西洋芝の種類と育て方の特徴
2026年2月6日

西洋芝の主要品種(ケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ティフトン芝など)の特徴と育て方を詳しく解説。寒地型と暖地型の違い、種まき時期、刈り込み・水やり・施肥の管理方法、病害虫対策まで、美しい芝生を作るための完全ガイドです。
西洋芝の種類と育て方の特徴
西洋芝は、日本芝とは異なる美しい緑の芝生を一年中楽しめる魅力的な芝生です。本記事では、西洋芝の主な種類とその特徴、育て方のポイントを詳しく解説します。西洋芝には暖地型と寒地型の2つのタイプがあり、それぞれ適した気候や育て方が異なります。お住まいの地域や目的に合わせて最適な西洋芝を選び、美しい芝生を育てましょう。
西洋芝の基本的な分類と特徴
西洋芝は、主に暖地型と寒地型の2つに分類されます。暖地型西洋芝は、日本芝の性質とほぼ同じで、高温・乾燥に強く、冬は冬眠します。関東より南の地域に向いており、生育適温は25~35℃です。
一方、寒地型西洋芝は、寒さに強く、冬でも青い芝生を保つことができます。関東より北の地域に適しており、生育適温は15~25℃です。西洋芝の大きな特徴のひとつが、冬でも緑色の芝生を楽しめることです。
しかし、西洋芝は日本芝より多くの刈り込み作業が必要で、高麗芝に比べてメンテナンスに手間がかかるため、芝生の手入れに時間をかけられる方に適しています。適切な管理を行えば、美しく密度の高い芝生を維持できます。
主要な寒地型西洋芝の種類
ケンタッキーブルーグラス
ケンタッキーブルーグラスは、寒地型西洋芝でもっとも有名な品種で、世界中の適地で使用されています。低温に強いので冬にも青々とした芝生が楽しめる点が大きな魅力です。

深い緑色で柔らかく細かい葉質を持ち、美しい外観が特徴です。匍匐茎(ほふくけい)により横に広がって成長するため、密度の高い芝生を形成します。ただし、初期生育が遅いため、春まきの場合は夏の暑さが来る前に十分な生育をさせておくことが重要です。
また、定期的な刈り込みと施肥、適度な水やりが必要で、病害虫に対しても注意が必要です。排水性や通気性の良い土質を好むため、土づくりの段階で土壌改良を行うことをおすすめします。
トールフェスク
トールフェスクは、寒地型草種の中で最も耐暑性、耐乾燥性に優れた多年草です。各地の気候条件に対し適応性が高く、耐寒性、耐暑性に優れることから北海道から沖縄まで利用されています。
葉は粗めで濃い緑色をしており、踏み圧にも強いため、運動場や公園などにも適しています。深い根を張るため、乾燥に対する耐性が高く、水やりの頻度を抑えられます。日陰にも比較的強く、樹木の下や建物の陰になる場所でも育ちやすい特性があります。
初期成長が早く、種まきから比較的短期間で芝生が完成するため、初心者にも扱いやすい品種です。ただし、粗い葉質のため、高級感を求める場合は他の品種と混合して使用することもあります。
ペレニアルライグラス
ペレニアルライグラスは、発芽が非常に早く、種まきから1週間程度で芽が出始めます。初期成長が早いため、急いで芝生を完成させたい場合や、他の芝生の補修用として適しています。
耐踏圧性に優れているため、スポーツフィールドやゴルフ場のティーグラウンドなどで広く使用されています。葉は細く柔らかで、美しい濃緑色をしています。ただし、暑さには比較的弱いため、暑い地域では夏越しに注意が必要です。
主要な暖地型西洋芝の種類
ティフトン芝
ティフトン芝は、バーミューダグラスの1種で、高麗芝に比べて色が鮮やかで、葉は細かく柔らかい特徴があります。踏み圧に強く、回復力も高いため、ゴルフ場や競技場に良く使われている暖地型の西洋芝です。

