅力を持っています。和風庭園にはイヌマキやキンメツゲ、洋風庭園にはレッドロビンやボックスウッド、花を楽しみたい方にはトキワマンサクやアベリア、防犯効果を求める方にはヒイラギモクセイなど、目的に応じて選択できます。
定期的な剪定とメンテナンスを行うことで、生垣は美しい姿を保ち続けます。季節の園芸カレンダー:月別・季節別ガイドを参考に、適切な時期に手入れを行いましょう。初めて生垣を作る方も、本記事のポイントを押さえれば、きっと理想の生垣を実現できるはずです。あなたの庭に最適な生垣を作り、緑豊かな住環境を楽しんでください。





