芝生の秋冬管理と冬枯れを防ぐ方法
2026年2月6日

芝生の秋冬管理の基本から冬枯れを防ぐ実践的な方法まで詳しく解説。暖地型芝草の休眠メカニズム、秋の施肥・刈り込み・水やり管理、冬季のケア、早春の回復作業、寒地型芝草の導入など、一年中美しい芝生を維持するための完全ガイドです。
芝生の秋冬管理と冬枯れを防ぐ方法
美しい芝生を一年中楽しみたいと考える方にとって、秋から冬にかけての管理は特に重要です。日本で広く使われている高麗芝などの暖地型芝草は、気温が10℃以下になると成長が止まり、冬季には茶色く変色する「冬枯れ」という現象が起こります。この記事では、芝生の秋冬管理の基本から冬枯れを防ぐための実践的な方法まで、詳しく解説します。
芝生の冬枯れとは?発生のメカニズムを理解する
芝生の冬枯れは、暖地型芝草が寒い季節に入る自然な休眠現象です。芝生には大きく分けて暖地型芝草と寒地型芝草の2つのタイプがあり、日本の気候に適しているのは主に暖地型芝草である高麗芝や野芝です。
暖地型芝草は、気候が生息に適さない条件になると、地表部に活動資源を送るのを止め、根幹部に命の源を集中させて環境が整うのを待つという戦略をとります。この時期、芝生の葉は茶色く枯れたように見えますが、根は生きており、春になれば再び新芽を出します。
冬枯れのメカニズムを理解することは、適切な管理方法を選択する上で非常に重要です。休眠期間は概ね11月から2月頃までで、この期間は芝生が成長を停止している状態にあります。
関連する基礎知識については、芝生の手入れと管理の完全ガイドで詳しく解説しています。
秋季の芝生管理:冬に備えるための準備作業
秋は芝生が冬の休眠期に入る前の重要な準備期間です。この時期の適切な管理が、冬の間の芝生の健康状態と春の回復力を大きく左右します。

秋の施肥とその重要性
秋の施肥は、地上部の成長を促すのではなく、根系の強化とエネルギー蓄積に使われます。9月から10月にかけて、緩効性肥料を適量施すことで、芝生は冬を乗り越えるための栄養を蓄えることができます。
施肥の際は、窒素・リン酸・カリウムのバランスが取れた肥料を選び、特にカリウムは耐寒性を高める効果があるため重要です。土づくり・堆肥・肥料の基礎知識を参考に、適切な肥料を選択しましょう。
秋の刈り込みと高さ調整
秋季の刈り込みでは、短すぎないように注意することが大切です。刈り込み高さは3〜4cm程度を維持し、冬の厳しい天候から芝生を守ります。
刈り込みの頻度は、芝生の成長速度に合わせて徐々に減らしていき、11月下旬頃には完全に停止します。最後の刈り込みは、芝生が休眠に入る直前に行うのが理想的です。
秋の水やり管理
秋の水やりは、降雨がない場合は週に約2.5cmの水やりを行いますが、過剰な水やりは避けましょう。土壌が適度に湿っている状態を保つことで、根系の健全な発達を促します。
気温が下がるにつれて、蒸発量も減少するため、水やりの頻度を徐々に減らしていくことが重要です。水やり・灌漑システムの完全ガイドでは、季節ごとの水やり管理について詳しく解説しています。
冬季の芝生管理:休眠期の適切なケア
冬季は芝生が休眠状態にあるため、基本的に積極的な管理は必要ありません。しかし、いくつかの注意点を守ることで、春の回復をスムーズにすることができます。
休眠期の基本ケア
休眠期間中(11月〜2月頃)は、刈り込みや水やりは不要です。ただし、芝生の上に落ち葉やゴミが積もった場合は、こまめに取り除くことが大切です。落ち葉が長期間放置されると、その下の芝生が病気になったり、日光が遮られて弱ってしまう可能性があります。
冬季の水やりについて
基本的に冬季の水やりは不要ですが、極端に乾燥した日が続く場合は、少量の水を与えることもあります。ただし、気温が氷点下の時は水やりを避ける必要があります。凍結による根のダメージを防ぐためです。
踏圧の管理
休眠期の芝生は、活発に成長している時期に比べて踏圧に弱くなります。可能な限り芝生の上を歩くのを避け、特に霜が降りている時や土壌が凍結している時は絶対に踏まないようにしましょう。
早春の作業:休眠からの回復をサポートする
2月下旬から3月初旬にかけて、芝生は徐々に休眠から目覚め始めます。この時期に適切な作業を行うことで、春の回復を促進できます。

