冬のハーブ管理と室内での越冬方法
2026年2月6日

ハーブの冬越しを成功させる完全ガイド。耐寒性別の管理方法、室内越冬の準備手順、最適な温度(18-21℃)と光(6-12時間)の確保、水やり・湿度管理のコツまで詳しく解説。ローズマリー、バジル、ミントなど主要ハーブの具体的な越冬方法も紹介します。
冬のハーブ管理と室内での越冬方法
冬の到来とともに、大切に育ててきたハーブをどのように管理すべきか悩む方も多いでしょう。適切な冬越し対策を行えば、多くのハーブは翌年も元気に成長を続けます。本記事では、ハーブの耐寒性による分類から室内越冬の具体的な方法、温度・光・水やりの管理ポイントまで、冬のハーブ管理について詳しく解説します。
ハーブの耐寒性による分類と対策
ハーブの冬越し対策は、その植物が持つ耐寒性によって大きく異なります。まず自分が育てているハーブがどのタイプに属するかを知ることが重要です。

耐寒性の高いハーブ
ローズマリー、タイム、ラベンダー、セージ、オレガノなどは耐寒性が高く、寒冷地を除けば特別な保護なしで屋外越冬が可能です。これらのハーブは氷点下数度までの低温に耐えることができます。ただし、冬場の強剪定は避けましょう。寒い時期に強く切り戻すと株が弱り、回復が遅れる原因となります。
/herb-garden-creation-complete-guideの記事でも解説していますが、これらの宿根草ハーブは地上部が枯れても根が生きていれば春に再び芽吹きます。
耐寒性の低いハーブ
バジル、レモングラス、レモンバーベナ、ステビアなどの熱帯・亜熱帯原産のハーブは霜に弱く、気温が10℃を下回ると生育が止まります。これらは必ず室内に取り込む必要があります。
中程度の耐寒性を持つハーブ
ミント、チャイブ、パセリ、カモミールなどは中程度の耐寒性を持ちます。地植えの場合はマルチング(敷き藁やバークチップで地表を覆う)により保護できますが、鉢植えの場合は軒下など霜の当たらない場所への移動が推奨されます。
室内越冬の準備と手順
室内にハーブを取り込む際の準備は、成功する冬越しの鍵となります。適切な手順を踏むことで、害虫の持ち込みや植物へのストレスを最小限に抑えられます。

取り込み時期の判断
初霜の予報が出る2〜3週間前が室内取り込みの目安です。地域によって時期は異なりますが、最低気温が10℃を下回るようになったら準備を始めましょう。徐々に環境に慣らすことで、急激な環境変化によるストレスを軽減できます。
害虫チェックと剪定
室内に取り込む前に必ず行うべき作業が害虫チェックです。アブラムシ、ハダニ、コナジラミなどが付いていないか、葉の表裏を丁寧に確認します。発見した場合は、手で取り除くか、石鹸水スプレー(水500mlに対して液体石鹸小さじ1)を吹きかけて駆除します。
同時に、枯れた葉や病気の葉を剪定し、全体の枝を1/3程度切り戻します。これにより室内での管理がしやすくなり、新しい環境での回復も早まります。
鉢の移植と土の管理
地植えのハーブを掘り上げる場合は、根を傷めないよう株から15〜20cm離れた位置から円を描くように掘ります。できるだけ多くの土を根に付けたまま鉢に移植しましょう。鉢底には必ず排水用の穴があることを確認し、鉢底石を敷いてから新しい培養土を使用します。
/soil-compost-fertilizer-basics-guideで解説している通り、水はけの良い土づくりは室内栽培でも重要です。
室内での最適な育成環境
室内に取り込んだハーブを健康に保つには、適切な環境条件を整えることが不可欠です。

