和風の庭に合う植物の選び方と配置
2026年2月6日

和風の庭づくりに適した植物の選び方と効果的な配置方法を解説。松やモミジなどの高木から、ヤブランやタマリュウなどの下草まで、日本庭園を美しく彩る植物選びのポイントと、四季を通じて楽しめる植栽計画の立て方をご紹介します。
和風の庭に合う植物の選び方と配置
和風の庭づくりでは、植物の選び方と配置が庭全体の雰囲気を大きく左右します。日本庭園の美しさは、四季折々の自然の変化を表現し、心を落ち着かせる空間を作り出すことにあります。和風の庭に合う植物は、日本に古くから自生するものや盆栽の樹種として使われているものを選ぶと良いとされています。本記事では、和風の庭に適した植物の選び方から、効果的な配置方法まで、実践的なポイントを詳しく解説します。
和風の庭に適した高木の選び方
和風の庭において高木は庭の骨格を形成する重要な要素です。松の木は風格があり常緑性で手入れが比較的簡単で、庭に伝統的な風情をもたらします。特にゴヨウマツやクロマツは、和風庭園の代表的なシンボルツリーとして人気があります。

イロハモミジは寺や神社にもよく植えられている落葉性の樹木で、春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の枝ぶりと、四季それぞれの美しさを楽しめます。ハウチワカエデやヤマモミジなど、モミジ類は葉の形や紅葉の色合いに個性があり、庭の見どころを作ります。
アオダモやソヨゴといった中木は、控えめながらも住まいとの調和が取りやすく、和モダンのガーデンデザインに適しています。アオダモは白い花が咲き、涼しげな雰囲気を演出します。ソヨゴは常緑性で、冬でも緑を保ちながら赤い実をつけて彩りを添えます。
ヤマボウシは日本に古くから自生する落葉性の花木で、春には清楚な白い花を咲かせ、夏には新緑、秋には紅葉と真っ赤な実が楽しめます。庭木・シンボルツリーとして選ぶ際には、成長後のサイズも考慮して配置しましょう。
中木・低木で庭に変化をつける
中木や低木は、高木と下草をつなぐ役割を果たし、庭に奥行きと変化を与えます。ツツジやサツキは、春に色鮮やかな花を咲かせ、和風の庭に華やかさをもたらします。刈り込みにも強いため、好みの形に整えることができます。
南天は縁起の良い植物として古くから親しまれており、冬に赤い実をつけて庭を明るく彩ります。葉も美しく、日陰でもよく育つため、建物の北側などにも植えられます。
竹や笹類は和風の庭に欠かせない植物です。葉が風に揺れる音や、縦のラインが美しく、狭い空間でも存在感を発揮します。ただし、地下茎で広がりやすいため、植栽前に根止めを設置するなどの対策が必要です。
ユキヤナギやレンギョウなどの花木は、早春に白や黄色の花を枝いっぱいに咲かせ、季節の移ろいを感じさせてくれます。剪定と整枝の技術を活用して、美しい樹形を保ちましょう。
下草の選び方と配置のポイント
下草は地面を覆い、庭全体の統一感を生み出す重要な役割を果たします。下草は細長い葉を持つ笹類、フッキソウ、タマリュウ、ヤブラン、リュウノヒゲなどが適しているとされています。

タマリュウやリュウノヒゲは常緑の多年草で、濃緑の細い葉が密に茂り、芝生の代わりとしても使えます。日陰でもよく育ち、手入れが簡単なため、初心者にもおすすめです。
ヤブランは耐陰性が強く、夏から秋にかけて紫や白の穂状の花を咲かせます。斑入りの品種もあり、明るい印象を与えます。
フッキソウは常緑の地被植物で、光沢のある葉が美しく、日陰の場所を緑豊かに彩ります。成長が穏やかで、まとまりのある姿を保ちやすいのが特徴です。
ギボウシは大型の葉が特徴的で、日陰でもよく育ちます。品種によって葉の色や模様が異なり、夏には涼しげな花を咲かせます。和風だけでなく、洋風の庭にも合わせやすい植物です。
シダ類は自然な雰囲気を演出するのに最適です。ベニシダやオオタニワタリなど、日本に自生する種類を選ぶと、より本格的な和風の庭になります。
植物配置の基本原則
植物を選ぶ前に庭の環境(日当たり、土壌)を確認し、全体のイメージを固めることが重要です。日当たりのよい場所を好む植物と、日陰を好む植物では、育ち方が大きく異なるため、庭の条件に合った植物を選びましょう。