目土(めつち)の施用
2月下旬〜3月初旬に目土を行うことで、新芽の発芽と根の伸長を促進します。目土は芝生の表面に薄く土をかける作業で、不陸の修正や芝生の密度向上にも効果があります。
目土材料としては、砂と堆肥を混ぜたものを使用するのが一般的です。厚さは3〜5mm程度が適切で、あまり厚くかけすぎると芝生が窒息してしまうので注意が必要です。
エアレーション作業
根が密集しすぎている場合は、エアレーション(穴あけ)を行います。これにより土壌の通気性と水はけが改善され、根の成長が促進されます。剪定・整枝の技術完全ガイドでは、植物の健康維持に関する技術を幅広く紹介しています。
春の施肥
休眠からの回復期には、窒素分を多く含む肥料を施すことで、新芽の成長を促します。ただし、施肥は芝生が完全に目覚めた後(3月中旬以降)に行うのが理想的です。
冬雑草の除去
秋季に除草剤を使用することで冬雑草の発生を予防できますが、それでも発生した雑草は早春に手作業で除去します。芝生が本格的に成長を始める前に雑草を取り除くことが重要です。
冬枯れを防ぐ方法:常緑の芝生を実現する
完全に冬枯れを防ぐことは暖地型芝草では難しいですが、いくつかの方法で冬でも緑の芝生を楽しむことができます。

寒地型芝草の導入
冬場も緑を保ちたい場合は寒地型芝草(西洋芝)の導入を検討できます。寒地型芝草は冬季でも緑色を維持しますが、日本の暑い夏には弱いという特徴があります。
寒地型芝草の代表的な品種としては、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、トールフェスクなどがあります。地域の気候に合わせて適切な品種を選ぶことが重要です。
オーバーシーディング技術
オーバーシーディングは、暖地型芝草の上に寒地型芝草の種を播く技術です。秋に寒地型芝草の種を播くことで、冬季も緑の芝生を維持できます。春になると暖地型芝草が再び優勢になり、寒地型芝草は自然に減少します。
この方法は、一年中緑の芝生を維持したい場合に有効ですが、管理がやや複雑になるため、初心者には難しい面もあります。
人工芝への転換
管理の手間を減らしたい場合は、人工芝への転換も選択肢の一つです。近年の人工芝は見た目も自然で、メンテナンスフリーで一年中緑を楽しめます。
ただし、天然芝特有の感触や環境への配慮を重視する場合は、天然芝の管理方法を工夫する方が適しています。
芝生の種類別管理のポイント
芝生の種類によって、秋冬管理の方法が異なります。それぞれの特性を理解し、適切な管理を行いましょう。
| 芝生の種類 | 冬枯れの有無 | 秋の施肥時期 | 最適な刈り込み高さ | 耐寒性 |
|---|---|---|---|---|
| 高麗芝 | あり | 9月〜10月 | 3〜4cm | 中程度 |
| 野芝 | あり | 9月〜10月 | 3〜5cm | 高い |
| ケンタッキーブルーグラス | なし | 9月〜11月 | 4〜6cm | 非常に高い |
| ペレニアルライグラス | なし | 9月〜11月 | 4〜5cm | 高い |
| トールフェスク | なし | 9月〜11月 | 5〜7cm | 高い |
この表を参考に、お庭の芝生に合わせた管理計画を立てましょう。季節の園芸カレンダーでは、月別の詳細な作業スケジュールを確認できます。
よくある失敗と対処法
秋冬の芝生管理では、いくつかの失敗例がよく見られます。これらを避けることで、より健康な芝生を維持できます。
刈り込みすぎによる失敗
秋の最後の刈り込みで短く刈りすぎてしまうと、冬の寒さや乾燥から芝生を守ることができません。刈り込み高さは3cm以上を維持し、地表部にある程度の葉を残すようにしましょう。
過剰な施肥による失敗
秋に窒素分の多い肥料を過剰に施すと、本来休眠に向かうべき時期に新しい成長を促してしまい、冬の寒さで傷みやすくなります。緩効性の肥料を適量使用することが重要です。
水やり管理の失敗
秋から冬にかけて過剰に水やりを続けると、根腐れや病気の原因になります。気温の低下に合わせて水やり頻度を減らし、冬季は基本的に自然の降雨に任せましょう。
落ち葉の放置
芝生の上に落ち葉が積もったまま放置すると、その下の芝生が日光不足や湿気過多で病気になることがあります。定期的に落ち葉を除去し、芝生が呼吸できる環境を保ちましょう。
まとめ:計画的な秋冬管理で美しい芝生を維持する
芝生の秋冬管理は、一年を通じた美しい芝生づくりの重要な一部です。暖地型芝草の冬枯れは自然な現象であり、根はしっかりと生きているため、春には再び緑の芝生を楽しむことができます。
秋季の適切な施肥、刈り込み、水やり管理を行い、冬季は休眠中の芝生を保護し、早春には回復を促す作業を実施することで、健康な芝生を維持できます。冬でも緑を楽しみたい場合は、寒地型芝草の導入やオーバーシーディング技術の活用も検討してみましょう。
ガーデニング入門・基礎知識の完全ガイドでは、芝生管理を含む様々なガーデニング技術について総合的に学ぶことができます。計画的な管理で、一年中美しい庭を楽しみましょう。





