11月の園芸作業:庭の片付けと防寒対策
2026年2月6日

11月に行うべき園芸作業を徹底解説。落ち葉の処理、球根植え付け、樹木剪定、防寒対策(雪吊り・マルチング)、野菜収穫まで。日本の伝統技法も紹介します。来春の美しい庭のために今からできる冬支度を始めましょう。
11月の園芸作業:庭の片付けと防寒対策
11月は秋から冬へと移り変わる季節。落ち葉が舞い散り、霜が降りはじめるこの時期は、庭の整理整頓と冬支度を本格的に始める大切なタイミングです。この記事では、11月に取り組むべき園芸作業の全てをわかりやすく解説します。来春に美しい庭を楽しむためにも、今から適切な準備を始めましょう。
11月の庭の片付け作業:やるべきこととコツ
11~12月は枯葉や落ち葉が多くなるので、掃き掃除を意識的に行う必要があります。効率的に掃除を進めるには、雨の直後を避け、風がない日を狙うのがポイントです。
落ち葉の処理と活用法
集めた落ち葉は捨てるだけでなく、腐葉土や堆肥の材料として活用できます。土づくり・堆肥・肥料の基礎知識と実践ガイドで詳しく解説していますが、落ち葉を積み重ねて発酵させることで、栄養豊富な腐葉土が作れます。
また、マルチングに使うのは腐葉土や堆肥、バークチップ、落ち葉などがおすすめで、落ち葉がたくさん降り積もる庭では落ち葉でのマルチングも効果的です。
不要な鉢と道具の整理
使わない鉢は整理して捨てることがおすすめされており、不要な鉢は虫の温床になることもあります。特に注意したいのが、セラミックや粘土の鉢は凍結で割れる可能性があるため室内に入れる必要があるという点です。
ガーデニングツール・資材の完全ガイドを参考に、道具の手入れと保管も11月のうちに済ませましょう。
11月に行うべき植え付けと剪定作業
11月はまだまだ植え付け作業ができる時期です。11月は来春咲くチューリップやスイセンなどの球根を植える時期とされており、雪で地面が覆われていない限りまだまだ植えどきです。

球根植物の植え付け
春の庭を華やかに彩る球根植物は、11月が植え付けの最終チャンスです。チューリップ、スイセン、ヒヤシンス、クロッカスなどは今植えておけば、来年の春に美しい花を咲かせてくれます。一年草・季節の花の育て方完全ガイドも併せてご覧ください。
樹木の剪定のベストタイミング
ロウバイなど樹木の剪定の適期は落葉が終わった11月です。落葉後は樹形が見やすく、枝の配置を確認しながら作業できるため、剪定に最適な時期と言えます。
剪定・整枝の技術完全ガイドでは、樹木の種類別の剪定方法を詳しく紹介しています。乾燥や不要な枝を取り除くことで、冬の寒さに備えることができます。
冬の寄せ植えの楽しみ
パンジー、ビオラ、ガーデンシクラメン、スイートアリッサムなど冬の寄せ植えに適した花が園芸店に並び、冬は生育がゆっくりで蒸れの心配もないため寄せ植えが楽しめます。寄せ植え・コンテナガーデンの完全ガイドを参考に、素敵なコンテナを作ってみましょう。
防寒対策の基本:植物を守る方法
霜や凍結から植物を守るための防寒対策は11月から始めるのがベストです。日本の伝統的な防寒技術「雪吊り(yukitsuri)」は11月から始まり3月まで続くもので、兼六園では毎年11月1日から雪吊り作業が始まり、園内800か所以上に設置されるという大規模な作業が行われています。

簡単にできる防寒対策
家庭の庭でも簡単に実践できる防寒対策がいくつかあります。ビニール袋やプチプチシート(包装用クッション材)で植物全体を覆うのは最も簡単な防寒対策です。背丈が高い植物の場合は支柱を立ててその上から被せるのがおすすめです。
植物を霜から守るには、保護層で覆うことが重要で、古いシーツ、毛布、バスタオル、または園芸用の不織布を日没前にかけることで、日中の熱を閉じ込めることができます。翌朝、気温が上がったら午前中にカバーを取り外しましょう。
マルチングによる地温保護
マルチングは土壌の温度を保つための効果的な方法です。腐葉土、堆肥、バークチップ、落ち葉などを株元に厚めに敷くことで、地温の急激な低下を防ぎ、根を霜害から守ることができます。
興味深いことに、軽く湿った土壌は夜間により多くの熱を保持し放出するため、寒い夜の前の午後に軽く水やりをし、日没前にカバーをかけると効果的です。
日本の伝統的な防寒技術
日本庭園で見られる伝統的な防寒技術は、美しさと機能性を兼ね備えています。
| 技法 | 説明 | 適した植物 |
|---|---|---|
| 雪吊り(Yukitsuri) | 竹の支柱を幹に立て、その先端から枝に縄を張って支える技法 | 松、モミジなど枝が広がる樹木 |
| 薦巻き(Komomaki) | 幹を藁で包んで保温する技法 | ソテツなど寒さに弱い樹木 |
| 寒冷紗掛け | 植物全体を寒冷紗で覆う方法 | 低木、草花 |
日本庭園と和の庭づくり完全ガイドでは、これらの伝統技法をさらに詳しく紹介しています。
野菜と果樹の収穫と管理
11月は家庭菜園でも重要な月です。トマト、ズッキーニ、豆類などの寒さに弱い野菜は霜前に収穫すべきとされています。

