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果樹栽培の完全ガイド:家庭で楽しむ果物づくり

いちじくの育て方と剪定管理の方法

2026年2月6日

いちじくの育て方と剪定管理の方法

いちじくの育て方と剪定方法を徹底解説。植え付けから収穫まで、季節ごとの管理、病害虫対策、鉢植え栽培のコツまで、初心者でもわかりやすく紹介します。夏果・秋果別の剪定テクニックで、美味しいいちじくを家庭で楽しみましょう。

いちじくの育て方と剪定管理の方法

いちじく(無花果)は、初心者でも育てやすく家庭果樹として人気の高い果樹です。植え付けから2年目で収穫が可能で、露地栽培でも鉢植えでも楽しめます。本記事では、いちじくの基本的な育て方から、剪定のポイント、季節ごとの管理方法まで、詳しく解説します。

いちじく栽培の基礎知識

いちじくは比較的育てやすい果樹として知られていますが、適切な管理を行うことで、より多くの実を収穫できます。まず、いちじくの基本的な特性を理解しましょう。

いちじくは温暖な気候を好み、日当たりの良い場所で育てるのが基本です。10℃以下の低温には弱いため、寒冷地では鉢植えにして冬季は室内に取り込むなどの対策が必要です。また、風が強く当たる場所は避けるようにしましょう。

品種によって夏果と秋果、または夏秋兼用果があり、それぞれ剪定方法が異なります。夏果は前年枝に着果し、秋果はその年の春から伸びた枝に着果するという違いがあります。

果樹栽培の完全ガイド:家庭で楽しむ果物づくりでは、他の果樹との組み合わせや基本的な栽培方法についても詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

詳しい育て方については、GreenSnapのイチジク剪定ガイドコーナンTipsのイチジク栽培解説が参考になります。

植え付けと土づくりの方法

いちじくの植え付けは、休眠期の11月から3月に行うのが基本です。ただし、寒い地域では凍害を防ぐために、春の少し暖かくなった時期(3月下旬~4月)に植え付けるのがおすすめです。

植え付けと土づくりの方法 - illustration for いちじくの育て方と剪定管理の方法
植え付けと土づくりの方法 - illustration for いちじくの育て方と剪定管理の方法

地植えの場合

地植えする場合は、日当たりと水はけの良い場所を選びます。植え穴は直径・深さともに50cm程度掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥を3割程度混ぜ込みます。

植え付け後は、支柱を立てて苗木を固定し、たっぷりと水を与えます。根元には腐葉土やバークチップでマルチングを行うと、土壌の乾燥を防ぎ、雑草の抑制にも効果的です。

鉢植えの場合

鉢植えで育てる場合は、8~10号(直径24~30cm)以上の鉢を用意します。鉢底石を底に敷き、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で作った土を鉢の半分程度まで入れます。

用土の配合例割合特徴
赤玉土+腐葉土7:3基本の配合、水はけ良好
赤玉土+腐葉土パーライト6:3:1より排水性を重視
市販の果樹用培養土-初心者に扱いやすい

苗木を置いたあと土をかぶせ、ウォータースペースを残すようにします。植え付け後は十分に水を与え、根と土をなじませます。

土づくり・堆肥・肥料の基礎知識と実践ガイドでは、より詳しい土作りの方法について解説していますので、参考にしてください。

剪定の基本テクニック

いちじくの剪定は、樹形を整え、実付きを良くするために重要な作業です。剪定時期は12月から2月末の休眠期が最適で、この時期は樹木が休眠中のため、剪定によるストレスを最小限に抑えられます。

剪定の基本テクニック - illustration for いちじくの育て方と剪定管理の方法
剪定の基本テクニック - illustration for いちじくの育て方と剪定管理の方法

夏果品種の剪定

夏果は前年枝に着果し、比較的枝先につくため、枝を切り詰めると着果しません。そのため、枝の先端は残し、間引き剪定を中心に行います。

混み合った枝や内向きに伸びる枝、交差する枝を根元から切り取り、樹冠内部に日光が入るようにします。また、古くなった枝や病気の枝は早めに除去しましょう。

秋果品種の剪定

秋果はその年の春から伸びた枝に着果するため、前年枝をどこで切り詰めても問題はありません。基本的には、主枝を残し、側枝を2~3芽残して切り詰めます。

初めて剪定する場合は、全体の約50%の枝を切り戻すのが目安です。翌年以降は、主幹から伸びる4~6本の強い枝を主枝として残し、それ以外を剪定します。

剪定のコツ

  • 切り口は斜めに切り、雨水が溜まらないようにする
  • 太い枝を切る場合は、切り口に癒合剤を塗る
  • 全体のバランスを見ながら、段階的に剪定する
  • 芽の上5~10mm程度を残して切る

詳しい剪定技術については、剪定・整枝の技術完全ガイドで基本から応用まで解説しています。

くらしのマーケットの剪定ガイドRoyal Horticultural Societyの剪定方法も参考になります。

水やりと肥料管理

いちじくは生育が旺盛で、適切な水やりと肥料管理が収穫量に大きく影響します。

水やりと肥料管理 - illustration for いちじくの育て方と剪定管理の方法
水やりと肥料管理 - illustration for いちじくの育て方と剪定管理の方法

水やり

いちじくは過湿に弱いところがありますが、乾燥にも注意が必要です。地植えの場合は、植え付け後1年間は土が乾いたらたっぷりと水を与えます。その後は、極端な乾燥時以外は自然の降雨で十分です。

