ナメクジ・カタツムリの効果的な対策法
2026年2月6日

ナメクジやカタツムリの被害に悩む方必見!リン酸第二鉄系やメタアルデヒド系駆除剤の使い方、熱湯・コーヒー・ビールトラップなど家庭でできる駆除方法、銅テープや珪藻土による物理的バリア、環境整備による予防策まで、科学的根拠に基づいた効果的な対策方法を詳しく解説します。
ナメクジ・カタツムリの効果的な対策法
ガーデニングや家庭菜園を楽しむ際、ナメクジやカタツムリの被害に悩まされる方は少なくありません。大切に育てた野菜の葉が食べられたり、花が傷つけられたりすると、とても残念な気持ちになりますよね。本記事では、ナメクジとカタツムリの効果的な駆除方法や予防策について、科学的根拠に基づいた情報と実践的なテクニックをご紹介します。
ナメクジ・カタツムリの生態と被害の実態
ナメクジとカタツムリは軟体動物門腹足綱に分類される生物で、湿気を好み夜行性の性質を持ちます。これらの害虫は2mm程度の隙間があれば簡単に侵入できるため、庭や家庭菜園だけでなく、住宅内部への侵入も珍しくありません。
活動が活発になるのは春から秋にかけての温暖で湿度の高い時期です。特に梅雨の時期や雨上がりには大量発生することがあり、一晩で野菜の葉が穴だらけになることもあります。ナメクジやカタツムリは主に葉を食害しますが、果実や花にも被害を与えます。
被害を受けやすい植物としては、レタスやキャベツなどの葉物野菜、バラやホスタなどの観賞植物が挙げられます。病害虫対策と防除の完全ガイドでは、これらの害虫を含む総合的な防除方法を詳しく解説しています。
駆除剤による化学的防除方法
リン酸第二鉄系駆除剤(スラゴなど)
リン酸第二鉄を有効成分とするスラゴは、ナメクジやカタツムリに対して非常に効果的な駆除剤です。有機JAS規格資材として認可されており、ペットや子どもがいる家庭でも比較的安全に使用できます。

スラゴの大きな特徴は、雨や湿気に強く効果が長続きすることです。乾燥しても再び水分を吸収すると効果を発揮するため、1回の散布で1~2週間程度の防除効果が期待できます。使用量の目安は1㎡あたり1~5gで、ナメクジやカタツムリが出没する場所に均一に散布します。
メタアルデヒド系駆除剤
メタアルデヒドを有効成分とする駆除剤は、即効性が高いという特徴があります。ナメクジが摂取すると数時間以内に効果が現れ、速やかに駆除できます。ナメクリーン3などの製品が代表的です。
ただし、メタアルデヒドは強い毒性を持つため、ペットや子どもがいる家庭では取り扱いに細心の注意が必要です。散布は子どもやペットの手が届かない場所に限定し、使用後は手をよく洗うことが重要です。
効果を最大限に発揮させるには、ナメクジやカタツムリが活動を始める夕方に散布するのがおすすめです。雨上がりに使用すると、より効果的に駆除できます。
駆除剤使用時の注意点
| 注意事項 | 詳細 |
|---|---|
| 散布位置 | 植物から数cm離して散布(鉄分過剰症予防) |
| 使用時間 | 夕方または雨上がりが効果的 |
| 安全対策 | ペット・子どもの手が届かない場所に限定 |
| 保管方法 | 直射日光を避け、涼しい場所に密閉保管 |
| 再散布頻度 | 1~2週間ごと、または雨で流れた後 |
駆除剤を使用する際は、必ず製品の使用説明書を確認し、適切な量を守ることが大切です。過剰な使用は環境への負荷を高めるだけでなく、植物にも悪影響を及ぼす可能性があります。
家庭にあるもので実践できる駆除方法
熱湯による駆除
熱湯はナメクジやカタツムリの駆除に非常に効果的です。熱湯をかけるとタンパク質が固まり、即座に死滅します。薬剤を使用しないため、赤ちゃんや小さな子ども、ペットがいる家庭でも安全に実施できます。

