クリーピングタイムの育て方と庭での活用
2026年2月6日

つる性植物を美しく育てるための支柱とワイヤーの設置方法を詳しく解説。オベリスク、トレリス、ネット支柱の選び方から、ワイヤーの張り方、誘引のコツ、強風対策まで、初心者でも実践できる技術を紹介します。クレマチス、バラ、きゅうりなど植物別の最適な支柱システムも解説。
クリーピングタイムの育て方と庭での活用
クリーピングタイムは、庭のグランドカバーとして人気を集めている這性のハーブです。草丈5~10cmという低さで地面を覆うように横へ広がり、初夏にはピンクや紫の小さな花がカーペット状に咲き誇ります。雑草対策としても効果的で、病害虫に強く管理しやすいため、忙しい方にもおすすめのグランドカバー植物です。
本記事では、クリーピングタイムの基本的な特徴から、植え付け、水やり、剪定まで、庭での活用方法を詳しく解説します。
クリーピングタイムの基本特性
クリーピングタイムは、シソ科の常緑多年草で、ヨーロッパを中心に分布し、日本では北海道南部から九州まで広く栽培されています。観賞用として人気が高く、食用としても利用されることがあります。
最大の特徴は、匍匐性(ほふくせい)という地面を這うように広がる成長パターンです。茎が地面に接すると節から根を出し、次々と広がっていきます。草丈は5~10cm程度で、踏圧にも比較的強いため、芝生の代替として使われることもあります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 草丈 | 5~10cm |
| 開花時期 | 5~6月(初夏) |
| 花色 | ピンク、紫、白 |
| 耐寒性 | ゾーン4~9 |
| 耐暑性 | やや弱い(蒸れに注意) |
| 日照 | 日向~半日陰 |
[画像: クリーピングタイムの花のカーペット]
初夏に小さな花が集まって丸い花序となり、それがカーペット状に咲き広がる景観は圧巻です。花が蜜を出すため、蜂や蝶などのポリネーター(花粉媒介者)を引き寄せ、庭の生態系を豊かにする効果もあります。
葉や茎に触れたり踏んだりすると、爽やかなハーブの香りが広がるのも魅力の一つです。この香りには虫よけ効果があるとされ、コンパニオンプランツとして野菜の近くに植えることもあります。
クリーピングタイムの植え付け方法
クリーピングタイムの植え付けに最適な時期は、春(3~5月)と秋(9~10月)の2回です。真夏や真冬は避け、気温が穏やかな時期に植え付けることで根付きやすくなります。
場所選びのポイント
日当たりが良く、水はけの良い場所を選びましょう。半日陰でも育ちますが、花付きは日当たりの良い場所の方が良くなります。クリーピングタイムは多湿を嫌うため、水が溜まりやすい場所は避けてください。
グランドカバーとして利用する場合、1㎡あたり9~16株程度を目安に、20~30cm間隔で植え付けると、1~2年で地面を覆うことができます。花壇の縁取りに植えると、土の流出を防ぐ効果もあります。
土づくり
クリーピングタイムは酸性土壌を嫌い、弱アルカリ性の土を好みます。日本の土壌は一般的に酸性に傾いているため、植え付け前に苦土石灰をまいて土壌を調整することが重要です。
植え付け2週間前に、1㎡あたり100~150gの苦土石灰を土に混ぜ込み、1週間前には堆肥や腐葉土を加えて土づくりを完成させます。水はけを良くするため、必要に応じて砂やパーライトを混ぜると良いでしょう。
鉢植えの場合は、市販のハーブ用培養土または野菜用培養土に赤玉土や鹿沼土を2~3割混ぜると、排水性が向上します。
植え付け手順
- 苗は植え付け前に水につけて、根鉢にしっかり水を吸わせます
- 穴は根鉢より一回り大きく掘ります
- 苗を置き、周りに土を入れて軽く押さえます
- 植え付け後はたっぷりと水やりします
- 根付くまでの2~3週間は土が乾いたら水やりを続けます
苗を選ぶ際は、葉が生き生きとして色が濃く、蒸れて下葉が傷んでいないものを選びましょう。茎がしっかりしていて、節間が詰まっているものが良質な苗です。
