マリーゴールドの栽培と害虫忌避効果
2026年2月6日

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マリーゴールドの栽培と害虫忌避効果
マリーゴールドは、その鮮やかな黄色やオレンジ色の花で庭を明るく彩るだけでなく、優れた害虫忌避効果を持つ植物として知られています。初心者でも育てやすく、コンパニオンプランツとしても活用できるマリーゴールドの栽培方法と、その驚くべき害虫対策効果について詳しく解説します。
マリーゴールドの基本特性と種類
マリーゴールドはキク科の一年草で、メキシコや中南米原産の植物です。耐暑性が強く、開花期間が5月から11月頃までと非常に長いのが特徴で、ガーデニング初心者にも育てやすい人気の花です。
マリーゴールドには主に3つの系統があります。アフリカン種は草丈が高く(50~100cm程度)、大輪の花を咲かせます。フレンチ種は草丈が低く(20~40cm程度)、コンパクトで花壇の縁取りに適しています。メキシカン種は細かい葉と小さな花が特徴で、繊細な雰囲気を演出できます。
咲き方も一重咲き、八重咲き、カーネーション咲きなど多様で、用途や好みに応じて選べる豊富なバリエーションがあります。特に害虫対策を目的とする場合は、後述するようにアフリカン種が最も効果的とされています。
マリーゴールドの害虫忌避メカニズム
マリーゴールドが「天然の農薬」と呼ばれる理由は、その独特の香りと根から分泌される化学物質にあります。マリーゴールドの葉や茎にはリモネンという成分が含まれており、この強い香りがアブラムシやコナジラミなどの害虫を遠ざける効果があります。
さらに注目すべきは、根から分泌されるα-ターチエニールという物質です。この成分は土壌中の線虫(センチュウ)に対して毒性を持ち、センチュウの数を減少させる効果が科学的に確認されています。特にネコブセンチュウやネグサレセンチュウなど、根菜類や夏野菜に被害を与える害虫に対して有効です。
Newcastle大学の研究では、フレンチマリーゴールドをトマトと一緒に栽培した場合、コナジラミの個体数の増加が有意に遅れることが実証されました。また、マリーゴールドの花は益虫であるテントウムシやヒラタアブ、寄生蜂などを引き寄せる効果もあり、総合的な害虫管理に貢献します。
栽培の基本:土づくりと種まき
マリーゴールドは水はけの良い土壌を好みます。地植えの場合は、植え付けの2週間前に堆肥や腐葉土を混ぜ込んで耕しておきましょう。pH6.0~6.5程度の弱酸性から中性の土が最適です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で十分ですが、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1の配合土を自作することもできます。底には必ず鉢底石を敷き、排水性を確保してください。
種まきの適期は、発芽適温が20℃~25℃であることから、暖地では3月中旬から4月、寒冷地では4月下旬から5月が目安です。直まきも可能ですが、育苗ポットで育ててから定植する方が管理しやすいでしょう。
種は浅めに(5mm程度の深さ)まき、発芽するまでは土を乾かさないように注意します。発芽後は日当たりの良い場所で管理し、本葉が4~5枚になったら定植します。株間は品種によりますが、フレンチ種で20~25cm、アフリカン種で30~40cm程度が目安です。
日常管理:水やり・肥料・花がら摘み
水やりのポイント
マリーゴールドは過湿を嫌うため、水やりは「土の表面が乾いたら」を基本とします。地植えの場合は、定植後の活着までは水やりが必要ですが、根付いた後は基本的に降雨のみで十分です。夏場の極端な乾燥時のみ、朝か夕方に水を与えます。

鉢植えの場合は、土の表面が白く乾いてから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。受け皿に溜まった水は必ず捨て、根腐れを防ぎましょう。
肥料の与え方
マリーゴールドは肥料が少なくても育ちますが、長期間花を楽しむためには適度な施肥が効果的です。植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜ込み、その後は月に1~2回程度、液体肥料(1000倍希釈)を与えます。
窒素過多になると葉ばかりが茂って花付きが悪くなるため、リン酸とカリウムが多めの配合肥料を選ぶと良いでしょう。
花がら摘みの重要性
マリーゴールドを長く楽しむために最も重要な作業が花がら摘みです。咲き終わった花をそのままにしておくと、植物は種子形成にエネルギーを使い、新しい花が咲きにくくなります。花が茶色く枯れてきたら、花首の下でカットしましょう。
この作業をこまめに行うことで、秋の霜が降りる頃まで次々と花を咲かせ続けます。また、株全体のバランスを見ながら、伸びすぎた茎は切り戻すことで、コンパクトで花付きの良い株に仕立てられます。
コンパニオンプランツとしての活用法
マリーゴールドの害虫忌避効果を最大限に活用するには、コンパニオンプランツとしての植え付けが効果的です。特に相性が良いのは以下の作物です。

