生垣の刈り込み方法と美しく保つコツ
2026年2月6日

生垣の刈り込み方法を初心者向けに徹底解説。プロも実践する台形刈り込みや水糸テクニック、樹種別のポイント、電動トリマーの使い方まで網羅。年に2回の手入れで一年中美しい生垣を維持するコツをわかりやすくお伝えします。
生垣の刈り込み方法と美しく保つコツ
庭の外構として人気の生垣は、目隠しや防風だけでなく、季節の移ろいを楽しめる緑のフェンスとして多くの家庭で活用されています。しかし、定期的な刈り込みを怠ると、見た目が乱れるだけでなく、生垣の健康にも悪影響を与えてしまいます。この記事では、初心者でもプロ並みの仕上がりを実現できる生垣の刈り込み方法を、道具選びから実践テクニックまで詳しく解説します。正しい剪定の基本知識を身につけて、一年中美しい生垣を維持しましょう。
生垣の刈り込みに適した時期と回数
生垣を美しく保つために最も重要なのが、適切な時期に刈り込みを行うことです。植物の種類によって最適な剪定時期は異なるため、まず自宅の生垣がどの種類に該当するかを確認しましょう。
| 樹種の種類 | 最適な刈り込み時期 | 推奨回数 | 代表的な樹種 |
|---|---|---|---|
| 常緑針葉樹 | 春~初夏(4月~6月) | 年2~3回 | カイヅカイブキ、コニファー、サワラ |
| 常緑広葉樹 | 6~7月・9~11月 | 年2回 | ベニカナメモチ、サザンカ、ツバキ |
| 落葉広葉樹 | 9月~11月(落葉後) | 年1~2回 | ドウダンツツジ、ウツギ、ニシキギ |
| 花が咲く生垣 | 花後すぐ | 年1~2回 | サザンカ、アベリア、プリペット |
真冬(12月~2月)と真夏(7月下旬~8月)の強い刈り込みは厳禁です。真冬は植物が休眠中のため回復力が弱く、真夏は高温ストレスと重なって枯れる原因になります。庭木の剪定時期一覧も参考にしながら、樹種に合ったスケジュールを組みましょう。
一般的な常緑樹の生垣では、1回目を6月下旬~7月上旬、2回目を9月~10月に行うのが理想的です。年に2~3回こまめに刈り込むことで、密度の高い美しい生垣を維持できます。
刈り込みに必要な道具と選び方
美しい仕上がりを実現するためには、適切な道具を揃えることが大切です。最低限必要なものから、効率を上げる電動工具まで、用途に応じて選びましょう。

必須の道具
- 刈り込みバサミ:生垣全体を広い範囲で均一に刈り込むための基本道具。刃渡り15~18cm程度のものが使いやすい
- 剪定バサミ:太い枝や細かい部分の処理に使用。バイパス式は生きた枝に、アンビル式は枯れ枝に適しています
- 剪定ノコギリ:直径2cm以上の太い枝を切る際に必要
あると便利な道具
- 電動ヘッジトリマー(バリカン):広い範囲を短時間で刈り込める。コード式・充電式・エンジン式があり、家庭用には充電式が取り回しやすく人気です
- 水糸(ガイドライン):まっすぐに刈り込むための必須アイテム
- 脚立:高い生垣に必要。安定した三脚タイプがおすすめ
- ブルーシート:刈り込んだ枝葉の回収に便利
剪定バサミの種類と選び方やガーデニングの基本道具も併せてチェックして、自分の生垣に合った道具を選びましょう。道具の正しい手入れ方法を知っておくことも、切れ味を保ち美しい仕上がりを長く維持するために重要です。
生垣の刈り込み手順:基本の5ステップ
生垣の刈り込みは、正しい手順を守ることで初心者でもきれいに仕上がります。以下の5つのステップを順番に実行しましょう。