水やりと肥料の管理
クリーピングタイムは乾燥に強く、過湿を嫌う植物です。深い根を張るため、一度根付けば地植えでは基本的に水やりは不要で、自然の降雨に任せて問題ありません。
水やりのポイント
鉢植えの場合は、土の表面が乾いてからたっぷりと水やりします。やや乾燥気味に管理するのがコツで、土が常に湿っている状態は避けましょう。特に梅雨時期や秋の長雨の際は、水やりを控えめにします。
冬場は成長が緩慢になるため、水やりの頻度をさらに減らします。土が完全に乾いてから2~3日後に水やりする程度で十分です。
| 季節 | 地植え | 鉢植え |
|---|---|---|
| 春・秋 | 降雨のみ | 土が乾いたらたっぷり |
| 夏 | 降雨のみ(極度の乾燥時のみ水やり) | 朝夕土が乾いたらたっぷり |
| 冬 | 不要 | 土が乾いて2~3日後 |
肥料管理
クリーピングタイムは肥料をあまり必要としません。むしろ肥料を与えすぎると、株が徒長して蒸れやすくなったり、香りが弱くなったりすることがあります。
地植えの場合、植え付け時に堆肥を混ぜ込んでおけば、追肥は基本的に不要です。鉢植えでは、春と秋に緩効性肥料を少量与える程度で十分です。液体肥料を使う場合は、通常の希釈倍率の2倍に薄めたものを月1回程度与えます。
ハーブとしての香りを重視する場合は、肥料を控えめにすることで、精油成分が濃縮され香りが強くなります。
剪定と蒸れ対策
クリーピングタイムの栽培で最も重要なのが「蒸れ対策」です。高温多湿に弱いため、梅雨前と冬前の年2回剪定を行うことで、株の健康を維持できます。
[画像: クリーピングタイムのグランドカバー]
梅雨前の剪定(5月下旬~6月上旬)
花が終わった後、梅雨に入る前に全体の1/3程度を刈り込みます。この剪定により、株元の風通しが良くなり、蒸れによる枯れを防げます。
刈り込む際は、枯れた部分や混み合った部分を中心に、葉が残るように気をつけながらハサミやバリカンで刈り取ります。地際で刈ってしまうと回復に時間がかかるため、5cm程度は残すようにしましょう。
冬前の剪定(11月~12月)
冬前には全体の1/2程度を刈り込み、株をコンパクトにします。この剪定により、冬の寒風から株を守り、春の新芽の出を良くする効果があります。
冬の剪定では、枯れた茎や古くなった茎を取り除き、翌年の生育に備えます。寒冷地では、霜が降りる前に剪定を終えるようにしましょう。
日常的な手入れ
日頃から枯れた花がらを摘み取ると、株の消耗を防ぎ、見た目も美しく保てます。また、株が過度に広がりすぎた場合は、適宜剪定して形を整えます。
グランドカバーとして広範囲に植えている場合は、芝刈り機やバリカンを使って一気に刈り込むことも可能です。ただし、刈り高は5cm以上を保つようにしてください。
増やし方と株の更新
クリーピングタイムは、挿し木、株分け、種まきで増やすことができます。最も簡単で成功率が高いのは挿し木です。
挿し木での増やし方
5月~6月または9月~10月が挿し木の適期です。新しく伸びた茎を5~10cm程度切り取り、下の方の葉を取り除いて挿し穂を作ります。
挿し穂は水に1時間ほどつけて水揚げした後、挿し木用の土(赤玉土小粒やバーミキュライト)に挿します。直射日光を避けた明るい日陰に置き、土が乾かないように管理すると、2~3週間で発根します。
発根後、しっかり根が張ったら鉢上げして、通常の管理に移行します。
株分けでの増やし方
3年以上経った株は、株分けで更新すると良いでしょう。春か秋に株を掘り上げ、根をほぐしながら2~3株に分けます。各株に根と芽が十分についていることを確認してから、新しい場所に植え付けます。
株分けは、古くなって中心部が枯れてきた株を若返らせる効果もあります。定期的に株分けすることで、株の活力を維持できます。
種まきでの増やし方
種から育てる場合は、春(3月~4月)または秋(9月~10月)に種をまきます。発芽適温は15~20℃で、種は土をかぶせず、軽く押さえる程度にします。クリーピングタイムの種は光好性なので、明るい場所で管理します。
