芝生の害虫の種類と効果的な対策法
2026年2月6日

芝生に発生する害虫(スジキリヨトウ・シバツトガ・コガネムシ)の種類と特徴、効果的な対策法を詳しく解説。殺虫剤の使い方、予防方法、時期別スケジュールまで、美しい芝生を維持するための実践的な害虫対策ガイドです。
芝生の害虫の種類と効果的な対策法
美しい芝生を維持するためには、害虫対策が欠かせません。芝生に発生する害虫は、放置すると深刻なダメージを引き起こし、せっかく手入れした芝生が枯れてしまうこともあります。芝生の害虫対策によると、適切な対策を行うことで被害を最小限に抑えることができます。本記事では、芝生に発生する主要な害虫の種類と、効果的な対策法について詳しく解説します。
芝生の主要な害虫の種類
芝生には様々な害虫が発生しますが、特に注意すべきは「三大害虫」と呼ばれる虫たちです。芝生の害虫9種類一覧では、これらの害虫が日本の芝生で最も被害が大きいとされており、早期発見と適切な対処が重要になります。

スジキリヨトウ(ヨトウムシ)
スジキリヨトウの名前の由来は「夜盗虫」で、その名の通り夜間に活動して芝生の葉を食害します。日中は土中や枯れ葉の下に隠れているため、発見が難しい害虫です。幼虫は体長3~4cmほどで、灰褐色から緑褐色の体色をしています。
被害の特徴としては、芝生の葉が不規則に食べられ、被害箇所が茶色く枯れて見えることです。特に春から秋にかけて発生し、大量発生すると芝生全体が食い荒らされてしまいます。夜間に懐中電灯で芝生を照らすと、幼虫が葉を食べている様子を確認できることがあります。
シバツトガ
シバツトガは芝生専門の害虫として知られ、成虫は白い小型のガですが、被害を与えるのは幼虫です。幼虫は黒い斑点が特徴的で、体長は2~3cm程度まで成長します。サッチ層(枯れた芝生の層)に「ツト」と呼ばれる巣を作り、そこを拠点に芝生を食害します。
被害は3月から10月までの長期間に及び、特に6~8月の暑い時期に活発になります。食害された芝生は、円形や不規則な形で枯れて見え、ひどい場合は広範囲にわたって茶色く変色します。サッチが厚く蓄積している芝生ほど発生しやすい傾向があります。
コガネムシ
コガネムシの成虫は芝生の葉を食べますが、より深刻な被害をもたらすのは幼虫(通称:ネキリムシ)です。幼虫は白色のイモムシ状で、体長は3~5cm程度まで成長し、C字型に丸まった姿勢が特徴的です。
コガネムシの幼虫は土中で芝生の根を食い荒らすため、地上からは被害が見えにくく、気づいた時には深刻な状態になっていることが多いです。被害を受けた芝生は、根が切断されるため簡単に抜けたりはがれたりします。また、芝生全体が黄色く変色し、水やりをしても回復しない場合は、コガネムシの幼虫による根の被害を疑うべきです。
その他の注意すべき害虫
三大害虫以外にも、芝生に被害を与える害虫がいくつか存在します。
タマナヤガ:スジキリヨトウと同様に夜行性で、芝生の葉を食害します。幼虫は褐色で、体表に細かい毛が生えています。
ケラ:土中にトンネルを掘る習性があり、芝生の根を切断してしまいます。また、土を盛り上げるため、芝生の表面が凹凸になる原因となります。
アリ:直接芝生に大きな被害を与えることは少ないですが、巣を作る際に土を盛り上げ、芝生の景観を損ねます。また、アブラムシを保護して増殖させるため、間接的に害虫問題を引き起こします。
害虫発見のサインと早期発見のポイント
害虫被害を最小限に抑えるには、早期発見が重要です。以下のサインに注意しましょう。