温度管理の重要性
ハーブの室内越冬に最適な温度は、日中18〜21℃(65〜70°F)、夜間13〜16℃(55〜60°F)です。夜間は日中より10℃程度低い温度が理想的で、この温度差が植物の自然なリズムを保ちます。
暖房器具の近くに置くと土が乾きすぎたり葉が乾燥したりするため避けましょう。また、窓際は日当たりは良いものの、夜間は冷え込むため、厚手のカーテンで冷気を遮断するか、夜間だけ室内の中央寄りに移動させる工夫が必要です。
| 温度帯 | 日中 | 夜間 | 適したハーブ |
|---|---|---|---|
| 高温 | 20〜25℃ | 15〜18℃ | バジル、レモングラス |
| 中温 | 18〜21℃ | 13〜16℃ | ローズマリー、タイム、ミント |
| 低温 | 15〜18℃ | 10〜13℃ | パセリ、チャイブ、オレガノ |
光条件の確保
室内でハーブを育てる際、最も重要な要素が光です。ほとんどのハーブは1日6〜12時間の明るい光を必要とします。理想的なのは南向きの窓辺ですが、冬の日照時間では不足しがちです。
光が不足すると茎が徒長し(ひょろひょろと間延びし)、葉の色が薄くなり、香りも弱まります。窓からの自然光だけでは不十分な場合、LEDグローライトの導入を検討しましょう。植物育成用LEDライトは消費電力が少なく、植物の成長に必要な波長の光を効率的に供給できます。
ライトを使用する場合、植物の上部20〜30cm程度の位置に設置し、1日12〜14時間点灯させます。タイマーを使って規則的な光のリズムを作ることで、植物の生育が安定します。
/houseplant-indoor-green-complete-guideの記事でも室内植物の光管理について詳しく解説しています。
湿度管理と乾燥対策
冬の室内は暖房により湿度が30〜40%程度まで下がることが多く、ハーブにとっては乾燥しすぎた環境です。特に地中海原産のハーブでも、葉が乾燥しすぎると生育に影響が出ます。
定期的な霧吹きが最も簡単で効果的な乾燥対策です。1日1〜2回、葉の表面に軽く水分を与えます。ただし、夜間に葉が濡れたままだと病気の原因になるため、霧吹きは午前中に行うのがベストです。
複数の鉢を近くに配置することで、植物同士が蒸散する水分により周囲の湿度が少し高まります。また、鉢の下に水を張ったトレイを置き(鉢底が直接水に触れないよう小石などで高さを出す)、蒸発する水分で局所的に湿度を上げる方法も効果的です。
水やりと施肥の管理
冬季の水やりと施肥は、成長期とは異なるアプローチが必要です。
冬季の水やり頻度
冬は植物の成長が緩やかになり、水の吸収も少なくなります。土の表面から約5cm(2インチ)の深さまで乾いてから水を与えるのが基本です。指を土に差し込んで湿り気を確認しましょう。
室内での水やりは週に1回程度が目安ですが、暖房の効き具合や鉢の大きさ、植物の種類によって変わります。水やりは暖かい午前10時頃に行い、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。受け皿に溜まった水は必ず捨て、根腐れを防ぎます。
/watering-irrigation-system-complete-guideでは、より詳細な水やりテクニックを紹介しています。
冬季の施肥の注意点
8月以降、特に室内に取り込んだ後は基本的に施肥を控えます。秋冬に肥料を与えると柔らかい新芽が出ますが、これらは寒さに弱く、冬を越せない可能性が高いためです。
ただし、室内で活発に成長を続ける場合は、2〜3ヶ月に1回程度、通常の半分の濃度に薄めた液体肥料を与えることができます。固形の肥料よりも、薄めた液肥の方がコントロールしやすく安全です。
ハーブ別の具体的な越冬方法
代表的なハーブごとに、最適な越冬方法を見ていきましょう。

