芝生のエアレーションとサッチ除去の方法
2026年2月6日

美しい芝生を維持するエアレーションとサッチ除去の方法を完全解説。適切な実施時期、スパイキングとコアエアレーションの違い、4つのサッチ除去方法、作業の正しい順序、よくある失敗と対策まで、初心者にもわかりやすく紹介します。
芝生のエアレーションとサッチ除去の方法
美しい芝生を維持するためには、定期的なエアレーションとサッチ除去が欠かせません。これらの作業は芝生の健康を保ち、長く美しい状態を維持するための重要な管理手法です。本記事では、エアレーションとサッチ除去の基本から実践方法、最適な時期まで詳しく解説します。
エアレーションとは何か
エアレーションとは、芝生を張った土壌に穴をあける作業のことです。芝生の根は時間とともに密集し、土壌が硬く締まってしまいます。この状態では、水や空気、養分が根に届きにくくなり、芝生の成長が阻害されます。
エアレーションの主な効果には以下があります:
- 通気性の改善:土壌に酸素を供給し、根の呼吸を促進します
- 排水性の向上:水はけが良くなり、根腐れを防ぎます
- 根の新陳代謝促進:古い根を切ることで新しい根の発育を促します
- 病害虫対策:通気性改善により微生物が活性化し、サッチ分解や病原菌抑制につながります
芝生の手入れと管理を適切に行うことで、これらの効果を最大限に引き出すことができます。
詳しくは芝生のエアレーションは土壌改良や発根を促す大切な作業ですをご参照ください。
サッチとその問題点
サッチとは、芝生の刈り草、冬枯れした葉、古い根などが土壌の表層に堆積して層を成したものです。適度なサッチは土壌の保温や保水に役立ちますが、厚さが1.5cm以上になると様々な問題が発生します。
サッチが引き起こす問題
| 問題 | 影響 | 対処法 |
|---|---|---|
| 通気性の悪化 | 根への酸素供給が不足 | 定期的なサッチング |
| 水はけの悪化 | 根腐れや病気の原因 | エアレーションと併用 |
| 微生物活動の低下 | サッチ分解が進まない悪循環 | 分解剤の使用 |
| 病害虫の温床 | カビや害虫が発生しやすい | 予防的な除去作業 |
堆積したサッチは土壌の通気性と水はけを悪化させ、表層の微生物の働きが弱まります。これにより、さらにサッチの分解が遅れる悪循環に陥ってしまうのです。
病害虫対策と防除の観点からも、サッチ管理は重要な作業となります。
エアレーションの方法と手順
エアレーションには主に「スパイキング」と「コアエアレーション(コアレーション)」の2種類があります。

スパイキング
スパイキングは、先端が尖った器具で土壌に穴を開ける方法です。一般家庭ではローンスパイクと呼ばれる器具を使用します。
作業手順:
スパイキングは比較的簡単で、初心者にもおすすめの方法です。ただし、土壌をやや圧縮してしまうデメリットもあります。
コアエアレーション
コアエアレーションは、円筒形の刃で土壌を抜き取る方法です。抜き取った土壌(コア)は芝生の上に残ります。
特徴:
- 土壌を圧縮せずに穴を開けられる
- より効果的な通気性改善が期待できる
- 専用機械が必要で、作業にやや手間がかかる
ガーデニングツール・資材を適切に選ぶことで、作業効率が大きく向上します。
エアレーション後の管理
エアレーションを行った後は、以下の作業を行いましょう:
エアレーション後の水やりは、通常より少なめに行うのがポイントです。
詳細は芝生を元気にする「エアレーション」とは?で確認できます。
サッチ除去の4つの方法
サッチ除去には主に4つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自分の庭に合った方法を選びましょう。

1. 手動レーキによる除去
最も基本的な方法で、レーキを使ってサッチをかき出します。
コツ:
- レーキの角度を地面に平行に近づける
- 時には直角に近づけたりと微妙に調整する
- 力を入れ過ぎず、やさしくふんわり扱う
- ほふく茎をちぎらないよう注意する
小規模な庭や部分的なサッチ除去に適しています。
2. 電動機械による除去
広い面積の芝生には電動機械が効率的です。
おすすめ機器:
- キンボシの電動ローンコーム
- リョービの電動芝刈り機用サッチング刃
- 専用のデサッチャー
機械を使用する際は、ムラなく全体的に作業することがポイントです。
3. サッチ分解剤の使用
微生物の働きでサッチを分解する方法です。
メリット:
- 芝生の上から撒くだけで簡単
- 微生物由来で環境に優しい
- 物理的ダメージがない
デメリット:
- 効果が現れるまで時間がかかる
- 厚いサッチには効果が限定的
土づくり・堆肥・肥料の知識と併せて活用すると効果的です。
4. 芝焼き
萌芽前の早春に行う伝統的な方法です。
効果:
ただし、火災のリスクがあるため、周辺環境や消防法規を確認してから行いましょう。
サッチ除去の詳細は芝生のサッチについてをご覧ください。
最適な実施時期
エアレーションとサッチ除去は、芝生の種類と成長サイクルに合わせて行うことが重要です。