芝生の変色:円形や不規則な形で芝生が茶色や黄色に変色している場合は、害虫被害の可能性があります。水やりや肥料を適切に与えているのに改善しない場合は、特に注意が必要です。
芝生が簡単に抜ける:手で軽く引っ張っただけで芝生が抜ける場合は、根が食害されている可能性が高いです。抜けた芝生の根を確認し、切断されていたり短くなっている場合は、コガネムシの幼虫やネキリムシの被害が疑われます。
鳥が頻繁に訪れる:鳥は害虫を食べるため、芝生に害虫が発生していると頻繁に訪れます。特にムクドリやカラスが芝生をつついている様子が見られたら、土中に幼虫がいる可能性があります。
夜間の活動:夜に懐中電灯で芝生を照らすと、ヨトウムシなどの夜行性害虫が活動している様子を確認できます。月に1~2回程度、夜間チェックを行うことをおすすめします。
効果的な害虫対策法
害虫対策には、化学的防除、物理的防除、生物的防除など、複数の方法があります。効果的な害虫駆除方法でも解説されているように、それぞれの特徴を理解し、状況に応じて使い分けることが重要です。

化学的防除:殺虫剤の使用
スミチオン乳剤は、芝生の害虫対策として広く使用されている薬剤です。1000倍に水で薄めて、霧吹きやスプレーで芝生全体に散布します。スジキリヨトウ、シバツトガ、コガネムシなど、芝生の三大害虫すべてに効果があります。
散布のタイミングは、害虫の発生初期が最も効果的です。葉や茎にいる害虫には即効性がありますが、土中の害虫には効果が限定的な点に注意が必要です。散布後は、少なくとも24時間は芝生に立ち入らないようにしましょう。
オルトラン粒剤は、土中の害虫に効果的な薬剤です。芝生の上に粒剤を均一に散布し、水やりをすることで土に浸透させます。コガネムシの幼虫やケラなど、土中に生息する害虫を駆除できます。
効果は約1~2週間持続し、予防効果も期待できます。春先や秋口など、害虫の発生が予想される時期に予防的に散布すると効果的です。
物理的防除:環境整備による対策
化学薬品を使いたくない場合や、予防的な対策として、物理的な方法も有効です。
サッチの除去は、最も基本的で効果的な予防策です。サッチとは、枯れた芝生や刈りカスが堆積した層のことで、シバツトガなどの害虫の住処となります。年に1~2回、サッチング(サッチ除去作業)を行い、害虫が住みにくい環境を作りましょう。
サッチングは、専用のレーキやサッチング機械を使用して行います。春先や秋が作業に適した時期で、作業後は芝生の回復を促すために肥料を与えると良いでしょう。
適切な芝刈りも重要です。芝生を適切な高さ(一般的に2~3cm)に保つことで、風通しが良くなり、害虫が発生しにくくなります。刈りカスはこまめに取り除き、サッチの蓄積を防ぎましょう。
水やりの管理も害虫対策に関係します。過度な水やりは土壌を湿った状態に保ち、害虫の生息に適した環境を作ってしまいます。深く浸透させる水やりを週に1~2回程度行う方法が、害虫予防の観点からも推奨されます。
生物的防除:天敵の活用
環境に優しい対策として、害虫の天敵を利用する方法があります。
有益な線虫は、コガネムシの幼虫やシバツトガなどの害虫に寄生して駆除する微生物です。害虫駆除業界の統計によると、生物的防除の需要は年々増加しており、環境に優しい対策として注目されています。人間やペット、植物には無害で、環境への影響も最小限です。専門店で購入でき、水に混ぜて芝生に散布します。
効果が現れるまでに数週間かかりますが、長期的な害虫抑制効果が期待できます。また、化学薬品と異なり、耐性を持つ害虫が発生しにくいという利点があります。
鳥の誘致も有効な方法です。芝生の近くに鳥の餌台やバードバスを設置することで、鳥が害虫を食べてくれます。ムクドリやスズメなどは、特にコガネムシの幼虫を好んで食べます。
予防対策と長期的な管理
害虫対策で最も重要なのは、発生してから対処するのではなく、発生させないための予防です。