霜に強い野菜と弱い野菜
野菜には霜に強いものと弱いものがあります。ビート、ニンジン、パースニップ、レタス、チャード、エンドウ豆、チンゲン菜、エンダイブ、ラディッキオ、カリフラワー、パセリ、セロリなどは軽い霜に耐えることができます。
一方、トマト、ズッキーニ、エンドウ豆、豆類、冬カボチャ、パンプキンなどは霜に弱いため、11月初旬の霜予報前に収穫を完了させる必要があります。家庭菜園・野菜づくりの完全ガイドでは、野菜の種類別の霜対策を詳しく解説しています。
ガーリックの植え付け
11月はガーリックを植える適期で、土壌温度が10cmの深さで15℃に達した頃が植え付けのサインです。ガーリックは寒さに強く、冬を越して翌年の初夏に収穫できる便利な野菜です。
果樹の冬支度
果樹も冬支度が必要です。果樹栽培の完全ガイド:家庭で楽しむ果物づくりで詳しく説明していますが、落葉果樹は11月に有機肥料を施し、翌春の新芽に備えます。
11月の水やりと施肥のポイント
秋から冬にかけては水やりの頻度を減らす必要がありますが、完全に乾燥させるのは避けましょう。
水やりの調整
気温が下がるにつれて植物の生育が緩やかになり、水分の蒸発も少なくなります。土の表面が乾いてから2〜3日後に水やりをする程度で十分です。水やり・灌漑システムの完全ガイドでは、季節ごとの水やりのコツを解説しています。
興味深いことに、寒い夜の前には軽く水やりをすることで土壌の保温効果が高まります。これは土壌中の水分が熱を蓄える性質を利用した技法です。
ホースとポンプの冬支度
水道のホースへの水を止め、完全に水を抜き、ポンプや噴水を取り外して水を抜いてから保管することが重要です。凍結による配管の破損を防ぐため、11月中にこれらの作業を完了させましょう。
秋の施肥
11月は多くの植物にとって施肥の時期ではありませんが、果樹や球根植物には緩効性の有機肥料を施すことで、春の生育を促進できます。土づくり・堆肥・肥料の基礎知識と実践ガイドを参考に、適切な施肥を心がけましょう。
病害虫対策と予防管理
冬に向けて病害虫の被害を最小限に抑える対策も11月の重要な作業です。
病気の予防
落ち葉や枯れた植物体は、病原菌の温床になります。病気にかかった植物は取り除き、ゴミとして処分する必要があり、決して堆肥に入れてはいけません。この徹底した管理が、翌年の病害を減らす鍵となります。
害虫の越冬対策
11月は多くの害虫が越冬準備に入る時期です。枯れた茎や落ち葉の中に潜んでいる害虫を取り除くことで、翌春の害虫被害を大幅に減らすことができます。病害虫対策と防除の完全ガイドでは、予防から駆除まで詳しく解説しています。
園芸支柱の清掃と保管
園芸支柱を石鹸水で土を拭き取り、乾燥させてから物置や車庫に保管することで、病原菌の持ち越しを防ぎます。清潔な道具を使うことは、病害虫管理の基本です。
まとめ:11月の作業で来春の美しい庭を準備
11月の園芸作業は、落ち葉の片付けから防寒対策まで多岐にわたりますが、この時期の丁寧な作業が翌春の美しい庭につながります。球根の植え付け、樹木の剪定、マルチング、水やり管理など、季節に応じた適切なケアを心がけましょう。
季節の園芸カレンダー:月別・季節別ガイドでは、年間を通じた園芸作業のスケジュールを紹介しています。計画的に作業を進めることで、一年中美しい庭を楽しむことができます。
寒い季節の作業は大変に感じるかもしれませんが、冬支度をしっかり行うことで、植物たちは厳しい冬を乗り越え、春には元気な姿を見せてくれるはずです。今日から11月の園芸作業を始めて、来春の素晴らしい庭を準備しましょう。





