芝生の肥料選びと年間施肥スケジュール
2026年2月6日

芝生を美しく保つための肥料選びと年間施肥スケジュールを徹底解説。NPK比率の理解、日本芝・西洋芝の違い、季節別の施肥ポイント、有機肥料vs化成肥料の特性など、実践的な施肥テクニックを詳しく紹介します。
芝生の肥料選びと年間施肥スケジュール
美しい芝生を維持するためには、適切な肥料選びと計画的な施肥スケジュールが欠かせません。本記事では、芝生の種類に応じた肥料の選び方、NPK比率の理解、そして季節ごとの施肥タイミングについて詳しく解説します。
芝生肥料の基本:NPK比率とその役割
芝生肥料を選ぶ際、まず理解すべきなのがNPK比率です。NPKとは、窒素(Nitrogen)、リン酸(Phosphorus)、カリウム(Potassium)の3大栄養素を指します。
芝生に最適なNPK比率は3:1:2または4:1:2とされています。各栄養素の役割を理解することで、芝生の状態に応じた肥料選びが可能になります。
| 栄養素 | 主な役割 | 不足時の症状 |
|---|---|---|
| 窒素(N) | 葉の成長と緑化促進 | 黄変、成長鈍化 |
| リン酸(P) | 根系の発達強化 | 根張りの弱さ、発芽不良 |
| カリウム(K) | 耐病性・耐寒性向上 | 病害感受性増加、冬枯れ |
窒素は芝生の鮮やかな緑色と旺盛な成長を促進する最も重要な栄養素です。リン酸は健全な根系の形成に不可欠で、特に新植時や更新時に重要です。カリウムは芝生の耐病性や耐寒性を高め、ストレス耐性を向上させます。
肥料の種類と特性:有機肥料vs化成肥料
芝生用肥料は大きく分けて有機肥料と化成肥料の2種類があり、それぞれに特徴があります。
有機肥料は天然由来の原料から作られ、土壌微生物の活動を促進します。緩効性で肥料焼けのリスクが低く、土壌改良効果も期待できます。ただし、効果が現れるまでに時間がかかり、臭いが気になる場合もあります。
化成肥料は工業的に製造された肥料で、成分が均一で効果が予測しやすいのが特徴です。速効性があり、必要な栄養素を短期間で供給できます。ただし、過剰施用による肥料焼けや環境負荷には注意が必要です。
さらに形状による分類も重要です。液体肥料は速効性が高く、根に触れるとすぐに効果を発揮しますが、持続性は低く頻繁な施用が必要です。粒状肥料は緩効性で、長期間にわたって栄養を供給し続けます。粒状肥料は雨の日の前日に散布すると、雨水で溶けて効果的に土壌に浸透します。
日本芝(暖地型芝生)の年間施肥スケジュール
日本芝(高麗芝など)は暖地型芝生に分類され、春から秋にかけて活発に生育します。効果的な施肥スケジュールは以下の通りです。

| 時期 | 施肥内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 3月下旬〜4月 | 春の目覚め施肥(高窒素) | 発芽促進、緑化開始 |
| 5月 | 成長期施肥(バランス型) | 旺盛な成長期の栄養補給 |
| 6月 | 梅雨前施肥(控えめ) | 梅雨入り前に完了 |
| 7月〜8月 | 施肥なし | 高温多湿期は避ける |
| 9月 | 秋の回復施肥(バランス型) | 夏のダメージ回復 |
| 10月 | 冬支度施肥(高カリウム) | 耐寒性強化 |
| 11月〜2月 | 休眠期・施肥なし | 生育停止期 |
暖地型芝生の施肥頻度は、4月〜9月の生育期で固形肥料なら隔月に1度、液体肥料なら月1度が目安です。
特に注意すべきは梅雨入り後と猛暑時の施肥を避けることです。この時期は栄養過多と高温多湿が重なり、芝生の病気が発生するリスクが大幅に高まります。また、暑い猛暑時は芝が疲弊して肥料を吸収できず、肥料焼けや夏枯れの原因となります。
西洋芝(寒地型芝生)の年間施肥スケジュール
寒地型芝生は涼しい気候を好み、春と秋に旺盛に生育します。施肥スケジュールは暖地型とは異なります。
寒地型芝生は4月〜11月の生長期に月1度の施肥が基本です。特に春(4〜5月)と秋(9〜10月)の生育最盛期には、十分な栄養供給が重要です。
夏季(7〜8月)は高温ストレスにより生育が鈍化するため、施肥は控えめにするか、窒素含有量の少ない肥料を選びます。過剰な窒素は夏季のストレスを悪化させる可能性があります。
冬季(12〜3月)でも、寒地型芝生は完全に休眠しないため、気温が5℃以上の穏やかな日には軽い施肥が可能です。ただし、凍結や積雪が予想される時期は避けます。
季節別の施肥ポイントと肥料選び
季節ごとに最適な肥料の種類とNPK比率は変化します。芝生の生理状態に合わせた肥料選びが、健全な成長と美しい芝生の維持につながります。
春の施肥では、窒素を高めた肥料(例:20-5-10)を使用して新芽の成長と緑化を促進します。春先は窒素を多めに供給することで、冬の休眠からの回復を早め、雑草の侵入を防ぎます。
夏の施肥では、バランス型または緩効性肥料を選び、過度な成長を避けます。施肥は涼しい朝や夕方に行い、気温の高い日中は避けます。乾燥した日も避け、できれば散水後に施肥します。
秋の施肥では、カリウムを高めた肥料(例:10-0-20)で冬に向けた準備をします。カリウムは細胞壁を強化し、耐寒性と耐病性を向上させます。秋の施肥は、翌春の早期緑化にも大きく貢献します。
施肥の実践テクニックと注意点
効果的な施肥のためには、タイミングと方法が重要です。気温の高い日中ではなく、涼しい朝や夕方に芝生に肥料を与えることで、肥料焼けのリスクを減らせます。

1回の施肥量の目安は、1000平方フィート(約93平方メートル)当たり窒素1ポンド(約450g)です。これは一般的な推奨量で、肥料の窒素含有率から必要量を計算します。例えば、窒素含有率20%の肥料なら、5ポンド(約2.3kg)必要です。
均一散布のためには、散布機(スプレッダー)の使用が推奨されます。手で散布する場合は、縦横2回に分けて散布することで、ムラを防げます。
肥料散布後は必ず散水を行います。これにより肥料が土壌に浸透し、葉に付着した肥料を洗い流して肥料焼けを防ぎます。ただし、過剰な散水は肥料成分の流出につながるため、適度な量に留めます。
芝生の健全な管理には、施肥だけでなく、適切な刈り込み、水やり、病害虫対策など、総合的なケアが必要です。また、定期的な土壌改良により、肥料の効果を最大化できます。
美しい芝生は一日にしてならず。季節に応じた適切な施肥スケジュールを守り、芝生の状態を観察しながら調整することで、年間を通じて健全で美しい芝生を維持できます。