発見したナメクジやカタツムリに直接熱湯をかける方法が最も確実ですが、植物の近くで行う場合は植物にかからないよう注意が必要です。また、夜間に庭を見回り、活動中の個体を見つけて駆除するのが効率的です。
コーヒーを使った駆除
コーヒーに含まれるカフェインは、ナメクジやカタツムリの神経系にダメージを与えます。人が飲むくらいの濃さか、やや薄めのコーヒーをスプレーボトルに入れて、発見した個体に直接吹きかけることで駆除できます。
参考:家庭菜園でのコーヒー活用法によると、コーヒーを土の周りに散布することで、予防効果も期待できるとされています。ただし、過剰な散布は土壌のpHに影響を与える可能性があるため、適度な量を心がけましょう。
ビールトラップ
ビールの香りはナメクジやカタツムリを引き寄せる効果があります。浅い容器にビールを入れ、地面と同じ高さに埋めることで、トラップとして機能します。誘引されたナメクジやカタツムリがビールの中に落ち、溺れて駆除できます。
効果を高めるには、定期的にビールを交換し、捕獲した個体を取り除くことが重要です。雨が降るとビールが薄まって効果が低下するため、天候にも注意しましょう。
塩と重曹の使用
塩や重曹をナメクジに直接かけると、浸透圧の作用で体内の水分が奪われ、死滅させることができます。ただし、ALSOKの研究によると、塩を大量に使用すると土壌や植物に悪影響を及ぼす可能性があるため、限定的な使用にとどめることが推奨されています。
重曹は塩に比べて植物への影響が少ないとされていますが、いずれの方法も発見した個体への直接的な駆除にとどめ、予防策としては別の方法を採用するのが賢明です。
物理的バリアによる予防対策
銅テープ・銅線の活用
銅は、ナメクジやカタツムリが嫌う金属として知られています。銅テープを植木鉢の縁や畑の周囲に貼ることで、効果的な物理的バリアを作ることができます。ナメクジやカタツムリが銅に触れると、体表の粘液と銅が反応し、不快な刺激を受けるため、這い上がれなくなります。

銅テープは耐久性があり、一度設置すれば長期間効果が持続します。プランターや鉢植えなど、限定されたエリアを守る場合に特に有効です。ホームセンターや園芸店で入手できます。
卵の殻・珪藻土の散布
細かく砕いた卵の殻や珪藻土を植物の周りに散布することも、有効な予防策です。これらの物質の鋭い粒子がナメクジやカタツムリの柔らかい体を傷つけるため、侵入を防ぐことができます。
珪藻土は吸湿性が高く、ナメクジやカタツムリの体表から水分を奪う効果もあります。参考:有機的なナメクジ対策では、珪藻土を定期的に補充することで、継続的な防除効果が得られると紹介されています。
ただし、雨が降ると効果が減少するため、天候を見ながら再散布する必要があります。
電気式フェンス
電気式フェンスは、無毒で安全な防除方法として注目されています。9ボルト電池で稼働し、フェンスに触れたナメクジやカタツムリに軽い電気ショックを与えることで、侵入を防ぎます。
UC IPMの研究によると、電気式フェンスは化学薬品を使用しないため、有機栽培の圃場や家庭菜園に適しているとされています。初期投資はやや高めですが、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れた方法です。
環境整備による根本的な予防策
湿気対策と隠れ場所の除去
ナメクジやカタツムリは湿気を好むため、庭や菜園の湿度を下げることが根本的な予防につながります。以下の対策を実施しましょう:

- 鉢植えやプランターは台の上に置き、風通しを良くする
- 落ち葉や雑草、放置された資材など、隠れ場所となるものを取り除く
- マルチング材は必要最小限にし、定期的に交換する
- 水やりは朝に行い、夜間の湿度を下げる
土づくり・堆肥・肥料の基礎知識と実践ガイドでも解説していますが、適切な排水性を持つ土壌作りも重要です。水はけの悪い土壌は湿気がこもりやすく、ナメクジやカタツムリの温床となります。
侵入経路の遮断
前述のとおり、ナメクジやカタツムリは2mm程度の隙間があれば侵入可能です。住宅内への侵入を防ぐには、以下の対策が有効です:
| 場所 | 対策方法 |
|---|---|
| 窓のサッシ | 隙間テープで埋める |
| 網戸の隙間 | 隙間テープや網戸用ブラシで密閉 |
| 換気口 | 防虫ネットを取り付ける |
| ドアの下部 | ドアスイープやウェザーストリップを設置 |
| 配管周り | コーキング剤で隙間を埋める |
特に台所や風呂場などの水回りは清潔に保ち、湿った生ごみを放置しないことが重要です。
天敵の活用
自然界には、ナメクジやカタツムリを捕食する天敵が存在します。これらの天敵を庭に呼び込むことで、自然な形で害虫を抑制できます:
- コウガイビル:ナメクジを専門に捕食する扁形動物
- 鳥類:ツグミ、ムクドリ、カラスなどがナメクジを食べる
- カエル:夜行性で、夜間に活動するナメクジを捕食
- 地上性甲虫:オサムシやゴミムシの仲間がナメクジを捕食
RHSの研究によると、天敵を活用した生物的防除は、化学薬品に頼らない持続可能な方法として推奨されています。鳥やカエルが訪れやすい環境を作るため、水場や隠れ家となる場所を庭に設けると良いでしょう。
統合的害虫管理(IPM)アプローチ
効果的なナメクジ・カタツムリ対策には、単一の方法に頼るのではなく、複数の手法を組み合わせた統合的害虫管理(IPM)アプローチが推奨されます。

