花木の剪定方法と花芽の見分け方
2026年2月6日

花木の剪定で失敗しないための花芽と葉芽の見分け方を写真付きで解説。旧枝咲き・新枝咲き別の正しい剪定時期の判断方法、代表的な花木16種の剪定カレンダー、すかし剪定や切り戻しの実践テクニックを徹底ガイドします。初心者でもわかりやすく解説。
花木の剪定方法と花芽の見分け方
花木を美しく咲かせるためには、適切な時期に正しい方法で剪定を行うことが欠かせません。しかし、多くのガーデナーが「花芽を切ってしまい、翌年花が咲かなかった」という失敗を経験しています。この記事では、花芽と葉芽の見分け方から、花木の種類別剪定テクニックまで、花木剪定の基本を徹底解説します。正しい知識を身につけて、毎年美しい花を楽しみましょう。
花芽と葉芽の違いを理解しよう
花木の剪定で最も重要なのは、花芽(はなめ)と葉芽(はめ)を正しく見分けることです。この2つを混同すると、大切な花芽を切り落としてしまい、翌年の開花に影響します。
花芽の特徴:
- 大きくぷっくりと丸みを帯びた形状
- 葉芽に比べて明らかにサイズが大きい
- 短い枝(短果枝)の先端や葉の付け根にできやすい
- 触ると硬く、しっかりとした感触がある
葉芽の特徴:
- 小さく細長い先のとがった形状
- 花芽よりも一回り以上小さい
- 長い枝にも均等に並んでつく
- やや柔らかく、平たい印象がある
見分けるコツは、冬の落葉期に枝をよく観察することです。葉が落ちた状態では芽の形状がはっきり確認でき、花芽と葉芽の違いが一目瞭然になります。特にウメやサクラなどの落葉花木では、冬季の芽の観察が翌春の花つきを左右する重要なポイントです。
旧枝咲きと新枝咲きの違い
花木を剪定する前に必ず知っておきたいのが、旧枝咲き(きゅうしざき)と新枝咲き(しんしざき)の違いです。この分類を理解することで、最適な剪定時期を判断できます。

旧枝咲きの花木
前年に伸びた枝(旧枝)に花芽をつけ、翌年の春に開花するタイプです。花芽分化は主に夏から秋にかけて行われます。
代表的な旧枝咲きの花木:
| 樹種 | 開花時期 | 剪定適期 | 花芽分化時期 |
|---|---|---|---|
| ウメ | 2〜3月 | 花後すぐ(3〜4月) | 7〜8月 |
| サクラ | 3〜4月 | 花後すぐ(5月) | 7〜8月 |
| ツツジ | 4〜5月 | 花後すぐ(5〜6月) | 6〜7月 |
| モクレン | 3〜4月 | 花後すぐ(4〜5月) | 7〜8月 |
| ジンチョウゲ | 3〜4月 | 花後すぐ(4月) | 8〜9月 |
| ハナミズキ | 4〜5月 | 花後(5〜6月) | 7〜8月 |
| ライラック | 4〜5月 | 花後すぐ(5〜6月) | 7〜8月 |
| アジサイ | 6〜7月 | 花後すぐ(7〜8月) | 9〜10月 |
旧枝咲きの花木は、花が咲き終わった後すぐに剪定するのが鉄則です。花芽分化が始まる前に剪定を完了させないと、翌年の花芽ごと切り落とすことになります。
新枝咲きの花木
その年に伸びた新しい枝に花芽をつけて開花するタイプです。冬から早春にかけて剪定しても、新しく伸びた枝に花がつくため、剪定時期の自由度が高いのが特徴です。
代表的な新枝咲きの花木:
- サルスベリ(百日紅)
- ムクゲ
- ノウゼンカズラ
- フヨウ
- ブッドレア
新枝咲きの花木は、冬の落葉期(12〜2月)に思い切った剪定が可能です。この時期にしっかり剪定することで、春に力強い新枝が伸び、たくさんの花を咲かせます。
花木の剪定に必要な道具と選び方
花木を適切に剪定するには、枝の太さや用途に合った道具を揃えることが大切です。詳しい道具の選び方は剪定の基本知識と道具の種類・選び方でも解説していますが、ここでは花木剪定に特に必要な道具を紹介します。
基本の剪定道具:
| 道具 | 用途 | 対応する枝の太さ |
|---|---|---|
| 剪定バサミ | 細い枝の切断 | 〜15mm |
| 刈込バサミ | 生垣や表面の刈り込み | 〜10mm |
| 剪定ノコギリ | 太い枝の切断 | 15mm以上 |
| 高枝切りバサミ | 高所の枝の剪定 | 〜20mm |
| 植木バサミ | 細かい仕上げ作業 | 〜8mm |
道具のメンテナンスも重要です。切れ味の悪い道具で剪定すると枝の断面が潰れ、病原菌が侵入しやすくなります。使用後は汚れを拭き取り、定期的に刃を研ぐようにしましょう。詳しいメンテナンス方法は剪定バサミとノコギリの正しい手入れ方法をご参照ください。
花芽を残す剪定テクニック
花木の剪定で最も大切なのは、花芽を残しながら不要な枝を取り除くことです。以下のテクニックを実践すれば、翌年も美しい花を楽しめます。

