園芸用語
ナツヅタ
別名: ツタ / ボストンアイビー / Parthenocissus tricuspidata / Boston ivy
巻きひげ先端の付着盤で壁面へ自着する、ブドウ科ツタ属の落葉性つる植物です。
ナツヅタ
定義
ナツヅタ(Parthenocissus tricuspidata)は、ブドウ科ツタ属の落葉性つる植物です。葉の反対側から伸びる巻きひげの先端に付着盤をつくり、壁や樹皮などの支持面へ自着します。英語ではBoston ivyまたはJapanese creeperと呼ばれます。
壁へ付着する器官
- 巻きひげ:葉が変形した細い器官で、先端に付着盤を形成します。
- 付着盤:吸引する吸盤ではなく、粘質物質と表面の凹凸への物理的なかみ合いで固定されます。
- 木質化した跡:付着後の器官は緑色から褐色へ変わり、つるを取り除いた後も壁面へ残ることがあります。
千葉大学園芸学部の研究要旨では、指状の付着盤細胞が素材表面の凹所へ入り込むこと、凹所の大きさや形が付着力を左右することが示されています。したがって、付着の強さは植物だけでなく、壁面の粗さや状態にも左右されます。
生長と管理上の特徴
オハイオ州立大学の植物資料では、ナツヅタは石、れんが、木材、樹皮などへ付着盤で固定しながら登り、定着後は生長が速いとされています。窓や扉、スクリーンへ届くと一季のうちに覆う可能性があるため、建物で使う場合は範囲を決めた剪定が必要です。
壁面緑化に使える一方、ひび、目地、屋根まわりへ新梢が入り込む場所には向きません。既存の劣化を隠しやすいこと、撤去後に付着盤が残りやすいことも含めて、支持面と管理動線を先に確認する植物です。