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庭木・シンボルツリーの選び方と育て方ガイド

オリーブの木の育て方と品種選び

2026年2月6日

オリーブの木の育て方と品種選び

オリーブの木の基本的な育て方と、初心者におすすめの品種選びのポイントを詳しく解説。レッチーノ、ルッカ、ミッションなど主要品種の特徴比較と、地植え・鉢植え・ベランダでの栽培方法、実の収穫テクニックまで網羅した実践的なガイドです。

オリーブの木の育て方と品種選び

オリーブの木は、その美しい銀緑色の葉と地中海風の雰囲気で、庭のシンボルツリーや観賞植物として人気を集めています。世界中に1,600品種以上存在するオリーブは、観賞価値だけでなく、実の収穫も楽しめる魅力的な植物です。初心者でも比較的育てやすく、適切な品種を選べば日本の気候でも十分に栽培可能です。本記事では、オリーブの木の基本的な育て方と、目的や環境に合わせた品種選びのポイントを詳しく解説します。オリーブの品種について栽培技術の基礎、さらに国際オリーブ協会の生産技術ガイドも参考にしています。

オリーブの木の基本的な特徴

オリーブは地中海沿岸が原産の常緑樹で、寒さにも暑さにも比較的強い性質を持っています。日当たりの良い場所を好み、乾燥にも強いため、水やりの頻度が少なくて済むのが特徴です。また、庭木やシンボルツリーの育て方の中でも、病害虫に強く手入れが比較的簡単な部類に入ります。

オリーブの木は成長が緩やかで、適切な剪定を行うことで樹形を美しく保つことができます。葉は細長い楕円形をしており、表は濃い緑色、裏は銀白色をしています。この独特の葉の色合いが、庭に洗練された雰囲気をもたらします。

大型のオリーブの木は年間平均約180kgの実を収穫でき、世界的には生産量の80%がオリーブオイルに加工されています。家庭で栽培する場合も、2本以上の異なる品種を植えることで結実率が高まり、実の収穫を楽しむことができます。

詳しい土づくりの基礎知識を参考に、水はけの良い環境を整えることが、オリーブ栽培成功の第一歩となります。

オリーブの品種選びのポイント

オリーブの品種選びは、栽培目的と環境に応じて行うことが重要です。ガーデニングの基礎知識として、まず自分が何を優先するのかを明確にしましょう。

オリーブの品種選びのポイント - illustration for オリーブの木の育て方と品種選び
オリーブの品種選びのポイント - illustration for オリーブの木の育て方と品種選び

目的別の品種選び

観賞用として育てる場合は、葉の美しさや樹形の整いやすさを重視します。シンボルツリーとして玄関先や庭に植える場合は、直立型の品種が適しています。一方、実の収穫を目的とする場合は、自家結実性のある品種や、結実率の高い品種を選ぶことが大切です。

環境に合わせた品種選択

栽培環境も品種選びの重要な要素です。寒冷地では耐寒性の高い品種を、狭いスペースではコンパクトに育つ品種を選ぶなど、環境に適した品種を選択することが成功の鍵となります。ベランダや小スペースで育てる場合は、ベランダガーデニングの技術も参考になります。

樹形による分類

オリーブの品種は樹形によって「直立型」と「開帳型」の2つに大きく分類されます。直立型は上に向かって伸びる樹形で、すらっと伸びてコンパクトに成長するため、マンションのベランダなどの狭いスペースでも育てやすいタイプです。開帳型は枝が横に張り出して伸びる樹形で、ダイナミックに広がって育ち、庭のシンボルツリーや目隠しなどにおすすめです。

初心者におすすめのオリーブ品種

初めてオリーブを育てる方には、育てやすく環境適応力の高い品種がおすすめです。以下は特に初心者向けの代表的な品種です。

初心者におすすめのオリーブ品種 - illustration for オリーブの木の育て方と品種選び
初心者におすすめのオリーブ品種 - illustration for オリーブの木の育て方と品種選び

レッチーノ

レッチーノは寒さ、暑さ、乾燥に強く、気候の変化にも順応しやすい非常に育てやすい品種です。一時的であれば-10℃ほどの寒さまで耐えられるといわれており、炭そ病などの病気にもなりにくいため、初心者でも安心して育てることができます。

成長スピードが早く大きな木に育つ特徴があり、シンボルツリーとして存在感を出したい場合に最適です。イタリア原産のこの品種は、世界中で広く栽培されており、信頼性の高い品種といえます。

ルッカ

ルッカは濃いグリーンの卵型の葉が美しく、日本では香川県の小豆島を中心に最も多く栽培されている品種のひとつです。病気や寒さに強く、成長の勢いも強いので、とても育てやすい品種です。

最大の特徴は自家結実性をもっていることで、1本でも比較的実をつけやすいのが嬉しいポイントです。実の収穫も楽しみたい初心者の方には特におすすめの品種といえます。枝が横に広がりやすい開帳型の樹形で、その美しい見た目から玄関などの観賞用としても重宝されます。