忌避剤の使用は、予防策として効果的です。トウガラシエキスやニンニクエキス、木酢液などの天然成分を使った忌避剤は、害虫を寄せ付けにくくします。化学薬品よりも効果は穏やかですが、環境への負担が少なく、定期的に使用することで予防効果が期待できます。
健康な芝生の維持が最大の予防策です。適切な肥料管理、水やり、芝刈りを行い、芝生を健康に保つことで、害虫の被害を受けにくくなります。健康な芝生は回復力も高く、多少の害虫被害があっても自然に回復する力を持っています。
定期的な観察を習慣化しましょう。週に1回程度、芝生の状態をチェックし、変色や枯れがないか確認します。早期発見できれば、被害が広がる前に対処でき、薬剤の使用量も最小限に抑えられます。
害虫対策の時期別スケジュール
効果的な害虫対策には、季節に応じた適切なタイミングでの実施が重要です。
| 時期 | 主な害虫 | 推奨される対策 |
|---|---|---|
| 3~4月(春) | シバツトガ、スジキリヨトウ | サッチング、予防的なオルトラン粒剤散布 |
| 5~6月(初夏) | コガネムシ成虫、シバツトガ | 定期観察、必要に応じてスミチオン散布 |
| 7~8月(盛夏) | 各種害虫のピーク | 定期的な観察と早期対処、水やり管理 |
| 9~10月(秋) | コガネムシ幼虫、シバツトガ | 幼虫駆除、秋のサッチング |
| 11~2月(冬) | 害虫活動低下 | 翌春の準備、土壌改良 |
特に6~8月の夏季は害虫の活動が活発になるため、週1回程度の観察を心がけましょう。
有機栽培・環境配慮型の害虫対策
化学薬品の使用を最小限にしたい場合は、以下の方法を組み合わせて実践しましょう。
コンパニオンプランティング:芝生の周辺にマリーゴールドやタンジーなど、害虫忌避効果のある植物を植えることで、害虫の侵入を防ぎます。これらの植物は見た目も美しく、ガーデン全体の景観向上にも役立ちます。
手作り忌避スプレー:ニンニク、トウガラシ、木酢液を使った自家製スプレーは、環境に優しく、費用も抑えられます。定期的に散布することで、予防効果が期待できます。
土壌の健康維持:有機質肥料やコンポストを使用して土壌を豊かにすることで、芝生が健康に育ち、害虫への抵抗力が高まります。化学肥料に頼らない土づくりは、長期的な芝生管理の基本です。
専門家への相談が必要な場合
以下のような状況では、専門の造園業者や害虫駆除業者に相談することをおすすめします。
専門家は害虫の種類を正確に特定し、最も効果的で安全な対策を提案してくれます。また、長期的な管理計画の立案もサポートしてもらえます。
まとめ
芝生の害虫対策は、早期発見と適切な対処がカギとなります。スジキリヨトウ、シバツトガ、コガネムシという三大害虫を中心に、定期的な観察を行い、被害の兆候を見逃さないようにしましょう。
対策方法は、化学的防除(殺虫剤)、物理的防除(環境整備)、生物的防除(天敵利用)を状況に応じて使い分けることが重要です。特に予防的な対策として、サッチの除去や適切な芝刈り、水やり管理を習慣化することで、害虫が発生しにくい環境を作ることができます。
美しい芝生を維持するためには、芝生の手入れと管理の完全ガイドで紹介されている基本的な管理方法と、本記事の害虫対策を組み合わせて実践することが効果的です。また、害虫以外の病気については、病害虫対策と防除の完全ガイドも参考にしてください。
定期的な観察と適切な対策で、一年中美しい芝生を楽しむことができます。害虫は完全に排除することは難しいですが、被害を最小限に抑え、健康な芝生を維持することは十分に可能です。





