庭世界 日本の気候に合わせた家庭園芸の育て方と道具選び
芝生の手入れと管理の完全ガイド

芝生の病気の種類と対処法ガイド

芝生の病気5種類を、芝種・斑の形・葉の状態・発生時期から見分ける方法を解説。初動、殺菌剤の選び方、水やり・施肥・サッチ管理まで分かります。

庭世界 編集部 公開 更新 約7分で読めます
茶色い円形斑が現れた芝生を観察して病気の種類を見分ける様子
Photo by Scot Nelson on Wikimedia

本記事には広告が含まれます。

芝生 病気 種類を見分ける基本は、茶色という色だけでなく、ブラウンパッチを含む候補を「芝種・斑の形・葉の状態・発生時期・直前の管理」の5項目で比べることです。高麗芝の涼しく湿った時期ならラージパッチ、西洋芝の高温多湿期ならブラウンパッチを優先し、水浸状に急拡大する場合はピシウム病を疑って散水と作業を止めます。

芝生の手入れと管理の全体像のとおり、乾燥、肥料焼け、軸刈り、害虫でも似た変色が起こるため、病名を絞る前に観察します。

芝生の病気は色だけで決めない:最初に見る5項目

芝生の病気を判断するときは、ブラウンパッチのような円形斑だけで断定せず、芝種、斑の形、葉と葉鞘、発生時期、直前の管理を同じ順番で記録します。メリーランド大学の資料も、環境ストレス、害虫、病気、物理的損傷の症状は重なり、診断が難しいと注意しています。

  1. 芝種:高麗芝・野芝などの暖地型芝か、ベントグラス・ライグラス・トールフェスクなどの西洋芝かを確認します。
  2. 斑の形:小点、大きな円やリング、水の流れに沿う変色を分けます。
  3. 葉と葉鞘:橙色の粉、小斑点、水浸状の質感、付け根の赤褐色斑を探します。
  4. 時期と天候:高温、長雨、朝露、夜間散水、急な乾燥を記録します。
  5. 直前の管理:施肥、水やり、芝刈り、除草剤、踏圧の日付を並べます。

植物病害の三角形は、病原体、芝、環境が重なると病気が成立するという整理です。

葉の斑点は局所的な病変、クロロシスは葉緑素が減る黄化・白化です。

芝生の病気5種類:症状と発生しやすい条件

芝生のさび病、ダラースポット病、ピシウム病は、粉・斑・拡大速度で見分け、ピシウム病の急拡大時は作業を止めます。

病気主に注意する芝斑・葉の見え方出やすい条件家庭での初動
ラージパッチ高麗芝・野芝など黄〜橙褐色の大きな円・リング、葉鞘の赤褐色斑春・秋の涼しく湿った時期、排水不良、窒素過多散水を見直し、境界の葉鞘を確認
ブラウンパッチベントグラス、ライグラス、トールフェスクなど薄い褐色の円形斑、早朝の菌糸や暗い縁高温多湿、長い葉濡れ、窒素過多夜間散水を止め、芝種と病名を照合
さび病日本芝・西洋芝黄〜橙色の小斑点と粉状胞子生育停滞、長い葉濡れ、栄養不足白い布や靴への橙色粉を確認
ダラースポット病高麗芝・西洋芝白〜淡褐色の小斑、朝露時の白い菌糸朝露、長い葉濡れ、窒素不足追肥を急がず、葉身と朝の状態を記録
ピシウム病複数の芝種暗色の水浸状斑、倒れてまとまる葉、綿状菌糸高温多湿、滞水、過剰散水散水・踏み込み・芝刈りを止める

栽培品種の抵抗性と天候でも被害は変わるため、表は確定診断ではありません。

さび病は、葉の黄斑から橙色胞子が現れ、靴、ズボン、芝刈り機へ移ります。アイオワ州立大学によると68〜85°Fと長時間の葉濡れで発生しやすく、日照条件が悪い場所では散水時刻も見直します。

芝が休眠へ入る前でも、橙色粉の範囲と季節の進み方を見て、刈り高・水分・施肥の改善から判断します。

ダラースポット病は、低く刈る芝では小斑、刈高が高い芝では大きな斑や連結斑になります。窒素不足で出やすく、窒素過多で悪化しやすいブラウンパッチとは施肥判断が逆です。

メリーランド大学の芝種別表は、高麗芝の代表病害にLarge patch、Dollar spot、Rustを挙げています。

ラージパッチとブラウンパッチの違い

ラージパッチは主に高麗芝などの暖地型芝で涼しく湿った時期に目立ち、ブラウンパッチは主に西洋芝で高温多湿期に目立ちます。見た目が似ても、芝種と季節を第一分岐にすると候補を大きく絞れます。

ラージパッチは20℃前後に勢いを増し、黄〜橙色の斑が約30cmから数mへ広がる例があります。高麗芝で春・秋の雨後に外周が赤褐色となり、芝が抜けやすい場合は候補です。

ブラウンパッチは、西洋芝の高温多湿期に薄い褐色斑が現れます。早朝だけ菌糸や暗い縁が見えるため、朝に撮影します。

農薬ラベルでは「葉腐病(ラージパッチ)」「葉腐病(ブラウンパッチ)」を分ける場合があります。条件を読み替えず、作物名が「芝」「日本芝」「西洋芝(ベントグラス)」のどれかも確認します。

病気と乾燥・肥料焼け・害虫被害の見分け方

芝生の排水性と土壌水分は、病気と乾燥・肥料焼けの見分け方に関わります。水のやりすぎでも水やり不足でも茶色くなるため、斑の色ではなく分布、葉、土、時間変化を合わせて見ます。