すかし剪定(間引き剪定)
花木に最も適した基本の剪定方法です。枝の分岐点(つけ根)から不要な枝を切り取ることで、樹冠内部に光と風を通し、花芽の発達を促します。
すかし剪定の手順:
- 枯れ枝・病気の枝を最優先で取り除く
- 内側に向かって伸びる枝(内向き枝)を切る
- 交差している枝の片方を取り除く
- 平行に並んで伸びる枝(並行枝)を整理する
- 徒長枝(勢いよく真上に伸びた枝)を根元から切る
重要なのは、花芽がついている短い枝を残すことです。短果枝や花束状短枝(はなたばじょうたんし)には花芽が集中しているため、これらを温存しましょう。
切り戻し剪定
枝の途中で切って、樹形を小さくまとめる方法です。花木の場合は、必ず花芽の位置を確認してから切る場所を決めます。
切り戻しのポイント:
- 花芽の約6mm上を、外芽に向かって斜めに切る
- 切り口が大きくなりすぎないよう、太い枝は避ける
- 旧枝咲きの花木は花後すぐに実施する
強剪定と弱剪定の使い分けを理解しておくと、樹勢に合わせた適切な剪定が可能になります。
代表的な花木16種の剪定カレンダー
花木は種類によって剪定の適期が異なります。代表的な花木の剪定時期をカレンダー形式でまとめました。詳しくは庭木の剪定時期一覧:樹種別カレンダーもあわせてご覧ください。
春咲き花木(旧枝咲き):花後すぐに剪定
- ウメ(2〜3月開花) → 3〜4月に剪定。夏以降は花芽がついているため強い剪定は避ける
- サクラ(3〜4月開花) → 5月に軽い剪定。太い枝の切断は12月が適期
- ツツジ・サツキ(4〜6月開花) → 花後すぐ、遅くとも6月中に完了する
- フジ(4〜5月開花) → つるの整理は冬、花後に花がら摘みと軽い剪定
夏〜秋咲き花木(新枝咲き):冬に剪定
- サルスベリ(7〜9月開花) → 12〜3月に強剪定可能。前年枝を2〜3芽残して切る
- ムクゲ(7〜9月開花) → 12〜3月に剪定。新枝咲きなので冬の強剪定OK
- キンモクセイ(9〜10月開花) → 花後11月または3〜4月に軽い剪定
花木剪定でよくある失敗と対策
花木の剪定で起こりがちな失敗パターンを知っておくことで、同じミスを防ぐことができます。夏の剪定でやってはいけない注意点も参考にしてください。

失敗1:剪定時期を間違える
症状: 翌年の花が全く咲かない、または極端に少ない
原因: 旧枝咲きの花木を花芽分化後に強く剪定した
対策: 花木ごとの花芽分化時期を把握し、それまでに剪定を終える。花芽分化をふまえた剪定時期の一覧表を確認するとよい
失敗2:花芽と葉芽を間違えて切る
症状: 一部の枝だけ花が咲かない
原因: 花芽がついた短い枝を不要と判断して切り落とした
対策: 冬の落葉期にしっかり芽を観察し、大きくふっくらした芽(花芽)を残す
失敗3:強剪定しすぎる
症状: 翌年に徒長枝ばかり出て花が咲かない
原因: 一度に多くの枝を切りすぎた
対策: 全体の枝の1/3以上は切らないようにする。樹勢が強い場合でも段階的に整えることが重要
失敗4:切り口の処理を怠る
症状: 切り口から腐朽菌が侵入し、枝枯れが広がる
原因: 太い枝の切断後に癒合剤を塗らなかった
対策: 直径2cm以上の切り口には必ず癒合剤(トップジンMペーストなど)を塗布する。詳しくは剪定後の切り口の処理と癒合促進方法を参照
季節別の花木管理ポイント
花木の管理は剪定だけではありません。一年を通じた適切な管理が、美しい花を咲かせる秘訣です。庭木の剪定時期と基本的なコツも参考にしながら、季節ごとのポイントを押さえましょう。
春(3〜5月):
- 春咲き花木の花がら摘みと花後剪定を実施
- 新芽の成長を確認し、不要な芽かきを行う
- 病害虫の発生をチェックし、早期対処する
夏(6〜8月):
- 徒長枝の軽い整理(強い剪定は避ける)
- 花芽分化期なので、枝を切りすぎないよう注意
- 水やりと肥料管理で樹勢を維持する
秋(9〜11月):
- 秋咲き花木の花がら摘み
- 落葉の清掃と病害虫予防
- 冬の剪定計画を立てる(樹形の観察)
冬(12〜2月):
- 落葉樹の骨格剪定に最適な時期。落葉樹の冬剪定ガイドも参考に
- 花芽の位置を確認しながら不要枝を整理
- 常緑樹の剪定は3月以降に行う
まとめ:花木の剪定は花芽の理解から始まる
花木の剪定を成功させるためのポイントをまとめます。
- 花芽と葉芽を見分ける力をつける — 大きく丸い芽が花芽、細く小さい芽が葉芽
- 旧枝咲きか新枝咲きかを確認する — 旧枝咲きは花後すぐ、新枝咲きは冬に剪定
- 花芽分化の時期を把握する — 多くの花木は夏から秋にかけて花芽をつくる
- すかし剪定を基本とする — 枝の分岐点から不要枝を取り除き、光と風を通す
- 切り口の処理を忘れない — 太い枝は癒合剤で保護する
花木の剪定は一見難しそうですが、花芽と葉芽の違いを理解し、樹種ごとの特性を知ることで、誰でも適切な剪定ができるようになります。剪定・整枝の技術完全ガイドも活用しながら、花あふれる庭づくりを目指しましょう。





