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園芸用語

バチルス・チューリンゲンシス

別名: BT菌 / B.t.菌 / Bacillus thuringiensis / BT剤

チョウ目幼虫などに効く土壌細菌。BT剤として野菜・花の生物農薬に使われる。

定義

バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis、BT菌)は、土壌などの環境中に見られる芽胞形成細菌です。一部の系統は、特定の昆虫に作用する結晶性タンパク質などをつくり、その性質が微生物由来の殺虫剤であるBT剤に利用されています。感受性のある幼虫が有効成分を食べると、成分が腸内で働いて摂食停止や致死につながります。虫体へ付着するだけで直ちに効く接触剤ではなく、対象幼虫による摂取が効果の前提です。

主な特徴

  • 効果を受ける昆虫の範囲は、BT菌の系統や製品に含まれるタンパク質によって異なります。チョウ目幼虫向け、特定の甲虫目幼虫向け、ハエ目幼虫向けなどがあるため、「BT」と書かれているだけであらゆる害虫に効くわけではありません。
  • 幼虫が葉を食べる場所へ薬液が届いていることが重要です。食害部や葉裏を含めて表示どおりに処理し、まだ摂食量が少なく防除しやすい若齢幼虫の段階で使うのが一般的です。
  • 摂食してから作用するため、散布直後に虫が落下しなくても直ちに失敗とは限りません。一方、成虫、卵、対象外の幼虫には期待した効果が得られないことがあります。
  • 紫外線や降雨などによって葉面の有効成分が減少し得ます。残効や再散布の間隔を一律に決めず、天候と食害の推移を見ながら製品ラベルの使用回数・間隔を守ります。
  • 標的が比較的限られることは生物的防除に組み込みやすい利点ですが、すべての非標的生物に無条件で無害という意味ではありません。対象作物、害虫、使用時期、安全上の注意を確認して扱います。

園芸での防除判断と使い方

BT剤を選ぶ前に、葉を食べている虫の種類と成長段階を確認します。食痕だけで判断せず、葉裏や株元を観察し、幼虫を見つけます。製品ラベルに栽培植物と対象害虫の組み合わせが記載されているかを確かめ、該当しなければ別の害虫防除手段を選びます。同じBT剤という分類でも対象が違うため、他製品の適用や希釈倍率を流用してはいけません。

使用時は指定濃度で必要量だけを調製し、幼虫が摂食する葉面をむらなく覆います。雨の直前や強い日射が続く条件では効果を保ちにくいことがあるため、ラベルの注意と天気を確認します。処理後は生きている虫の数だけでなく、新しい食害が止まったかを観察し、必要な追加処理は表示の範囲で行います。大きく育った幼虫を先に捕殺し、被覆資材で成虫の産卵を減らすなど、物理的手段と組み合わせると、BT剤だけへ依存しない管理になります。食用作物では収穫前日数や使用回数を含む最新の登録内容を必ず製品表示で確認します。