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多肉植物の夏越しと遮光対策の方法

2026年2月6日

多肉植物の夏越しと遮光対策の方法

多肉植物の夏越しに必須の遮光対策を詳しく解説。遮光率30~50%のネット選びから設置方法、葉焼け予防、水やり管理まで、初心者でも実践できる具体的な方法をご紹介します。エケベリアやハオルシアなど品種別の推奨遮光率も掲載。

多肉植物の夏越しと遮光対策の方法

多肉植物を育てていると、春の成長期から夏の休眠期への移行が最も難しい時期となります。日本の高温多湿な夏は、乾燥地帯原産の多肉植物にとって過酷な環境です。特に梅雨明け後の急激な日差しの強さは、葉焼けや高温障害を引き起こす主な原因となります。本記事では、多肉植物を夏の厳しい環境から守るための遮光対策と管理方法を詳しく解説します。初心者の方でも実践できる具体的な方法をご紹介しますので、大切な多肉植物を夏越しさせるためにぜひ参考にしてください。

多肉植物が夏に弱い理由と休眠のメカニズム

多肉植物の多くは南アフリカやメキシコなどの乾燥地帯が原産地です。これらの地域では日中の気温は高いものの、湿度が低く風通しが良いため、植物はストレスを感じません。しかし、日本の夏は高温多湿で、30°C(86°F)を超えると多くの多肉植物は休眠状態に入ります。

休眠期に入った多肉植物は、水分の吸収をほとんど停止し、成長も止まります。この状態で強い日光に長時間さらされると、葉の水分が急速に失われ、葉が縮んだり黒く腐ったりする現象が起こります。多肉植物の夏越し対策についてでは、遮光ネットの具体的な使い方が詳しく紹介されています。多肉植物の基礎知識を理解することで、なぜ夏越しが難しいのかがより明確になります。

特にエケベリア、クラッスラ、ハオルシアなどの人気種は、40°F~90°F(4°C~32°C)の範囲で最も健康に育ちます。多肉植物の温度耐性に関する研究によると、この温度範囲を維持することが長期的な健康につながります。この温度範囲を超えると、植物は生理的ストレスを受け、免疫力が低下します。

さらに、小型の多肉植物や薄い葉を持つ品種、挿し木したばかりの株は特に脆弱です。夏の高温ストレスと多肉植物の専門家によると、高温環境下では植物の防御機能が低下します。35°C(95°F)以上の環境では30分以内に葉焼けを起こし、枯れてしまう可能性が高まります。そのため、夏の管理では遮光と温度管理が最も重要な要素となるのです。

遮光ネットの選び方と遮光率の目安

多肉植物の夏越しに欠かせないのが遮光ネットです。遮光率30%~50%のネットを使用すると、日差しを適度に遮りながらも、光合成に必要な光は十分に届けることができます。遮光ネットの選び方ガイドでは、品質の良い遮光ネットの見分け方が解説されています。遮光率が高すぎると徒長(ひょろひょろと伸びる現象)の原因になり、低すぎると葉焼けを防げません。

遮光ネットを選ぶ際のポイントは以下の通りです。まず、素材は風通しの良いメッシュタイプを選びましょう。不織布も使用できますが、通気性がやや劣るため、より注意深い管理が必要です。次に、遮光率は多肉植物の種類によって調整します。エケベリアやセダムなど比較的日光を好む種類は30~40%、ハオルシアなど半日陰を好む種類は40~50%が目安です。

設置方法も重要で、遮光ネットは植物から20cm以上離して設置することが推奨されます。ネットと植物の間に空間を作ることで、風通しが確保され、熱がこもるのを防ぎます。また、遮光ネットは梅雨明けから9月中旬まで設置し、朝晩の気温が下がってきたら徐々に外していきます。

市販の遮光ネットには、園芸用として様々なサイズと遮光率の製品が販売されています。ベランダでの小スペースガーデニングでは、簡易的な遮光ネットを活用することで、限られたスペースでも効果的な夏越しが可能です。

効果的な遮光対策の具体的な方法

遮光対策には、ネットを使う方法以外にもいくつかの効果的な方法があります。まず最も自然で理想的なのは、木陰や建物の陰を利用する方法です。午前中は日光が当たり、午後は日陰になる場所が多肉植物にとって最適な環境となります。

効果的な遮光対策の具体的な方法 - illustration for 多肉植物の夏越しと遮光対策の方法
効果的な遮光対策の具体的な方法 - illustration for 多肉植物の夏越しと遮光対策の方法

寒冷紗や園芸用の遮光シートを使う場合は、必ず風が通るように設置します。遮光シートを直接植物に被せると、熱がこもり逆効果となるため注意が必要です。フレームや支柱を使って、植物の上部に屋根のように張ることで、風通しを確保しながら遮光できます。

室内管理も一つの選択肢です。特に高価な品種や小さな挿し木は、夏の間だけ室内の明るい窓辺に移動させることで安全に夏越しできます。ただし、エアコンの風が直接当たる場所は避け、レースカーテン越しの柔らかい光が当たる場所を選びましょう。

