園芸用語
広食性捕食者
別名: ジェネラリスト捕食者 / 広食性天敵 / generalist predator
特定の一種に限定せず、捕らえられる複数種の獲物を食べる捕食者です。
広食性捕食者
定義
広食性捕食者とは、特定の害虫だけに限定せず、大きさ、動き、遭遇場所などの条件が合う複数種の獲物を捕食する生物です。カマキリのように幅広い昆虫を捕らえる種類は、害虫を減らす一方で、送粉者やほかの天敵も捕食することがあります。「広食性」は何でも無差別に食べるという意味ではなく、口器、体格、活動時間、探索する場所による選択範囲があります。したがって、庭で益虫として扱えるかは、捕食者の種類だけでなく、対象害虫と遭遇する条件から判断します。
主な特徴
広食性捕食者は複数種の獲物を利用できるため、目的の害虫が少ない時期にも別の餌で生き残れる場合があります。一方で害虫だけを選別しないので、個体数が多くても目的害虫への防除効果を単純には予測できません。獲物の大きさと生息場所、捕食者と獲物が活動する時間の重なりが、捕食の成立に影響します。特定の一種へ強く依存する狭食性の天敵とは、餌不足への耐え方と非標的生物への影響という二つの軸で区別できます。
害虫抑制での役割
広食性捕食者は、害虫が大発生してから一気に除去する手段というより、平常時から複数の小型動物を捕らえて増加を緩やかにする働きを担います。たとえばアブラムシが見つかっても、葉上や地表など捕食者が探索しない場所に群落があれば、存在するだけでは十分な抑制になりません。被害株、害虫数、新しい食害の有無を同じ条件で見比べ、捕食者の存在と被害の変化を別々に記録することが重要です。
活用シーン
庭では広食性捕食者を排除せず、自然に存在する個体を保全する方法が向いています。ただし、特定害虫の専門的な防除資材として数を増やす場合は、非標的昆虫への影響も考えます。カマキリがいるだけで被害確認を止めず、対象害虫の居場所と植物の状態を継続して観察します。生物的防除の一要素として位置づけ、捕食だけでなく、被害部の除去、栽培環境の修正、必要に応じた物理的防除と組み合わせます。
保全と評価の判断
落ち葉層、低い草本、樹木の枝葉など高さの異なる隠れ場所を一部残すと、捕食者が休息し探索できる空間を確保できます。ただし、隠れ場所を増やすことが過湿や病害を招く場所では、植物の風通しを優先し、庭全体ではなく区画ごとに管理します。薬剤を使う場合は対象と時期を絞り、捕食者や送粉者が活動する場所への不要な散布を避けます。効果判定では捕食者の数ではなく、対象害虫の増減、植物の新しい被害、非標的生物の変化を合わせて確認します。