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つる植物・クレマチスの育て方完全ガイド

クレマチスの品種と系統分類の解説

2026年2月6日

クレマチスの品種と系統分類の解説

クレマチスの主要系統(パテンス系・フロリダ系・ビチセラ系・ジャックマニー系・モンタナ系)の特徴と、開花枝タイプ別の分類を詳しく解説。初心者におすすめの品種や選び方のポイント、栽培の基本知識まで網羅した完全ガイドです。

クレマチスの品種と系統分類の解説

クレマチスは「つる性植物の女王」として知られ、世界中で愛されているガーデニング植物です。その魅力的な花は品種によって大きさや形、色、開花時期が大きく異なり、全世界に約300種の原種が存在します。これらの原種から日々交配が進められ、数多くの園芸品種が生み出されています。

クレマチスを育てる上で重要なのが、品種と系統の違いを理解することです。系統によって剪定方法や開花特性が異なるため、正しい知識を持つことで美しい花を長く楽しむことができます。本記事では、クレマチスの系統分類から人気品種、初心者向けの選び方まで、詳しく解説します。

クレマチスの主な系統分類

クレマチスは原種から派生した品種を系統で分類しており、その数は約15種類前後あります。それぞれの系統には独特の特徴があり、育て方や剪定方法も異なります。ここでは主要な系統について詳しく見ていきましょう。

クレマチスの主な系統分類 - illustration for クレマチスの品種と系統分類の解説
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パテンス系(早咲き大輪)

パテンス系は日本原産のカザグルマを親として生まれた系統で、大輪で華やかな花が特徴です。花径は10~20cm以上になることもあり、一重咲きから八重咲きまで様々な品種があります。開花時期は4~5月の春が中心で、条件が良ければ秋にも返り咲きします。

代表品種には「ドクター・ラッペル」「ネリーモーザー」などがあり、旧枝咲きまたは新旧枝咲きのタイプが多いです。剪定は比較的弱めに行い、古い枝を残すことで春の開花を楽しめます。

フロリダ系(中輪・八重咲き)

フロリダ系は中国原産のテッセンを親とする系統で、特徴的な八重咲きや半八重咲きの品種が多く含まれます。花径は8~12cm程度で、優雅で繊細な花姿が魅力です。開花は5~6月がメインですが、剪定によって秋にも花を楽しめます。

人気品種の「白万重」「籠口」は日本でも古くから愛されており、和の庭にもよく似合います。新旧枝咲きが多く、比較的育てやすい系統です。

ビチセラ系(強健・小輪多花性)

ビチセラ系はヨーロッパ原産のビチセラ種を親とし、小~中輪の花を多数咲かせる特徴があります。花径は4~8cm程度で、ベル型や十字型など多様な花形があります。開花期は6~9月と長く、真夏でも元気に咲き続ける耐暑性の強さが魅力です。

この系統は新枝咲きのタイプがほとんどで、冬には地際近くまで強剪定できるため、初心者にも扱いやすい系統です。「エトワール・バイオレット」「ポーリッシュスピリット」などが代表品種で、病気にも強く丈夫です。

ジャックマニー系(遅咲き大輪)

ジャックマニー系は19世紀にイギリスで作出された古典的な系統で、大輪の花を夏から秋に咲かせます。花径は10~15cm程度で、濃い紫や赤紫、青紫などの深みのある色が特徴です。開花期は6~9月で、つるの伸びが旺盛なため、フェンスやアーチに向いています。

新枝咲きのため、冬に強剪定を行い、春から伸びた新しいつるに花を咲かせます。「ジャックマニー」「ジプシークイーン」などが有名で、育てやすく初心者にもおすすめです。

モンタナ系(小輪多花性・春咲き)

モンタナ系はヒマラヤ原産の原種モンタナを親とする系統で、小さな花を一面に咲かせる姿が圧巻です。花径は4~6cm程度で、淡いピンクや白の清楚な花色が多く、春の庭を優しく彩ります。開花期は4~5月で、旧枝咲きのため、花後すぐに剪定を行うのがポイントです。

非常に強健で生育旺盛なため、大きなスペースが必要ですが、一度根付けば手間がかからず、毎年見事な花を楽しめます。「エリザベス」「ルーベンス」などが人気品種です。

開花枝のタイプによる分類

クレマチスを理解する上で欠かせないのが、「開花枝のタイプ」による分類です。これは花が咲く枝の性質を示すもので、剪定方法を決める重要な基準となります。クレマチスには大きく分けて3つのタイプがあります。

開花枝のタイプによる分類 - illustration for クレマチスの品種と系統分類の解説
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旧枝咲きタイプ(Group 1)

