壁面緑化に最適なつる植物の選び方
2026年2月6日

グランドカバー・下草の基礎知識から環境に合わせた選び方、育て方のポイントまで初心者にもわかりやすく解説。芝桜、タイム、なでしこなどおすすめ品種10選と、雑草対策に効果的な植え付け方法、日常管理のコツをご紹介します。
壁面緑化に最適なつる植物の選び方
壁面緑化は、建物の外壁を植物で覆うことで、美観の向上だけでなく、温度調節や環境改善など多くのメリットをもたらします。本記事では、壁面緑化に最適なつる植物の選び方から、実際の施工のポイントまでを詳しく解説します。研究によると、グリーンウォールは空間効率がグリーンルーフの3〜5倍高いことが分かっていますが、適切な植物選びが成功の鍵となります。
壁面緑化に適したつる植物の種類
壁面緑化に使用するつる植物には、それぞれ異なる特性があります。まず、壁を自力で這い登る植物として、ナツヅタ、ツルアジサイ、テイカカズラ、ノウゼンカズラなどが挙げられます。これらの植物は、壁面に付着根や吸盤を持ち、支柱なしで壁を登ることができます。

一方、支柱やワイヤーを必要とする植物もあります。ワイヤータイプの壁面緑化では、テイカカズラ、スイカズラ、クレマチス、カロライナジャスミン、ハゴロモジャスミンなどが適しています。
初心者におすすめのヘデラ類
ヘデラ類は初心者に最適で、お手入れが簡単で葉っぱが密集している常緑植物です。1年中葉が緑の状態が続くので、冬も美しい景観を保つことができます。特に、キヅタ、オオイタビ、ヘデラ・へリックスは常緑性で、年間を通して緑を楽しめます。
ヘデラ類はユニットタイプの壁面緑化システムによく使用され、初心者でも失敗しにくいのが大きな特徴です。また、日陰や半日陰でも育つ強い性質を持つため、建物の北側や日当たりの悪い場所でも活用できます。
日当たりと方位による植物の選び方
壁面緑化を行う際、方位によって日光や風雨の当たり方が異なり、陽生植物と陰樹植物の選択が必要です。生育に十分な日光を必要とする「陽生植物」と、弱い日光でも生育できる「陰樹植物」を、設置場所の環境に合わせて選びましょう。
日向に適した植物
南向きや西向きの壁面には、日光を好む陽生植物が適しています。ノウゼンカズラ、テイカカズラ、ハゴロモジャスミンなどは、十分な日照があることで美しい花を咲かせます。
日陰に適した植物
北向きや東向きの壁面、または建物の影になる部分には、陰樹植物を選びましょう。ヘデラ類やツルアジサイは、日陰でも良好に生育し、緑豊かな壁面を作ることができます。
また、葉が密集しやすい植物を選ぶと、高い所までしっかりと緑で覆うことができます。ハツユキカズラやトケイソウ、ムベなどは、高く登っていく性質があり、大きな壁面の緑化に適しています。
成長速度とメンテナンスの考慮
壁面緑化を計画する際、植物の成長速度は年1〜3メートルが一般的です。成長速度によって、緑化完成までの期間や、その後のメンテナンスの頻度が変わってきます。
成長の早い植物
ノウゼンカズラは成長速度が早いため、早期の壁面緑化を目指す場合におすすめです。しかし、つるが良く伸びるので、放っておくと庭中に広がり、収拾がつかなくなる可能性があります。定期的な剪定が必要です。
メンテナンスの頻度
一般的に、メンテナンスは年3〜5回必要とされています。生長の早すぎるものや枝が暴れるものは避けるべきで、病害虫の付きにくい植物を選ぶことが重要です。周りの植栽や管理頻度に影響するため、自分の生活スタイルに合った植物を選びましょう。
また、プランター植栽の場合、成長期は基本的に毎日灌水が必要です。水やりができない場所には、自動潅水装置を取り入れることを検討しましょう。詳しくは水やり・灌漑システムの完全ガイドをご覧ください。
壁面緑化の施工タイプと適した植物
壁面緑化にはいくつかの施工タイプがあり、それぞれに適した植物が異なります。

