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庭木・シンボルツリーの選び方と育て方ガイド

シンボルツリーの選び方:庭の主役を決めるポイント

2026年2月6日

シンボルツリーの選び方:庭の主役を決めるポイント

シンボルツリー選びの決定版ガイド。常緑樹と落葉樹の違い、日照条件、成長速度、手入れのしやすさなど6大要素を徹底解説。2024年人気のシマトネリコ、ドウダンツツジ、オリーブ、ヤマボウシの特徴と、後悔しない植え場所の選び方を専門家の知見から紹介します。

シンボルツリーの選び方:庭の主役を決めるポイント

庭づくりを始めるとき、最も重要な決断の一つが「シンボルツリー」の選択です。シンボルツリーは、家や庭の象徴となる一本の木で、玄関周辺や庭の中心など目立つ場所に植えられます。季節ごとに異なる表情を見せ、家全体の外観を引き立てる重要な役割を果たします。

しかし、「どの木を選べばいいのか分からない」「植えた後に後悔したくない」という不安を抱える方も多いでしょう。本記事では、ガーデンキュレーターやエクステリアの専門家の知見をもとに、後悔しないシンボルツリーの選び方を徹底解説します。

庭木・シンボルツリーの選び方と育て方ガイドでは、さまざまな庭木の基礎知識を紹介していますが、ここではシンボルツリーに特化した選択のポイントに焦点を当てます。

シンボルツリーとは何か

シンボルツリーとは、文字通り家や庭の「シンボル(象徴)」となる樹木のことです。欧米では樹木は不朽の象徴とされ、「スペシメン(見本木)」として個別に植えられてきた歴史があります。

日本でも近年、新築の住宅や造園・ガーデンデザインの基本と実践ガイドにおいて、シンボルツリーの重要性が広く認識されるようになりました。玄関アプローチや庭の中心に一本の印象的な木を植えることで、住まい全体に個性と潤いを与えることができます。

シンボルツリーは単なる装飾ではありません。四季折々の変化を楽しませてくれ、鳥や虫を呼び寄せ、庭に生命を吹き込む存在です。また、適切に選ばれたシンボルツリーは、家族の成長とともに育ち、住まいの歴史の一部となります。

常緑樹と落葉樹:最初の重要な選択

シンボルツリーを選ぶ際、最初に決めるべきは「常緑樹」にするか「落葉樹」にするかです。この選択は、庭の雰囲気や維持管理の方法に大きく影響します。

常緑樹と落葉樹:最初の重要な選択 - illustration for シンボルツリーの選び方:庭の主役を決めるポイント
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常緑樹のメリットとデメリット

常緑樹は一年中緑の葉を保ち、庭に安定した彩りを提供します。代表的な常緑樹にはシマトネリコ、オリーブ、ソヨゴなどがあります。

メリット:

  • 一年中緑が楽しめ、目隠しとしても機能する
  • 落ち葉の掃除が少なく、維持管理が比較的楽
  • 冬でも殺風景にならず、安定した景観を保てる

デメリット:

  • 季節の変化を感じにくい
  • 成長が早い種類は頻繁な剪定が必要
  • 樹形が単調になりがち

落葉樹のメリットとデメリット

落葉樹は季節によって劇的に表情を変える樹木です。ドウダンツツジ、ヤマボウシ、モミジなどが人気です。

メリット:

  • 新緑、花、紅葉と四季折々の変化を楽しめる
  • 冬は落葉して日光を取り込み、夏は日陰を作る理想的な環境調整ができる
  • 樹形の美しさが際立つ

デメリット:

  • 秋から冬にかけて大量の落ち葉が発生し、掃除が必要
  • 冬は枝だけになり、寂しい印象を与えることがある
  • 近隣への配慮が必要

どちらを選ぶかは、生活スタイルや庭の用途によって異なります。季節の園芸カレンダー:月別・季節別ガイドを参考に、季節ごとの管理作業をイメージしながら決めるとよいでしょう。

シンボルツリー選びの6大要素

専門家が推奨するシンボルツリー選びの重要なポイントは以下の6つです。

シンボルツリー選びの6大要素 - illustration for シンボルツリーの選び方:庭の主役を決めるポイント
シンボルツリー選びの6大要素 - illustration for シンボルツリーの選び方:庭の主役を決めるポイント

1. 日照条件

植える場所の日照条件は、樹木の健康と成長に直結します。方角や周辺の建物の高さなど、環境全体を考慮する必要があります。

日照条件適した樹種の例特徴
日向(日当たり良好)シマトネリコ、オリーブ、ヤマボウシ光合成が活発で成長が早い
半日陰(午前または午後のみ日が当たる)ドウダンツツジ、アオダモ、シャラノキ柔らかい光を好む
日陰(ほとんど日が当たらない)ソヨゴ、アオキ、ヒイラギナンテン耐陰性が高く、日陰でも育つ
日照条件適した樹種の例特徴
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日向(日当たり良好)シマトネリコ、オリーブ、ヤマボウシ光合成が活発で成長が早い
半日陰(午前または午後のみ日が当たる)ドウダンツツジ、アオダモ、シャラノキ柔らかい光を好む
日陰(ほとんど日が当たらない)ソヨゴ、アオキ、ヒイラギナンテン耐陰性が高く、日陰でも育つ

日照条件に合わない樹木を選ぶと、葉が黄色くなったり、病害虫に弱くなったりします。土づくり・堆肥・肥料の基礎知識と実践ガイドでも触れていますが、土壌と環境条件に合った樹種を選ぶことが成功の鍵です。