旧枝咲きは、前年までに伸びた古い枝に花芽をつけるタイプです。冬の休眠期から生えていた枝に春の花が咲くため、剪定は花後すぐに行う必要があります。強く剪定しすぎると翌年の花が減ってしまうので注意が必要です。

パテンス系やモンタナ系の多くがこのタイプに属し、春の早い時期に大輪の花を楽しめるのが魅力です。剪定は枯れた枝や混み合った枝を整理する程度に留め、基本的には自然樹形を保ちます。

新枝咲きタイプ(Group 3)

新枝咲きは、春に伸びた新しい枝に花芽をつけ、夏から秋に開花するタイプです。冬には地際近くまで強剪定しても問題なく、翌春には新しい枝が勢いよく伸びて花を咲かせます。剪定が簡単なため、初心者に最も向いているタイプです。

ビチセラ系、ジャックマニー系、テキセンシス系などがこのタイプに含まれます。毎年コンパクトに管理できるため、狭いスペースでも育てやすく、病気のリスクも低減できます。

新旧枝咲きタイプ(Group 2)

新旧枝咲きは、古い枝にも新しい枝にも花をつけるタイプで、最も長期間花を楽しめるのが特徴です。春には旧枝から早咲きの花が咲き、夏から秋には新枝からも花が咲くため、年に2回の開花期があります。

フロリダ系や一部のパテンス系、大輪系品種の多くがこのタイプです。剪定は弱剪定から中剪定が基本で、古い枝を適度に残しながら整える必要があります。初心者には少し難しいですが、剪定に失敗してもどちらかの枝から花が咲くため、それほど神経質になる必要はありません。

品種選びのポイントと基準

クレマチスの品種は数千種類にも及び、初めて選ぶ際には迷ってしまうことも多いでしょう。ここでは、失敗しない品種選びの4つのポイントをご紹介します。

選定基準チェック項目初心者向けの選択
開花時期春咲き・夏咲き・四季咲き四季咲き品種(長期間楽しめる)
耐暑性・耐寒性栽培地域の気候に適応できるか日本の気候に強い品種
つるの長さ1~3m(コンパクト)/3~5m以上(大型)植える場所のスペースに合わせる
剪定のしやすさ旧枝咲き・新枝咲き・新旧枝咲き新枝咲きまたは新旧枝咲き

特に初心者の方には、新旧枝咲きの四季咲きクレマチスが最もおすすめです。剪定方法が比較的簡単で、仮に剪定に失敗したとしても、古い枝と新しい枝の両方に花がつくため、育てがいがあります。

また、病気に強く強健な品種を選ぶことも重要です。ビチセラ系やジャックマニー系は特に丈夫で、うどんこ病などの被害も受けにくいため、初めてのクレマチスに適しています。

初心者におすすめのクレマチス品種

数多くの品種の中から、特に育てやすく美しい花を咲かせる初心者向けの品種をご紹介します。これらの品種は入手しやすく、栽培情報も豊富なため、安心して育てられます。

初心者におすすめのクレマチス品種 - illustration for クレマチスの品種と系統分類の解説
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「プリンセス・ダイアナ」(テキセンシス系)

ベル型の可愛らしいピンク色の花を咲かせる人気品種です。花径は4~5cm程度で、6月から10月まで長期間開花します。新枝咲きのため剪定が簡単で、耐暑性・耐寒性ともに優れています。コンパクトに育つため、鉢植えにも向いています。

「白万重」(フロリダ系)

日本の伝統的な品種で、純白の八重咲きが美しいクレマチスです。花径は8~10cm程度で、清楚で上品な印象を与えます。新旧枝咲きで春と秋に花を楽しめ、和風の庭にもよく合います。比較的丈夫で育てやすい品種です。

「ジャックマニー」(ジャックマニー系)

クレマチスの代名詞とも言える古典品種で、濃い紫色の大輪花が魅力です。花径は12~15cm程度で、6月から9月まで咲き続けます。新枝咲きで剪定が簡単、病気にも強く、初心者に最適です。つるの伸びが旺盛なため、フェンスやアーチに向いています。

「エトワール・バイオレット」(ビチセラ系)

濃い青紫色の中輪花を多数咲かせる人気品種です。花径は6~8cm程度で、黄色いしべとのコントラストが美しいです。6月から9月まで長期間咲き、耐暑性が非常に高く、真夏でも元気に育ちます。新枝咲きで管理が簡単、初心者に最もおすすめの品種の一つです。

これらの品種は、園芸店やオンラインショップで比較的容易に入手でき、育て方の情報も豊富です。初めてクレマチスを育てる方は、まずこれらの品種から始めてみることをおすすめします。

