園芸用語
カルス
別名: 癒傷組織 / 癒合組織 / 植物カルス / plant callus
植物が切断や傷害への応答として形成する未分化な細胞の塊で、傷口の閉鎖や接ぎ木の再接着に関わります。
定義
カルスとは、植物が器官の切断や傷害、ホルモン処理などの刺激に応答して形成する未分化な細胞の塊です。剪定傷の周縁で生じる新しい組織や、接ぎ木で接合部が再びつながる過程に関わります。動物の傷が元の組織へ戻る現象と同じ意味ではなく、植物では傷んだ領域を囲み、閉鎖する反応の一部として捉えます。
形成に関わる要素
- 形成層周辺の生きた細胞:切り口の縁から新しい組織を作る基盤になります。
- 植物ホルモン:オーキシンなどの分布が、細胞分裂や再生遺伝子の働きに影響します。
- 樹勢と環境:樹種、樹齢、健康状態、土壌の排水性や養分条件により閉鎖速度が変わります。
- 傷の大きさ:小さな切断面は、大きな切断面より周囲の組織で覆いやすい傾向があります。
剪定傷での見方
切り口の縁から盛り上がる組織が広がっていれば、閉鎖反応が進んでいる目安になります。ただし、表面が覆われることと、内部の木部が元通りになることは同じではありません。切断面の中央に変色や軟化が広がる、キノコが出る、周囲の樹皮が剥がれる場合は、カルスの見た目だけで安全と判断せず、樹木管理の専門家へ相談します。