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芝生の手入れと管理の完全ガイド

芝生の刈り込み方法と適切な刈り高

2026年2月6日

芝生の刈り込み方法と適切な刈り高

芝生の刈り込み方法と適切な刈り高を科学的根拠に基づき解説。1/3法則、季節別の刈り込みポイント、芝刈り機の選び方、プロの技まで完全網羅。研究データによると適切な刈り高で雑草が95%減少。初心者から上級者まで役立つ実践的なガーデニングガイド。

芝生の刈り込み方法と適切な刈り高

美しい芝生を保つためには、正しい刈り込み方法と適切な刈り高の設定が欠かせません。本記事では、芝生管理の基本である刈り込みについて、科学的根拠に基づいた最適な方法をご紹介します。研究によると、適切な刈り高を保つことで雑草の発生を大幅に抑制でき、芝生の手入れと管理全体の効率も向上します。

適切な刈り高とは?芝生の種類別推奨設定

刈り高の設定は芝生の健康を大きく左右します。一般家庭でキレイな外観を保ちたい場合、30~35mmが最適とされています。この高さであれば、芝生が伸びやすい夏でも週1回程度の芝刈りで良好な状態を保てます。さらに、芝生の景観や芝刈り頻度のバランスを考えると、20~30mmでの刈り高設定もおすすめです。

一方、海外の研究では興味深いデータが報告されています。ケンタッキーブルーグラスを用いた実験では、1インチ(約25mm)高く刈ることで根の成長が2倍以上に増加することが確認されました(出典:Ohio State University Research)。また、クラブグラス(雑草)の発生率に関する調査では、刈り高1インチで95%、2インチで48%、3インチで13%、4インチで0%という劇的な違いが見られました(出典:Michigan State University Extension)。

芝生の種類別推奨刈り高

芝生の種類推奨刈り高特徴
高麗芝(日本芝)20~30mm日本で最も一般的。低めの刈り高に適応
姫高麗芝15~25mm繊細な葉。やや低めの管理が可能
ケンタッキーブルーグラス50~100mm寒冷地向け。高めの刈り高で根が強化
ペレニアルライグラス40~75mm成長が早い。定期的な刈り込みが必要
バミューダグラス25~50mm暖地向け。低めの刈り高でも耐性あり

詳しい芝生の種類については、ガーデニング入門・基礎知識でも解説しています。

芝刈りの黄金ルール:1/3法則

芝刈りで最も重要なルールが「1/3法則」です。これは、一度に刈り込めるのは芝の高さの2/3まで(つまり、全体の1/3以上を切らない)という原則です。この法則を守らないと「軸刈り」と呼ばれる状態になり、芝生が再生できず枯れてしまいます。

例えば、目標刈り高が30mmの場合、芝生が45mm程度に伸びたタイミングで刈るのが理想的です。60mmまで伸ばしてから30mmに刈り込むと、葉の大部分を失い、光合成能力が著しく低下します。

軸刈りのリスクと回避方法

軸刈りとは、葉のほとんどを刈り取ってしまい、茎の硬い部分(軸)だけが残る状態を指します。この状態になると:

  • 光合成ができず、芝生が弱体化
  • 病害虫に対する抵抗力が低下
  • 回復に時間がかかり、部分的に枯れる可能性
  • 雑草の侵入を許しやすくなる

回避するには、芝生を長期間放置せず、定期的な刈り込みを心がけることが重要です。特にシーズン最初は際の部分が他の場所より良く伸びるため、早めに刈って全体の長さを揃えましょう。

季節別の刈り込みポイント

芝生の成長速度は季節によって大きく変わります。それぞれの季節に適した刈り込み方法を理解することで、年間を通じて美しい芝生を維持できます。季節の園芸カレンダーも参考にしてください。

季節別の刈り込みポイント - illustration for 芝生の刈り込み方法と適切な刈り高
季節別の刈り込みポイント - illustration for 芝生の刈り込み方法と適切な刈り高