高低差をつけて植栽することで、庭に立体感と奥行きが生まれます。背の高い樹木を後方に、中木を中央に、下草を手前に配置するのが基本です。和モダンではシンプルさを重視し、高低差をつけて「間」を生かすデザインが効果的とされています。
あえて整えすぎず、不規則に植えることで自然の雰囲気を出すことができます。左右対称ではなく、非対称のバランスを意識すると、より自然で趣のある景観になります。
視線の誘導も重要なポイントです。庭の奥や角に見どころとなる植物を配置することで、庭全体を広く見せることができます。石灯籠やつくばいなどの和風の造園要素と組み合わせると、より本格的な空間になります。
植物同士の相性も考慮しましょう。常緑樹と落葉樹を組み合わせることで、一年を通じて緑を保ちつつ、季節の変化も楽しめます。花の咲く時期をずらすことで、春から秋まで途切れなく花を楽しむことも可能です。
日陰と日なたで選ぶ植物
庭の日当たり条件によって、適した植物が変わります。日当たりのよい場所では、松やモミジ、ツツジ、サツキなどが健全に育ち、美しい花や紅葉を楽しめます。
半日陰の場所には、ヤマボウシやアオダモ、ヤブラン、ギボウシなどが適しています。これらは明るい日陰を好み、強い直射日光を避けたい場所に向いています。
日陰の場所では、フッキソウやタマリュウ、シダ類、南天などが活躍します。建物の北側や樹木の下など、日が当たりにくい場所でも元気に育ちます。
西日が強く当たる場所は、植物にとって過酷な環境です。常緑樹や乾燥に強い植物を選び、土づくりと適切な肥料で根を丈夫にすることが大切です。
季節ごとの見どころを作る植栽計画
和風の庭の魅力は、四季折々の変化を楽しめることです。春には桜やユキヤナギ、ツツジなどが花を咲かせ、華やかな景色を作ります。
夏は新緑が美しい季節です。モミジやアオダモの若葉が涼しげな印象を与え、ギボウシやヤブランが花を咲かせます。竹の葉が風に揺れる音も、夏の庭を涼やかに演出します。
秋は紅葉の季節で、モミジやハウチワカエデが鮮やかに色づきます。ヤマボウシの赤い実や、南天の実も秋の庭を彩ります。
冬は常緑樹が主役になります。松やソヨゴの緑が雪に映え、落葉樹の枝ぶりが美しいシルエットを描きます。南天の赤い実は冬の庭に明るさをもたらします。
季節の園芸カレンダーを参考に、年間を通じて見どころのある庭づくりを計画しましょう。
和風の庭におすすめの植物一覧
| 植物名 | 分類 | 特徴 | 適した場所 | 季節の見どころ |
|---|---|---|---|---|
| ゴヨウマツ | 高木・常緑 | 風格があり手入れ簡単 | 日なた | 一年中緑を保つ |
| イロハモミジ | 高木・落葉 | 四季の変化が美しい | 半日陰 | 春の新緑、秋の紅葉 |
| ヤマボウシ | 中木・落葉 | 花、実、紅葉が楽しめる | 日なた〜半日陰 | 春の花、秋の実と紅葉 |
| アオダモ | 中木・落葉 | 涼しげな雰囲気 | 半日陰 | 春の白い花 |
| ソヨゴ | 中木・常緑 | 赤い実が美しい | 半日陰 | 冬の赤い実 |
| ツツジ | 低木・常緑 | 春の花が華やか | 日なた | 春の花 |
| 南天 | 低木・常緑 | 縁起が良く実が美しい | 日陰可 | 冬の赤い実 |
| ヤブラン | 下草・常緑 | 耐陰性が強い | 日陰可 | 夏〜秋の花 |
| タマリュウ | 下草・常緑 | 芝生代わりになる | 日陰可 | 一年中緑 |
| ギボウシ | 下草・落葉 | 大型の葉が特徴 | 日陰 | 夏の花 |
管理のポイントと注意点
和風の庭を美しく保つには、適切な管理が必要です。剪定は樹形を整えるだけでなく、風通しを良くして病害虫を防ぐ効果もあります。松は「みどり摘み」、モミジは透かし剪定など、樹種に合わせた剪定方法を学びましょう。
水やりは、植えつけ直後は特に重要です。根がしっかり張るまでは、土が乾いたらたっぷりと水を与えます。established後は、自然の雨だけでも育ちますが、夏の乾燥時には補助的に水やりをします。
肥料は春と秋に緩効性の有機肥料を与えると、健康な成長を促します。与えすぎは逆効果なので、適量を守りましょう。
病害虫対策も大切です。早期発見・早期対応が基本で、定期的に葉の裏や枝を観察します。アブラムシやカイガラムシは見つけ次第除去し、必要に応じて薬剤を使用します。
マルチングは雑草防止や土の乾燥防止に効果的です。バークチップや化粧砂利を敷くと、見た目も美しく管理が楽になります。
まとめ
和風の庭づくりでは、植物選びと配置が成功の鍵となります。日本古来の樹木や下草を中心に、庭の環境に合わせて選び、高低差や「間」を意識して配置することで、美しい和の空間が生まれます。
四季折々の変化を楽しめるよう、常緑樹と落葉樹をバランスよく組み合わせ、花や実、紅葉の時期を考慮した植栽計画を立てましょう。適切な管理を続けることで、年月を経るごとに味わい深い庭へと成長していきます。
和風の庭は、日本の自然美を凝縮した特別な空間です。植物の選び方と配置の基本を押さえ、自分らしい和の庭を作り上げてください。