| 施工タイプ | 特徴 | 適した植物 | メンテナンス頻度 |
|---|---|---|---|
| ユニットタイプ | パネル式で設置が簡単 | ヘデラ類 | 年3〜4回 |
| ワイヤータイプ | 壁面にワイヤーを張る方式 | テイカカズラ、スイカズラ、クレマチス | 年4〜5回 |
| プランタータイプ | プランターから植物を這わせる | ノウゼンカズラ、ムベ、ハツユキカズラ | 年3回、毎日水やり |
| 直植えタイプ | 地面から直接壁に這わせる | ナツヅタ、ツルアジサイ、キヅタ | 年2〜3回 |
ユニットタイプ
ユニットタイプは、ヘデラ類などのつる性植物がよく使用されます。パネル式で設置が簡単で、初期の緑化効果が高いのが特徴です。建物の外壁に直接影響を与えにくく、メンテナンスもしやすい方式です。
ワイヤータイプ
ワイヤータイプでは、テイカカズラ、スイカズラ、クレマチス、カロライナジャスミン、ハゴロモジャスミンなどが適しています。ワイヤーに沿って植物を誘引することで、美しいデザインを作ることができます。
壁面緑化の環境効果
壁面緑化には、美観以上の価値があります。73の研究文献によると、環境・熱的利益が壁面緑化の最も研究されている側面とされています。
温度調節効果
グリーンウォールは表面温度を下げ、歩行者レベルの熱的快適性を向上させることが科学的に証明されています。夏の猛暑日には、建物の壁面温度を5〜15度下げる効果があり、室内の冷房負荷を軽減します。
空間効率
グリーンウォールは空間効率がグリーンルーフの3〜5倍高いため、限られた都市空間で緑化効果を最大化できます。しかし、世界的な導入率は5%未満にとどまっており、今後の普及が期待されています。
その他の環境効果
- 空気質の改善: 植物が大気中の汚染物質を吸収し、酸素を放出します
- 騒音の軽減: 植物の葉が音を吸収し、都市の騒音を和らげます
- 生物多様性の向上: 昆虫や鳥類の生息地を提供し、都市の生態系を豊かにします
植物選びの注意点
壁面緑化を成功させるためには、以下の点に注意しましょう。
健全な苗の選定
病害虫の付きにくい植物種で、かつ健全な苗を選ぶことが重要です。購入時には、葉の色つやが良く、根がしっかりしているものを選びましょう。病害虫対策と防除の完全ガイドも参考にしてください。
建物への影響
壁を自力で這い登る植物は、付着根や吸盤で壁面に密着します。古い建物や塗装の劣化した壁の場合、植物を取り除く際に壁面を傷める可能性があります。建物の状態を確認してから植物を選びましょう。
成長管理
生長の早すぎる植物は、定期的な剪定・整枝が必要です。剪定を怠ると、雨樋や窓枠に侵入したり、隣家に迷惑をかけたりする可能性があります。
まとめ
壁面緑化に最適なつる植物を選ぶには、設置場所の日当たり、メンテナンス頻度、施工タイプ、そして環境効果を総合的に考慮することが大切です。初心者には、お手入れが簡単で常緑のヘデラ類がおすすめです。また、成長速度や病害虫への強さも選定の重要なポイントとなります。
壁面緑化は、都市環境の改善、温度調節、空気質の向上など、多くのメリットをもたらします。適切な植物を選び、定期的なメンテナンスを行うことで、美しく機能的なグリーンウォールを長く楽しむことができます。他のつる植物の育て方も参考にしながら、あなたの環境に最適な植物を見つけてください。