ミッション

ミッションは葉がハート型のかわいらしいオリーブの木で、国内でも多く流通している人気品種です。その見た目の愛らしさから、地植えはもちろん、室内の観葉植物としても人気があります。

耐寒性があり、比較的コンパクトに育つため、スペースが限られている場合にも適しています。観賞価値が高く、インテリアとしても楽しめる品種です。

オヒブランカ

オヒブランカはスペイン原産のオリーブ品種で、成長が早く、耐寒性や病害虫への強さが特徴です。直立型の樹形は整いやすく、剪定作業が簡単なので、初心者にも最適な品種です。

また、自家結実性があり1本でも実がつきやすいため、家庭でのオリーブ栽培にぴったりです。実はオイル用としても食用としても優れた品質を持っています。

アルベキーナ

アルベキーナはスペイン原産の小粒で可愛らしいオリーブ品種です。自家結実性があり1本でも実をつけるため、初心者にも育てやすい品種として知られています。

コンパクトに育つ特徴があるため、鉢植えでの栽培にも適しており、ベランダやテラスでの栽培にも向いています。実は小さいながらも風味豊かで、オイルの品質が高いことで評価されています。

オリーブの木の育て方:基本のステップ

オリーブの栽培には、いくつかの基本的なポイントがあります。これらを押さえることで、健康で美しいオリーブの木を育てることができます。

オリーブの木の育て方:基本のステップ - illustration for オリーブの木の育て方と品種選び
オリーブの木の育て方:基本のステップ - illustration for オリーブの木の育て方と品種選び

植え付けの適期と方法

オリーブの植え付けに適した時期は、春(3月〜5月)または秋(9月〜11月)です。この時期は気温が穏やかで、根が張りやすい環境が整っています。

植え付ける際は、水はけの良い土壌を用意することが重要です。オリーブは乾燥に強く、むしろ水はけが悪いと根腐れを起こす可能性があります。地植えの場合は、植え穴を大きめに掘り、腐葉土や堆肥を混ぜ込んで土壌改良を行います。

鉢植えの場合は、排水性の良い培養土を使用し、鉢底には必ず鉢底石を敷いて水はけを確保します。鉢のサイズは、苗木の根鉢よりも一回り大きいものを選びましょう。

水やりと肥料の管理

オリーブは乾燥に強い植物ですが、特に植え付け後の1年間は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えることが大切です。ただし、毎日水やりをする必要はありません。土が完全に乾いてから水を与えるくらいで十分です。

肥料は、春(3月〜4月)と秋(9月〜10月)の年2回、緩効性肥料を与えます。窒素、リン酸、カリウムがバランスよく含まれた肥料が適しています。肥料の基礎知識を理解することで、より効果的な施肥が可能になります。

剪定の時期と方法

オリーブの剪定に適した時期は、成長が緩やかになる休眠期の1月〜3月です。この時期に剪定することで、枝葉の成長が促され、樹形を美しく保つことができます。

剪定では、枯れた枝や病気の枝を取り除き、風通しを良くすることが重要です。また、内側に向かって伸びる枝や、交差している枝を切り取ることで、日光が均等に当たるようにします。オリーブは新しい枝に実をつけるため、古い枝を適度に更新することも大切です。

病害虫対策

オリーブは比較的病害虫に強い植物ですが、時にカイガラムシやオリーブアナアキゾウムシなどの害虫が発生することがあります。病害虫対策として、定期的に葉や枝を観察し、早期発見・早期対処を心がけましょう。

炭そ病などの病気も発生することがあるため、風通しを良くし、水はけの良い環境を維持することが予防につながります。

環境別のオリーブ栽培のポイント

栽培環境によって、オリーブの育て方には若干の違いがあります。それぞれの環境に適した栽培方法を理解しましょう。

環境別のオリーブ栽培のポイント - illustration for オリーブの木の育て方と品種選び
環境別のオリーブ栽培のポイント - illustration for オリーブの木の育て方と品種選び

地植えでの栽培

地植えの場合、オリーブは大きく成長するため、十分なスペースを確保することが重要です。特に開帳型の品種は横に広がるため、建物や他の植物との距離を考慮して植え付け場所を選びます。

日当たりの良い場所を選び、西日が強く当たる場所は避けるようにします。また、水はけの良い場所を選ぶことが、根腐れを防ぐために重要です。

鉢植えでの栽培

鉢植えの場合は、2〜3年に1度、一回り大きな鉢に植え替えることが必要です。根詰まりを防ぎ、健康な成長を促すためです。鉢植えは移動が可能なため、季節や天候に応じて最適な場所に移動できるメリットがあります。

冬場は、特に寒冷地では室内や軒下に移動させることで、寒害を防ぐことができます。

ベランダでの栽培

ベランダでオリーブを栽培する場合は、日当たりと風通しを確保することが重要です。ベランダは建物に囲まれているため、風通しが悪くなりがちですが、適度な風は病害虫の発生を抑える効果があります。

