いちごの栽培方法:地植えとプランター栽培
2026年2月6日

いちごの地植えとプランター栽培の違い、それぞれのメリット・デメリット、具体的な育て方を解説。初心者でも成功できる植え付けのコツ、水やり、肥料管理、病害虫対策まで、美味しいいちごを収穫するための完全ガイドです。
いちごの栽培方法:地植えとプランター栽培の完全ガイド
いちご栽培を始めたいけれど、地植えとプランター栽培のどちらが自分に合っているのか迷っていませんか?それぞれの栽培方法には特徴があり、環境や目的に応じて最適な選択が異なります。この記事では、地植えとプランター栽培の違いから具体的な育て方、成功のコツまで詳しく解説します。
家庭菜園初心者の方でも、この記事を読めば自分に最適ないちご栽培方法が見つかり、美味しいいちごの収穫を楽しめるようになるでしょう。家庭菜園・野菜づくりの完全ガイドも併せてご覧いただくと、より理解が深まります。
地植え栽培とプランター栽培の基本的な違い
いちご栽培における地植えとプランター栽培には、それぞれ明確な特徴と利点があります。まずは基本的な違いを理解しておきましょう。

地植え栽培の特徴
地植え栽培は、広い農地や庭のスペースを活用して大量のいちごを育てる方法です。ビニールハウスや温室などの制約を受けないため、一度に多くの苗を植えることができます。大型農機を用いた耕作や出荷調整の機械化が可能で、労働力の節約とコストの削減ができるのが大きなメリットです。
地植えをする際は「畝(うね)」という山を作り、その上に植え付けます。これは水はけの良さと、根に十分な空気が届くようにするための重要な工夫です。土づくり・堆肥・肥料の基礎知識と実践ガイドで紹介している土作りの基本も参考になります。
プランター栽培の特徴
プランター栽培は、限られたスペースでもいちご栽培を楽しめる方法です。ベランダや玄関先など、小さなスペースでも始められるため、マンション住まいの方や初心者に特に人気があります。
深さが15~20cm以上あるプランターが適しており、土4Lに対して1苗が目安となります。土の量が12L入るプランターの場合は、だいたい3苗ほど植えることができ、苗と苗の間隔は15センチほどあけるのが基本です。
プランター栽培では地面よりも根が暖かい温度にさらされますが、適切な管理を行えば地植えと同等の収穫が期待できます。また、病害虫の管理がしやすく、移動も可能なため、日当たりの調整が簡単にできる利点があります。ベランダ・小スペースガーデニングの完全ガイドでは、プランター栽培のさらなるコツを紹介しています。
地植え栽培の詳しい方法とコツ
地植え栽培では、土作りから植え付け、管理まで、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは実践的な手順とコツを解説します。

土作りと畝の準備
地植え栽培で最も重要なのが土作りです。いちごは水はけが良く、適度に保水性のある土を好みます。植え付けの2週間前には、堆肥や腐葉土を土に混ぜ込んで土壌を改良しておきましょう。
畝は高さ10~15cm、幅60~80cmほどに作ります。畝を作ることで水はけが良くなり、根腐れを防ぐことができます。畝の表面には黒マルチや防草シートを敷くと、雑草の抑制や地温の確保、果実の泥はね防止に効果的です。
植え付けの時期と方法
いちごの植え付け適期は、秋の10月中旬~11月上旬です。この時期に植え付けると、冬の間に根がしっかりと張り、春に良い花を咲かせることができます。
植え付けの際は、クラウン(根元の膨らんだ部分)を土に埋めないように注意します。これは地植え・プランター栽培共通の最も重要なポイントです。クラウンが土に埋まると、苗が腐ってしまう原因となります。
株間は25~30cm程度確保し、密植を避けることで風通しを良くし、病害虫の発生を抑えます。病害虫対策と防除の完全ガイドも参考にしてください。
水やりと肥料管理
地植えの場合、基本的には降雨で十分ですが、乾燥が続く場合は適宜水やりを行います。特に植え付け直後と花芽形成期には、水切れに注意が必要です。
肥料は、植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を施します。追肥は2月中旬頃、休眠から目覚めて生育が始まる時期に、株元から少し離れた場所に化成肥料を10g程度施します。肥料の与えすぎは葉ばかりが茂り、実付きが悪くなる原因となるため注意が必要です。
プランター栽培の詳しい方法とコツ
プランター栽培は、管理がしやすく初心者にも向いています。ここでは、プランター選びから日々の管理まで、成功するためのポイントを解説します。