IPMの基本原則
- モニタリング:定期的に庭や菜園を観察し、ナメクジやカタツムリの発生状況を把握する
- 予防:環境整備により、発生しにくい環境を作る
- 物理的防除:銅テープや珪藻土などの物理的バリアを設置
- 生物的防除:天敵を活用した自然な抑制
- 化学的防除:必要最小限の駆除剤使用
UC IPMのガイドラインでは、駆除剤だけに頼らず、環境管理と物理的防除を優先することが強調されています。化学的防除は、他の方法で十分な効果が得られない場合の補助的手段と位置づけられています。
季節ごとの対策スケジュール
ナメクジやカタツムリの活動は季節によって変化するため、それぞれの時期に応じた対策が必要です:
| 季節 | 活動レベル | 主な対策 |
|---|---|---|
| 春 | 中~高 | 環境整備、物理的バリア設置、駆除剤散布 |
| 梅雨 | 非常に高 | 集中的な駆除活動、ビールトラップ設置 |
| 夏 | 中(雨天時は高) | 定期的なモニタリング、必要に応じて駆除 |
| 秋 | 中~高 | 産卵前の駆除、隠れ場所の除去 |
| 冬 | 低 | 来春に備えた環境整備、卵の除去 |
季節の園芸カレンダー:月別・季節別ガイドでは、各季節の園芸作業と害虫対策を詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
有機栽培における対策方法
有機栽培や無農薬栽培を行っている方にとって、化学薬品を使わない駆除方法は特に重要です。前述のリン酸第二鉄系駆除剤は有機JAS認可資材ですが、より自然な方法を求める場合は以下の対策が効果的です:
手作業による捕獲
最も確実で環境に優しい方法は、夜間に懐中電灯を持って庭を見回り、活動中のナメクジやカタツムリを手で捕獲することです。見つけた個体は、熱湯をかけるか、庭から離れた場所に移動させます。
定期的に実施することで、個体数を大幅に減らすことができます。特に産卵期の前(春と秋)に集中的に捕獲すると、翌世代の発生を抑制できます。
コンパニオンプランツの活用
ナメクジやカタツムリが嫌う植物を周囲に植えることで、被害を軽減できます。ニンニク、チャイブ、ローズマリー、タイムなどの香りの強いハーブ類が効果的です。
ハーブガーデンの作り方と活用の完全ガイドでは、害虫忌避効果のあるハーブの育て方と配置方法を詳しく紹介しています。
マルチングの工夫
通常、有機マルチは湿気を保つためナメクジやカタツムリを引き寄せやすいですが、鋭い素材を使用することで逆に防除効果が期待できます。松の葉や針葉樹のチップは、柔らかい体を持つナメクジやカタツムリが嫌う素材です。
まとめ:継続的な対策が成功の鍵
ナメクジやカタツムリの対策は、一度の処置で完全に解決できるものではありません。継続的なモニタリングと、複数の方法を組み合わせた総合的なアプローチが成功の鍵となります。
化学的駆除剤を使用する場合は、リン酸第二鉄系のような比較的安全な製品を選び、メタアルデヒド系を使用する際は取り扱いに十分注意しましょう。同時に、熱湯やコーヒー、ビールトラップなど、家庭にあるものを活用した駆除方法も積極的に取り入れることで、薬剤への依存を減らすことができます。
物理的バリアとしての銅テープや珪藻土、電気式フェンスは、予防策として非常に有効です。さらに、湿気対策や隠れ場所の除去といった環境整備を行うことで、根本的にナメクジやカタツムリが発生しにくい環境を作ることができます。
家庭菜園・野菜づくりの完全ガイドやガーデニング入門・基礎知識の完全ガイドでも、総合的な害虫対策について解説していますので、ぜひご覧ください。
大切な植物を守るため、あなたの庭や菜園に最適な対策方法を見つけ、美しいガーデニングライフを楽しんでください。