生育が旺盛で、匍匐茎と地下茎の両方で繁殖するため、密度の高い芝生を形成します。高温・乾燥に強く、関東以南の暖かい地域に適しています。ただし、寒さには弱く、冬季は休眠して茶色くなります。
刈り込み頻度が高く、成長期には週に2~3回の刈り込みが必要になることもあります。また、サッチ(枯れた葉や茎の層)がたまりやすいため、定期的なサッチング作業が必要です。
バミューダグラス
バミューダグラスは、暖地型西洋芝の代表的な品種で、高温・乾燥に非常に強い特性があります。世界中の温暖な地域で広く使用されており、ゴルフ場のフェアウェイやスポーツフィールドに適しています。
繁殖力が強く、素早く芝生を形成しますが、冬季は休眠するため、一年中緑の芝生を保ちたい場合は、寒地型芝生とのオーバーシーディング(冬季に寒地型の種を追いまき)が必要です。
西洋芝の種類別比較表
| 品種名 | タイプ | 耐寒性 | 耐暑性 | 耐乾燥性 | 適地 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ケンタッキーブルーグラス | 寒地型 | 強 | 弱 | 中 | 北海道~関東 | 冬も緑、美しい外観 |
| トールフェスク | 寒地型 | 強 | 強 | 強 | 全国 | 適応性が高い |
| ペレニアルライグラス | 寒地型 | 中 | 弱 | 中 | 北海道~関東 | 発芽が早い |
| ティフトン芝 | 暖地型 | 弱 | 強 | 強 | 関東以南 | 葉が細かく柔らか |
| バミューダグラス | 暖地型 | 弱 | 強 | 強 | 関東以南 | 繁殖力が強い |
この表を参考に、お住まいの地域の気候や、求める芝生の特性に合わせて品種を選びましょう。ガーデニングの基礎知識を踏まえた上で選択すると、より失敗が少なくなります。
西洋芝の種まき時期と方法
西洋芝の種まき時期は、品種のタイプによって異なります。暖地型の発芽適温は20~30℃で、種まきに最適な時期は4~5月、8月下旬~9月前半です。一方、寒地型の発芽適温は15~25℃で、春か秋が適期(3~6月、8月下旬~10月)です。
種まきの手順は以下の通りです。まず、土壌をよく耕し、石や雑草の根を取り除きます。次に、土壌を平らにならし、種を均一にまきます。種まき後は、薄く土をかぶせ、板などで軽く鎮圧します。
その後、たっぷりと水やりを行い、発芽するまでは土が乾かないように注意します。発芽後も、根がしっかり張るまでは定期的な水やりが必要です。
西洋芝の育て方と管理のポイント
刈り込み管理
西洋芝の栽培で最も重要なのが刈り込み作業です。初めての刈り込みは、草丈が4~5cm伸びたころに先端を1cm程度刈ります。西洋芝は一度に低く刈り込み過ぎると枯れてしまうので、こまめに刈るのが大切です。

刈り込めるのは上から1/3までが目安です。伸びすぎてしまった場合は、一気に低く刈り込むのではなく、少しずつ低く刈り込み時間をかけて徐々に低くして目標の草丈にします。剪定の技術と同様、適切な高さを保つことが重要です。
寒地型西洋芝の理想的な刈り込み高さは3~5cm程度、暖地型は1.5~3cm程度です。成長期には週に1~2回の刈り込みが必要になることもあります。
水やり管理
水やりは気温の低い早朝にたっぷりと行い、夕方の散水は避けるようにします。気温が上がった時間帯に水やりをすると芝生が蒸れてしまうので注意が必要です。
砂などの保水性の低い土壌では夏場は常に乾燥害の危険にさらされ、排水性の低い土壌では土壌の過湿による酸欠や根腐れが心配です。土壌の状態に応じて水やりの頻度を調整しましょう。
夏季は土壌が乾燥しやすいため、朝に十分な水やりを行います。ただし、過度な水やりは病気の原因になるため、土壌の状態を確認しながら適量を与えることが大切です。
施肥管理
西洋芝は成長が旺盛なため、定期的な施肥が必要です。春から秋の成長期には、月に1~2回程度、芝生用の肥料を施します。肥料の種類は、緩効性の化成肥料や有機肥料が適しています。
施肥のタイミングは、刈り込みの後が効果的です。肥料を均一に散布した後、水やりを行うことで、肥料が土壌に浸透しやすくなります。過度な施肥は病気や雑草の発生を促すため、適量を守ることが重要です。
病害虫対策
西洋芝は、病害虫の被害を受けやすい植物です。特に高温多湿の時期には、さび病や褐斑病などの病気が発生しやすくなります。予防としては、適切な刈り込みと水やり、風通しの確保が重要です。
害虫では、シバツトガやコガネムシの幼虫などが問題になることがあります。被害を発見したら、早めに適切な薬剤で防除しましょう。また、サッチの除去や土壌の通気性改善も病害虫予防に効果的です。
西洋芝と日本芝の違い
西洋芝と日本芝(主に高麗芝や野芝)には、いくつかの重要な違いがあります。最も大きな違いは、冬季の緑の保持です。西洋芝(特に寒地型)は冬でも緑を保ちますが、日本芝は冬季に休眠して茶色くなります。
葉の質感も異なり、西洋芝は細かく柔らかい葉質で、歩行時の感触が良いのが特徴です。一方、日本芝はやや粗い葉質ですが、踏み圧に強く、庭木や造園との相性も良好です。
管理の手間では、西洋芝の方が刈り込み頻度が高く、肥料や水も多く必要です。日本芝は比較的管理が楽ですが、冬の景観は劣ります。目的や管理に割ける時間、予算に応じて選択しましょう。
まとめ:西洋芝で美しい庭を作ろう
西洋芝は、その美しい緑と柔らかな質感で、庭を魅力的な空間に変えてくれます。寒地型のケンタッキーブルーグラスやトールフェスク、暖地型のティフトン芝やバミューダグラスなど、それぞれに特徴があり、お住まいの地域や目的に合わせて選ぶことが成功の鍵です。
適切な種まき時期を守り、こまめな刈り込み、適度な水やりと施肥、病害虫対策を行うことで、一年中美しい芝生を楽しむことができます。季節ごとの管理を意識しながら、丁寧に育てていきましょう。
手間はかかりますが、その分、美しい西洋芝の庭は大きな満足感をもたらしてくれます。本記事を参考に、ぜひ西洋芝栽培にチャレンジしてみてください。