発芽までは1~2週間かかります。本葉が4~6枚になったら、ポットに移植し、しっかり根が張ってから定植します。
グランドカバーとしての活用法
クリーピングタイムは、繁殖力が旺盛でありながら管理しやすいため、グランドカバーとして理想的な植物です。
雑草対策としての効果
クリーピングタイムは密に広がるため、地面を覆うことで雑草の発芽を抑制します。完全に雑草を防ぐことはできませんが、雑草の量を大幅に減らすことができます。
ただし、植え付け初年度は株がまだ十分に広がっていないため、雑草が生えやすくなります。この期間は手で雑草を抜くか、マルチング材を敷いて雑草の発生を抑えると良いでしょう。
芝生の代替として
クリーピングタイムは踏圧に比較的強く、軽い歩行であれば問題ありません。芝生のように頻繁な刈り込みが不要で、水やりも少なくて済むため、低メンテナンスの庭づくりに適しています。
ただし、頻繁に人が歩く場所や、激しい運動をする場所には向きません。庭の小道沿いや、あまり歩かない庭のエリアに植えると良いでしょう。
デザイン活用のアイデア
- 花壇の縁取り:花壇の前面に植えることで、土の流出を防ぎながら美しい縁取りができます
- 石やレンガの間:石畳やレンガ敷きの隙間に植えると、ナチュラルな雰囲気になります
- 段差の法面:傾斜地に植えることで、土壌侵食を防ぎます
- 寄せ植え:コンテナガーデンで垂れ下がるように使うと、立体感が出ます
クリーピングタイムは、他の植物との相性も良く、バラの足元に植えることで土の乾燥を防ぎ、害虫を遠ざける効果も期待できます。ハーブガーデンのグランドカバーとしても人気があります。
よくある問題と対処法
クリーピングタイムは丈夫な植物ですが、いくつか注意すべき問題があります。
株が枯れる・茶色くなる
最も多い原因は「蒸れ」です。高温多湿の時期に株元が蒸れると、下葉から枯れていきます。予防策として、梅雨前の剪定を必ず行い、風通しを確保しましょう。
すでに枯れが見られる場合は、枯れた部分を取り除き、株元の土を軽く耕して通気性を良くします。水やりを控えめにし、回復を待ちます。
花が咲かない
日照不足が主な原因です。クリーピングタイムは日当たりを好むため、日照時間が4時間以下の場所では花付きが悪くなります。可能であれば、より日当たりの良い場所に移植します。
また、肥料の窒素成分が多すぎると、葉ばかり茂って花が咲きにくくなります。肥料は控えめにし、リン酸成分の多い肥料を少量与えると花付きが良くなります。
広がりすぎる
繁殖力が強いため、予想以上に広がることがあります。不要な部分は定期的に刈り取り、広がりをコントロールしましょう。
他の植物のエリアに侵入した場合は、根ごと掘り上げて取り除きます。広がりを物理的に制限したい場合は、レンガや縁取り材を地中に埋め込んで境界を作ると効果的です。
病害虫
クリーピングタイムは病害虫に強い植物ですが、まれにアブラムシやハダニが発生することがあります。発見したら、水で洗い流すか、天然由来の殺虫剤を使用します。
病害虫対策の基本は、風通しを良くし、株を健康に保つことです。定期的な剪定と適切な水管理が、病害虫の発生を防ぎます。
まとめ
クリーピングタイムは、低メンテナンスで美しいグランドカバーとして、庭づくりに大変役立つハーブです。以下のポイントを押さえれば、初心者でも簡単に育てることができます。
- 日当たりと水はけ:日向で水はけの良い場所を選ぶ
- 土壌調整:酸性土壌には苦土石灰を施す
- 水やり:やや乾燥気味に管理する(地植えは降雨のみでOK)
- 剪定:梅雨前に1/3、冬前に1/2を刈り込んで蒸れ対策
- 植え付け時期:春(3~5月)か秋(9~10月)
クリーピングタイムは、雑草対策だけでなく、花の美しさ、香り、ポリネーターへの貢献など、多くの魅力を持っています。ガーデニング初心者の方も、ぜひ挑戦してみてください。
適切な管理を行えば、何年も庭を彩ってくれる頼もしいパートナーとなるでしょう。