ステップ1:太い枝と飛び出した枝を切る
まず、生垣のラインから大きくはみ出している枝や、極端に太くなった枝を剪定バサミやノコギリで処理します。この段階では、大まかな形を整えることが目的です。
ステップ2:側面を下から上へ刈り込む
刈り込みバサミまたは電動トリマーを使い、必ず下から上に向かって刈り込みます。上から始めると、切った枝がまだ刈り込んでいない部分に落ちて邪魔になるためです。
プロのテクニック:台形に刈り込む
ここで最も重要なのが、側面をわずかに斜めに刈り込んで台形(テーパー形)にすることです。上辺を狭く、底辺を広くすることで、生垣全体に日光が均一に当たり、下部の葉が枯れるのを防ぎます。目安として、上部は下部より片側5~10cm程度狭くするとバランスが良くなります。
ステップ3:上面を平らに刈り込む
側面が整ったら、上面を水平に刈り込みます。ここで水糸が大きな差を生みます。生垣の両端に支柱を立て、仕上がりの高さに合わせて糸をピンと張りましょう。この糸をガイドにすることで、プロのようにまっすぐで美しいラインが実現できます。
ステップ4:枝を透かす
内部の込み合った枝を適度に間引きます。風通しが良くなることで、病害虫の発生を予防できるだけでなく、内側の枝にも光が届いて健康的な生垣になります。
ステップ5:角を取って仕上げる
最後に、上面と側面の角を軽く丸めます。角が尖ったままだと枝が折れやすく、見た目も堅い印象になります。わずかに角を落とすだけで、自然で柔らかな印象に仕上がります。
電動ヘッジトリマー(バリカン)の使い方と注意点
長い生垣を効率よく刈り込むには、電動ヘッジトリマーが非常に便利です。ただし、正しい使い方を知らないと、仕上がりが悪くなるだけでなく事故にもつながります。
基本的な使い方
- 刃の向きを確認:トリマーの刃を生垣の面に対して平行に保ちます
- 弧を描くように動かす:一方向に直線的に動かすのではなく、緩やかな弧を描くように動かすと均一に刈れます
- 一度に切りすぎない:1回の刈り込みで切る量は5cm以内を目安にしましょう
- 上面は手前から奥へ:上面を刈り込む際は、手前から奥に向かってトリマーを動かします
安全上の注意点
- 必ず保護メガネ・手袋・長袖を着用する
- コード式の場合はコードを肩にかけて作業し、巻き込みを防止する
- 雨天や濡れた状態では使用しない
- 刃に直接触れないよう注意し、使用後は必ず清掃する
ガーデニング作業の安全対策についても事前に確認しておくことをおすすめします。
生垣を美しく保つプロの裏ワザ
プロの庭師が実践している、生垣の仕上がりを格段にアップさせるコツをご紹介します。

水糸を使ったガイドライン
プロとアマチュアの仕上がりの最大の違いは、水糸(ガイドライン)を使っているかどうかです。水糸を張ることで、長い生垣でもまっすぐで均一な仕上がりが実現できます。
水糸の張り方:
- 生垣の両端に支柱を立てる
- 仕上がりの高さに合わせて糸を張る
- 側面のラインにも糸を張る
- 糸に沿って刈り込みを行う
刈り込みバサミの正しい使い方
刈り込みバサミは利き手ではない方の手を動かすのがポイントです。利き手を固定して軸にすることで、切り口がまっすぐになり、均一で美しい面が作れます。これは意外と知られていないテクニックですが、プロの庭師は必ず実践しています。
芽を傷つけない切り方
枝を切る際は、芽から3~5mm上の位置で切るのが理想的です。芽の真上で切ると芽を傷つけてしまい、芽から離れすぎると枯れ込みの原因になります。この微妙な距離感が、生垣の健全な再生を促します。
刈り込み後のケア
刈り込み後は、以下のケアを行うと回復が早まります:
- 切り口の消毒:太い枝の切り口には癒合剤を塗布する(剪定後の切り口処理を参照)
- 水やり:刈り込み後はたっぷりと水を与える
- 追肥:回復を促すため、緩効性肥料を施す(肥料の基本知識を参照)
- 切り枝の清掃:病気の原因となるため、切り落とした枝葉はしっかり回収する
樹種別の刈り込みポイント
生垣に使われる樹種によって、刈り込みの方法やコツが異なります。代表的な樹種の特徴と注意点をまとめました。