春(3月~5月)

春は芝生が休眠から目覚め、活発に成長を始める時期です。この時期の刈り込みポイント:

  • 初回の刈り込みは浅めに:冬の間に伸びた古い葉を整える程度
  • 頻度を徐々に増やす:月1回から始め、5月には週1回ペースへ
  • やや高めの刈り高:35~40mmで根の成長を促進
  • 日中の暖かい時間帯に実施:朝露が乾いた10時~15時頃がベスト

夏(6月~8月)

夏は芝生の成長がピークに達し、最も頻繁な管理が必要です:

  • 週1回の定期刈り込み:成長が早いため、放置すると軸刈りのリスク増大
  • 刈り高をやや高めに維持:30~35mmで土壌の乾燥を防ぐ
  • 早朝または夕方に実施:日中の高温時は芝生にストレス
  • 刈った草は必ず除去:そのままにすると蒸れて病気の原因に

アメリカの研究(出典:TruGreen Lawn Care)では、夏季に高めの刈り高を維持することで、土壌温度が低下し、水分保持が向上することが報告されています。

秋(9月~11月)

秋は芝生の回復と冬に向けた準備の時期です:

  • 頻度を徐々に減らす:週1回から2週に1回へ
  • 刈り高を徐々に下げる:25~30mmへ移行
  • 最終刈り込みは11月中旬まで:冬前に短く刈りすぎない
  • 刈った草を堆肥化土づくり・堆肥に活用

冬(12月~2月)

暖地型芝は休眠期、寒地型芝は成長が極めて遅くなります:

  • 暖地型芝:基本的に刈り込み不要。雑草のみ除去
  • 寒地型芝:月1回程度、軽く整える程度
  • 凍結時は刈り込み禁止:芝生を傷める原因に

芝刈り機の選び方と使い方

適切な芝刈り機の選択は、効率的な管理の鍵です。面積や予算に応じて最適な機種を選びましょう。

芝刈り機の選び方と使い方 - illustration for 芝生の刈り込み方法と適切な刈り高
芝刈り機の選び方と使い方 - illustration for 芝生の刈り込み方法と適切な刈り高

芝刈り機の種類と特徴

タイプ適用面積価格帯メリットデメリット
手動式リール型~30㎡5,000~15,000円静音、環境に優しい労力が必要、広い面積は困難
電動バリカン際刈り専用3,000~8,000円細部の仕上げに最適広範囲には不向き
電動ロータリー式30~100㎡15,000~40,000円扱いやすい、適度なパワーコードが邪魔、延長が必要
充電式コードレス30~100㎡30,000~80,000円コードレスで自由、静音バッテリー持続時間に制限
エンジン式100㎡以上40,000~150,000円パワフル、広範囲対応騒音、メンテナンス必要
ロボット芝刈り機100~500㎡100,000~300,000円全自動、省力化初期コスト高、複雑な地形は苦手

芝刈り機の正しい使い方

  1. 刃の高さ調整:必ず作業前に設定を確認。多くの機種で20~50mmの範囲で調整可能
  2. エンジン式の場合:平坦な場所でエンジンをかけ、安全確認後に芝生へ
  3. 刈る方向を変える:毎回同じ方向だと芝が寝てしまうため、前回と直角(90度)の方向で刈る
  4. 重なりを持たせる:刈り残しを防ぐため、5~10cmの重なりを持たせて進む
  5. 際刈りは別途対応ウッドデッキ周辺や花壇の縁は、芝刈りバサミや電動バリカンで仕上げ

詳しいガーデニング道具については、造園・ガーデンデザインの記事も参考になります。

刈り込み後のケアと注意点

刈り込み後の適切なケアは、芝生の健康維持に不可欠です。アメリカの統計(出典:North Penn Now)によると、家庭の80%以上が手入れの行き届いた芝生を重要視しており、67%が自分で管理を行っています。

