多肉植物の土と鉢の正しい選び方
2026年2月6日

多肉植物を健康に育てるための土と鉢の選び方を徹底解説。初心者におすすめの市販土から自作配合のレシピ、鉢の素材別の土調整方法まで、失敗しないポイントを詳しく紹介します。排水性と保水性のバランス、季節ごとの管理方法も解説。
多肉植物の土と鉢の正しい選び方
多肉植物を健康に育てるためには、適切な土と鉢の選択が欠かせません。多肉植物は乾燥した環境を好むため、一般的な観葉植物とは異なる土の配合と鉢の特性が求められます。本記事では、多肉植物栽培に最適な土の選び方、自作する際の配合比率、そして鉢選びのポイントまで詳しく解説します。
多肉植物に適した土の基本条件
多肉植物の土選びで最も重要なのは「排水性」です。多肉植物の多くは乾燥地帯が原産で、多湿環境では根腐れを起こしやすい性質を持っています。理想的には、水やり後2~3日で土が完全に乾くことが望ましいとされています。

一般的な園芸用土は保水性が高く設計されており、多肉植物栽培には適していません。多肉植物専用の土を使うか、自分で配合することが成功の鍵となります。
重要なのは、排水性だけでなく保水性も適度に備えた土を選ぶことです。「必要な水分を保持する保水性」と「余分な水分を排出する排水性」を両立させた土が、多肉植物にとって理想的な環境を作り出します。
海外の研究によると、軽石(パーライト)は70~85%の多孔質性を提供し、最適な排水環境を実現します。また、ミネラル成分が豊富な培養土を使用した場合、多肉植物は87%の地表被覆率を達成したという研究結果も報告されています。
詳しい多肉植物・サボテンの育て方については専用ガイドもご覧ください。
初心者におすすめの市販の土
多肉植物栽培を始めたばかりの方や、手間をかけずに栽培したい方には、市販の多肉植物専用土がおすすめです。ホームセンターや園芸店で購入できる専用土には、多肉植物に適した排水性と保水性のバランスが既に調整されています。
おすすめの市販土としては、GreenSnapと「くぼファーム」が共同開発した『農家生まれのやさしいつち』があります。この土は、多湿を苦手とする植物が育ちやすい環境となるよう、やや大きめの粒子を配合して水はけを良くしています。
市販の多肉植物用土を選ぶ際のポイントは以下の通りです:
- 粒子が大きめで排水性が高いもの
- 軽石や日向土が含まれているもの
- 有機質の配合が少なめ(全体の3分の1以下)のもの
- pH値が弱酸性~中性のもの
初めて多肉植物を育てる方は、まず市販の専用土を使用して栽培に慣れることをおすすめします。
自分で配合する土の作り方と配合比率
多肉植物栽培に慣れてきたら、自分で土を配合することで、より自分の栽培環境や品種に合わせた土を作ることができます。基本的な配合例をいくつか紹介します。

基本配合レシピ
通気性と排水性を高めるためには、日向土か軽石を多く配合します。アイオワ州立大学エクステンションの研究によれば、多肉植物の土における有機物の割合は全体の3分の1以下に抑えることが推奨されています。
配合時のポイント
- 粒の大きさを統一する:大きすぎる粒と細かい粒が混在すると、細かい粒が隙間に入り込んで排水性が低下します
- 殺菌処理を行う:使用前に土を天日干しするか、熱処理することで病害虫のリスクを減らせます
- 水はけテストを実施:配合した土に水を注いで、スムーズに排水されるか確認しましょう
土づくり・堆肥・肥料の基礎知識も合わせて参考にすると、より深く理解できます。
鉢の素材による土の調整方法
多肉植物の鉢には、素焼き、プラスチック、陶器、ガラスなど、さまざまな素材があります。鉢の素材によって通気性や保水性が異なるため、使用する鉢に合わせて土の配合を調整することが重要です。