おいしい果実を収穫したいなら、夏の間の水やりは週に1度で十分です。水を減らせば糖分が薄まらず、その結果果実はより甘くなります。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に夏場は水切れに注意が必要で、朝夕2回の水やりが必要になることもあります。

肥料の与え方

いちじくは成長のために多くの肥料を必要とし、肥料切れを起こすと体力がなくなって収穫や成長に影響を及ぼします。

成分をバランスよく配分した緩効性肥料を4月から7月にかけて2~3回与えるのが推奨されています。具体的には、以下のタイミングで施肥します。

  • 3月下旬~4月上旬:春肥(芽出し肥)
  • 6月:生育期の追肥
  • 9月:お礼肥(収穫後の体力回復)
施肥時期目的肥料の種類
春(3~4月)芽出しと新梢の生育促進緩効性化成肥料
夏(6月)果実の肥大促進速効性液肥
秋(9月)樹勢回復と翌年の準備有機質肥料

水やり・灌漑システムの完全ガイドでは、効率的な水やり方法について詳しく解説しています。

病害虫対策と予防

いちじくは比較的病害虫に強い果樹ですが、いくつか注意すべき害虫があります。

カミキリムシ対策

カミキリムシはいちじくの幹の内部に侵入して巣食う性質があり、放っておくと枯れてしまうおそれがあります。成虫は6~8月に活動し、幹に産卵します。

幹にお がくず状の排泄物が付着していたら、カミキリムシの幼虫が食害している証拠です。針金などで穴から幼虫を取り出すか、専用の殺虫剤を注入します。

アザミウマ・ハダニ対策

アザミウマやハダニは葉や果実を加害します。発生初期に発見できれば、水で洗い流すか、粘着テープで取り除くことができます。

被害が広がった場合は、適用のある薬剤を散布します。予防として、葉水を与えて湿度を保つことも効果的です。

病気の予防

いちじくは灰色かび病やさび病などが発生することがあります。風通しを良くし、混み合った枝を剪定することで予防できます。

また、落ち葉は病原菌の越冬場所になるため、こまめに清掃し、処分するようにしましょう。

病害虫対策と防除の完全ガイドでは、総合的な病害虫管理について解説しています。

詳しい対策方法は、奈良県のイチジクづくりのポイントみんなの趣味の園芸の栽培方法でも紹介されています。

収穫のタイミングと方法

いちじくの実は、完熟すると果実の首の部分が柔らかくなり、お尻の部分が少し裂けてきます。また、果皮の色が品種特有の色に変わり、果実全体が少し下垂します。

収穫時期

  • 夏果:6月下旬~7月中旬
  • 秋果:8月下旬~10月中旬

完熟したいちじくは日持ちしないため、収穫後はできるだけ早く食べるか、加工するようにしましょう。保存する場合は、冷蔵庫の野菜室で2~3日程度が限度です。

収穫方法

実を手で持ち、軽くねじるようにして収穫します。実が硬い場合は、まだ未熟なので、もう少し待ちましょう。

いちじくの樹液には刺激性があり、肌に触れるとかぶれることがあります。収穫時は手袋を着用することをおすすめします。

鉢植え栽培のコツ

限られたスペースでもいちじくを楽しめる鉢植え栽培には、いくつかのポイントがあります。

鉢のサイズ選び

苗木を植え付ける際は8~10号鉢からスタートし、成長に応じて12号以上の大きな鉢に植え替えます。根詰まりを防ぐため、2~3年に1度は植え替えを行いましょう。

根域制限の効果

いちじくは根を制限することで、過度な栄養成長を抑え、果実の着果を促進できます。鉢植えは自然に根域制限がかかるため、実付きが良くなる傾向があります。

ベランダでの管理

ベランダなどで栽培する場合は、強風対策として鉢を固定し、必要に応じて支柱を立てます。また、コンクリートの照り返しで鉢が高温になりすぎないよう、鉢下にスノコなどを敷くとよいでしょう。

ベランダ・小スペースガーデニングの完全ガイドでは、限られたスペースでの栽培テクニックを詳しく紹介しています。

SCENGEIのいちじく地植え育て方Meetsのいちじく栽培解説も参考になります。

季節ごとの管理カレンダー

いちじくの年間を通した管理作業をまとめました。

主な作業
1~2月剪定、寒害対策
3~4月植え付け、春肥、芽かき
5~6月追肥、病害虫チェック、摘果
7~8月水やり管理、夏果収穫
9~10月秋果収穫、お礼肥
11~12月防寒対策、剪定準備

季節に応じた詳しい園芸作業については、季節の園芸カレンダー:月別・季節別ガイドをご覧ください。

まとめ

いちじくは初心者にも育てやすい果樹ですが、適切な剪定と管理を行うことで、より多くの美味しい実を収穫できます。特に重要なポイントは以下の通りです。

  • 日当たりの良い場所で育て、寒さ対策を行う
  • 12月~2月の休眠期に適切な剪定を行う
  • 夏果と秋果で剪定方法を変える
  • 水やりは控えめにし、果実の糖度を高める
  • 春から夏にかけて定期的に施肥する
  • カミキリムシなどの害虫に注意する

これらのポイントを押さえて、家庭でのいちじく栽培を楽しんでください。植え付けから2年目には収穫できるので、長く待つ必要もありません。ぜひチャレンジしてみてください。

ガーデニング入門・基礎知識の完全ガイドでは、園芸の基本から学べますので、初心者の方はこちらも併せてご覧ください。

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