コンパクトに育つ品種や直立型の品種を選ぶことで、限られたスペースでも栽培が可能です。鉢のサイズは、ベランダの耐荷重を考慮して選びましょう。

オリーブの実を収穫するために

オリーブの実を収穫したい場合、いくつかの重要なポイントがあります。実をつけるためには、適切な品種選びと栽培管理が必要です。

オリーブの実を収穫するために - illustration for オリーブの木の育て方と品種選び
オリーブの実を収穫するために - illustration for オリーブの木の育て方と品種選び

異品種の組み合わせ

オリーブは自家結実性の品種もありますが、多くの品種は他家受粉により結実率が大幅に向上します。そのため、実の収穫を目的とする場合は、2本以上の異なる品種を近くに植えることが推奨されます。

開花時期が重なる品種を選ぶことで、受粉の機会が増え、結実率が高まります。ルッカとレッチーノ、ミッションとマンザニロなど、相性の良い組み合わせがあります。

実の収穫時期

オリーブの実は、10月〜11月頃に収穫期を迎えます。実の色が緑色から赤紫色、そして黒色へと変化していきます。収穫時期によって実の味や用途が異なるため、目的に応じて収穫時期を調整します。

緑色の実は塩漬けやピクルスに適しており、黒く熟した実はオイルの抽出に適しています。家庭で楽しむ場合は、塩漬けにして食用にするのが一般的です。

結実を促すための管理

実をつけるためには、適切な剪定と肥料管理が重要です。窒素過多は葉ばかりが茂り、実がつきにくくなるため、リン酸やカリウムをバランスよく含んだ肥料を使用します。

また、水やりのタイミングも重要で、開花期から結実期にかけては適度な水分を保つことが大切です。ただし、水を与えすぎると実が落ちてしまうこともあるため、注意が必要です。

品種別の特徴比較表

以下は、初心者におすすめの主要なオリーブ品種を比較した表です。品種選びの参考にしてください。

品種名樹形耐寒性自家結実性特徴おすすめ用途
レッチーノ開帳型強い(-10℃)なし成長が早く病気に強いシンボルツリー
ルッカ開帳型強いあり日本で多く栽培される実の収穫・観賞
ミッション直立型強いなしハート型の葉が特徴観賞用・室内
オヒブランカ直立型強いあり剪定が簡単狭いスペース
アルベキーナ開帳型中程度ありコンパクトに育つ鉢植え・ベランダ
マンザニロ開帳型中程度なし実が大きく食用向き実の収穫
ネバディロブランコ開帳型強いなし花粉が多く受粉樹に最適受粉樹

よくある栽培トラブルと対処法

オリーブを育てる中で、よくあるトラブルとその対処法を知っておくことで、問題を早期に解決できます。

葉が黄色くなる

葉が黄色くなる原因は、水のやりすぎや根腐れ、栄養不足などが考えられます。土の状態を確認し、水はけが悪い場合は土壌改良を行います。また、肥料が不足している場合は、適切な施肥を行いましょう。

実がつかない

実がつかない原因は、単一品種のみの栽培、日照不足、剪定のしすぎなどが考えられます。異なる品種を近くに植える、日当たりの良い場所に移動する、剪定を控えめにするなどの対処が有効です。

葉が落ちる

冬場の寒さや急激な環境変化により、葉が落ちることがあります。特に鉢植えの場合は、冬場は室内や軒下に移動させることで、寒害を防ぐことができます。また、水やりのしすぎや不足も葉落ちの原因となるため、適切な水管理を心がけます。

枝が枯れる

枝が枯れる原因は、病気や害虫、水不足などが考えられます。枯れた枝は速やかに切り取り、病気の拡大を防ぎます。また、定期的な観察と適切な管理により、予防することが重要です。

まとめ

オリーブの木は、適切な品種選びと基本的な育て方を理解すれば、初心者でも十分に栽培可能な魅力的な植物です。世界中に1,600品種以上存在するオリーブの中から、栽培目的や環境に合った品種を選ぶことが成功の第一歩となります。

初心者には、レッチーノやルッカのような耐寒性があり育てやすい品種がおすすめです。自家結実性のある品種を選べば、1本でも実の収穫が楽しめます。また、実の収穫を本格的に目指す場合は、2本以上の異なる品種を植えることで結実率が大幅に向上します。

オリーブは日当たりの良い場所を好み、乾燥にも強いため、水やりの頻度が少なくて済むのが特徴です。剪定は休眠期の1月〜3月に行い、風通しを良くすることで病害虫の発生を抑えることができます。

地植え、鉢植え、ベランダなど、さまざまな環境で栽培可能なオリーブは、庭のシンボルツリーとしても、観賞用の植物としても楽しむことができます。本記事で紹介した育て方と品種選びのポイントを参考に、あなたの環境に最適なオリーブの木を育ててみてください。

美しい銀緑色の葉と地中海風の雰囲気を持つオリーブの木は、きっとあなたの庭や生活空間を豊かに彩ってくれるでしょう。

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