素焼き鉢を使う場合
素焼き鉢は通気性が非常に高く、土が乾きやすい特徴があります。そのため、やや保水性を高めた土の配合が適しています。赤玉土の割合を増やすか、腐葉土を若干多めに配合すると良いでしょう。
プラスチック鉢を使う場合
プラスチック鉢は通気性が低く、土が乾きにくい傾向があります。この場合は、軽石や日向土の割合を増やして、排水性を最大限に高めた配合にする必要があります。鉢穴がきちんと開いているか確認することも忘れずに。
ガラス容器を使う場合
ガラス容器は通気性も排水性もほとんどありません。多肉植物栽培には本来適していませんが、使用する場合は極めて排水性の高い土(軽石やパーライトの割合80%以上)を使用し、水やりは最小限に抑える必要があります。
ベランダ・小スペースガーデニングでも鉢選びのポイントを紹介しています。
鉢のサイズと形状の選び方
多肉植物の鉢選びでは、素材だけでなくサイズと形状も重要です。適切なサイズの鉢を選ぶことで、根の健康を保ち、植物の成長を促進できます。
サイズの選び方
- 小さめの鉢を選ぶ:多肉植物は根が狭い空間を好みます。株の大きさに対して少し小さめの鉢を選びましょう
- 深すぎない鉢を選ぶ:多肉植物の根は深く張らないため、浅めの鉢の方が適しています
- 成長に合わせて植え替え:1~2年に一度、ひと回り大きな鉢に植え替えます
形状の選び方
- 底穴は必須:排水穴がない鉢は、多肉植物栽培には向きません
- 底が広い鉢:安定性があり、転倒のリスクが少なくなります
- 浅くて広い鉢:多肉植物の寄せ植えには、浅く広い鉢が適しています
寄せ植え・コンテナガーデンで多肉植物の寄せ植えについても詳しく解説しています。
季節ごとの土と鉢の管理
多肉植物の土と鉢は、季節によって管理方法を調整する必要があります。特に日本の高温多湿な夏と寒い冬には、注意が必要です。
春・秋の管理
春と秋は多肉植物の成長期です。この時期は土が適度に乾燥しやすい環境を維持し、通常の水やり管理を行います。植え替えを行うのもこの時期が最適です。
夏の管理
夏は多肉植物にとって休眠期となる種類が多くあります。高温多湿を避けるため、風通しの良い場所に置き、水やりを控えめにします。プラスチック鉢を使用している場合は、特に蒸れに注意が必要です。
冬の管理
冬は成長が緩慢になるため、水やりの頻度を減らします。寒冷地では、鉢を室内に移動させるか、霜よけをする必要があります。素焼き鉢は凍結で割れる可能性があるため、寒冷地では避けた方が良いでしょう。
季節の園芸カレンダーで年間を通じた管理スケジュールを確認できます。
土の交換時期と植え替えのタイミング
多肉植物の土は、時間とともに劣化し、排水性が低下します。定期的な土の交換と植え替えが、健康な多肉植物を育てる秘訣です。
土の交換が必要なサイン
- 水やり後、土の表面がなかなか乾かなくなった
- 土が固くなり、水が浸透しにくくなった
- 根が鉢底から出てきている
- 土の表面に苔やカビが発生している
- 植物の成長が明らかに鈍化している
理想的な植え替え時期
- 春(3月~5月):最も適した時期です。気温が安定し、植物の活動が活発になります
- 秋(9月~10月):春に次いで適した時期です。冬前に根を張らせることができます
- 避けるべき時期:真夏(7月~8月)と真冬(12月~2月)は植物にストレスを与えるため避けましょう
植え替えの際は、水やり・灌漑システムも見直すと良いでしょう。
よくある失敗例と対処法
多肉植物の土と鉢選びで起こりがちな失敗例と、その対処法を紹介します。
失敗例1:排水性が低すぎる土を使用
症状:根腐れ、葉の変色、悪臭
原因:一般的な観葉植物用の土や、有機質が多すぎる配合
対処法:すぐに排水性の高い多肉植物専用土に植え替える。腐った根は切り取り、数日乾燥させてから植え直す
失敗例2:鉢が大きすぎる
症状:土がなかなか乾かない、成長が鈍い
原因:株の大きさに対して鉢が大きすぎると、土の量が多くなり乾燥しにくい
対処法:ひと回り小さい鉢に植え替える。余分な土は取り除く
失敗例3:底穴のない容器を使用
症状:水が溜まり、根腐れが発生
原因:排水穴がないため、余分な水が逃げない
対処法:底穴のある鉢に移植する。どうしても穴を開けられない容器を使う場合は、底に厚めの排水層を作り、水やりを極端に控える
病害虫対策と防除でも根腐れなどのトラブル対処法を解説しています。
まとめ:理想的な土と鉢の組み合わせ
多肉植物を健康に育てるための土と鉢選びのポイントをまとめます。
土選びの基本:
- 排水性が高く、2~3日で乾く配合を選ぶ
- 初心者は市販の多肉植物専用土から始める
- 自作する場合は、赤玉土4:軽石4:腐葉土1:くん炭1が基本
- 有機質は全体の3分の1以下に抑える
鉢選びの基本:
管理のポイント:
- 鉢の素材に合わせて土の配合を調整する
- 1~2年に一度は土を交換する
- 季節に応じて水やり頻度を変える
- 植え替えは春か秋に行う
これらのポイントを押さえれば、初心者でも多肉植物を上手に育てることができます。土と鉢は多肉植物栽培の基礎であり、ここを間違えると後の管理がどれだけ良くても成功は難しくなります。自分の栽培環境や品種に合わせて、最適な組み合わせを見つけてください。
多肉植物栽培について、より総合的な情報は多肉植物・サボテンの育て方完全ガイドで詳しく解説しています。また、ガーデニング入門では園芸全般の基礎知識を学べます。





