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つる植物・クレマチスの育て方完全ガイド

クレマチスの品種と系統分類の解説

クレマチスの系統の違いを、品種分類と剪定グループの2つの物差しから整理。主要6系統、旧枝・新旧両枝・新枝咲き、苗ラベルの読み方まで解説します。

庭世界 編集部 公開 更新 約5分で読めます
色や花形の異なるクレマチスの品種が咲く庭
Photo by Deneen L Treble on Pexels

「クレマチス 系統 違い」で最初に押さえるべき点は、栽培品種をまとめる「系統」と、花がつく枝に合わせて切り方を決める「剪定グループ」は別の分類だということです。系統名は花形や由来、生育特性の目安になり、Group 1・2・3は剪定の目安になります。両方を苗ラベルで確認すると、品種選びと花後の管理を混同しにくくなります。

クレマチスの系統と剪定グループは別物

クレマチスの分類が難しく見える理由は、「種」「系統」「栽培品種」「剪定グループ」という目的の異なる言葉が、苗ラベルの狭い欄に並ぶからです。原種は300種以上とされ、園芸向けの整理では代表17系統が紹介されています。しかし、17系統をすべて暗記する必要はありません。

  • 種:カザグルマやテッセンのような植物分類上の単位です。
  • 系統:交配親、花形、生育特性などが似た栽培品種をまとめる園芸上の区分です。
  • 栽培品種:選抜された特徴を維持し、「白万重 AmazonYahoo!」「プリンセス・ダイアナ」など固有名で流通する単位です。
  • 剪定グループ:どの年代の枝に花をつけるかと、いつ・どこで切るかを結び付けた管理区分です。

代表的な系統の違いを一覧で比較

栽培品種を選ぶときは、花だけでなく、支柱やワイヤーへ収まるつる長と常緑性の有無まで比較すると置き場所の失敗を減らせます。

系統主な花・生育の特徴咲く枝の傾向剪定群の目安つる・気候の注意
パテンス系/早咲き大輪系大輪で早咲き。一季咲きが多い旧枝または新旧両枝Group 2中心花芽のある前年枝を残します
フロリダ系中輪、八重・万重咲きも多い新旧両枝が中心Group 2と3に分かれる暑さ・寒さ、立枯れに注意します
ビチセラ系中輪多花、四季咲き性が強い新枝Group 3暑さに比較的強く、強剪定向きです
ジャックマニー系/遅咲き大輪系中〜大輪、多花、開花期間が長い新旧両枝または新枝Group 3中心つる2〜3mの例があり、支持物が必要です
モンタナ系小輪多花、春の一季咲きが中心旧枝Group 1つる4〜6mの品種が多く、高温多湿に弱いです
インテグリフォリア・テキセンシス系木立・半木立または壺・チューリップ形新枝Group 3冬は地上部が枯れ、春に株元から伸びます

主要6系統の特徴

パテンス系・早咲き大輪系

パテンス系は、日本に自生するカザグルマ(Clematis patens)を親とする系譜です。早咲きの大輪花が中心で、旧枝に花芽を持つ品種が多く、前年枝を冬に大きく切ると翌春の花を失いやすくなります。

フロリダ系

フロリダ系は、テッセンやフロリダの形質を受け継ぐ栽培品種をまとめた区分です。節々に花をつける多花性や、新旧両枝咲きの性質がよく見られます。白万重やビエネッタのように、花の中心が重なる独特の姿を楽しめる系統で、立ち枯れ病にも注意が必要です。

クレマチス辞典の掲載内訳では、新旧両枝咲き45種、新枝咲き2種、旧枝咲き1種で、剪定Group 2が27種、Group 3が22種とほぼ半々です。

ビチセラ系

ビチセラ系 AmazonYahoo!は、中輪の花を多く咲かせ、四季咲き性が強いグループです。暑さに比較的強く、生育も旺盛で、掲載品種は全例新枝咲き・Group 3と整理されています。

ジャックマニー系・遅咲き大輪系

LOVEGREENの栽培例では、つるは2〜3m、開花期は5〜10月とされ、花後に地面から2〜3節の中間で切り戻す管理により、年3回ほど開花しています。

モンタナ系

モンタナ系は、小輪の花が株を覆うように咲く春の一季咲き系統です。全て旧枝咲きでGroup 1、基本は無剪定または花がらを摘む程度と整理されています。前年枝を冬に切り詰めると、翌春に咲く場所そのものを失います。