水分ストレスは葉のしおれや生育停滞として現れ、弱った芝へ病害が重なることもあります。

乾燥・水切れは、散水が届きにくい端や高い場所から不規則に出やすいため、数か所の根域の湿り方を比べます。

過湿で根が褐変し、芝が簡単に抜ける場合は根腐れも疑い、根域の湿りと根の色を確認します。

**肥料焼け**は、粒をこぼした筋や散布むらに沿うため、施肥日と雨・散水の有無を確認します。

軸刈りは、芝刈り後の高い部分や旋回位置に黄褐色の筋や面が出るため、作業日と刈高を照合します。

葉の欠損、幼虫や糞、根から浮く芝があれば、芝生の害虫の種類と対策で害虫候補を分けます。

朝だけ見える菌糸、葉身・葉鞘の病斑、橙色の粉、数日間で進む外周は病気の手掛かりです。急拡大型でなければ、記録しながら環境を整えます。

芝生の病気を見つけた当日の対処

芝生の芝刈りを続けるか止めるかは、ブラウンパッチなどの疑いと広がる速さで決めます。水浸状に急拡大する場所は作業を止め、軽い変色は同じ位置から朝昼の写真を撮り、芝種と5項目を記録します。

フロー図

芝生の変色を、識別点・緊急度・芝種と季節の順で絞る判断フローです。

当日に行うことは、薬剤散布より前に4つあります。

  • 同じ位置を記録する:全景、斑の外周、葉身、葉鞘、土の順に撮影します。
  • 管理履歴を書く:水やり、施肥、芝刈り、除草剤、強い雨の日付を並べます。
  • 感染を広げる作業を止める:急拡大時は病変部を最後に歩くか立ち入らず、機械を通しません。
  • 機械と靴を清掃する:さび病の胞子は芝刈り機や靴にも移るため、健全部へ移る前に付着物を落とします。

総合的病害虫管理(IPM)は、観察、栽培環境、物理的対処、必要な薬剤 楽天AmazonYahoo!を組み合わせる病害虫防除です。

急拡大、水浸状、反復発生、広範囲の枯死は、地域の園芸相談窓口や造園・芝生管理の専門家へ記録を提示します。

殺菌剤は病名・芝種・登録を合わせて選ぶ

農薬をブラウンパッチへ使う場合も、商品名からではなく、作物名、適用病害、希釈倍率、散布液量、使用時期、使用回数を現行ラベルで照合します。病名が合っても、育てている芝種が作物名欄に含まれなければ同じ条件では使えません。

  1. 育てている芝が日本芝か西洋芝かを確認します。
  2. ラベルで対象となる作物名と適用病害の行を探します。
  3. 希釈倍率だけでなく、面積あたりの散布液量を確認します。
  4. 使用時期、総使用回数、注意事項を読みます。
  5. 庭の面積から仕上がり散布液量を計算します。

2026年7月21日時点の資料も、登録変更に備えて散布前に現行ラベルを確認するよう求めています。「1000倍」だけでは必要量は決まらず、剤型と面積あたりの薬量・散布液量も確認します。

総合殺菌剤の定期散布は、水分、刈高、施肥、サッチの問題を直せません。軽症なら環境改善と観察で薬剤を避けられる場合があります。

再発を減らす水やり・芝刈り・施肥・サッチ管理

水やり、窒素、サッチは、ブラウンパッチの再発条件を左右します。ただし、窒素は多すぎても少なすぎても別の病害を助長するため、「病気なら肥料を止める」という一律管理ではなく、芝種と生育期に合わせます。

水やりは、夜まで葉を濡らさない時間帯へ移します。 土壌の乾き方を確認して朝に与えます。スプリンクラー灌漑は葉面を濡らすため開始時刻を調整し、点滴灌漑は葉濡れを減らせても均一な給水が必要です。灌漑設備の種類より根域の湿り方を基準にし、頻度は芝生の水やりの正しい方法で確認します。

芝刈りは低すぎる刈高を避けます。 一度に草丈の3分の1を超えて除くと芝の蓄えを減らします。葉量が減ると光合成で作る養分も減るため、芝生の刈り込み方法で刈高を調整します。

施肥は不足と過剰を分けます。 養分欠乏ではさび病やダラースポット病、窒素過多ではブラウンパッチやピシウム病が目立つ場合があります。肥料は年間施肥スケジュールに照らします。

サッチは根の位置も見ます。 厚い層へ根が伸びると乾燥ストレスを受けやすく、芝生のエアレーションは水、空気、養分が土へ動く状態を改善します。

排水は、水たまりの場所を記録します。 雨の翌日も湿る場所では、土の締まり、傾き、サッチ、散水むらを点検します。

芝生の病気で覚える3つの判断ルール

判断ルールは次の3つです。

  1. 茶色だけで決めません。 芝種、斑の形、葉と葉鞘、発生時期、直前の管理という5項目を記録します。
  2. 緊急度で初動を変えます。 水浸状に急拡大するなら散水・踏み込み・芝刈りを止め、軽い変色や橙色粉なら環境改善と経過観察を行います。
  3. 薬剤は登録条件から選びます。 作物名、適用病害、希釈倍率、散布液量、使用時期、使用回数を現行ラベルで照合します。

関連記事

出典

庭世界 編集部

メーカー公表仕様・公的機関や大学の資料・専門メディア・購入者レビューを突き合わせて記事を制作しています。実機の購入・テストは行っていません。編集方針・誤りの報告

関連するガイド記事

ガイドをすべて見る →