プランターと土の選び方
プランター選びでは、サイズと形状が重要です。深さは最低でも15cm、できれば20cm以上あるものを選びましょう。長方形のプランターは丸型よりも多くの収穫が期待でき、最小サイズとしては直径30cm以上の丸型、または横60cm以上の長方形が推奨されます。
いちご専用の「ストロベリーポット」は、果実が地面に付きにくいため病気の発生も少なくなり、見た目もかわいらしいので人気があります。複数の植え穴があり、縦方向に空間を活用できるのが特徴です。
土は野菜用の培養土を使用するか、自分で配合する場合は赤玉土6:腐葉土3:ピートモス1を混ぜた用土が適しています。底石用の軽石をプランターの底に入れ、培養土を容器の8分目まで入れます。
植え付けと配置のポイント
プランターへの植え付けも、地植えと同様に10月中旬~11月上旬が適期です。土4Lに対して1苗を目安に植え付け、苗と苗の間隔は15cm程度確保します。
植え付けの際は、クラウンの位置に特に注意します。クラウンが土に埋まらないよう、浅めに植え付けるのがコツです。また、ランナー(子株を作るための茎)が伸びる方向を外側に向けて植えると、後の管理がしやすくなります。
プランターの置き場所は、日当たりが良く風通しの良い場所を選びます。南向きのベランダやテラスが理想的ですが、午前中だけでも十分に日が当たる場所であれば問題ありません。
水やりと追肥の管理
プランター栽培では、地植えよりも水やりが重要になります。土の表面が乾いたら、プランターの底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。土の表面から約2.5cm(1インチ)が乾いたタイミングが水やりの目安です。
特に春から初夏にかけての生育期と開花・結実期には、水切れに注意が必要です。ただし、過湿も根腐れの原因となるため、土の状態を確認しながら適切に管理します。
追肥は、植え付け1ヵ月後と2月中旬頃の年2回、化成肥料を10g程度施します。実がつき始めたら、月に1~2回程度、薄めた液体肥料を与えると実付きが良くなります。ただし、3月以降は追肥を控えめにし、果実の品質を優先します。
地植えとプランター栽培の比較表
それぞれの栽培方法の特徴を一覧表にまとめました。自分の環境や目的に合わせて選択する際の参考にしてください。
| 項目 | 地植え栽培 | プランター栽培 |
|---|---|---|
| 必要なスペース | 広い庭や農地が必要 | ベランダ・玄関先でも可能 |
| 初期コスト | 土壌改良費用が高め | プランターと土の購入費用のみ |
| 収穫量 | 大量収穫が可能 | 苗数に応じた収穫量 |
| 水やり頻度 | 降雨で基本的にOK | 毎日~2日に1回程度 |
| 病害虫管理 | 広範囲の管理が必要 | 個別管理が容易 |
| 移動性 | 移動不可 | 日当たりに応じて移動可能 |
| 初心者向け度 | 中~上級者向け | 初心者向け |
| 冬越し管理 | そのまま越冬 | 寒冷地では保護が必要 |
| 収穫開始時期 | 5月上旬~6月 | 5月上旬~6月 |
| 土壌管理 | 定期的な土壌改良が必要 | 毎年土の入れ替えが容易 |
この表からも分かるように、大量収穫を目指すなら地植え、手軽に始めたいならプランター栽培が向いています。自分の栽培目的と環境に合わせて選択しましょう。
共通する重要な栽培ポイント
地植えでもプランター栽培でも、いちご栽培には共通する重要なポイントがいくつかあります。これらを押さえることで、成功率が格段に上がります。

クラウンの扱い方
何度も強調していますが、クラウン(根元の膨らんだ部分)を土に埋めないことが最も重要です。クラウンは葉や花を出す生長点であり、ここが土に埋まると呼吸ができずに腐ってしまいます。
植え付けの際は、クラウンの下半分が土に触れる程度の深さにします。浅すぎると根が乾燥しやすくなり、深すぎるとクラウンが腐る原因となります。適切な深さを見極めることが、いちご栽培成功の第一歩です。
日当たりと風通し
いちごは日当たりが良く、風通しの良い場所で栽培するのが基本です。日照不足では花付きが悪くなり、実も甘くなりません。最低でも1日4~5時間、できれば6時間以上の日照が理想的です。
風通しが悪いと湿気がこもり、灰色かび病などの病気が発生しやすくなります。株間を適切に確保し、古い葉や枯れ葉はこまめに取り除いて風通しを良くしましょう。
ランナーの管理
いちごは夏になるとランナー(匍匐茎)を伸ばし、子株を作ります。翌年用の苗を増やしたい場合はランナーを伸ばしますが、今年の収穫を優先する場合は早めに切り取ります。
実がついている時期にランナーが伸びると、養分がランナーに取られて果実の肥大や糖度が低下します。収穫期にはランナーを見つけ次第、根元から切り取るようにしましょう。
人工授粉のすすめ
屋外で育てている場合は昆虫が自然に受粉を手伝ってくれますが、ベランダなどで育てている場合は人工授粉をすると実付きが良くなります。
花が咲いたら、柔らかい筆や綿棒で花の中心部分を軽く撫でるように触れます。複数の花を順番に触れることで、花粉が運ばれて受粉します。午前中の暖かい時間帯に行うのが効果的です。
病害虫対策と予防方法
いちご栽培では、いくつかの病害虫に注意が必要です。予防と早期発見・早期対処が重要です。