2. 樹木の高さと成長速度

庭の規模に合った高さの樹木を選ぶことが重要です。また、成長速度にも注意が必要です。

シマトネリコは2024年のトレンドとして人気ですが、成長が非常に早い樹木です。年間で1メートル以上伸びることもあり、狭い玄関先や門まわりに植えると、すぐに管理が困難になります。シマトネリコを植える場合は、年1~2回の剪定でコントロールすることが推奨されます。

一方、ドウダンツツジは成長が比較的ゆっくりで、樹形が整いやすいため、手入れの手間が少ない樹木として人気があります。

3. 手入れのしやすさ

剪定の頻度や難易度は、長期的な維持管理コストに直結します。初心者の方や忙しい方は、手入れが少なくて済む樹種を選ぶことをおすすめします。

手入れが楽な樹種の特徴:

  • 自然樹形が美しく、剪定の必要が少ない
  • 病害虫に強い
  • 成長速度が穏やか
  • 枝が暴れにくい

剪定・整枝の技術完全ガイドでは、各樹種に適した剪定方法を詳しく解説していますので、植える前に確認しておくとよいでしょう。

4. 花や実の楽しみ

花や実がつく樹木を選ぶと、季節ごとの楽しみが増えます。シマトネリコは5~6月にスズランのような小さな白い花を咲かせ、その後小さな実をつけます。ドウダンツツジも春に釣鐘型の可憐な白い花が咲き、庭を華やかに彩ります。

ヤマボウシやハナミズキは、春に美しい花を咲かせ、秋には赤い実をつけるため、四季を通じて楽しめる樹木として人気があります。

5. 病害虫対策

虫がつきにくい木を選ぶことで、管理の負担が大幅に軽減されます。特に、アブラムシやカイガラムシが発生しやすい樹種は避けたほうが無難です。

虫がつきにくい樹種:

  • オリーブ(乾燥に強く、害虫が少ない)
  • シマトネリコ(比較的害虫に強い)
  • ソヨゴ(病害虫に強く管理が楽)

病害虫対策と防除の完全ガイドでは、発生しやすい害虫とその対処法を詳しく紹介しています。

6. 樹形の美しさ

シンボルツリーは庭の主役ですから、樹形の美しさは非常に重要です。幹が一本の「単幹仕立て」と、幹が複数に分かれる「株立ち仕立て」があります。

株立ちのシマトネリコは、複数の幹が立ち上がる姿が美しく、存在感があります。一方、単幹のヤマボウシは、すっきりとした印象でモダンな住宅によく合います。

植える場所と将来のトラブル回避

シンボルツリーを選ぶことと同じくらい重要なのが、「どこに植えるか」です。植える場所の選択を誤ると、将来的に深刻な問題を引き起こす可能性があります。

建物や設備への影響

大きく育った樹木の根は、地面を押し上げ、建物の基礎や配管に悪影響を与えることがあります。特に、成長の早い樹木や根が浅く広がる樹木は、建物から十分な距離を取って植える必要があります。

電線や軒への配慮

樹木が成長したときに、軒や電線に当たらないか確認しましょう。成長した枝が道路に張り出して通行の邪魔になることもあります。

近隣への配慮

境界の近くに成長の早い木を植えると、近隣トラブルの原因になることがあります。落ち葉が隣家に飛んだり、枝が境界を越えたりすることで、苦情につながるケースは少なくありません。

ガーデニング入門・基礎知識の完全ガイドでも述べていますが、庭づくりは周囲との調和を大切にすることが基本です。

2024年人気のシンボルツリー

最後に、2024年に特に人気の高いシンボルツリーをいくつか紹介します。

2024年人気のシンボルツリー - illustration for シンボルツリーの選び方:庭の主役を決めるポイント
2024年人気のシンボルツリー - illustration for シンボルツリーの選び方:庭の主役を決めるポイント

シマトネリコ

株立ちタイプが人気で、整列した小さな葉がかわいらしく、爽やかな印象を与えます。5~6月に白い花が咲き、暑さに強く育てやすいのが特徴です。ただし、成長が早いため、定期的な剪定が必要です。

ドウダンツツジ

樹形が美しく、春にはスズランのような釣鐘型の白い花が咲き、秋には見事な紅葉が楽しめます。比較的手入れが楽で、初心者にもおすすめです。

オリーブ

地中海風のおしゃれな雰囲気を演出できる常緑樹です。乾燥に強く、害虫も少ないため、管理が楽です。銀葉が美しく、モダンな住宅によく合います。

ヤマボウシ

初夏に白い花を咲かせ、秋には紅葉と赤い実を楽しめます。四季の変化を存分に感じられる落葉樹として人気があります。

これらの樹木について、さらに詳しく知りたい方は家庭菜園・野菜づくりの完全ガイドハーブガーデンの作り方と活用の完全ガイドもご覧ください。シンボルツリーの足元に低木やハーブを植えると、より豊かな庭づくりが楽しめます。

まとめ

シンボルツリーは、庭の主役として家全体の印象を左右する重要な存在です。常緑樹か落葉樹か、日照条件、樹木の高さと成長速度、手入れのしやすさ、花や実の楽しみ、病害虫対策、樹形の美しさという6つのポイントを考慮して選びましょう。

また、植える場所の選定も同様に重要です。建物や設備への影響、電線や軒への配慮、近隣への配慮を忘れずに、将来的なトラブルを避けるよう計画しましょう。

機能と目的を明確にし、土壌と環境条件に合った樹種を選ぶことが、長く愛せるシンボルツリーを育てる成功の鍵です。あなたの理想の庭づくりに、本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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