園芸用語
ノイバラ
別名: 野茨 / 野薔薇 / ロサ・ムルティフローラ / Rosa multiflora / multiflora rose
東アジア原産のバラ科バラ属の野生種で、房咲きの白花と旺盛な生育を持ち、接ぎ木バラの台木にも利用されます。
定義
ノイバラ(Rosa multiflora)は、中国・日本・朝鮮半島を含む東アジアに自生する、バラ科バラ属の落葉性低木です。長い枝を弓なりに伸ばし、初夏に小さな白花を多数まとめて咲かせます。園芸では観賞用の野生種としてだけでなく、栽培品種を接ぐ台木としても利用されます。
見分ける要点
| 部位 | 主な特徴 | 観察の要点 |
|---|---|---|
| 葉 | 羽状複葉 | 葉柄の基部に房状の切れ込みを持つ托葉があります。 |
| 花 | 白色または淡桃色の小輪 | 大きな花序に多数まとまって咲きます。 |
| 果実 | 赤色から紫色の偽果 | 小型の実が冬まで残る場合があります。 |
| 枝 | 長く弓なりに伸びる | 野生型には反り返る刺があり、刺なし系統も選抜されています。 |
ノイバラとテリハノイバラなどの近縁種は、花だけでなく葉の光沢、托葉、枝の伸び方を合わせて見分けます。園芸用の台木には扱いやすい刺なし系統が使われますが、すべてのノイバラが刺なしという意味ではありません。
台木としての役割
ノイバラは生育が旺盛で、芽接ぎを行いやすいことからバラ苗の台木に用いられます。台木の根と株元へ、育てたい品種の芽や穂木を接ぐことで、一株の中に台木と園芸品種の二つの性質が共存します。研究では、台木の太さによって得られる苗の品質や根系の発達に差が出る一方、穂木の太さが活着率を左右しない例も報告されています。
庭で扱うときの注意
ノイバラは種子だけでなく、地面に触れた長い枝の先が発根して広がることがあります。接ぎ木苗では、接ぎ目より下から出る台芽を放置すると、園芸品種より勢いよく育つ場合があります。観賞目的で育てるなら、実を残す範囲、枝が接地する範囲、株元から出る芽を定期的に確認します。