主な病気と対策
灰色かび病は、いちご栽培で最も注意が必要な病気です。花や果実、葉に灰色のカビが生え、果実が腐ってしまいます。高温多湿の環境で発生しやすいため、風通しを良くし、水やりは株元に行い葉や花を濡らさないようにします。
うどんこ病は、葉の表面に白い粉状のカビが発生する病気です。発見したら早めに病気の葉を取り除き、風通しを改善します。予防には、適切な株間の確保と過度な窒素肥料の使用を避けることが重要です。
炭疽病は、葉に黒褐色の斑点ができ、やがて枯れてしまう病気です。雨水の跳ね返りで伝染するため、マルチングや雨よけが効果的です。
主な害虫と対策
アブラムシは、新芽や葉裏に発生し、汁を吸って植物を弱らせます。見つけ次第、水で洗い流すか、専用の殺虫剤を使用します。てんとう虫などの天敵を保護することも有効です。
ハダニは、葉裏に寄生して汁を吸い、葉が白っぽく変色します。乾燥すると発生しやすいため、葉裏にも水をかけて予防します。
ナメクジ・カタツムリは、果実を食害する厄介な害虫です。プランター栽培の場合は、プランターの縁に植えることで被害を軽減できます。誘殺剤の使用や、夜間の見回りで捕獲することも効果的です。
詳しい病害虫対策と防除の完全ガイドも参考にして、総合的な対策を行いましょう。
収穫のタイミングと方法
いちごの収穫は、果実が完熟したタイミングで行います。完熟の見極めと正しい収穫方法を知ることで、最高の味わいを楽しめます。
完熟の見極め方
いちごは果実全体が鮮やかな赤色に色づき、ヘタの近くまで赤くなったら収穫のタイミングです。先端だけが赤く、ヘタの近くが白っぽい状態ではまだ未熟です。
品種によって完熟時の色合いは若干異なりますが、一般的には濃い赤色になり、香りが強くなったら食べ頃です。触ってみて、やや柔らかさを感じる程度が理想的な完熟状態です。
正しい収穫方法
収穫は晴れた日の午前中、朝露が乾いた後に行うのが最適です。果実を直接触らず、ヘタを持って軽くひねりながら摘み取ります。無理に引っ張ると株を傷めてしまうため、優しく扱います。
収穫したいちごは、傷みやすいため重ねずに浅い容器に並べます。冷蔵庫で保存する場合は、洗わずにそのまま保存し、食べる直前に洗うと鮮度が保たれます。
収穫時期は品種や気温によって異なりますが、一般的には5月上旬~6月中旬がピークです。適切に管理すれば、1株から20~30個程度の収穫が期待できます。
よくある質問と回答
いちご栽培でよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q: 地植えとプランター、初心者にはどちらが向いていますか?
A: プランター栽培の方が初心者向けです。管理がしやすく、病害虫の対策も個別に行えます。また、日当たりの調整も容易で、失敗のリスクが低いため、まずはプランターから始めることをおすすめします。
Q: いちごは何年も同じ株で収穫できますか?
A: いちごは多年草ですが、収穫量と品質を考えると2~3年で株を更新するのが理想的です。ランナーから子株を育てることで、毎年新しい株に更新できます。
Q: 冬の間、いちごはどうなりますか?
A: いちごは寒さに強く、冬は休眠期に入ります。地植えの場合は特に対策不要ですが、プランター栽培の場合は寒冷地では凍結防止のため、軒下に移動するか、不織布などで保護すると安心です。
Q: 実が小さいのはなぜですか?
A: 肥料不足、水不足、日照不足、または実の数が多すぎることが原因です。1つの花房に5~6個程度に摘果し、適切な追肥と水やりを行うことで実が大きくなります。
Q: 花は咲くのに実がならないのはなぜですか?
A: 受粉不良が主な原因です。虫が少ない環境では人工授粉を行いましょう。また、低温期に開花した花は実がつきにくいため、早春の一番花は摘み取ることもあります。
まとめ:自分に合った栽培方法を選ぼう
いちごの地植えとプランター栽培について、それぞれの特徴と具体的な育て方を解説してきました。地植えは大量収穫を目指す方に、プランターは限られたスペースで手軽に始めたい方に向いています。
どちらの方法でも、クラウンを土に埋めないこと、日当たりと風通しを確保すること、適切な水やりと施肥を行うことが成功の鍵です。病害虫対策をしっかり行い、適期に収穫すれば、甘くて美味しい自家製いちごを楽しめます。
まずは自分の環境に合った方法で、いちご栽培にチャレンジしてみましょう。ガーデニング入門・基礎知識の完全ガイドや季節の園芸カレンダー:月別・季節別ガイドも参考にしながら、楽しいいちご栽培ライフを始めてください。