クレマチス系統の進化と現代品種

近年、クレマチスの品種改良は急速に進んでおり、系統間の交配が盛んに行われています。その結果、従来の系統分類では収まらない特性を持つ品種が数多く誕生しています。

クレマチス系統の進化と現代品種 - illustration for クレマチスの品種と系統分類の解説
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例えば、大輪系と小輪系を掛け合わせた中輪品種や、パテンス系とビチセラ系の交配による新しい系統など、多様な品種が開発されています。これらの新品種は、複数の系統の長所を併せ持ち、より育てやすく魅力的な特性を持っています。

また、コンパクトな樹形を保つ鉢植え向け品種や、特に病気に強い品種、香りの強い品種など、特定のニーズに応える品種も増えています。これにより、限られたスペースでもクレマチスを楽しめるようになり、都市部のベランダガーデニングでも人気が高まっています。

系統間の境界線があいまいになってきたことで、分類は複雑になりましたが、育てる側にとっては選択肢が広がり、自分の庭や好みに合った品種を見つけやすくなったと言えるでしょう。購入時には系統名だけでなく、開花枝のタイプ(旧枝咲き・新枝咲き・新旧枝咲き)を確認することが重要です。

クレマチス栽培の基本知識

クレマチスを美しく育てるためには、系統や品種の知識に加えて、基本的な栽培方法を理解することが大切です。ここでは、どの系統にも共通する栽培の基本をご紹介します。

クレマチス栽培の基本知識 - illustration for クレマチスの品種と系統分類の解説
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植え付けと用土

クレマチスは「頭は太陽、足は日陰」を好む植物です。つるや葉は日光をたっぷり浴びせる一方で、根元は直射日光を避け、涼しく保つことが理想です。植え付けの際は、地表から2~3節ほど深植えすることで、株元の暑さを避け、強い株に育ちます。

用土は水はけと水もちのバランスが良いものを選びます。赤玉土と腐葉土を6:4程度で混ぜた用土が基本ですが、市販のクレマチス専用土を使うのも便利です。鉢植えの場合は、根の発達を促すため、できるだけ深めの鉢を選びましょう。

水やりと肥料

クレマチスは水を好む植物ですが、過湿には弱いため注意が必要です。鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、地植えの場合は夏の乾燥時以外は自然の雨で十分です。特に開花期には水切れを起こさないよう注意しましょう。

肥料は春と秋の年2回、緩効性化成肥料を株元に施します。また、開花期には月に1~2回程度、液肥を追肥すると花付きが良くなります。ただし、真夏の高温期や真冬の休眠期には肥料を控えるのが基本です。

誘引と支柱

クレマチスはつる性植物のため、支柱やトレリスフェンスなどに誘引する必要があります。つるは葉柄を巻きつけて登るため、細めの支柱やネットが適しています。若いつるは柔らかいため、優しく誘引し、麻ひもなどで軽く固定します。

定期的につるを整理し、風通しを良くすることで、病気の予防にもつながります。また、誘引方法を工夫することで、花の咲く位置をコントロールし、より美しい姿を作り出すことができます。

クレマチスの栽培についてさらに詳しく知りたい方は、ガーデニング入門・基礎知識の完全ガイド剪定・整枝の技術完全ガイドも参考にしてください。また、病気が発生した場合は病害虫対策と防除の完全ガイドが役立ちます。

まとめ:自分に合ったクレマチスを見つけよう

クレマチスは約300種の原種から派生した多様な品種があり、系統分類を理解することで、より効果的に栽培できます。パテンス系、フロリダ系、ビチセラ系、ジャックマニー系、モンタナ系など、それぞれの系統には独特の魅力と特性があります。

開花枝のタイプ(旧枝咲き・新枝咲き・新旧枝咲き)を理解することは、適切な剪定を行う上で非常に重要です。初心者の方は、新枝咲きまたは新旧枝咲きの四季咲き品種から始めることをおすすめします。これらは剪定が簡単で、長期間花を楽しめるため、育てる喜びを実感しやすいでしょう。

品種選びの際は、開花時期、耐暑性・耐寒性、つるの長さ、剪定のしやすさの4つのポイントを基準に、自分の庭の環境や好みに合った品種を選びましょう。「プリンセス・ダイアナ」「白万重」「ジャックマニー」「エトワール・バイオレット」などの定番品種は、初心者にも育てやすく、美しい花を楽しめます。

近年は品種改良が進み、系統の境界があいまいになってきていますが、それは選択肢が広がったことを意味します。購入時には系統名だけでなく、開花枝のタイプを必ず確認し、自分の栽培スタイルに合った品種を選びましょう。

クレマチスの魅力は、その多様性にあります。様々な系統や品種を理解し、自分の庭に合ったクレマチスを見つけることで、ガーデニングの楽しみが大きく広がるでしょう。適切な知識と栽培方法で、「つる性植物の女王」の美しい花を長く楽しんでください。

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