| 樹種 | 刈り込み適期 | 強い刈り込み | 特徴・ポイント |
|---|---|---|---|
| ベニカナメモチ(レッドロビン) | 6月・9月 | ○ 耐える | 新芽の赤が美しい。春の新芽後が最適 |
| カイヅカイブキ | 5月~6月 | × 注意 | 強剪定すると先祖返りして杉葉に変わる |
| サザンカ | 花後(3月~4月) | ○ 耐える | 花を楽しんでから刈り込む |
| ツゲ(ボックスウッド) | 6月・9月 | ○ 耐える | 細かい葉で密な生垣になる |
| プリペット | 5月~10月 | ○ 耐える | 成長が早いため年3回の刈り込みが必要 |
| ドウダンツツジ | 花後(5月~6月) | △ やや注意 | 紅葉も楽しめる落葉性の生垣 |
| マサキ | 6月・9月 | ○ 耐える | 斑入り品種は明るい印象 |
| イヌマキ | 5月~6月 | ○ 耐える | 和風の庭に合う定番樹種 |
特にカイヅカイブキは注意が必要です。強剪定と弱剪定の違いを理解し、古い枝まで切り込みすぎないようにしましょう。先祖返りして杉のようなトゲトゲした葉が出てしまうと、元に戻すのは非常に困難です。
荒れた生垣の立て直し方
数年間手入れをしなかった生垣は、枝が暴れて形が崩れ、内部がスカスカになっていることがあります。そのような場合は、「3年ルール」で段階的に再生させましょう。
3年ルールとは
荒れた生垣を一度に強く切り詰めると、枝枯れや最悪の場合は樹木全体が枯死するリスクがあります。そこで、RHS(英国王立園芸協会)が推奨する方法では、毎年古い枝の1/3ずつを更新していきます。
再生の手順:
- 1年目:片側だけを強く切り詰め、反対側は軽く整える程度にする
- 2年目:1年目に切った側の回復を確認してから、もう片方を切り詰める
- 3年目:全体のバランスを整え、通常の管理サイクルに戻す
この方法であれば、生垣の機能を維持しながら、少しずつ若返らせることができます。常緑樹の剪定タイミングや落葉樹の冬剪定ガイドも参考にして、樹種に合った再生プランを立ててください。
生垣の刈り込みでよくある失敗と対策
初心者がやりがちな失敗とその対策を知っておくことで、トラブルを未然に防げます。
失敗1:一度に切りすぎる
問題:生垣が伸びすぎてから一気に刈り込むと、葉のない枝だけが残って見栄えが悪くなる
対策:こまめに少しずつ刈り込む習慣をつける。一度の刈り込みでは新しい葉が残る範囲にとどめる
失敗2:上下の幅が同じ(逆台形になる)
問題:上部が広がり下部が日陰になって、根元から枯れ上がる
対策:必ず台形(上が狭く下が広い)を意識して刈り込む
失敗3:真夏や真冬に刈り込む
問題:樹木にストレスがかかり、枝枯れや枯死の原因になる
対策:夏の剪定の注意点を確認し、適切な時期に行う
失敗4:道具の手入れを怠る
問題:切れない刃で無理に切ると、枝が潰れて病気の原因になる
対策:使用前後に刃を清掃し、定期的に研ぐ。剪定バサミの手入れ方法を参考に
失敗5:内部の透かしを怠る
問題:枝が込み合い、病害虫が発生しやすくなる
対策:刈り込みと併せて、年に1回は内部の枝を透かす作業を行う
まとめ:年間スケジュールで生垣を美しく管理しよう
生垣の刈り込みは、正しい時期に、正しい方法で、定期的に行うことが美しさを保つ最大のコツです。
生垣管理の年間スケジュール(常緑樹の場合):
- 3月~4月:冬の間に傷んだ枝の整理、追肥
- 6月下旬~7月上旬:1回目の刈り込み(春の新芽が伸びた後)
- 9月~10月:2回目の刈り込み(秋の成長が落ち着いた頃)
- 11月~12月:軽い整理程度。強い刈り込みは避ける
初心者の方は、まずは基本の5ステップを意識し、水糸を使ったガイドラインの設定から始めてみてください。道具を正しく使い、台形を意識して刈り込むだけで、見違えるほどきれいな仕上がりになります。プロの剪定テクニックを学びながら、自分の庭の生垣を美しく育てていきましょう。





