庭世界 日本の気候に合わせた家庭園芸の育て方と道具選び

園芸用語

付着盤

別名: 接着盤 / 吸盤 / 付着器 / adhesive disc / holdfast

ナツヅタの巻きひげ先端に生じ、壁面の凹凸とかみ合ってつるを固定する器官です。

定義

付着盤は、ナツヅタの巻きひげ先端に形成され、壁や樹皮などへつるを固定する器官です。見た目から「吸盤」と呼ばれますが、空気を抜いて吸着する器具とは異なり、粘質物質と壁面の微細な凹凸への物理的なかみ合いが固定に関与します。

付着の構成要素

  • 指状の細胞:素材表面の小さな凹所へ入り込みます。
  • 粘質物質:付着盤と支持面の接着を補います。
  • 表面粗さ:凹所の大きさや形によって付着力が変わります。
  • 木質化:付着後は緑色から褐色へ変化し、乾燥後も固定構造が残ります。

千葉大学園芸学部の研究要旨は、ナツヅタの指状の付着盤細胞が付着材の凹所へ入り込むことで大きな付着力を生じるとしています。日本植物生理学会の解説も、物理的なかみ合いと粘質物質の双方を挙げています。

外壁で問題になる場面

健全で平滑な面と、ひび・欠け・劣化塗膜のある面では、撤去時の結果が同じとは限りません。付着盤が外壁の凹凸へ強く固定された状態でつるを一気に引くと、付着跡が残るだけでなく、弱った塗膜や表層を一緒に剥がす可能性があります。

付着盤は壁を栄養源として食べる器官ではありません。しかし、除去後の残留物と既存劣化の見落としが補修範囲を広げるため、建物では「付いたか」より「どの面へ付き、どう外すか」が重要です。