トマト・ナス・ピーマンなどナス科野菜
トマトやナスなどのナス科野菜の株間や畝の端にマリーゴールドを植えると、センチュウやアブラムシの被害を軽減できます。特にフレンチマリーゴールドは、トマトのコナジラミ対策に有効であることが研究で確認されています。
キュウリ・カボチャなどウリ科野菜
ウリ科野菜も根にセンチュウが付きやすいため、マリーゴールドとの混植が有効です。キュウリの株元に植えることで、アブラムシやハダニの発生も抑制できます。
ニンジン・ダイコンなどの根菜類
根菜類はネコブセンチュウの被害を受けやすいため、マリーゴールド(特にアフリカン種)を前作として栽培するか、畝の周囲に植えることで土壌改善効果が期待できます。
ただし、センチュウ防除効果を得るには、マリーゴールドを植え付けてから2ヶ月以上経過してから野菜を栽培する必要があります。また、マメ科植物(インゲン、エンドウなど)とは相性が悪いとされるので、混植は避けましょう。
マリーゴールドの品種選びと効果の違い
| 品種タイプ | 草丈 | センチュウ対策効果 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|
| アフリカン種 | 50~100cm | ★★★(最も高い) | 地植え・センチュウ対策重視 |
| フレンチ種 | 20~40cm | ★★(中程度) | 鉢植え・コナジラミ対策 |
| メキシカン種 | 30~60cm | ★(低い) | 観賞用・香り重視 |
害虫対策を主目的とする場合、アフリカン種を選ぶのがベストです。特に「クラッカージャック」や「バニラ」などの品種は、センチュウ抑制効果が高いと報告されています。
一方、花壇の縁取りや鉢植えでコンパクトに楽しみたい場合は、フレンチ種の「デュランゴ」や「ボナンザ」などが適しています。これらも一定の害虫忌避効果を持ちながら、観賞価値も高い品種です。
病害虫と対策
マリーゴールドは比較的病害虫に強い植物ですが、栽培環境によっては以下のような問題が発生することがあります。

灰色かび病:過湿や風通しの悪さが原因で発生します。花がらや枯れ葉をこまめに取り除き、株間を適切に保つことで予防できます。
ハダニ:乾燥した環境で発生しやすく、葉の裏に寄生して吸汁します。葉の表面に白い斑点が現れたら要注意です。葉水をかけることで予防でき、発生した場合は殺ダニ剤を散布します。
ナメクジ・カタツムリ:新芽や若い葉を食害します。株元にナメクジ用の誘引剤を置くか、夜間に見つけ次第捕殺します。
アブラムシ:新芽や蕾に群生しやすく、ウイルス病を媒介することもあります。見つけたら早めに水流で洗い流すか、粘着テープで取り除きます。
皮肉なことに、害虫を遠ざけるマリーゴールド自身も、環境によっては害虫の被害を受けることがあります。日々の観察と早期発見・早期対処が重要です。
効果的な配置と植え付け密度
マリーゴールドの害虫忌避効果を最大限に引き出すには、配置と密度が重要です。一般的に、守りたい作物の周囲を囲むように植えるか、作物の株間に交互に植え付けるのが効果的です。
畝の両端に配置:家庭菜園の畝の両端に30~40cm間隔でマリーゴールドを植えると、畝全体に忌避効果が広がります。
市松模様配置:作物とマリーゴールドを交互に配置する市松模様は、より均一な保護効果が期待できます。
混植比率:野菜4~5株に対してマリーゴールド1株程度が目安です。マリーゴールドを植えすぎると、作物との養分競合や日照不足を招くので注意しましょう。
また、マリーゴールドの香り成分は水に溶けやすいため、雨の後は一時的に効果が弱まります。定期的に葉を軽く揉んで香りを強めることで、忌避効果を持続させることができます。
まとめ:マリーゴールドで持続可能な庭づくり
マリーゴールドは、美しい花を楽しみながら自然な方法で害虫を管理できる、まさに一石二鳥の植物です。化学農薬に頼らない持続可能なガーデニングを実践したい方にとって、マリーゴールドは欠かせないパートナーとなるでしょう。
栽培のポイントをおさらいすると、日当たりの良い場所で、水はけの良い土に植え、花がらをこまめに摘むことが長く楽しむ秘訣です。コンパニオンプランツとして活用する場合は、アフリカン種を選び、植え付けから2ヶ月以上経過してから効果を期待するようにしましょう。
春に種をまけば、秋まで鮮やかな花と確かな害虫対策効果を提供してくれるマリーゴールド。あなたの庭やベランダにも、ぜひこの頼もしい植物を迎え入れてみてください。きっと、ガーデニングがより楽しく、より実りあるものになるはずです。