インテグリフォリア系・テキセンシス系

インテグリフォリア系は木立性または半木立性で、冬に地上部が枯れ、翌春に株元から新しい枝を伸ばします。全例新枝咲き・Group 3と整理され、強剪定で更新しやすい系統です。ロウグチのような下向きの花を持つ品種もあります。

テキセンシス系 AmazonYahoo!は、チューリップ形の花が目立ち、夏の暑さに比較的強いグループです。2m以上つるを伸ばしてから花が咲く品種も多いため、花が小さいから株も小さいとは限りません。

旧枝咲き・新旧両枝咲き・新枝咲きの違い

旧枝咲きと新枝咲きの違いは、花芽分化が前年枝と当年枝のどちらに現れるかです。剪定と誘引では、その花芽を残すか、新しい枝へ更新するかを判断します。新旧両枝咲きは、前年枝の一番花と当年枝の二番花を両方利用する中間型です。

英国王立園芸協会(RHS)は、クレマチスを「剪定のために3つの明確なグループに分ける」と説明しています(原文英語)。基準は開花時期と、花が咲く枝の年齢です。

Group 1:前年枝に咲く

Group 1は、前年に伸びた枝で冬から春に咲く早咲き群です。定期的な強剪定はせず、花後、霜の危険が去った春半ば〜後半に、枯れ枝や混み合う枝を整えます。

Group 2:前年枝と当年枝に咲く

Group 2は、前年枝から伸びた短い枝に5〜6月の一番花をつけ、一部は当年枝で晩夏に再び咲きます。2月には枯れた先端を取り、強い芽のすぐ上まで軽く整えます。一番花後は、花の直下にある充実した芽まで戻します。

Group 3:当年枝に咲く

Group 3は、当年に伸びた枝の先端側およそ60cmで、夏半ばから後半に咲く群です。2月に最下部の一対の芽まで強く切り戻します。

フロー図
*咲く枝がわかれば、系統名を暗記しなくても剪定の強さを選べます。*

品種ラベルから選ぶ順番

栽培品種ごとに芽を残す位置と誘引の広さは異なり、苗ラベルを「咲く枝→気候適性→つる長→花形」の順に読むと決めやすくなります。ガーデンアーチに仕立てる場合も、花色だけでなく、成株のつる長と剪定後に枝を外せるかを先に確認します。

1.咲く枝と剪定群を見る

剪定の強さを決めるため、ラベルの「旧枝咲き」「新旧両枝咲き」「新枝咲き」を探します。Group 1・2・3が併記されていれば、両方を記録してください。ここが翌年の花を残せるかどうかに直結します。

2.地域の夏と冬に合うかを見る

暖地では、モンタナやアトラゲネのような高山性の系統を慎重に選びます。寒冷地では、フロリダや常緑系の越冬条件を確認します。「育てやすい」という一語より、耐暑性・耐寒性・休眠期の記載が役立ちます。

3.つる長と支持物を合わせる

ベランダの深鉢なら、つる2〜3mのジャックマニー系でも、折り返して誘引できる支柱面積が必要です。4〜6mになるモンタナ系は、大きな壁面やアーチ向きで、狭い場所では枝の整理が負担になります。

4.最後に花形と開花期を選ぶ

一重、八重、万重、壺、チューリップ形から好みを選びます。春だけの一季咲きを大きく見せたいのか、花後剪定で5〜10月に複数回楽しみたいのかを決めると候補が絞れます。

系統名だけで剪定を決めない注意点

栽培品種のラベルに系統名しかないときは、ミズーリ植物園が示す「栽培株は剪定上の必要性に基づき3群に分けられる」という考え方へ戻ります(原文英語)。剪定群は血統の純粋さではなく、実際にどの枝へ咲くかを管理へ変換する分類です。

切る位置では、剪定の切り方も重要です。芽のある節そのものを傷めず、品種別の指示に従って切ります。咲く枝が不明な初年度は、強剪定で答えを急ぐより、枝と開花時期を記録する方が安全です。

全体の植え付け、日照、水やりまで含めて確認するときは、親記事のつる植物・クレマチスの育て方完全ガイドへ進んでください。

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Sources

  • クレマチス
  • 系統分類
  • 品種
  • 剪定
  • つる植物

庭世界 編集部

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