以下の表は、多肉植物の種類別に推奨される遮光方法をまとめたものです。

多肉植物の種類推奨遮光率適した設置場所追加対策
エケベリア30~40%半日陰、午後は日陰通風確保が最重要
セダム30%木漏れ日程度の日陰比較的耐暑性あり
ハオルシア40~50%明るい日陰直射日光は完全に避ける
アロエ30%午前中のみ日光水やりは極力控える
クラッスラ30~40%半日陰蒸れ防止のため風通し重視
リトープス40~50%明るい日陰夏は完全断水

この表を参考に、育てている多肉植物に適した遮光対策を選びましょう。季節別のガーデニングカレンダーと合わせて確認することで、より効果的な管理ができます。

遮光と合わせて行うべき夏の管理ポイント

遮光だけでなく、水やりや風通しの管理も夏越しには欠かせません。夏の水やりは、春や秋と比べて大幅に減らす必要があります。休眠期の多肉植物は水をほとんど吸収しないため、過度な水やりは根腐れの原因となります。

水やりの目安は、月に1~2回程度、夕方から夜にかけての涼しい時間帯に行います。日中に水やりすると、土の中で水が温まり、根が蒸れて傷む原因になるため絶対に避けましょう。また、水やりの量も通常の半分以下に抑え、土の表面が湿る程度にとどめます。

風通しの確保は、高温多湿の日本の夏において最も重要な管理項目です。室内で管理する場合は、扇風機やサーキュレーターを使って常に空気を循環させます。屋外の場合は、鉢同士の間隔を広く取り、通気性の良い場所に置きましょう。

鉢の選択も重要で、夏はテラコッタなどの通気性の高い素材が理想的です。プラスチック鉢を使う場合は、鉢底石を多めに入れて排水性を高めます。土づくりと肥料の基礎知識を参考に、夏用の配合土を準備することも効果的です。

肥料は夏の間は一切与えません。休眠期の植物に肥料を与えると、根が肥料焼けを起こしたり、不要な成長を促して株を弱らせる原因となります。肥料は秋の気温が下がり始めてから再開しましょう。

葉焼けが起きた時の対処法と予防策

どんなに注意していても、葉焼けが発生することがあります。葉焼けの初期症状は、葉の一部が白っぽくなったり、茶色く変色したりすることです。この段階で早急に対処すれば、株全体への被害を最小限に抑えられます。

葉焼けが起きた時の対処法と予防策 - illustration for 多肉植物の夏越しと遮光対策の方法
葉焼けが起きた時の対処法と予防策 - illustration for 多肉植物の夏越しと遮光対策の方法

葉焼けを発見したら、まず日光が当たらない涼しい場所に移動します。焼けた葉は元には戻りませんが、取り除く必要はありません。葉が完全に枯れるまでは光合成をしているため、無理に取ると株にストレスを与えます。

予防策として最も効果的なのは、梅雨明けのタイミングを見計らって遮光を開始することです。梅雨の間、曇りや雨の日が続いた後、急に晴れた日が続くと葉焼けのリスクが高まります。天気予報をチェックし、梅雨明けが近いと判断したら早めに遮光ネットを設置しましょう。

また、春の段階から徐々に日光に慣らしていくことも重要です。冬の間、室内や日陰で管理していた多肉植物を、いきなり真夏の直射日光に当てると確実に葉焼けします。春から初夏にかけて、少しずつ日光に当てる時間を増やし、植物を順応させることが大切です。

特に注意が必要なのは、購入したばかりの多肉植物です。園芸店やネット通販で購入した株は、それまでどのような環境で育てられていたかわかりません。購入後は最低でも1~2週間は半日陰で管理し、徐々に環境に慣らしてから日光に当てるようにしましょう。

秋への移行期の管理と遮光の終了時期

9月に入ると、朝晩の気温が徐々に下がり始めます。この時期は夏の休眠期から秋の成長期への移行期となり、多肉植物の管理方法を変えていく必要があります。遮光ネットを外すタイミングは、最高気温が30°C以下になる日が続くようになったらが目安です。

秋への移行期の管理と遮光の終了時期 - illustration for 多肉植物の夏越しと遮光対策の方法
秋への移行期の管理と遮光の終了時期 - illustration for 多肉植物の夏越しと遮光対策の方法

急に遮光を外すと、やはり葉焼けのリスクがあるため、段階的に外していきましょう。まずは遮光率を下げる、または遮光時間を短くするなど、徐々に日光に慣らします。1週間程度かけて完全に遮光を終了すると安全です。

この時期から水やりも徐々に増やしていきます。土が完全に乾いてから、たっぷりと水を与える通常の水やりに戻します。植物が活動を再開すると、新しい葉が中心から出てきたり、色が鮮やかになったりするサインが見られます。

秋は多肉植物にとって絶好の成長期です。剪定と整枝の技術を活用して、夏に傷んだ部分を整理し、形を整えることで、冬に向けて美しい姿に仕上げることができます。

また、秋は植え替えや挿し木、株分けに最適な季節でもあります。夏を無事に乗り越えた多肉植物は、秋の涼しい気候の中で急速に成長します。この時期に適切な管理を行うことで、来年の春にさらに美しい姿を楽しむことができるでしょう。

多肉植物の夏越しは難しいと感じるかもしれませんが、遮光対策をはじめとする基本的な管理をしっかり行えば、初心者でも成功させることができます。梅雨明けから9月までの約3ヶ月間、適切な遮光と風通し、控えめな水やりを心がけることで、大切な多肉植物を守り抜きましょう。

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