暖地型芝生(高麗芝、姫高麗芝など)
エアレーション時期:
- 春:3月半ば〜6月
- 秋:9月
サッチング時期:
- 春:4月〜5月
- 初夏:6月
暖地型芝生は春から夏にかけて活発に成長するため、この時期に作業を行うことで素早い回復が期待できます。
寒地型芝生(ベントグラス、ケンタッキーブルーグラスなど)
エアレーション時期:
- 春:3月半ば〜6月半ば
- 秋:9月半ば〜10月
サッチング時期:
- 春:4月〜5月
- 秋:9月〜10月
寒地型芝生は春と秋に成長するため、真夏を避けて作業を行います。
実施頻度の目安
| 土壌タイプ | エアレーション | サッチング |
|---|---|---|
| 粘土質(踏圧が多い) | 年1回 | 年1〜2回 |
| 砂質土 | 2〜3年に1回 | 年1回 |
| 通常の庭土 | 年1回 | サッチ厚により判断 |
サッチの厚さが1.5cm以上になったら除去を検討しましょう。
季節の園芸カレンダーを参考にすると、年間を通じた計画的な管理ができます。
エアレーションとサッチング、どちらを先に?
両方の作業を行う場合、必ずサッチング→エアレーションの順で実施してください。
正しい順序の理由
エアレーションを先に行うと、開けた穴にサッチが詰まってしまい、せっかくの通気孔が機能しなくなります。サッチを除去してから穴を開けることで、穴が本来の役割を果たせます。
推奨作業フロー:
- サッチング:サッチ層を除去する
- 清掃:除去したサッチを集めて処分
- エアレーション:土壌に穴を開ける
- 土壌改良剤散布:必要に応じて
- 目土散布:エアレーション後に必ず実施
- 水やり:根の乾燥を防ぐ
この順序を守ることで、両作業の効果を最大化できます。
海外の専門サイトTruGreenでも、この順序の重要性が強調されています。
よくある失敗と対策
失敗例1:やりすぎによるダメージ
症状:
- 芝生が茶色く枯れる
- ほふく茎が切断される
- 回復に長時間かかる
対策:
失敗例2:時期の誤り
症状:
- 作業後に芝生が枯れる
- 雑草が大量に生える
- 病気が発生する
対策:
- 芝生の成長期に実施する
- 真夏や真冬は避ける
- 春先の乾燥期も避ける
失敗例3:作業後の管理不足
症状:
- 根が乾燥してダメージを受ける
- 穴が適切にふさがらない
- 効果が持続しない
対策:
- エアレーション後は必ず目土を散布
- 適度な水やりを継続
- 数日間は芝生への立ち入りを控える
剪定・整枝の技術と同様に、適切なタイミングと方法が成功の鍵となります。
プロフェッショナルのアドバイス
土壌タイプ別の注意点
粘土質土壌:
- コアエアレーションがより効果的
- 年1回の実施を推奨
- 土壌改良剤の併用が重要
砂質土壌:
- スパイキングで十分
- 頻繁なエアレーションは不要
- サッチが溜まりにくいため注意深く観察
道具選びのポイント
家庭用おすすめ:
- 小面積(50㎡以下):手動ローンスパイク
- 中面積(50〜200㎡):電動デサッチャー
- 大面積(200㎡以上):専門業者への委託を検討
プロが実践するテクニック
- 作業前の準備:前日に軽く水やりをして土を柔らかくする
- 芝刈りとの組み合わせ:エアレーション前に芝を短めに刈る
- クロスパターン:縦横2方向からエアレーションすると効果的
- コアの処理:抜いたコアは細かく砕いて目土代わりに使える
海外の研究でも、これらの手法の有効性が確認されています。詳しくはSod Solutionsをご参照ください。
まとめ
芝生のエアレーションとサッチ除去は、美しく健康な芝生を維持するための基本的かつ重要な管理作業です。適切な時期に正しい方法で実施することで、芝生の通気性、排水性、根の健康が大きく改善されます。
重要ポイントの再確認:
- エアレーションは年1回、芝生の成長期に実施
- サッチは厚さ1.5cm以上で除去を検討
- 両方実施する場合は「サッチング→エアレーション」の順
- 作業後は必ず目土散布と適切な水やりを
- 「やりすぎ」に注意し、適度な管理を心がける
定期的な芝生の手入れの一環として、エアレーションとサッチ除去を取り入れることで、一年中美しい緑の芝生を楽しむことができます。初心者の方は小規模から始め、徐々に技術を磨いていきましょう。
参考資料:





