リトープスの育て方と不思議な魅力
2026年2月6日

「生きた石」リトープスの育て方を初心者向けに徹底解説。脱皮期の管理方法、季節別の水やりポイント、夏の休眠期の断水テクニックなど、栽培成功の秘訣を詳しく紹介します。根腐れや徒長などのトラブル対処法、人気品種の選び方、土の配合レシピも満載の完全ガイドです。
リトープスの育て方と不思議な魅力
リトープスは、「生きた石」という別名を持つ、南アフリカ原産の非常にユニークな多肉植物です。まるで小石のような外見で自然界に溶け込み、動物の食害から身を守る擬態能力を持っています。この記事では、リトープスの基本的な育て方から、脱皮という独特の生態まで、初心者の方でも理解しやすいように詳しく解説します。
多肉植物・サボテンの育て方完全ガイドと併せて読むことで、より深く多肉植物の世界を楽しむことができるでしょう。
リトープスの基本的な特徴と魅力
リトープスは、メセン(女仙)類と呼ばれる多肉植物グループに属し、約120種類以上の品種が存在します。その最大の特徴は、石のような外観と独特の生態にあります。

擬態する植物の不思議
自生地である南アフリカの岩砂漠地帯では、リトープスは周囲の小石や岩に見事に擬態しています。この進化的な適応により、草食動物から身を守っているのです。Planet Desertの詳しい解説によれば、植物体のほとんどが地下に隠れており、地上に出ているのは「天窓」と呼ばれる透き通った部分だけです。
この天窓から光を取り込み、地下の葉緑素で光合成を行うという、他の植物にはない独特の仕組みを持っています。また、リトープスの大きさは通常2.5cm程度までで、成長は非常にゆっくりとしていますが、上手に育てれば10年以上、場合によっては20年以上も同じ鉢で元気に育ち続けます。
年に一度の脱皮という奇跡
リトープスの最も魅力的な生態の一つが、年に一度行われる「脱皮」です。春先になると、古い葉の間から新しい葉が現れ、古い葉は次第に薄くなり、最終的には新しい葉に養分を吸収されて消えていきます。この過程は数週間から数ヶ月かかり、観察していると植物の生命力を実感できる素晴らしい体験となります。
詳しくは観葉植物・インドアグリーンの育て方完全ガイドでも室内での植物管理について解説していますので、参考にしてください。
リトープスの育て方:季節別管理のポイント
リトープスは他の多くの多肉植物とは異なり、冬型の成長パターンを持っています。この特性を理解することが、栽培成功の鍵となります。

生育期(11月〜4月)の管理
冬から春にかけてがリトープスの主な成長期です。NHK出版の園芸ガイドでも詳しく解説されているように、この時期は以下のポイントに注意しましょう。
日当たり:できるだけ明るい場所で管理し、1日4〜6時間の直射日光を確保します。南向きまたは東向きの窓辺が理想的です。室内で育てる場合は、窓ガラス越しでも十分な光量を確保できるように工夫しましょう。
水やり:土が完全に乾いてから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。ただし、次の水やりまでは土を完全に乾かすことが重要です。目安として、10日〜2週間に1回程度となります。
温度管理:リトープスは寒さに比較的強く、5℃程度までは耐えられます。ただし、霜に当たると株が傷むため、冬季は室内管理が安全です。
休眠期(6月〜9月)の管理
夏はリトープスにとって最も過酷な時期です。自生地では乾季にあたるため、この時期の管理が栽培の成否を分けます。
断水管理:LOVEGREENの栽培ガイドによれば、基本的に6月から9月までは完全に断水します。ただし、完全に萎れてしまうのを防ぐため、月に1〜2回程度、霧吹きで葉水を与えると良いでしょう。詳しくは水やり・灌漑システムの完全ガイドも参考にしてください。
置き場所:直射日光を避け、風通しの良い半日陰で管理します。エアコンの風が直接当たる場所は避け、できるだけ涼しい環境を保ちます。
通気性の確保:高温多湿は根腐れの原因となるため、風通しを良くすることが極めて重要です。扇風機やサーキュレーターを使用して空気を循環させるのも効果的です。
植え替えと土の選び方
リトープスは植え替えを好まない植物ですが、適切な土の選択は非常に重要です。

最適な土の配合
水はけの良さが最優先です。以下の配合例を参考にしてください。
市販の多肉植物・サボテン専用土でも問題ありませんが、さらに軽石や川砂を2〜3割混ぜると、リトープスにより適した環境になります。土づくり・堆肥・肥料の基礎知識と実践ガイドでは、さまざまな植物に適した土づくりについて詳しく解説しています。
植え替えのタイミングと方法
リトープスは同じ鉢で長期間育てることができますが、以下の状況では植え替えを検討しましょう。
- 鉢が株でいっぱいになった時
- 土が劣化して水はけが悪くなった時
- 根腐れなどのトラブルが疑われる時
植え替えは生育期の初め(11月頃)に行うのが最適です。脱皮中や休眠期の植え替えは避けましょう。新しい鉢に移す際は、根を傷つけないように慎重に作業し、植え替え後は1週間程度水やりを控えて根を落ち着かせます。
リトープスの脱皮期間中の特別な管理
脱皮はリトープスの栽培で最も注意を要する時期です。この期間の適切な管理が、健全な株の育成につながります。
脱皮のメカニズム
通常、春先(2月〜4月頃)に古い葉の割れ目から新しい葉が現れ始めます。新しい葉は古い葉から水分と養分を吸収しながら成長し、古い葉は次第に薄い皮のようになっていきます。このプロセスが完了するまで、通常2〜3ヶ月かかります。
脱皮中の水やりタブー
絶対に覚えておくべき重要なルール:脱皮中は絶対に水やりをしてはいけません。
Bloomscapeの専門家ガイドでも強調されているように、この時期に水を与えると、古い葉と新しい葉の両方が水を吸収してしまい、株が割れたり、二重脱皮(新しい葉がさらに別の葉を作ってしまう異常な状態)を引き起こしたりする可能性があります。古い葉が完全にカラカラになり、簡単に取れるようになるまで待ちましょう。
新しい葉が完全に露出し、古い皮が完全に乾燥したら、通常の水やりを再開できます。
よくあるトラブルと対処法
リトープス栽培でよく遭遇する問題と、その解決方法をご紹介します。

根腐れ
症状:株が柔らかくなり、変色する。悪臭がすることもある。
原因:過度な水やりや水はけの悪い土、高温多湿環境。
対処法:すぐに株を鉢から抜き、腐った根を清潔なハサミで切除します。健全な部分だけを残し、数日間乾燥させてから新しい土に植え直します。植え直し後1〜2週間は水を与えず、根が活着するのを待ちます。
病害虫対策と防除の完全ガイドでは、さまざまな植物のトラブル対処法を詳しく解説しています。
徒長(間延び)
症状:リトープスが縦に伸びて、石のような形を失う。
原因:光不足や過度な水やり、窒素過多の肥料。
対処法:より明るい場所に移動し、水やり頻度を減らします。徒長した部分は元に戻らないため、今後の管理を改善することに注力します。
シワシワになる
症状:葉の表面にシワが寄る。
原因:脱皮の準備段階、水不足、または根の問題。
対処法:脱皮の時期であれば正常な現象です。そうでない場合は、根の状態を確認し、必要に応じて水やりを行います。ただし、脱皮中でないことを必ず確認してください。
リトープスの増やし方
リトープスは種まきと株分けの2つの方法で増やすことができます。
種から育てる
リトープスは秋に花を咲かせ、受粉すると種子を作ります。Epic Gardeningの栽培ガイドによれば、種子は非常に小さく、発芽には適切な温度管理が必要です。
播種時期:春(3月〜4月)または秋(9月〜10月)
方法:
- 細かい種まき用土を用意し、表面を平らにならす
- 種子を蒔き、土をかけない(好光性種子)
- 霧吹きで土を湿らせる
- 透明な蓋やラップで覆い、湿度を保つ
- 明るい日陰で管理し、20℃前後の温度を保つ
- 1〜2週間で発芽する
実生(種から育てた株)は成長に数年かかりますが、様々な品種を育てる楽しみがあります。
株分けで増やす
株が分頭(複数の頭に分かれること)した場合、植え替え時に慎重に分けることができます。ただし、リトープスは分頭しにくい種類も多いため、無理に分けようとしないことが大切です。
リトープスの人気品種
リトープスには多様な品種があり、それぞれ異なる色や模様を持っています。
| 品種名 | 特徴 | 難易度 |
|---|---|---|
| 日輪玉(にちりんぎょく) | クリーム色の代表的品種。初心者向け | 易 |
| 紫勲(しくん) | 深い紫褐色で人気が高い | 中 |
| 麗虹玉(れいこうぎょく) | 虹色の模様が美しい | 中 |
| 花紋玉(かもんぎょく) | 独特の花模様が特徴 | 中 |
| 巴里玉(ぱりぎょく) | グレーがかった色合い | 易 |
初めてリトープスを育てる方は、日輪玉や巴里玉など、比較的丈夫で入手しやすい品種から始めることをおすすめします。
まとめ:リトープス栽培を成功させるための重要ポイント
リトープスは独特の生態を持つ魅力的な植物です。栽培を成功させるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 季節を理解する:冬型の植物であることを忘れず、夏は断水管理を徹底する
- 水やりは控えめに:「水をやりすぎるより、やらなさすぎる方が良い」という格言を心に留める
- 脱皮中は触らない、水をやらない:この時期の管理ミスが最も多いので特に注意
- 日光を十分に:生育期は明るい場所で管理し、徒長を防ぐ
- 水はけの良い土:過湿は最大の敵。排水性を最優先に考える
- 長期的な視点:成長は遅いが、長く付き合える植物として楽しむ
リトープスは、その不思議な生態と美しい姿で、多くのガーデニング愛好家を魅了し続けています。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、その生態を理解し、適切な管理を行えば、何年にもわたって楽しむことができる素晴らしい植物です。
ベランダ・小スペースガーデニングの完全ガイドや寄せ植え・コンテナガーデンの完全ガイドも参考に、リトープスを含めた多肉植物のコレクションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
石のような姿に隠された、驚くべき生命力と美しさ。それがリトープスの真の魅力です。ぜひ、この不思議な植物との生活を楽しんでください。