ローズマリーの越冬
ローズマリーは耐寒性が比較的高いものの、-5℃以下になる地域では室内越冬が安全です。日当たりの良い窓辺に置き、土が完全に乾いてから水を与えます。過湿を嫌うため、水のやりすぎに注意が必要です。
バジルの越冬
バジルは一年草として扱われることが多いですが、室内で20℃以上を保てば越冬可能です。ただし日照不足になりやすいため、グローライトの使用がほぼ必須です。春に新しい苗を育てる方が簡単で健康な株が得られます。
ミントの越冬
ミントは非常に強健で、屋外でも地下茎が生きていれば春に再生します。室内に取り込む場合は、風通しの良い涼しめの場所を好みます。高温すぎる場所ではアブラムシが発生しやすくなります。
タイムとオレガノの越冬
両方とも耐寒性が高く、地植えでも問題なく越冬しますが、鉢植えの場合は土が凍結しないよう注意が必要です。室内では涼しく日当たりの良い場所で管理し、乾燥気味に育てます。
パセリの越冬
パセリは二年草で、比較的寒さに強い植物です。霜よけがあれば屋外越冬も可能ですが、継続的に収穫したい場合は室内に取り込みます。明るい窓辺で、土が乾いたらたっぷり水を与える管理が適しています。
よくあるトラブルと対処法
冬のハーブ管理でよく遭遇する問題と、その解決策を紹介します。
葉が黄色くなる
主な原因は水のやりすぎによる根腐れ、または光不足です。土の状態を確認し、常に湿っている場合は水やりの頻度を減らします。葉の色が薄く徒長している場合は光不足なので、より明るい場所に移すか、グローライトを導入します。
葉が落ちる
環境の急激な変化によるストレスが主な原因です。特に屋外から室内に移した直後に起こりやすい現象です。ある程度の落葉は自然な適応過程なので、過度に心配する必要はありません。適切な温度・光・水分を維持していれば、2〜3週間で安定します。
害虫の発生
室内の乾燥した環境では、ハダニやアブラムシが発生しやすくなります。定期的な霧吹きは害虫予防にも効果的です。発見したら早期に石鹸水スプレーや水で洗い流すことで対処します。
/pest-disease-control-prevention-guideでは、農薬を使わない害虫対策についても詳しく解説しています。
カビや白カビの発生
過湿と風通しの悪さが原因です。水やりを控えめにし、鉢の間隔を広げて空気の流れを良くします。サーキュレーターを弱風で回すことも効果的です。
春への準備と屋外への戻し方
春が近づいてきたら、ハーブを屋外に戻す準備を始めます。
戻す時期の見極め
最低気温が安定して10℃以上になり、遅霜の心配がなくなったら屋外に戻せます。多くの地域では4月中旬から5月上旬が目安です。
徐々に慣らす「硬化」のプロセス
いきなり屋外の環境に戻すと、強い日差しや風、温度変化に植物がショックを受けます。最初の1週間は日陰や半日陰に数時間だけ出し、徐々に屋外の時間と日当たりを増やしていきます。この慣らし期間を経ることで、健康に屋外環境へ移行できます。
/seasonal-gardening-calendar-monthly-guideでは、季節ごとのガーデニング作業について詳しく解説しています。
まとめ:成功する冬のハーブ管理のポイント
冬のハーブ管理を成功させるには、以下のポイントを押さえましょう:
- ハーブの耐寒性を理解する - 各ハーブの特性に応じた対策を行う
- 室内取り込み前の準備を丁寧に - 害虫チェックと剪定は必須
- 適切な温度と光を確保する - 日中18〜21℃、1日6時間以上の光
- 乾燥対策を怠らない - 定期的な霧吹きで湿度を保つ
- 水やりは控えめに - 土が乾いてから与える冬モードに切り替える
- 施肥は基本的に控える - 秋冬の施肥は避ける
- 春の屋外復帰は段階的に - 徐々に慣らすことで失敗を防ぐ
適切な冬越し対策により、大切なハーブは翌年も健康に成長を続けます。/gardening-tools-materials-complete-guideで紹介している温度計や湿度計、グローライトなどのツールも活用しながら、快適な冬のハーブライフをお楽しみください。