刈り込み後のケアと注意点 - illustration for 芝生の刈り込み方法と適切な刈り高
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刈った草の処理方法

刈った草(クリッピング)の処理には主に3つの方法があります:

  1. 集草して除去:最も一般的。病気予防に効果的
  2. マルチング(細かく刻んで散布):栄養分の還元。ただし病気のリスクあり
  3. 堆肥化:環境に優しく、土づくりに活用

日本の高温多湿な夏季では、クリッピングを残すと蒸れや病気の原因となるため、集草して除去が推奨されます。

水やりのタイミング

刈り込み直後の水やりは避けるべきです。刈り込みで傷ついた葉に水がかかると、病原菌の侵入リスクが高まります。刈り込み後6~12時間経ってから、たっぷりと水を与えましょう。

よくあるトラブルと対処法

茶色く変色する:軸刈りや刃の切れ味不足が原因。刃を研ぎ、刈り高を上げる

まだら模様になる:刈りムラが発生。重なりを持たせて刈り、刃の高さ設定を確認

刈った部分から病気が発生:刈り込み後に雨が続いた場合に起こりやすい。予防として、雨の前日は刈り込みを避ける

芝が寝てしまう:毎回同じ方向で刈っているため。次回は90度方向を変えて刈る

病害虫の詳しい対策は、病害虫対策と防除で解説しています。

プロの技:美しい芝生を作る上級テクニック

基本をマスターしたら、さらに美しい芝生を目指すための上級テクニックにチャレンジしましょう。

ストライプパターンの作り方

プロの野球場やゴルフ場で見られる、美しいストライプ模様は家庭でも再現可能です:

  1. ローラー付き芝刈り機を使用:後輪に重りをつけるとより効果的
  2. 一方向に刈る:芝が寝る方向が統一され、光の反射で縞模様に見える
  3. 次は逆方向から:交互に方向を変えることで、コントラストが生まれる
  4. 境界線をクリアに:ターン位置を正確に揃える

エッジング(縁取り)の重要性

芝生と花壇、通路の境界をクリアに保つことで、プロ級の仕上がりに:

  • 専用エッジャーの使用:半月型のエッジカッターが効果的
  • 月1回の実施:芝生が境界を越えて伸びる前に処理
  • 深さ5~8cmで切り込む:根をしっかり切断
  • 切り取った土は除去:境界をくっきり保つ

サッチング(枯れ草除去)

刈り込みと合わせて、年1~2回のサッチングを行うことで、芝生の通気性と栄養吸収が向上します。特に春(4月)と秋(9月)が最適な時期です。剪定・整枝の技術と同様、定期的なメンテナンスが重要です。

まとめ:美しい芝生は正しい刈り込みから

芝生の刈り込みは、単に長さを揃えるだけでなく、芝生の健康を維持し、雑草を抑制し、美しい景観を作り出す重要な作業です。本記事で紹介した要点を再確認しましょう:

  • 適切な刈り高:一般家庭では20~35mm、芝の種類に応じて調整
  • 1/3法則の厳守:一度に刈るのは高さの1/3まで、軸刈りを避ける
  • 定期的な実施:成長期は週1回、季節に応じて頻度を調整
  • 刈る方向を変える:毎回90度方向を変えて、芝が寝るのを防ぐ
  • 刈り込み後のケア:クリッピングの除去、適切な水やり

科学的研究が示すように、適切な刈り高の維持は雑草を劇的に減少させ、根の成長を促進します。初心者の方は、まず基本的な1/3法則から始め、徐々に季節別の調整や上級テクニックに挑戦してみてください。美しい芝生は一日にしてならず、継続的な正しい管理が鍵となります。

より詳しい芝生管理の情報は、芝生の手入れと管理の完全ガイドをご覧ください。また、ベランダ・小スペースガーデニングでも、限られたスペースでの緑化のヒントを紹介しています。

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